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  • 涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki(避難所)
  • ナンパしようぜ!?

涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki(避難所)

ナンパしようぜ!?

最終更新:2020年03月13日 11:12

haruhi_vip2

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だれでも歓迎! 編集
ガタコトと電車が揺れる中、二人組の男が昇降ドアに背を預けて立っている。
片方の軽薄そうな男が、どこか頼りなさそうな男に口元をニヤニヤさせながら語りかけている。
「やっぱ夏ってやつはサイコーだぜ。男女共に開放的になる。とりあえず海に着いたら三人組くらいの女を探そうぜ」
俺の経験則によると、などと続く言葉を途中で切り「ねえ谷口?」と頼りなさそう方の男が言った。
「なんだよ国木田」とけだるそうに、谷口。
それには気付かないフリで、
「キョンは誘わなくて良かったのかい?もう田舎から帰ってきてるはずだけど」
答えは分かっていたけれど、一応聞く。

ときは高校一年目の夏休み。二人は海水浴に向かう途中なのだ。とはいえ泳ぐことが目的ではない。
あわよくば彼女をゲット!夏を、青春を、謳歌するぜ!とは谷口の談。

「ほっとけ。どうせ涼宮と一緒だろ」
その口調はなぜか険しい。
谷口とは高校に入ってからの付き合いだ。けれどお互いを理解するには十分な期間が過ぎていると国木田は思う。
──それに谷口は単純だしね。
最初はまだ涼宮ハルヒに未練でもあるのかと思っていた国木田だが、最近になってそれはどうも違うようだと気づいている。
──嫌っているわけでは無いようだけど。僕は昔の涼宮さんのことは知らないしなぁ。

とはいえ確かに4月の涼宮ハルヒは近寄り難かった。
そもそも会話が成立しない。挨拶は返さないし、クラスの女子が話しかけても「うるさい」「あっちいけ」でとりつくシマもない。
唯一積極的だった委員長の朝倉涼子も突然転校してしまった。
もっともその頃には中学からの友人であるキョンと怪しげな部活を立ち上げていたのだが。

「まったくキョンの奴も変な女に捕まっちまったもんだぜ。せっかく俺が忠告してやったってのに」
そういえばそうだった。
他の東中出身の連中はそもそも間接的でさえも関わることを避けているようだったのに。
それにしても最近は変わった、と国木田は思う。
以前と比べると明らかに感情のベクトルが違う。
世界の全てを呪っていそうだったしかめっ面もなりを潜め、随分と笑顔を見せるようになった。
もっともそれは特定の男子にのみ限ったことだっだが。
「変なクラブは作っちまうし、キョンのやつも変わってるぜ。そもそも……」
谷口はまだ喋っている。

気にせず国木田は中学の頃を思い出していた。
キョンは昔から変な女が好きだったからなぁ……そういえば中三のときだったかな?よく一緒に話してたあの子とは結局どうだったんだろう?当時は付き合ってるのかと思っていたけど、放課後に一緒に帰るだとかそんなことはなかったみたいだし。
「俺だってもっと、なぁ……美人に囲まれてキョンのやつが羨ましいぜ」谷口が何か言っているようだがスルーする。


電車が停まる。
開いたドアからは熱気を伴ってジメジメとした空気が、むぅっと入ってくる。
まるでスライムが体にまとわりついているかのような錯覚を覚える。
谷口が緑色のハンカチで額の汗を拭っている。
今日は特に暑い。目的の駅まではまだもう少し。

