ハルヒと親父 @ wiki
そのとき親父書きは何を思ったか(その13)?
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haruhioyaji
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I wish you were here.(アナタガココニイテホシイ)
タイトルは、ピンクフロイドの曲名と、その新井素子訳から。
いわゆる仮定法なんで、「あなたにここにいてほしいのに、でもあなたはいない」という意味になります。
ハルヒの問いかけと不安は、いわゆる胡蝶の夢です。
これに対するキョンの解答は実は2パターン考えていて、使わなかったもうひとつは、
いわゆる仮定法なんで、「あなたにここにいてほしいのに、でもあなたはいない」という意味になります。
ハルヒの問いかけと不安は、いわゆる胡蝶の夢です。
これに対するキョンの解答は実は2パターン考えていて、使わなかったもうひとつは、
「鰥(クワン)は決して眠らない魚だ。世界は、こいつが見ている夢だそうだ」
「眠らない鰥の夢は、決して覚めることがない。だからこの世界は果てなく続く。……『鰥』は「魚」偏に「眔」(とう)と書く。「眔」は目から涙が落ちている形、涙の象形文字で、「魚」の方はこの場合は女を表す。古代中国では、妻が死ぬと魚を捧げる儀式があったんじゃないかって学者もいるが、とにかく『鰥』の文字は、普通は「連れ合いをなくした男」のことを指すんだ。そして『鰥鰥』と重ねると、目がさえて眠れずにいる様子のことになる。鰥(クワン)は眠らないんじゃない、大切な者を失い自分だけが残されて、泣き続けて眠ることができないんだ」
「眠らない鰥の夢は、決して覚めることがない。だからこの世界は果てなく続く。……『鰥』は「魚」偏に「眔」(とう)と書く。「眔」は目から涙が落ちている形、涙の象形文字で、「魚」の方はこの場合は女を表す。古代中国では、妻が死ぬと魚を捧げる儀式があったんじゃないかって学者もいるが、とにかく『鰥』の文字は、普通は「連れ合いをなくした男」のことを指すんだ。そして『鰥鰥』と重ねると、目がさえて眠れずにいる様子のことになる。鰥(クワン)は眠らないんじゃない、大切な者を失い自分だけが残されて、泣き続けて眠ることができないんだ」
しかしこのルートは難しすぎる! ので、断念しました。
読み返してみて気付いたんですが、キョンの答えは、親父さんの答え(愛と運命についての対話)とダブってます。多重世界があっても、そっちは他の俺にまかす、っていう。
多重世界論は、タイムマシンもの、とともに、リリカルなお話の宝庫ですが、リリカルなのが得意でないので。
手錠
これも、他の方の書かれた、
ハルヒがおもちゃの手錠をつかって朝比奈さんで遊んでいたので、取り上げようとするキョン。 ハルヒともみ合う内に手錠が二人の手をつないでしまうという。 しかも、暴れたせいで手錠の鍵を紛失。代わりのカギが届くまで二人はつながれたままに…
というシチュエーションというかエピソードを、心血注いで(笑)SSにしたもの。
シチュエーションとSSとの間にはどれほどの深い谷があるのか思い知り(笑)、書いてて勉強になりました。「よくぞあの断片を、ここまで」とコメント貰えて、うれしかったです。
シチュエーションとSSとの間にはどれほどの深い谷があるのか思い知り(笑)、書いてて勉強になりました。「よくぞあの断片を、ここまで」とコメント貰えて、うれしかったです。
そういえば、ハルヒと親父シリーズ以外、SSまとめwikiの長編作品コーナーにSSが載ってない典型的なスプリンターSS書きだったのですが、この「手錠」は長編に掲載されました。(今見たら、「技術の長門」が掲載されていましたが(笑))。
ハカセくんの初恋
タイムマシンもの、ただし未発の。だからやっぱり、リリカルです(笑)。
VIPの方に「ハカセ君の愛妻」というSSがあって、そこではハカセ君はキョンの妹ちゃんと結婚していて(どこで出会ったんだろう?)、とある研究所に勤めているのだけれど、そこには「生物学から、理論物理学、航空宇宙工学その他もろもろまでを一人でこなすバイタリティにあふれる天才的な研究者」、旧姓涼宮先輩がいる、という話なんですが、基本路線はその方向で考えました。
二人でドライブ
こういうのを書くのはすごく好きなんですが、こういうのを受け入れてくれるハルヒスレの人たちも好きです。個別キャラ・スレなのに、いいのか、おい、と思ってないわけじゃないんですよ。
二人は何故レスリングなんかしてたのか?
