覚醒(4)




「ハァァッ!」

ジョーカーの拳が、クウガの顔面に突き刺さる。
衝撃で体制を崩し川へ倒れ込んだ彼の動きは、しかし先ほどまでと違い緩慢だ。
それほど強くない流れに抗うことすら必死で、辛うじて立ち上がるのもやっとの満身創痍の状態でありながら、しかしそれでも尚クウガは戦うことをやめようとしない。

戦慄を通り越して悲痛としか言いようがないクウガに対し、ジョーカーは憐れみすら覚えながらその口を開いた。

「……どうした、クウガ。皆の笑顔を守るために戦うんじゃなかったのか?」

目の前の凄まじき戦士ではなく、小野寺ユウスケに呼びかけるようなその声に、しかしクウガは心を感じさせない咆哮で応える。
何とか回復を完了させ起き上がったクウガが、その拳を握る。
だが未だ敵意を剥き出しにする彼を前にしても、ジョーカーはもう一切動じることはなかった。

「もう一人のクウガの……五代雄介の分まで仮面ライダーとして戦うと、そう言ったのは嘘だったのか?」

「アァァッ!」

振り抜かれたクウガの拳を、ジョーカーはしかし簡単に見切る。
彼が避けるように横に少し移動しただけで、クウガは狙いを外して重心を崩し、前のめりに転倒する。
もう自分の身体を支えるだけの体力すら覚束ないのだろう。

だがそれでも、クウガはまだ立ちあがり、戦いにその身を尽くそうとする。
最期の力でその拳に炎を纏わせ、赤く炎上したそれを強く握りしめたその瞳に、未だジョーカーの声が届く様子はなかった。

「やってみろ、自分自身の力に呑まれる今のお前には、大ショッカーどころか俺を倒すことすら出来ない」

「オォォ……オオオオオオオぉォォォ!!!」

最早まともに回避する様子も見せず、ジョーカーは真正面からクウガの拳をただ見つめる。
だがそれだけの隙を晒せば、今のクウガでもジョーカーを戦闘不能に出来るだけの威力を持つ攻撃はまだ可能である。
故にクウガの放った究極の拳は、そのままジョーカーの顔面を打ち据えるように命中する……はずだった。

死力を振り絞り、全身全霊を込めて放たれたはずのクウガの拳が、ジョーカーのすぐ目の前で停止する。
その一撃を届かせることが出来ぬまま、体力が底を尽きたのか。
いや違うと、ジョーカーには既に分かっていた。

「ぐっ、うぅ……ううぅぅぅ」

クウガが、呻く。
先ほどまでの獣のようなそれではなく、まるで内なる自分自身を押さえる苦悶を抱えるように。
そんな彼の姿に満足げに笑い変身を解いて始が人間の姿へ戻る一方で、同様にクウガもまたその生身を晒す。

最も自分のそれとは違い、彼は変身制限を迎えた為に強制的に変身を解除されたのだろう。
だがそれでも、最後の一瞬自分への攻撃を躊躇したのは、紛れもなく彼自身が力を乗りこなす片鱗を見せたのと同義だと、始はそう理解していた。
かつてジョーカーの暴走を克服して見せた自分や剣崎のように、このクウガも力に抗って見せたのだ。

クウガが見せた根性に、大ショッカーを相手どる仮面ライダーならばそのくらい出来てもらわなければ困ると冷静に思う自分も、確かにいる。
だが一方で、他世界の仮面ライダーもまた剣崎と同じだけの強さを持った戦士なのだという事実の再確認は、やはり彼にとっても喜ばしいものだった。
果たして本当に大ショッカーにも届くだけの実力を彼らが持つのかという結論は、未だつける事こそできないが。

それでも始にとってこれは、大ショッカー打倒に対して間違いなく大きな一歩目だった。




――王が、死んだ。
遂に青い炎を燃やす質量すら消え失せて、灰の山と化したかつて王だった残骸の前で、ローズは何度目かになる認識を重ねた。
もう彼には喉が枯れるほどに叫び、現実逃避をするだけの気力は残されていない。

