勇者降臨
<前回までのヒグマ・ロワイヤルは、大変なことがオコリンチョォー!!!>
<
メロン熊に襲われかけた
ウィルソン・フィリップス上院議員は、すんでのところで助かったァー!!>
<しかァァーし!!汗とちょっぴりもらしちゃったおしっこを洗い流すべく温泉に飛び込んだ上院議員にィーまたもピンチが迫り来るゥゥー!>
(ナレーション:千葉繁)
「ふぅ、生き返るな」
疲れた肌に染み入る温泉の成分を感じるように、しみじみと呟くのはもちろん、我らがウィルソン・フィリップスその人である。
若々しいというよりは若干脂々しい肌ではあったが、それゆえにお湯を弾く姿は艶かしくすらある。
あまり多くは無い髪をしっとりと湿らせ、汗を流したあともしばらくゆっくりと身を湯に浮かべ、思いをめぐらせている。
ふぅ、と吐く息はこの死線にあって余裕を感じさせ、そこには誰しもが「大人の男」を感じずにはいられないだろう。
二度もヒグマの襲撃から生き延びた彼に溢れているのは自信と安堵。
それまで彼が持っていた「死にたくない」という願いは、この極限状態を乗り切るにつれて
己の命の営みに感謝し「生き延びなければならない」という義務感、そして議員として選ばれたあの日の情熱も蘇り「導かねばならない」という使命感に変化していた。
そんな彼の頬は、温泉の熱と宿った情熱で上気し、薄紅色に染まっている。
その色っぽさに惹かれてしまうのは、もはや仕方が無いことだと言える。
そう、それは全ての女を虜にするほどのフェロモン。
さらには全ての男がうらやむほどのオーラ。
いや、もはやその上院議員の魅力は、ヒグマさえ魅了するものになっていた。
物陰からじっと湯船にたゆたう上院議員を見つめる熱い視線。
ヒグマ型巨人だ。
彼、といっても性別が判然としない上、巨人はあくまで「型」であり、その性だと断定することもできないのであくまで便宜上そう呼ぶだけだが、
彼はもうウィルソン氏にぞっこんであった。
奇行種、と呼ばれる一般とは違う行動様式を持った巨人の一体である彼。
彼の特徴は、「魅力的なオジサマに積極的にアタックしてしまう」と言う一点だけであった。
先般接した二人に対し、何のアクションも起こさなかった理由は、彼のお眼鏡に敵う者ではなかった、ということだ。
意を決して飛び出すヒグマ型巨人。
リビドーのままに脱ぎ散らかしたウィルソン氏の衣類に手をかける!!
「グォルォォォォ!」
興奮のあまりあげてしまった咆哮に、ウィルソン氏も当然気づいて振り向いた。
「なっ、ヒグマか!!」
心なしか渋さを感じさせるボイスになっているウィルソンは、ダンディズム溢れる裸体を隠そうともせずに湯から飛び出す。
しかし衣類はヒグマ型巨人の手の中。いかに彼が若き日の情熱を取り戻そうと、さすがに徒手空拳で取り戻せる相手ではない。
念のため湯船近くに置いておいたデイバッグに手を伸ばす。
先ほどメロン熊に襲われた際、殆ど中身は投げつけてしまった。それもまだ回収しないまま温泉へと浸かったのだ、期待はしていなかった。
だが、前回もあったように、今回の彼もまた……
「ツイているな!」
手にとったのは大振りの銃器。銃口が二つあり、派手なカラーリングではあったが、今はこれに賭けるしかなかった。
「すごい色だな。だが黄色と黒は危険を喚起する色……それだけ強い武器ということだ!」
狙いを定め、自分の衣類をむさぼるヒグマ型巨人を見据える。
「む?」
が、引き金は引けない。
物理的にではない。精神的に引けないのだ。
「なんだ……楽器……?」
ウィルソンの脳内に響いてきたのは陽気な楽器の音色。
絆の太鼓、希望のホイッスル、合わさって流れるは
「勇気(ブレイブ)の音楽!!」
勢いよくシリンダーを回転させる。
サンバのリズムに勝手に体が踊り出す。
そして、頭に浮かんだ言葉を、力の限り叫んだ!!