ふと顔を上げると、女の子二人連れの青年が乗り込んできていた。
比較的背の高い方の女の子が一方的に青年に話しかけている。小さい方の女の子はその様子を見ながらニコニコと時折うなずいている。二人とも顔が似ている。姉妹だろうか。
聞くでもなく聞こえて来る会話から、姉のデートについて来た妹、といった感じだろうとアタリをつける。
座席の方には仲の良さそうな兄妹が座っている。妹の方が舟を漕いでいるのを兄が見守っている。実に微笑ましい。
隣の谷口がそれらを恨めしそうに見ているのが目に映る。やっぱりなんか言ってる。スルーする。
国木田は視線を外に移し、景色を眺めることにした。
──谷口は男女交際にこだわり過ぎなんだよね。
谷口は彼女が出来るか出来ないかで高校生活が大きく変わる!彼女の居ない高校生活など一体なんになるのだ、と常々主張している。
国木田としても興味が無いわけではない。勿論そうなったら良いなとは思っている。だが……
──僕としてはこうやって男友達とバカやって遊ぶので今は十分だよ。

横目に見ながら国木田はまた思考を過去に飛ばす。
……彼女とは本当のところ、どうだったのだろう。
思えばそれほどキョンと親しかったわけではない。お互いの好きな子について話し合おう!とか少なくともそういう関係ではなかった。
比較的仲の良い友達ではあったけど。同じクラスのときはよく話すが、たまに一緒にゲーセンやCDショップに寄って帰ったりしたくらいだ。

2~3年くらい前だろうか?
日曜日に特にすることもないのでキョンを誘って買い物にでも行こうと、駅前のCDショップに向かっていたときのこと。
駅前の公園でなにやら泣いている少年に出くわした事があった。
少年と言っても同い年だったと思う。確か東中だと言っていた。
国木田は気にはなるけど、放っておこうと思っていた。自分の出る幕ではないと。
だがキョンは、一体どうしたのか、いいから落ち着けと必死になだめようとしていた。
──あとで聞いたところ「いつも妹を相手にしてるから」と笑っていたっけ。
とにかくそれを見て国木田はなぜか感動してしまった。
周囲の人間から注目されながら、むせび泣く少年を介抱するクラスメイト。その姿に。
国木田は目立つことが好きではない。むしろ苦手といっていい。出来ることなら地味に生きていたい。そう思っていた。なのであんな目立つ場所で注目を集めるなんてとんでもないコトなのだ。
しかし我に返った国木田は自分も少年のもとに行き、あまり使うことのない綺麗に畳まれた緑色のハンカチを出して涙を拭ってやった。なぜそうしたのかは分からない。体が勝手に動いていた、としか言い表せない。
そのときになってようやく少年は顔を上げ、差し出されたハンカチを手にとった。
「すまん」と一言。まだ鼻をぐずっていたが、それも少しの間だけだった。
少年は国木田の顔をまじまじと見つめている。
──なんだろう、おかしな顔でもしてるかな?
なんだかひどく恥ずかしい。顔が赤くなっていくのを感じる。
キョンはさっきから黙って成り行きを見守っているようだ。
「何があったの?」と誤魔化すように聞いた。
少年は少し吹っ切れた顔で「女に振られたんだ」と笑った……ように見えた。笑顔にしてはまだ少しいびつだ。
でも……なんだが眩しい笑顔だ、と国木田は思った。

「好きだったの?」とついまぬけな質問をしてしまった。そうでなければこんな所で泣いてはいないだろう。
だから少年の言葉には驚いた。
「いや、分かんねぇ。別に好きとかそういうんじゃなかったな」
「……どういうこと?」
「見栄を張りたかっただけかもな」
──よく分からないな。でもあまり突っ込まれるのも、嫌だろうし。
二人はもう少し話をしてから分かれた。
少年は帰り際の足取りが思った以上にしっかりしていた。国木田は少し心配していたが、安心した。本当に吹っ切れているようだ。