もしまだ彼に人間としての姿が残されていれば一瞬で老け込んでもおかしくないほどの心的疲労が一気に襲い掛かり、嫌でも現実を理解させる。
いっそ、彼が愚か者だったなら、こんな現実は嘘だと無意味な否定を吐き出すことが出来たのだろうか。
だが皮肉にも、こんな悲劇に見舞われてもなお彼は聡明で、有能で、そして理知的だった。

王は、死んだ。
短命という重大な欠陥を抱えた種を残して、それを覆すことのできるだけの力を持っていたはずの王が死んでしまったのである。
これでもう、全て終わりだ。スマートブレインも、限られた寿命で生きるオルフェノクも、そして何より……粉骨砕身の思いでオルフェノクの栄光を信じ続けてきた、自分自身のプライドも。

「終わりだ、村上峡児」

突如、ローズの耳に冷たい声が届く
聞き覚えのあるその声の主を、しかしこんな状況でもなお意識すらせず彼は認識してしまう。
ゆらりと焦点の定まらない視点で見上げれば、そこにはやはり自分の思った通り、フィリップの姿があった。

放っておいてくれと泣き言をいうことも出来なかったのは、自分が彼の立場ならそんな甘えは許さなかったからだ。
大ショッカー打倒にとって障害になる存在がいて、その存在を鎮圧できるとあれば、そうするのは当然のことだ。
無論、自分であればこんな風に声をかけることもせずその命を摘み取っていただろうことを思えば、随分優しい待遇だとすら言えるが。

喪失感に沈んでいた身体に、それでも少しの力が宿る。
情けないものだ、こんなことになってもなお、まだ生存本能は働いているらしい。
自分自身の浅ましさに呆れつつ、彼はそれでも震える喉で声を振り絞った。

「……私を、殺す気ですか」

漏れた言葉に、思わず笑ってしまう。
命乞いでもない、この状況で聞く意味もないそんな当たり前を問う質問が、それでもほぼ反射的に自分から発せられていた。
だが、その問いに対して返ってきたのは、少しの沈黙。

きっと彼はその答えを、まだ迷っているのだろう。
まだ自分と共に戦う事が出来るなどと、本気でそう思っているのだろうか。
どちらにせよ、今のローズにとってはそんな些末な事象はどうでもよかった。

「……正直、この戦いで生まれた犠牲を思えば、君をそうしてやりたい思いがないとは、言い切れない」

やはりか、とどことなく納得したように俯くローズに、フィリップはしかしそれで言葉を切ることはしない。

「でも、罪を憎んで人を憎まず……それが、僕の街の流儀だ」

言ってフィリップは、ローズに視線を合わせるようにしゃがみ込んだ。
まるで彼の心に、訴えかけるように。

「君の犯した罪は消えない。それでも……君がその罪を償おうと戦うなら、僕はそれを応援したい」

フィリップの胸に去来するのは、かつて同じように自分の罪を認め、しかしそれでもなお罪を償うことを教えてくれた鳴海壮吉の姿。
あの日彼は、悪魔と呼ばれた自分を救い変えてくれた。
だからそうして救われた自分も、村上の罪を死で裁くような非情は、犯したくなかったのだ。

ローズの視線が自身に向いたのを確認して、彼は立ち上がる。

「君の正義は僕たちとは違うかもしれない。だけど、共に戦うことは出来る」

言葉と同時に、フィリップはローズの目の前に掌を差し出す。
それを驚愕の視線で見やるローズに向けて、彼は意気込むように小さく息を吸い込んだ。

「一緒に大ショッカーを倒そう、村上峡児。君の罪を、償う為にも」

目の前に差し出された掌を見上げてローズは、しかしあまりの滑稽さに思わず笑ってしまう。
この青年は本気で信じているのだ、自分が未だ戦うだけの意思を残していると。
きっと生き続けていれば、王に代わる自分の人生の意義を見つけられると、そう思っているのだろう。

罪を憎んで人を憎まず?そんな生易しい言葉で、本当に何かが変わるとでも?
いや或いは彼が今まで相手をしてきた、ガイアメモリに人生を狂わされてきた人間に対してならその理屈も正しいのかも知れない。
何らかの外部要因によって道を踏み外しただけの人々の罪は、その意識さえあればきっと償えるはずだという優しさは、きっと彼の街とやらでは十分通用するのだろう。