元のタイトルは「キョンの特訓」(笑)。とりあえず体当たりから始まって、タックル、バックドロップまで教えてもらうという話でしたが、あんなことになった三沢氏のこともあって、その部分をカットすると、こうなりました。
涼宮ハルヒの格闘では、「危ないことはするな」と言ってたのは、キョンの方だったんですが。
涼宮ハルヒの格闘では、「危ないことはするな」と言ってたのは、キョンの方だったんですが。
新落語シリーズ「松山鏡」
ちょっとだけ解説を(笑)。
「松山鏡」という落語は、「庶民は鏡なんて見た事がない、したがって自分の顔を自分では知らない」というのを前提にしてます(落語でも、領主様は和歌でトリセツを書いてくれるんですが、庶民なんで字も読めないのです)。
世の中が進んで、鏡が当たり前になると、わざわざその前提を説明したり、演じる際のタイトルも「鏡のない国」「鏡のない村」「羽生村の鏡」となっていきます。上方で演じられる際の「羽生村の鏡」は、羽生村では鏡を見ることがタブーになっている、ということから来てます。
さて、我らのバカップルあらため、バカのカップルですが(笑)、かしこい長門さんは、二人の「知っていること」から考えて、次のように真実に行き着くだろうと推論しました。すなわち、
「松山鏡」という落語は、「庶民は鏡なんて見た事がない、したがって自分の顔を自分では知らない」というのを前提にしてます(落語でも、領主様は和歌でトリセツを書いてくれるんですが、庶民なんで字も読めないのです)。
世の中が進んで、鏡が当たり前になると、わざわざその前提を説明したり、演じる際のタイトルも「鏡のない国」「鏡のない村」「羽生村の鏡」となっていきます。上方で演じられる際の「羽生村の鏡」は、羽生村では鏡を見ることがタブーになっている、ということから来てます。
さて、我らのバカップルあらため、バカのカップルですが(笑)、かしこい長門さんは、二人の「知っていること」から考えて、次のように真実に行き着くだろうと推論しました。すなわち、
- キョンは、「キョンの顔」は知らないが「ハルヒの顔」は知っている。
- ハルヒは、「ハルヒの顔」は知らないが「キョンの顔」は知っている。
- キョンは、「ハルヒが『キョンの顔』を知っている」ということを知っている。
- ハルヒは、「キョンが『ハルヒの顔』を知っている」ということを知っている。
- 二人同時に鏡を見たとき、キョンには、鏡に映っているうち、女の方はハルヒだとわかる。
- ハルヒには、鏡に映っているうち、男の方はキョンだとわかる。
- キョンが、「ここに映っている女は、ハルヒおまえだ」と伝える
- ハルヒが、「ここに映っている女は、キョンあんたよ」と伝える
- お互いが映っているだけであると、二人が気付く
- めでたし、めでたし
ところが、長門さんの推論を上回るバカのカップルは、鏡に映っているのがハルヒ/キョンだとわかるのですが、その仲むすまじいところに先に目が行って(というところが、バカップル・センサーが働いているのでしょうか)、この相手の「男/女」は誰よ!?ということになる。キョンなんか、さっきまで「おっとさん」と言ってた同じ姿の男を、ハルヒの情人と見てしまうのですから、カップリング効果はすさまじい(笑)。しかも、美男美女と見てしまうってんですから。
お後がよろしいようで。