買い物の帰り道、国木田はさっきの少年の話をしようと思った。
なんだかよく分からないことを言っていたし。気になっていたのだ。
「ねぇ、キョン?彼が言ってたコト……分かった?」そういえば名前を聞くのを忘れていた。
「さあな」と特に何も考えていないという感じで答えてくれる。
国木田はあまり感動して涙を流す、という感覚が分からない。どこかでもう一人の自分が冷静に観察している、そんな印象が常につきまとっている。そのせいかは分からないが、どこか冷めていると自分でも感じている。
なのでどこか情熱的な感じだった少年がまるで異世界の住人かのように思えたのだ。
キョンもそうだ。どこかで何か不思議なことが起きるのを待っている。そんな子どものような目をしている。
「それにしても東中は進んでるよな。うちの学校なんて女子とちょっと仲が良いだけで周りは大騒ぎだぞ」とキョン。
「そうだよね」と国木田。
実際に国木田の学校では、誰と誰が付き合っているとかそういう話題があまり出ない。
男女交際に熱心な者があまり居ないのだろう。
そのせいかすこし女子と仲が良いだけで、おいおいあいつら仲良いな付き合ってんのか?ちゅーしたのか?もう手を繋いだのか?といった質問攻めに会ってしまう。興味が無いわけではないのだ。
「俺こっちだから」とキョン。もう少し何か話したかったけど、自分でも何を話したいのか分からないのでそのまま別れた。

キョンとの関係は特に何もなく、このまま今に至るまで続いている。


また電車が停まる。いつの間にか座席の兄妹は居なくなっていた。
──ちょっと考え事が過ぎたかな。
暑さのせいかもしれない。頭がぼーっとしてる。普段はこんな事考えないのに。
「……キョンのやつも嫌なら断りゃいいんだよ。いつまでもあいつのワガママに付き合ってやってるから調子に乗るんだ」
谷口はまだ喋っていた。
キョンは意外に頑固なところがある。本当に嫌なら断るはずだ。
口ではよく悪態をついているが、その口調はいつも楽しそうだ。それに、
──いつも涼宮さんの方ばかり見ているしね。
体育の時間でも暇があれば女子の方を見ているし、昼休みが終わって午後の授業が始まる少し前の時間でも、涼宮ハルヒが帰ってくるのをじっと待っている。
そんなキョンを見ていると国木田は本当に微笑ましく思うのだ。

「まぁキョンも立派な変人だぜ。あの涼宮とまともに会話が成立してるんだからよ」
谷口は黙ることを知らない。まだまだ話し足りないのか、勢いがまるで衰えない、本当に衰えない。後退のネジを外した機関車のようだ。
しかし、と国木田は思う。
さっきからキョン、キョン、キョン、と口を開けばキョンのことばかり話している。お前は涼宮さんか!
しかもあまり褒めている話ではない。普段怒ることのない国木田も段々と腹が立ってきた。
谷口に悪意が無いのは分かっている。だが友達を貶められているようで、良い気分になろうはずもない。
ガツンと言ってやろうと国木田が口を開いた。出来るだけゆっくりと話す。
「言い過ぎだよ谷口、そんなにキョンが気に入らないのかい?」
谷口は軽く驚いている。谷口はアホだ。自身もある程度分かっている。だけど友人が本当に怒っているかどうかくらいは分かる。
何かを考え込むようにしてついに谷口はその口を黙らした。

黙り込んでしまった谷口を見て、国木田はふいにとんでもないことを思いついてしまった。
……ひょっとして谷口は、『涼宮さんに』嫉妬しているんじゃないか、と。
まさか!と思う。しかし一度浮上してしまった考えはなかなか沈ませることが出来ない。頭上に嵐が吹き荒れたかのような不安感に襲われる。
そういう趣味を持った人がいるのは知っているけど、まさか、本当に、谷口が……?
──なんてね。そんな事あるわけない。
谷口は常日頃から彼女が欲しい、彼女が欲しいと言っているし、実際何人かナンパしてメル友にしているくらいだ。自己申告なので真偽の程は分からないけど。
──まったく僕は何を考えているんだ。
と国木田が人知れず胸をなで下ろしていると、谷口がとんでもないことを言い出した。
「俺はキョンが心配なんだよ」
──な、ナニが心配なんだ!?
またもや国木田の頭上に嵐が吹き荒れた。