だが、そんな理屈が自分にも当てはまるなどと思われては、村上峡児の名が廃る。
腐っても自分は、オルフェノクを統べる企業の長を勤め上げていたのだ。
ここで彼らに情けをかけられたまま死んだとあっては、オルフェノクという種に殉じたこの人生に、拭えない汚点を残すことになるではないか。

フィリップが善意から差し伸べた手に対する怒りによって、皮肉にもローズの瞳に再び光が灯る。
キッと鋭い眼差しを取り戻した彼は、フィリップの手を勢いよく撥ね除けて、その掌を彼へ翳した。
攻撃の予兆を見せたローズに対し、すかさず身を翻したフィリップの背を、放たれた花弁が襲う。

だが衝撃に備え身体を覆い防御の姿勢を固めたフィリップの予想に反して、花弁はただその視界を覆っただけ。
どういうことだと花弁の目潰しを振り払ったフィリップの目に映ったのは、欄干に飛び乗るローズオルフェノクの姿だった。
逃走のためかとも一瞬思うが、しかしすぐさま否定する。

ただ逃げるだけのつもりなら、先ほど自身を引き剥がした時点でそうしているはず。
無駄を嫌うはずの彼がそうしなかった時点で、何か理由があるはずだった。
困惑したフィリップの様子に気付いたか、ローズは鼻で笑って口を開く。

「フッ、心配することはありませんよ、フィリップさん。私に逃げるつもりなど毛頭無い。ただ、私の一生の終わりを決めるのは私自身でありたい……そう思っただけです」

「一生の終わり……?」

ローズから放たれた言葉は、あまりに不穏なもの。
自分の提案を拒絶する以上の意味を持つそれを、村上が悪戯に発言するはずもない。
なればこそ、その意味は文字通りのものとしか捉えようがなかった。

「村上峡児、本気なのか?君にはまだ、元の世界でやらなきゃならない事があるはずだ。会社やオルフェノクの繁栄……今ここで全てを終わらせる必要なんてないじゃないか……!」

彼の声音は、半ば乞うようですらあった。
この数時間を共に過ごし、村上が単に悪と断ずることの出来ない存在であることを、既にフィリップは知っている。
だがしかし、ここで村上がこうまでして死に急ぐ理由は全く分からなかった。

彼が大ショッカーの打倒を目指したのは、彼にも元の世界に戻って成し遂げたい野望があった為のはずだ。
良太郎と問答し、それでもなお人類との確執は埋まらないと宣言した村上の胸中には、オルフェノクへの並々ならぬ思いがあったはずなのである。
だというのに、彼は今それらを全て投げ捨てて自ら死のうとしている。

それが本当に不可解で、フィリップはそれを彼の動転から来る気の迷いなのだろうと必死に引き留めようとする。

「フィリップさん、貴方は本当に……何も分かっていないようだ」

だがそんなフィリップの優しい言葉を、村上は呆れた様子で返す。
その瞳には、もう先ほどのような熱は宿っていない。
本心から冷め切った様子で、彼は言葉を紡いだ。

「私にとって、確かに種の繁栄は生涯をかけるべき目標でした。しかし、それはオルフェノクこそが生態系の頂点に立つに相応しいと……我々オルフェノクは人類より優れていると、そう心から信じていたからだ」

遠い目で、ローズは彼方を見つめた。
生涯をかけるべき目標“だった”。
その言葉が過去形であることに、喪失感と無念を隠そうともせず。

「だが、そのオルフェノクの頂点に立つ王は敗れ去った……。皮肉にも、貴方たち人類の守護者たる仮面ライダーを前に、ね」

自嘲を込めたその声には、言外に自分の無力感を噛みしめる感情が滲んでいる。
きっと彼にとって、三本のベルトを携えた自分が共に戦った上でなお敗北を喫したというのは、形容しがたいほど強い敗北感を伴うのだろう。
だがそれを聞いてもなお、フィリップはローズを引き留める事をやめはしない――その優しさを、捨てられない。

「なら村上峡児、もうオルフェノクだけに尽くすのはやめればいい。人類とオルフェノクが共存できる世界……君になら、それを作れるはずだ」

「……まだ分かりませんか、フィリップさん」

もうローズの声に、呆れや無念は見られない。
それらを通り越し、ただ無駄な問答を繰り広げようとするフィリップに対する憤りだけが、そこに残っていた。

「私は、オルフェノクと人類の全面戦争になれば、オルフェノクが勝者になると信じて疑わなかった。だが、実際は違う。貴方たち仮面ライダーがいる限り、我々に勝ち目は……ない」

