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  • 涼宮ハルヒの追憶 chapter.4

涼宮ハルヒのSS in VIP@Wiki(避難所)

涼宮ハルヒの追憶 chapter.4

最終更新:2020年03月19日 02:10

haruhi_vip2

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だれでも歓迎! 編集
涼宮ハルヒの追憶 chapter.4

 

――age 16

 

 

 

昨晩は長門のことが気になってほとんど眠れなかった。
自分の無力感から来る情けなさと、それを認める自分に腹を立てた。
眠りについたのは午前五時を過ぎていた。

 

 

 

「キョン君! 起きて朝だよ!」

 

 

それでも朝はやってきて、最近かまってやれていない妹が日課のように起こしに来る。
睡眠時間は全く足りず、妹に抵抗する力すらでない。
妹よ、これをいつまで続けるつもりなんだ?
高校生にもなってやってきたら俺はどう対応すればいいんだ?

 

 

 

 

だらだらと学校に向かう。
アホの谷口はこういうときに役立つのだ。
シリアスではない、ハルヒに言わせれば世界で一番くだらないものを
延々と述べるだけの単純な会話。
ほぼ徹夜明けの身体に対する強烈な日差しは殺人罪を適応したいぐらいだったが、
昨日の出来事を夢だと思わせないためにはこのぐらいでちょうどいいのかもしれない。
それより俺は懸案事項を抱えていた。
どうハルヒには説明すればいいんだ?
昨日のことはハルヒに説明できることではない。
長門が消えたなんていったら、この世界を保てるものなのか?
ぐるぐると思考をめぐらせても答えは出ず、
結局何もいわないのが上策だろうと結論付けた。

 

 

 

 

 

 

教室でのハルヒはいつもと変わらなかった。
むすっとした表情をキープし、授業をただ聞き流す。
俺は授業のほとんどを睡眠に費やした。
身体は疲れていたし、なにより懸案事項を考えたくないという現実逃避でもある。
この後部室で長門に関する会議が行われると思うと、帰りたくもなった。

 

 

 

 

 

 

ダルダルな授業を終え、放課後に部室に向かう。
さて、ハルヒにはなんて言おうか。

 

 

 

 

部室に着く。
すでに朝比奈さんと古泉が待機していた。

 

 

「こんにちは」

 

 

古泉は笑顔で挨拶をした。

 

 

「こんにちわぁ」

 

 

これは朝比奈さん。やっと朝比奈さんの笑顔で癒されることができた。
昨日は気が動転していて、朝比奈さんの天使スマイルを無視していたからな。
俺が椅子に座ると、

 

 

「では、涼宮さんが来るまで少しお話でもしましょうか」

 

 

「なんだ」

 

 

「長門さんのことです。私達が解散した後、あなたは昨日長門さんにあった。
そして長門さんの家に行った。あっていますね?」

 

 

「なぜそのことを知ってる」

 

 

「『機関』からの情報です。昨日僕は閉鎖空間にいましたし、ストーキングは不可能です。
しかし問題はそこではありません。
あなたがあの部屋を出た後、『機関』のものが進入を試み、中をのぞくと、
誰もいませんでした。長門さんは消えたのでしょうか?」

 

 

「消えたと思う」

 

 

「長門さんは消えちゃったんですかぁ?」

 

 

朝比奈さんが悲しい顔をして俺を見つめている。
ドアを開ける音が聞こえ、俺達は話を中断する。

 

 

「なんだもうみんな揃っているのね」

 

 

ハルヒはゆっくりと歩き、団長椅子に座った。

 

 

「それじゃあ、始めましょ」

 

 

ハルヒは俺と古泉と朝比奈さんをじっと見た。
それから俺達は十分ぐらい黙ったままだった。
ハルヒが足を揺らしているのを俺は見つめていた。
耐えられなくなったのか、ハルヒは突然叫びだした。

 

 

「何か有希に関する情報はないの? 役に立たないわねあんたたち!
特にキョン! あんた有希と仲良かったんじゃないの?」

 

 

「そこまで仲よかねーよ」

 

 

「本当かしら? いっつも有希のことばっか見てたくせに」

 

 

「そんなに見てねーよ。お前はなんでそんなにイライラしてるんだ?」

 

 

「イライラなんてしてないわよ! 
あんたがねえ、有希のことを大事にしてるみたいだったから言ったのよ。
でも、あんたに教えなかったってことは
あっちはそれほど思ってなかったってことよね?」