随分マヌケな顔をしていたのだろう。谷口は渋い顔をしている。「変な意味じゃねーよ」と谷口。
国木田の心配を知ってか知らずか、真剣な口調で話し始めた。
「俺は昔涼宮に振られたことがあるんだ」
雰囲気が急に真面目になる。国木田は谷口には似合わないな、と感じながらも黙って続きを促す。
「以前に話したと思うけどよ、涼宮と付き合っていた男は長くて一週間。短くて、」
「……5分だっけ?」
特に気にも止めずに谷口は続ける。
「そうだ。実はその両方が俺なんだよ。」


あれはいつだったかな……まあ日曜なのは間違いない。俺はその日、暇だったから駅前の方をうろついていたんだ。
そしたらそこで涼宮が男を振ってる場面に出くわしてな。「普通の人間の相手してるヒマはないの」てやつだ。
あいつは告白を断るってことをしないからよ。丁度いいって思った。
すぐに後を追いかけて涼宮に声を掛けたんだ。
俺と付き合ってくれってな。そしたらなんて言ったと思う?
すっげー不機嫌な声でさ「いいわよ。あんた名前は?普通名乗るもんじゃないの」って

同じクラスの谷口だよ。覚えてないのか?
「見覚えないわね」
何かを気にしてるような目線で俺をスッと睨んでくる。

これはマジで言ってると俺は確信したね。なんていうかさ俺を見る目が、本当にどうでもいい、そういう目だったよ。
俺はそれだけで萎縮しちまってさ、なんか急にそわそわしちまてっよ。
そしたら涼宮のやつ「もういいわ」ってそのまま帰っちまったんだよ!

「ちょっと待てよ、どこ行くんだよ?」
「ふぅ、あたしはね普通の人間の相手してるヒマはないの」
「な、なんだよそれ」
「じゃ帰るから。ついて来ないでよね」

信じられない。まだ5分くらいしか経ってないぜ?
なんで振られたのかさえ分からずに振られちまった。
それでも俺は諦めずになんとか喰らいついた。なんであんなに必死だったのか今ではさっぱり分かんねぇ。

「一週間待ってくれ!来週には俺が普通じゃないって証明してみせるからよ!」
「……ふぅ。いいわ。来週ね」


なんとか約束だけは取り付けた俺は、家に帰ってじっくりと作戦を練った。
でもまるで見当もつかねえ。ツラは確かにイイがよ、性格が破綻してやがるからな。
翌日の学校で涼宮に話しかけても、返事もしねぇどころか顔すら合わせねえんだから。
でもまあ、内心ではどきどきモンよ。
うちの中学、東中ではな、彼女が居るってのがスッゲー憧れの対象みたいなもんがあったんだよ。
一種のステータスってやつだ。
俺の彼女優しいんだぜ?とかすっげー可愛いんだ、とかな。

そこで涼宮だよ。
なにせ美人だし頭もいい。さらにはスポーツも万能だ。
変な行動にさえ目をつぶれば可愛い女だからよ。
しかも告白を断らない。
誰が一番長続きするか。
誰があの変な性格を直せるか、ってな。
ゲーム感覚っていうか、賭けみたいのがあったんだ。ここで上手く立ち回れりゃ、ちょっとしたヒーローだ。俺はそう思った。
そのときはまだみんな涼宮のコトを甘く見てたんだ。涼宮の変人偏屈ぶりを。