それを告げるローズは、あまりに無力感に打ちひしがれていて、さしものフィリップでさえ、思わずかける言葉を失ってしまう。
だがローズの言葉は止まらない。
彼はそのままフィリップ達を見やり、心から仮面ライダーとの決別を宣言する。

「……それが分かってしまった時点で、もう私が生き長らえることに意味は無い。いずれ滅び行く我が種の末路を見届けるくらいなら……私は、自分の手で死を選ぶ」

言い切り、フィリップの瞳を真っ直ぐに睨み付けるローズの眼には、迷いはない。
きっともう、彼は何を言われても止まらない。
すぐにでもその身を川へと投げ打ち、その生に終止符を打つのだろう。

だがローズの覚悟を目の当たりにしてもなお、フィリップが学んだ半人前の優しさは、彼を一人死なせることに異を唱え続けていた。

「それでも……君にはそれを見届ける義務があるんじゃないのか?オルフェノクの運命に絶望しか残されていないのだとしても……それを覆す何かを、探すために」

ローズの死への意思が決して曲がらないほど固いというのなら、フィリップの彼を見捨てない優しさもまた、同じくらいに固かった。
半人前の相棒や、事務所の所長を努めるお節介から学んだ、誰かを助けようと努力し続ける強さ。
それを常に胸に抱き、甘ったるい理想論をしかし揺るがぬ瞳で説き続けるフィリップを前に、遂にローズは毒気を抜かれたように少しばかり笑った。

「フッ、全く……貴方たちは本当に、不愉快な方たちだ……」

そうして最後の最後、ローズの表情が僅かばかり安らぎに揺らいだ、その次の瞬間。
彼の身体は、大きく倒れ込むようにして欄干の向こうへと消えた。
飛び降りたのだと理解するより早く、フィリップは思わず彼が寸前まで立っていた欄干へ走り寄る。

飛沫を上げ、水に勢いよく着水したローズの身体は、それきり一切脱力した様子で川の流れに逆らうこともなく川下へと流れていく。
泳いで、彼を救出することが出来るだろうか、と無謀な思考を重ねようとしたところで、しかし彼の冷静な思考がそれをやめさせる。
思い出したのだ、ここがマップにおいてどこであり、そしてこの川がどこに続くのかを。

ここはG-3エリアにある東と西を繋ぐ橋。
なればここから川下に向けて流れていけば、辿り着く先にあるものはH-3エリアに設定された禁止エリアだ。
逃れ得ぬ死を運命付けられ流されていくローズの身体を眺めながら、フィリップはやるせなさにその拳を握りしめる。