 

 

ハルヒは意地悪な目で俺を卑下するように見つめた。

 

 

「なにをいってるんだお前は。だいた……」

 

 

バンッという音と共に隣に座っていた朝比奈さんが突然立ち上がった。

 

 

「いい加減にしてくだしゃい!
わたしもこんな部活やめてやや、りましゅ!
もう、涼宮さんには付き合いきれません!
涼宮さんなんかだいっきらいです!」

 

 

「み、みくるちゃん? どうしたの急に?」

 

 

「どうもしません! わたしは今日限りでSOS団をや、やめてやりましゅ!
もうわたしに関わらないで下さい!」

 

 

そういうと朝比奈さんはものすごい勢いで部室を出て行った。

 

 

「へ、どうしたのみくるちゃん? なんで?」

 

 

ハルヒは呆然と朝比奈さんが去っていったドアを見つめている。

 

 

「だいっきらいだとよ。お前に愛想つかして出て行っちまったな。これであと三人か」

 

 

「どうして? 何かあたしした?」

 

 

「今までの積み重ねじゃないのか?」

 

 

俺はハルヒにイライラしていたので、冷たく言い放った。
ハルヒは投げ捨ててあった鞄を拾って、部室から飛び出してしまった。

 

 

「どうしたんです? あなたらしくもない。
もう少し冷静にお願いしますよ。
こちらの立場も考えて行動してくれないと困ります」

 

 

古泉は明らかに不快そうに言った。

 

 

「お前の立場なんか知るか。
お前はハルヒにへつらって、閉鎖空間で神人でも倒してればいいのさ」

 

 

ガッ!

 

 

古泉は俺に近づいたかと思うと、右手で本気で殴りつけてきた。
俺は壁にぶつかり、座り込んでしまった。
古泉の顔は初めてみる怒りで満たされていた。

 

 

「いい加減にしてください! 
あなたの軽率な行動がどれだけの人に迷惑をかけていると思っているんですか!」

 

 

「なんだよいきなり! お前らのことなんか気にしてられるかよ!」

 

 

ガッ!

 

 

古泉は俺の胸倉を掴みまた殴りつけた。右フックは顔面をとらえた。

 

 

「立て! こんなんじゃ足りない!
お前は知らないかもしれないがなあ! ……」

 

 

古泉はそれ以上を言おうとはしなかった。
古泉は掴んでいた手を離し、

 

 

「すみません。でも、軽率な行動だけは控えてください。
今日は僕も帰ります。失礼します」

 

 

そう言うと、部室から足早に出て行った。

 

 

「くそ痛てえよ。なんだっていうんだ」

 

 

口内から出血していた。訳が分からない。
古泉も朝比奈さんも、それにハルヒも。
いったいみんなどうしたんだ? 俺が悪いのか?
その日俺は、痛む口を押さえながら家路についた。

 

 

 

 

家に着くと、妹は出血をしている俺を見て心配していたが、
俺はとにかく自室にこもり、一人になりたかった。

 

 

 

 

「なんなんだ? なんで俺は古泉に殴られた。
それに朝比奈さんの行動も不自然だったし、
ハルヒにいたっては意味不明だ」

 

 

ベッドに横になりながら、今日のことを振り返った。

 

 

「俺はどうすればいいんだ? 謝ればいいのか?
馬鹿らしい。そんなことできるか」

 

 

古泉殴られたところがまだ痛む。
平和主義者の俺は今まで人に殴られたことなんてなかった。
人と本気のけんかなんかしたことないし、
そういうことはなるべく避けるようにしてきていた。

 

 

「くそっ! 頼みの長門は消えちまった。
SOS団も壊滅状態。俺がなんかしたのか?
俺が悪いのか? いや、俺は何も悪くないはずだ」

 

 

ベッドで横になっていたせいで少しうとうとしていた。
突然の電話に驚き、そして画面を見る。

 

 

「朝比奈さんか。こんな時間になんだ?」

 

 

電話にでるか一瞬迷ったが、
朝比奈さんからの電話はでないと世界がなくなる可能性もあるからな。

 

 

「はい」

 

 

「あ、キョン君。あの、今から話したいことがあるのだけれど」

 

 

やっぱり、何か問題でも起きたのか?
電話越しの愛らしい声はいつになく真剣だった。

 

 

「あのベンチに来てください」

 

 

