「……ここかぁ」
平日の昼、俺はとある中学校へと足を運ぶ事にした――
京都“永劫中学”、奈良からは少し遠いが車でならまあ通えなくは無い微妙な位置にある中学校である。
ここに俺が求める男――、いや……こいつが居ないと話にならないであろうという人物に会いに来たのである。
彼の協力が無ければ絶対山塚には勝てない……多分二人を救出することも出来ないだろうと思われるであろう。
俺は早速来校者用の玄関から校内へと入る事にした。
「えぇと、つまり生徒の呼び出しをすればよろしいのですね?」
「はい!大至急!」
俺は担当の先生に事情を話し大至急生徒を呼んでもらう、
別に大至急で急ぐ必要性があったかどうかは別として、校内アナウンスが流れる――
『え~、生徒の呼び出しです。
2年E組“
小野瀬三幅”君、2年E組“小野瀬三幅”君、
至急職員室まで来てください』
オイ!コラ!大至急の“大”忘れてんじゃねぇか!
と心の中で愚痴りつつ待つこと1分、放送を駆けつけた三幅君が急いで駆けつけてくれた。
それも職員室に入る際にとんでもない大声を出しながら。
「すません! 女子トイレと男子トイレを隔てる壁を全て壊したの俺です!すみませんでしたっ!」
「何ィ~!? マジGJ!覗ける!」
おいおい……嘘だろ、こいつらなんて会話をしてやがる……
公共の場を壊すってのがどれだけヤバイことかしらねぇのか?、三幅君。
ってか教員よ、あんたもそれでいいのか……
まあ後で両方ともお尻叩き20回してやる。
そんな事よりも俺は彼に重要なことを伝えにきたのだ、こんなことを考えている暇などは無い。
俺は三幅君にゆっくりと近づいて話しかける。
「何のために壁を壊したんだ?」
……やべぇ、もうつっこんでる暇無いのになんて質問してしまったんだ、
すると三幅君は恐らく心からの一言であろう言葉を言い放った。
「壁の先にロマンがある!乗り越える事ができないなら壊せばどんな壁があろうともまっすぐ進めるんだ!」
「!?――よーし、気に入った!ついてこい!」
「あっ!?こらーーー、三幅君帰るんじゃない!!」
なんとなくノリで三幅君を連れて行くことになってしまった俺ら、
まあここに来た理由は俺の球を捕球できる捕手を確保する為だったし結果オーライだろ。
後に本当の理由を話すと三幅君は簡単に了承してくれた。
「おっけー、俺がはこみんさんの力になるなら手伝います!」
「ありがとう!」
俺たちは固く手を握り合いその信頼をさらに深めた。
――こうして三幅君が仲間に加わった。
その後、気合注入のため尻たたきを20回ほど行いましたとさ。
最終更新:2010年02月10日 12:30