結局の所、自分が取りこぼしたものは、余りにも多い。
その悲しみに嗚咽する彼の耳に川下から凄まじい爆音が響いたのは、それからすぐのことだった。


【二日目 午前】
【G-3 橋】


【小野寺ユウスケ@仮面ライダーディケイド】
【時間軸】第30話 ライダー大戦の世界
【状態】暴走中、疲労(極大)、ダメージ(極大)、精神疲労(大)、アマダムに亀裂(進行)、許すまじ悪への極めて強い怒りと憎しみ、仲間の死への深い悲しみ、究極の闇と化した自分自身への極めて強い絶望、仮面ライダークウガに2時間変身不能、仮面ライダーガタックに1時間50分変身不能
【装備】アマダム@仮面ライダーディケイド 、ガタックゼクター+ライダーベルト(ガタック)@仮面ライダーカブト、 ZECT-GUN@仮面ライダーカブト
【道具】アタックライドカードセット@仮面ライダーディケイド、ガイアメモリ(スカル)@仮面ライダーW、変身音叉@仮面ライダー響鬼、トリガーメモリ@仮面ライダーW、ディスクアニマル(リョクオオザル)@仮面ライダー響鬼、士のカメラ@仮面ライダーディケイド、士が撮った写真アルバム@仮面ライダーディケイド、ユウスケの不明支給品(確認済み)×1、京介の不明支給品×0~1、ゴオマの不明支給品0~1、三原の不明支給品×0~1、照井の不明支給品×0~1
【思考・状況】
0:(気絶中)
1:一条さん、どうかご無事で。
2:これ以上暴走して誰かを傷つけたくない。
3:……それでも、クウガがもう自分しか居ないなら、逃げることはできない。
4:渡……キバット……。
5:もし本当に士が五代さんを殺していたら、俺は……。
【備考】
※アマダムが損傷しました。地の石の支配から無理矢理抜け出した為により一層罅が広がっています。
自壊を始めるのか否か、クウガとしての変身機能に影響があるかなどは後続の書き手さんにお任せします。
※ガタックゼクターに認められています。
※地の石の損壊により、渡の感情がユウスケに流れ込みました。
キバットに語った彼と別れてからの出来事はほぼ全て感情を含め追体験しています。
※カードセットの中身はカメンライド ライオトルーパー、アタックライド インビジブル、イリュージョン、ギガントです
※ライオトルーパーとイリュージョンはディエンド用です。
※ギガントはディケイド用のカードですが激情態にならなければ使用できません。
※アルティメットフォームの暴走に抵抗したように見えたのは体力の低下による機能不全か、アマダムの損傷による弊害か、ユウスケの意思が届いたのかは不明です。詳細は後続の書き手さんにお任せします。



城戸真司@仮面ライダー龍騎】
【時間軸】劇場版、美穂とお好み焼を食べた後
【状態】強い決意、士への信頼、ダメージ(極大)、疲労(極大)、美穂と蓮への感謝、仮面ライダーナイトに1時間55分時間変身不能、仮面ライダー龍騎に1時間45分変身不能
【装備】ナイトのデッキ+サバイブ(疾風)@仮面ライダー龍騎
【道具】支給品一式、優衣のてるてる坊主@仮面ライダー龍騎
【思考・状況】
基本行動方針:仮面ライダーとして、みんなの命を守る為に戦う。
0:(気絶中)
1:戦いの後、西病院に戻り仲間と合流する。
2:間宮さんはちゃんとワームの自分と和解出来たんだな……。
3:この近くで起こったらしい戦闘について詳しく知りたい。
4:黒い龍騎、それってもしかして……。
5:士の奴、何で俺の心配してたんだ……?
6:自分の願いは、戦いながら探してみる。
7:蓮、霧島、ありがとな。
【備考】
※アビスこそが「現われていないライダー」だと誤解していますが、翔太郎からリュウガの話を聞き混乱しています。



【フィリップ@仮面ライダーW】
【時間軸】原作第44話及び劇場版(A to Z)以降
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)、仮面ライダーギャレンに1時間50分変身不能、サイクロンドーパントに1時間15分変身不能、仲間達の死による悲しみ
【装備】ガイアドライバー@仮面ライダーW、ファングメモリ@仮面ライダーW、T2サイクロンメモリ@仮面ライダーW、ギャレンバックル+ラウズアブゾーバー+ラウズカード(ダイヤA~6、9、J、K)@仮面ライダー剣
【道具】支給品一式×2、ダブルドライバー+ガイアメモリ(サイクロン+ヒート+ルナ)@仮面ライダーW、ツッコミ用のスリッパ@仮面ライダーW、エクストリームメモリ@仮面ライダーW、首輪の考案について纏めたファイル、工具箱@現実 、首輪解析機@オリジナル 、霧彦のスカーフ@仮面ライダーW、イービルテイル@仮面ライダーW、エンジンブレード+エンジンメモリ@仮面ライダーW
【思考・状況】
0:村上峡児の死に動揺と悲しみ。
1:大ショッカーは信用しない。
2:巧に託された夢を果たす。
3:友好的な人物と出会い、情報を集めたい。
4:首輪の解除をする際には世界崩壊の可能性があることも伝える。
5:葦原涼の死は、決して無駄にしない。
6:相川始が首輪解除を承諾してくれたことに喜び。
【備考】
※T2サイクロンと惹かれあっています。ドーパントに変身しても毒素の影響はありません。
※病院にあった首輪解析機をGトレーラーのトレーラー部分に載せています。