「いつですか?」

 

 

「今すぐです! 早く来てください。お願いします」

 

 

分かりました、という前に電話は切れた。
行くしかないだろ。
俺は帰ってきて制服のままだったが、着替えることもせず家を出て、
ママチャリにまたがり、あのベンチに向かった。
最近自転車をこいでばかりだ。しかも全速力で。
息を切らしてあのベンチへ。
世界崩壊の危機じゃなければいいんだがな。

 

 

「すみません。間に合いましたか?」

 

 

ベンチには朝比奈さんがうつむきながら座っていた。
外はもう真っ暗で、街灯だけが辺りを照らしていた。

 

 

「ごめんなさい、急がせちゃって。大丈夫、間に合ってます」

 

 

「よかった。横に座っていいですか?」

 

 

「どうぞ」

 

 

朝比奈さんは少し驚いた様子だ。まだ、うつむいたままだ。
俺は横に座ると朝比奈さんの横顔を見つめた。
綺麗な顔立ち、俺を満たしてくれる。
なんでこんなに丁寧に作られているのだろう。
朝比奈さんを見るのをやめて、街灯を見た。
黄色い光を放つ街灯の周りを蛾が四匹ほど飛び回っていた。
そして、考えた。
俺は朝比奈さんに聞いておかなければならないことがある。
なんで今日あんなことを言ったんだ?

 

 

「あの(あの)、朝比奈さん(キョン君)」

 

 

こういう時に限って人っていうのは重なるものである。

 

 

「朝比奈さんからどうぞ」

 

 

「いえ、キョン君から」

 

 

しばしの沈黙。俺から話すことに決めた。

 

 

「分かりました。聞きたいことは一つです。
なんで今日あんなことをいったのですか?」

 

 

「それは……」

 

 

「今まではハルヒの機嫌をとることでSOS団は成り立ってきた。
でも、朝比奈さんは突然ハルヒを突き放すようなことをいって出て行った。
もしかして、これも規定事項とはいいませんよね?」

 

 

「今回は未来からの要請がありました。涼宮さんから離れなさいって。
そして離れるにはなるべくきついことを言わないといけなかったんです。
涼宮さんはとても強い人ですが、とても打たれ弱いんです。
ましてやわたしみたいにいつも可愛がっていた人に嫌われるのはとても悲しいことでしょう?」

 

 

朝比奈さんは泣き笑いみたいな顔で俺を見つめた。

 

 

「悲しいことですよね」

 

 

「そう。できればしたくなかったんです。
わたしは涼宮さんが大好きだし、SOS団のみんなも大好きなんです」

 

 

朝比奈さんはうつむいて、声を震わせながら言った。

 

 

「みんなと一緒にいられなくなっちゃいました。
ああ、なんでこんなに突然だったんだろう。
まだやりたいことはたくさんあるのに。
でも、いつかは別れる時が来るの」

 

 

「いつかは別れる時が来る」

 

 

俺は朝比奈さんの言葉を復唱した。

 

 

「分かってたんです。こんな風に悲しくなるっていうのは。
でも、SOS団での楽しい日々のおかげでそんなことは忘れてました。
最初にこの時代に来た時、誰とも仲良くならないつもりでいたんです。
だって、絶対別れが来るって決まってるんですよ?
だけど、SOS団や鶴屋さんとはいつの間にか仲良くなっていました。不思議な人たちです」

 

 

「鶴屋さんは誰だろうと友達になれそうな人ですからね」

 

 

「そうですね」

 

 

「ところで、朝比奈さんが聞きたかったことってなんですか?」

 

 

「あ、はい」

 

 

朝比奈さんは両手を重ねていじりながら、ぽつぽつと言った。

 

 

「わたし自身のことなんです」

 

 

「朝比奈さんのことですか」

 

 

俺がそういうと朝比奈さんは俺を真っすぐに見た。
その顔には涙が伝っていた。

 

 

「わたし、すごく悔しいんです」

 

 

「悔しい?」

 

 

「だって、他のSOS団のみんなはちゃんと頑張ってるんです。
わたしだけ、なにもできないんです。
わたしはお茶を煎れてあげるぐらいしかできない。
涼宮さんの言うことを聞いて、衣装を着るぐらいしかできない
わたしは未来に動かされているだけで、何もできない。
だから、せめてみんなを癒してあげるくらいしたかったの」

 

 

朝比奈さんは一呼吸置いて続けた。

 

