オサムシについて
どんな昆虫?
- オサムシは甲虫(カブトムシとかクワガタの仲間)です。
- 難しく言うと昆虫綱鞘翅目オサムシ科オサムシ亜科に属する昆虫の総称みたいな感じです。
- オサムシ科のその他もろもろの多くがゴミムシと言われています。(広義のゴミムシ)
- 「オサムシ」と言う和名の昆虫はいませんが「ゴミムシ」の方はいたりします。(狭義のゴミムシ)
- 和名 ゴミムシ
- 学名 Anisodactylus signatus (Panzer, 1797)
- 「漫画の神様」手塚治虫が大好きな昆虫でもありました。(特にマイマイカブリが好きだったようです。)
- ヨーロッパや中国には独特の金属光沢(構造色)を持った美しい種が沢山いる「歩く宝石」と言われるほど。
- 日本、特に本州には比較的地味めの目立たない種類が多いですが、北海道まで行けばギラギラ金属光沢の成金趣味できれいな種が沢山いたりします。
- 鞘翅目にはクワガタムシやカブトムシのよに力ずくで戦う、対他の甲虫用に特化した体育会系なヤツらが多いですが、オサムシはケツから防御物質を相手に向って噴射するといった対天敵用のケミカルウエポンを装備しています。なかなか理系なヤツらです。
- 眼にくらうと死ねるほど痛いです。気をつけましょう。
- オサムシは大抵の種類が飛ぶことができません

写真はミカワオサムシ
- なので場所によって同じ種でも体色なんかが違ったりしている事が多いです。
- マイマイカブリなんかはこういった地域変異が多いので集める人が多いですね。
- 見た目だけでは種類がわからない(分るのかな?あれ…)オオオサムシ亜属のオサムシなんかは採集場所でこの種類かなぁと同定することができる場合もあります。(ホントは体内にある交尾片を取り出し、その形を見て同定する。)
- 飛べない=長距離の移動ができないわ、川や高山があると移動できないわで、その地域固有の種が多い。そのため研究者は遺伝子を解析して系統樹を作ったり、どのように種が別れて行ったか調べたりするのがアツいようです。
- 写真?貼りたいんだけどきれいな写真がとれるカメラや装置持ってない…すみません…
オサムシの分類
- オサムシの分類としては二通りあってオサムシ亜族の全ての種をCarabus属にする分け方とオサムシ亜族を細かく、それぞれごとの属に分けるやり方のがあります。
- ここでは前者の分け方で紹介します。(早い話が本屋で漫画分けるときに出版社ごと分けるか連載雑誌ごとに分けるかの違いみたいなもんです。)
- これを書くにあたりむし社の世界のオサムシ大図鑑 井村有希・水沢清行 著を参考にさせていただきました。全世界のオサムシをほぼ網羅し、わずか少数の標本が確認されているだけの種にも触れています。懐に余裕のある方はゼヒ。
- 今回は亜群までの分類。これ以上細かい分類は、書いてくと死ねるのでパスの方向で…
オサムシ属 Carabus
- 真正オサムシ群
- 中型の種類が多く、後で説明する多条オサムシ群に比べて見た目も平々凡々で地味だなぁ…っていうグループ。
- 骨片オサムシ亜群
- アカガネオサムシやオオオサムシといった、本州でよく見かける地味な部類のオサムシもここに含まれます。地味なのばっかしと思いきやツヤオサムシの仲間は結構派手です。
- カザリオサムシ亜群
- マルオサムシ亜群
- 名前の通りに丸っこいフォルムのものが多い。
- 多条オサムシ群
- バリエーションに富んでいて奇抜な形のやつやど派手なやつから色々いるグループ。
- トゲオサムシ亜群
- セアカオサムシ亜群
- 日本にはセアカオサムシとリシリノマックレイセアカオサムシ(マックレイセアカオサムシの亜種らしい)の2種類がいます。個人的には結構好きなグループです。
- ダルマオサムシ亜群
- ヒラタオサムシ亜群
- 幼虫・成虫ともに半水生の生活を送るという珍しい生態をもつミズベオサムシの仲間がふくまれる。
- ヨロイオサムシ亜群
- オサムシ属の中で最も著しい外見の多様性を持つグループ。お馴染みマイマイカブリはもちろん、上翅にこぶをボコボコ持っているイボカブリモドキを含むカブリモドキの仲間(日本には対馬にツシマカブリモドキのみ分布)や極彩色で金属光沢キラキラなクビナガオサムシの仲間(日本にはオシマルリオサムシとオオルリオサムシが分布)やコガネオサムシの仲間ややたらとでかいイボハダオサムシの仲間がいます。当然ファンも多い(と思う)。
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