【相川始@仮面ライダー剣】
【時間軸】本編後半あたり(第38話以降第41話までの間からの参戦)
【状態】ダメージ(極大)、疲労(極大)、開放感、首輪解除
【装備】ラウズカード(ハートのA~6、クラブJ~K)@仮面ライダー剣、ラルクバックル@劇場版仮面ライダー剣 MISSING ACE、ゼクトバックル(パンチホッパー)@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式、栗原家族の写真@仮面ライダー剣
【思考・状況】
基本行動方針:栗原親子のいる世界を破壊させないため、大ショッカーを打倒する。
1:取りあえずは休憩し、その後情報を交換する。
2:更なる力を得るため、他のラウズカードを集める(ハート優先)。
3:ディケイドを破壊し、大ショッカーを倒せば世界は救われる……?
4:キング@仮面ライダー剣は次会えば必ず封印する。
5:ディケイドもまた正義の仮面ライダーの一人だというのか……?
6:乃木は警戒するべき。
7:剣崎を殺した男(天道総司に擬態したワーム)は倒す。
8:ジョーカーの男(左翔太郎)とは、戦わねばならない……か。
【備考】
※ホッパーゼクター(パンチホッパー)に認められています。
※ディケイドを世界の破壊者、滅びの原因として認識しました。しかし同時に、剣崎の死の瞬間に居合わせたという話を聞いて、破壊の対象以上の興味を抱いています。
※左翔太郎が自分の正体、そして自分が木場勇治を殺したことを知った、という情報を得ました。それについての動揺はさほどありません。
※乃木が自分を迷いなくジョーカーであると見抜いたことに対し疑問を持っています。



三原修二@仮面ライダー555】
【時間軸】初めてデルタに変身する以前
【状態】覚悟、ダメージ(極大)、疲労(極大)、仮面ライダーファイズに2時間変身不能、仮面ライダーランスに1時間50分変身不能、仮面ライダーデルタに1時間45分変身不能
【装備】ランスバックル@劇場版仮面ライダー剣 MISSING ACE
【道具】草加雅人の描いた絵@仮面ライダー555、間宮麗奈の首輪
0:(気絶中)
1:流星塾生とリュウタロスの思いを継ぎ、逃げずに戦う。
2:リュウタ……お前の事は忘れないよ。
3:オルフェノク等の中にも信用出来る者はいるはずだ。
4;少し休んでから情報を交換したい。
【備考】
※後の時間軸において自分がデルタギアを使っている可能性に気付きました。
※三原修二は体質的に、デルタギアやテラーフィールドといった精神干渉に対する耐性を持っています。
※仮面ライダーファイズブラスターフォームに変身しましたが、副作用は全てファイズギアが肩代わりしたので全く影響ありません。




(私もこれで、年貢の納め時、ですか)

ただ川の流れに身を任せ空を仰向けに見上げるローズは、ふとそんな事を思う。
思えば本当に、自分の人生は空虚なものだった。
人間として生まれ、優秀な成績を収めたというのに、オルフェノクとなった途端周囲に差別され弾圧された。

親しかったはずの家族や友人は全て自分を化け物として扱い、二つの種の共存という理想を求めていた若き村上峡児は、そこで死んだのだ。
だが、そんな人間への絶望を動力源として働いてきたオルフェノクの種としての繁栄への努力も、全て水の泡と化した。
これが虚しくなくて、何だというのだろうか。

(『目的のない人生は牢獄と同じだ。だが、案ずることはない。その扉を開ける鍵は、自分が持っているのだから』か。フッ、私としたことが、読み方を誤りました)

先ほど相川始から横領した詩集を流し読みした中にあった、詩の一節を思い出す。
最初に見たときは、何と陳腐な詩だろうと嘲笑すら浮かんだ。
牢獄の中にいるようにつまらない人生は、自分の頑張り次第でどうとでも好転するのだ、そう言っているのだろうと。

だが、今となっては、その解釈は違ったのだとそう断言出来る。
この詩は、こう言っているのだ
一度目的が失せた人生という牢獄から逃れる手段を、人は誰しも常に自分の手に持っている。

即ち、その退屈な人生を自分の手で終わらせ、牢獄の中で生き長らえる地獄から解き放たれるという、鍵を。
少なくとも、今の村上にとってその読み方は、果てしなく正解に近かった。
滅びが確定した種の行く末を見届ける牢獄のような地獄の生涯を送るより、自分は尊厳を持ってこの生を終わらせる道を選ぶ。