 

「なんで、こんなことキョン君に言っちゃうんだろう?
わたしはこの悔しさを持って帰るつもりだったのに」

 

 

「持って帰る? 朝比奈さん、未来に帰っちゃうんですか?」

 

 

俺はすでに分かっていた。
ハルヒの能力がなくなれば、朝比奈さんはこの世界にはいられなくなる。

 

 

「そうです。キョン君にお別れを言いに来ました」

 

 

「やっぱり、朝比奈さんもいなくなるんですね」

 

 

「やっぱりって、あ、そうか長門さんから聞いているんですね」

 

 

「そうです。長門はハルヒの能力が収束しているって言ってました」

 

 

「そうですか」

 

 

「どうして長門も朝比奈さんも、もうちょっと前に言ってくれないんだ。
そうしたらみんなでお別れパーティーの一つだってできたかもしれない」

 

 

俺はどうしても朝比奈さんを直視することはできなかった。

 

 

「すみません。禁則事項です」

 

 

それに、と朝比奈さんは続けた。

 

 

「今ここにいるのも本当は禁則事項なんです
わたしが予測不能の行動に出るといけないから。
でも、わたしはキョン君に伝えてから帰りたいです」

 

 

「伝えてから?」

 

 

「本当は言っちゃいけないことなんです。
最重要の禁則事項なんです。
でも、言わないと。私はもう帰らなきゃならないから。えっと」

 

 

朝比奈さんはそこまで言うと、突然頭を抱え、じたばたし始めた。

 

 

「あ、ダメ! そんな止めて! もうだめなの?」

 

 

朝比奈さんが何を言おうとしてるかは分かった。
それはハルヒにとってはおそらく最悪の禁則事項だろうと思われた。
でも、今は横から抱きついて、首に手を回している朝比奈さんの体温を感じていたかった。
ぎこちないその行動を抱きしめ返すことはできなかった。

 

 

「キョン君。わたし、ねえキョン君、…キョン君!」

 

 

朝比奈さんが耳元でささやく。
俺は興奮していたが、朝比奈さんの言葉を冷静に聞いた。

 

 

「ごめんなさい。俺は答えられそうにありません」

 

 

「ご、ごめんなさい」

 

 

朝比奈さんは俺から離れると、

 

 

「ごめんなさい。あっちを向いてもらえますか?」

 

 

俺は朝比奈さんが指差したほうを見る。
朝比奈さんとは反対側のほうだ。
向かいないと朝比奈さんに迷惑がかかるだろ。

 

 

「時間です。ごめんなさい。ありがとう」

 

 

振り返ると、朝比奈さんはいなかった。
俺は立ち上がり、ポケットに便箋が入っていることに気付いた。
俺は破らないように丁寧に開けた。

 

 

――キョン君、わたしはあなたが好きです。
 でも、忘れてください。
 ごめんなさい。なにもしてあげられなくて。
 ごめんなさい。やくただずで。
 ありがとう、キョン君。
 また、会えるといいですね。

 

 

 PS.文章短くてごめんなさい。 好きです。――

 

 

それは手紙という形をとる。
口に出せないもどかしさ。朝比奈さんの気持ちが少しだけ伝わった気がした。

 

 

「朝比奈さん、あなたは俺のアイドルです」

 

 

ごめんなさい。また会えるよな?
街灯の明かりだけが残された惨めな俺を優しく照らしてくれた。

 

 

 

 

俺はその場で一時間ほど呆然と立ち尽くしていた。
一時間というのは家に帰ってから分かったことなのだが。
自分の部屋のベッドに寝転ぶと、俺はようやく事の重大さに気付いた。
長門が消え、朝比奈さんも未来へと帰った。

 

 

 

 

「次は? 古泉か?
だが、古泉はこの世界の人間だ。消えることはない。
もしかして? いやそんなことはないだろ」

 

 

自問自答を繰り返しても、古泉に対する答えは最悪のものとなった。
今日の古泉はいつもとは違った。
柔和な笑顔は消え、鬼気迫る表情で俺を殴った。
おそらく古泉もハルヒの能力が消えることによって、
何かしらの被害を被っているに違いない。

 

 

「俺はどうなるんだ? ハルヒの能力がなくなることで俺も困ることがあるのか?
そもそも俺は関係ないだろ。
ただ、あのSOS団のメンバーで集まれないだけだ」

 

 