とにかく誰もまともに会話したことの無い、あの涼宮をモノにするんだ。俺はもうなんていうか、勝手に興奮が止まらなかった。
一週間掛けて色々と調べまくった。宇宙人に超能力者に未来人?とにかく普通じゃないのが好きだってんなら、デートコースはどうする?
とにかく普通じゃないもんを探そうとしたよ。でもなぁ……宇宙人とか超能力者とかどう探せば良いんだ?
たまたま近場に心霊スポットがあったから、これにするかとは思ったが。一応不思議だろ?幽霊とか信じてねーけどよ。
……段々バカらしくなってくる。俺はなにやってんだ?てな。
なんとか日曜のスケジュールを完成さして、俺はホッとしていた。
この一週間、まるで夏休みの宿題を一つもやってないのを最終日になってようやく気付いたって感じの、焦燥感というか、絶望感みたいなのが漂っていたからよ。

まぁ悪いだけじゃなかったけどな?
今まで涼宮と付き合って日曜日を二度迎えたやつはいないんだ。ちょっとした自慢だぜ。俺が一番長いってな。
で当日、日曜日がついに来た。30分前に家を出て駅前に急ぐ。
まずは宇宙人と超能力者の出る映画を見る。
そのあとファストフードで食事でもして、少し電車に乗って心霊スポットだ。
これくらいが限界だろ?

なんてーか、俺は満足してたんだな。もうデートも終わったような気分になってた。振られるにしても手くらい繋げるかも知れんってちょっと期待しながらな。
それにもしもな?もしも上手くいって教室とかで会話出来るような仲になってみろよ。
おいあいつ涼宮と会話してるぞ?あの涼宮と?すげーよ谷口、ってな。男子の羨望の的だぜ。
あぁもう想像するだけで最高にハイってやつだ。……結論から先に言うと、見事に振られたよ。例のセリフでな。映画とかも観る前、着いてすぐにだよ。

俺は追いすがったね。まだ何にも、喋ってすらいないんだぜ?ワケわかんねーよ。
「やっぱりあんた駄目。まるで駄目。もう二度と会うこともないかもね」
虫でも見るようなっていうか、凄まじく冷たい目だった。実際凍りついたかと思って気付いたときには居なくなってた。
そのとき涼宮の視線が心なしか下の方を見ていたのを思い出して、俺はさらに愕然としたんだ。
……チャックが開きっぱなしだった。

なんか急に恥ずかしいやら、悔しいやら、情けないやら、不甲斐ないやら、色々な感情が逆巻いて来て、もうどうしたらいいか分からなくなって。
……俺はその場でしゃがみ込んで泣いてしまった。
俺はこの一週間何をやっていたんだ。まるで、そう、貢ぐクンが頑張って惚れた相手に贈り物をするかのような、そんな不毛な感覚が襲ってくる。

別に好きってわけじゃ無かったんだ。
本当は俺は、美人な彼女を手に入れてみんなに自慢したかっただけだったんだ。今頃になってそれに気付いたんだ。
あの凍りつくよう目。
あれは全部見透かしていたんだ。俺の本心を。

そのままうずくまってたら、なんかお節介な連中が現れて……。
俺もなんだか泣いてスッキリしたんだな。少し話をしてすぐに別れたよ。
情けない姿だ、あんまり見せたくないって思うだろ?


国木田は黙って谷口の告白を聞いていた。
目的の駅に着き、今は海水浴場に向かっている途中だ。まだ距離がある。海はまだ見えない。
谷口がまた似合わない真面目な声で言った。
「だからキョンがもしも見てくれに騙されてるんだったらよ、俺みたいにならないようにって思ってたんだ」

そうか、と国木田は思った。
──谷口は涼宮さんに未練だとか嫉妬とかじゃない。負い目があるんだ。
女の子をモノみたいに、自分の見栄のために利用しようとした浅ましさを。それを見抜かれた情けなさを。
それらがない交ぜになって、罪悪感みたいなのを感じているのかも。……僕の考えすぎかも知れないけどさ。

国木田が顔を上げると、もう海は目の前だ。
谷口が眩しい笑顔で叫んだ。
「ナンパしようぜナンパ!」

了

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