それが村上が最後の最後に決断したその人生の締めくくり方であり、彼という存在が最も納得出来る終わり方だったのだから。

(と言っても、この人生を笑顔で終えられないことだけは、悔いが残りますが……)

詩、格言などという言葉からの連想で、嫌でも村上は自身の座右の銘を思い出す。
人は必ず泣きながら生まれてくるが、死ぬときの表情はその人次第だ。
村上はずっとこの命は種の未来のため捧げられ、万感の満足の中で人類への勝利を確信しながら笑って終わるものだと、そう思い込んでいた。

野望の全てが打ち砕かれ、そしてオルフェノクは人類に敗北するのだろうと理解した上でこうして惨めに自死を選ぶなど、思ってもみなかったのだ。
勿論、今の彼の表情に笑みなどないし、無理矢理に浮かべることも出来ない。
敗北の無念とも悲しみとも違う、ただ喪失感だけが、彼に表情に表せるだけの感情も奪い取っていたのである。







――彼の首輪が、喧しい警告音を掻き鳴らす。
どうやら、思った通り禁止エリアに突入したらしい。
橘朔也やダグバの首輪が爆発した時の詳細は村上も知らなかったが、少なくとも爆発することが真実であれば、他の細かな仕様などどうでも良いことだ。

そうして彼は、来るべき時に備えその瞳をゆっくりと閉じて。
その瞼の裏に、見るはずもないと思っていた走馬燈を見た。

――『村上さん、あなたは私たちが支えます。人を襲ったりなんて、もうさせないようにさせてみせますから』

――『何で貴方は人間とオルフェノクの共存を考えたりしないんですか、そんなにオルフェノクに優しいなら、人間と戦わない道を探すことだって――』

――『一緒に大ショッカーを倒そう、村上峡児。君の罪を、償う為にも』

過ぎるのは、どれもかつて仮面ライダーにかけられた言葉ばかり。
どいつもこいつも皆一様に自分を不用心に信じ、分かり合える道があるはずだと諭してきた。
もうそんな道が自分に残されているはずなど、ないというのに。

そもそも今まで自分がどれだけの人間を手に掛けてきたと思っているのだ。
もう後戻りが出来ない自分に、そんな明るい道を行くことなど、出来るはずがないのである。
だというのに、それでもなお最後の最後までこうして出てこられてしまっては、まるで自分が間違っているようではないか。

やり直せないことなどないと、共存の道はあるはずだと、そう訴え続けたあの甘ちゃんどもの言葉に、心動かされてしまったようではないか。
あぁ、あぁ全く、本当に―――――。










(仮面ライダー……不愉快な方たちだ)

その思考を最後に紡いで。
村上……否、ローズオルフェノクの思考は、首輪から発せられた凄まじい熱量に焼き切られた。

【村上峡児@仮面ライダー555 死亡確認】
【アークオルフェノク@仮面ライダー555 死亡確認】
【間宮麗奈@仮面ライダーカブト 死亡確認】

【残り12人】

【備考】
※G-3エリア橋上に、デルタギア(ドライバー+フォン+ムーバー)@仮面ライダー555、支給品一式(村上)、詩集@仮面ライダー555、ドレイクグリップ@仮面ライダーカブト、支給品一式(麗奈)、デンオウベルト+ライダーパス@仮面ライダー電王、リュウボルバー@仮面ライダー電王、支給品一式(リュウタ)、デンカメンソード@仮面ライダー電王、 ケータロス@仮面ライダー電王が放置されています。
※メモリガジェットセット(バットショット+バットメモリ、スパイダーショック+スパイダーメモリ@仮面ライダーW)、ファイズギア(ドライバー+ポインター+ショット+エッジ+アクセル)@仮面ライダー555、ファイズブラスター@仮面ライダー555、カイザギア(ドライバー+ブレイガン+ショット+ポインター)@仮面ライダー555が破壊されました。