長門に会いたい。それに、朝比奈さんにも。
会ってまた馬鹿なことがしたいんだ。
俺はその日、やるせない気持ちで眠りについた。

 

 

 

 

次の日、ハルヒは学校に来ていた。
昨日のことが何もなかったかのように平然と授業を受けていた。
俺はなんだかやる気も出なくて、いつものように授業を寝て過ごした。
帰り際、ハルヒが、
「キョン一緒に帰るわよ、話したいことがあるの」
というので、仕方なく俺はハルヒと帰ることに決めた。
俺はなるべく一人でいたかったのだがな。

 

 

 

 

で、帰り道。
ハルヒはうつむいたまま俺の前を歩いていて何も話す気配はない。
そのまま、ずっと黙ったままだった。
踏み切りに着くとハルヒは立ち止まり、振り返った。
そして俺をゆっくりと見つめた。

 

 

「ねえキョン。あたしおかしいかな?」

 

 

「どうした気でも狂ったのか? もとから狂ってる気もするが」

 

 

「違うの。あたしはいつだって自分のことを正しいって思ってるわ。
むしろ他の人のがおかしいぐらいよ。
楽しいことを探して、楽しいことをする。すごくまっとうじゃない。
でも私がいってるのは違うの」

 

 

ハルヒは続けた。

 

 

「前からおかしいとは思ってた。
例えば去年の映画撮影。本当に桜が咲くと思う? 季節は正反対なのよ?
その時あたしは『桜が咲いたら絵になるな』と思っていたの。
他にもたくさんあるわ。
雪山でのあの白昼夢だってそうだし、あんなの白昼夢だけで済ませると思う?
実際に体験してしまってるのに、それはないわよね。
でもね、あたしはなにも言わなかった。
言ったら、楽しいことが逃げていってしまう気がしたから。
このまま知らないふりをし続けて、SOS団のみんなで楽しくやっていきたかったの。
でも、それももう終わり。
有希もいなくなっちゃたし、みくるちゃんも出て行っちゃった。
あたし何か悪いことしたのかな?
ただあたしは素直に楽しいことだけをやっていきたかっただけなのよ」

 

 

俺は押し黙ったまま立ち尽くしていた。
ハルヒは気付いているのか?
気付いたらどうなる? 今すぐ世界が消えてなくなるなんてことはないよな?

 

 

「キョン、答えて。
あたしには何かしらの不思議な力があると思うの。
それだけじゃない。有希だって、みくるちゃんだってどこか変。
それぐらいあたしでもすぐに気付くわ。
気付くべきイベントはたくさんあったもの。
これで気付かないほうが変だわ。
そして今回のことで確信したの。ああ、あたしは正しかったんだって。
キョンは何か知ってるんじゃない?」

 

 

俺は呆然としてしまっていた。
どうしようもない。ハルヒは気付いてる。
仕方がない。仕方がない。どうしようもないじゃないか。
答えるべきなのか? 答えてそれで? 世界は?

 

 

「もういい。帰る」

 

 

結局俺はなにも言うことができなかった。
ハルヒは寂しそうな顔をして、立ち尽くす俺を見つめていた。

 

 

「キョンはやっぱりキョンね」

 

 

それだけを言ってハルヒは走って帰ってしまった。
ごめん、ハルヒ。何も言えなくて。
怖かったんだ。
古泉は言った、ハルヒが自らの能力を認識した時、予測できないことが起きる。
俺はどうすればよかったんだ?
俺は決定的な答えを持ち合わせてなどいなかった。
ただ、ハルヒの一人語りを聞き続けただけだった。
傍観者でいたはずが、当事者に代わっていた。
でも、力なき当事者だ。
何にも抗うことができず、将棋の駒のようにただ動かされるだけだ。
それが、一般人ってものじゃないのか?
知らない間に動かされて、利用されて、捨てられる。
俺はそんな普通の人なんだよ。
悪いか? 俺は悪いのか? 誰か代わってやるよ、こんな役。
朝比奈さんは泣いた。
自分は何もできないと。自分はただ動かされているだけで、何もできない。
だから、せめてみんなを癒してあげるくらいしたかったんだって。
それがわたしの役割だったんだって。
くそっ!
俺は何をすればいい。俺の役割はなんだ。
俺はどうすれば。
また、あの日のSOS団に戻すことができる?

 

 

chapter.4  おわり。

 

 

 

  • chapter.5

 

 

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