【全体備考】
※相川始が首輪を解除しました。これによりフィリップの考察通りなら『剣の世界』の参加者が全滅したと見なされ世界崩壊を確定したことになりますが、詳細がどうなるのかは後続の書き手さんにお任せします。
※H-3エリアで村上峡児の首輪が爆発しました。被害はG-3にまでは及んでいないようですが、かなり広範囲で観測できても可笑しくないと思われます。
※ドレイクゼクターがどこに行ったのか、資格者を探しているのか自由気ままに移動しているのかなど詳細は後続の書き手さんにお任せします。




「……ほぉ、これはまた随分と派手にふっ飛んだようだな」

H-3エリアで起きた凄まじい水飛沫を伴う爆発を目に映して、乃木は花火でも見るような心地で一人ぼやく。
間宮麗奈の確実な死を見届け、ブラックファングを取りに少しばかり橋から離れた場所へ戻っている最中に、思わぬ見世物があったものだ。
あの爆発の規模と場所から見るに、恐らくあれは首輪の爆発によるものだろう。

灰になった間宮麗奈のものではないのは明らかだし、であれば誰かまた別の参加者が誤って川に転落でもしたのだろうか。
半ば冗談ではあるが、もし本当にそうであればこれほど笑える話もない。
麗奈が死んだところで切り上げず最後まで見ておくべきだっただろうかと、少しばかりの後悔を抱きながら、しかし乃木の興味はそこで終わった。

所詮、誰であれもう死んだ存在だ。
自分にとって必要なのは、これから先誰が生き残っているのかという情報だけ。
首輪をはめられていた頃と違いフリーズだけでなく数多の必殺技すら吸収した今の自分ならば、単身での大ショッカー打倒も十分視野に入れられる。

まぁ仮面ライダー諸君が首輪を外し、その命を自分の崇高な野望の為に捧げたいと懇願するのなら肉壁代わりにしてやらなくもないが、それも時間の問題だ。
余りにフィリップが解除に手間取るようなら、彼らを利用して得られるメリットより、自分の能力を知られるデメリットの方が大きくなる。
無論、そうなっても負ける気はないが、どちらにせよ一刻も早く大ショッカー打倒に有用な情報を得ることが必要不可欠だろうと、乃木は確信していた。

「となれば……やはりあそこか」

乃木が一瞥を向けたのは、先ほど自身の片割れが手酷い敗北を喫した廃工場のあるG-1エリア方向。
大ショッカーがいち早く禁止エリアに設定し、そこを守るように幹部を配置して分かりやすく防御体勢を敷いたことは、罠だと仮定してもなお暴く価値があるものである。
片割れから流れ込んできた記憶のせいであの三島という男にリベンジをしてやりたい気持ちもあるし、取りあえずの目的地にするには丁度良いように乃木には思えた。

ブラックファングがエンジンを燃やし、タイヤを急回転させる。
砂や葉を巻き上げて突き進むその黒い鉄の馬の勢いを止める者は、誰もいない。
復讐に燃える主の心に呼応するように、ファングは低く遠吠えた。


【二日目 午前】
【G-2 平原】

【乃木怜治@仮面ライダーカブト】
【時間軸】第44話 エリアZ進撃直前
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)
【装備】なし
【道具】ブラックファング@仮面ライダー剣
【思考・状況】
0:G-1エリアに向かい、三島にリベンジを果たす。
1:大ショッカーを潰すために戦力を集める。使えない奴は、餌にする。
2:状況次第では、ZECTのマスクドライダー資格者も利用する。
3:最終的には大ショッカーの技術を奪い、自分の世界を支配する。
【備考】
※もう一人の自分を吸収したため、カッシスワーム・ディアボリウスになりました。
※これにより戦闘能力が向上しただけでなくフリーズ、必殺技の吸収能力を取り戻し、両手を今までの形態のどれでも好きなものに自由に変化させられる能力を得ました。
※現在覚えている技は、ライダーキック(ガタック)、ライダースラッシュ、暗黒掌波動、インパクトスタップ、ライダーパンチ(パンチホッパー)、超自然発火能力の六つです。


149:覚醒(3) 投下順 150:Round Zero~Fallen King
時系列順
城戸真司 153:Rider's Assemble(前編)
三原修二
相川始
小野寺ユウスケ
フィリップ
乃木怜治(角なし) 152:第四回放送
村上峡児 GAME OVER
アークオルフェノク
間宮麗奈

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2020年07月30日 23:02