「キョウリュウチェンジ!!!!」
<ななななぬわぁんと!ウィルソン・フィリップスその人が手に取った最後の
支給品は変身銃ガブリボルバーだったァー!!>
<恐竜!プラス人間!億千年の時を超え、史上最強のブレイブ上院議員が誕生するゥーーー!!>
<聞いてお・ど・ろ・けェーーーーー!!!>
(ナレーション:千葉繁)
「上院議員の勇者!!キョウリュウシアン!!」
名前の通り鮮やかな水色のバトルスーツに全身を覆われた、細身のシルエットは歴戦の勇者さながらに引き締まっている。
獣電戦隊キョウリュウジャーをご覧の方にはお分かりだろうが、このキョウリュウシアン、本来はラミレスという過去の勇者が変身するスピリットレンジャー(幽霊に近い存在)である。
変身前のラミレスという外国人男性はウィルソン氏よりもさらに恰幅の良い男性だが、変身時にお腹はぐぐっと引っ込み、戦いやすい体型へと変化するのだ。
当然同じキョウリュウシアンを受け継いだウィルソンもそうである。
キョウリュウジャーとしての身体能力の強化に加え、体が軽く、強くなっていた。いや、今、彼の肉体的スペックは20代の頃に戻っていた。
ケンカっ早かったあの頃。アメフトで進撃のQBとして恐れられていたあの頃。愛する者を護り続けると誓ったあの頃の、ウィルソンがそこにはいた。
ヒグマ型巨人は激怒した。
彼が好みの男性の服をあさっている間に、その男性が好みでなくなっていたのだ。
おそらくは全身を包んでいるあの目の痛くなるような色の皮が悪いのだと、ヒグマ型巨人は判断した。
それを剥ぎ取ればあられもない姿の彼好みのちょいワルダンディがもう一度出てくるはずだと思っていた。
これまで(服を奪う時以外)緩慢であった彼だが、動き出してからは素早い。
一瞬で間合いを詰めると、その鋭利な爪を伴ったアッパーを繰り出す。
直撃はおろか、かすっただけでも致死は必至のその暴風を、ウィルソンことキョウリュウシアンはキャビンアテンダントがキャビアを客にサービスするかのように丁寧に、そして優雅に避けた。
「甘いッ」
虚空よりガブリカリバーを取り出し、逆手に持ってそのまますり抜けるようにヒグマ型巨人の脇腹を凪ぐ。
「グオォォォッ!!」
悲鳴がこだまする中、腰のモバックルから一本の獣電池を取り出してカリバーにセット!
<ガブリンチョ!>
(音声:千葉繁)
「私は、生きる!生き延びて市民を導く、それが上院議員の勇者としての私の使命だ!」
引き金を引きながら、ガブリカリバーを真一文字に振り払った。
「獣電・ブレイブフィニーーッシュ!!」
<バモラムーチョ!!>
(音声:千葉繁)
背後を取っていたウィルソンのカリバーからほとばしる波動は、ヒグマの後頭部、巨人の弱点である延髄を切り裂き、森の彼方まで飛び去っていく。
「グ……ォ……」
崩れ落ちるヒグマ型巨人。
(ブレイブにも程がある!!)
どこかで、誰かがウィルソンの活躍を称えていた。
それに応えるように、ウィルソンは天に向かって拳を突き上げる。
「ブレイブだぜぇッ!!」
彼の心には勇気の音楽が流れ続ける。
どこまでも底抜けに明るく、強い、最強の勇者が今ここに生まれたのだ。
戦え!ウィルソン・フィリップス!生き残れ、キョウリュウシアン!
(CMのあと、みんなでおどろう!)
【現在地:E-8 温泉】
【ヒグマ型巨人 死亡】
【ウィルソン・フィリップス上院議員@ジョジョの奇妙な冒険】
状態:キョウリュウシアン
装備:ガブリボルバー、ガブリカリバー
道具:アンキドンの獣電池(3本)
基本思考:生き延びて市民を導く、ブレイブに!
備考:
服はヒグマがビリビリにしてしまったので変身を解除すると全裸です。
獣電池は使いすぎるとチャージに時間を要します。エンプティの際は変身不可です。チャージ時間は後続の方にお任せします。
ガブリボルバーは他の獣電池が会場にあれば装填可能です。
ガブリボルバーは定価4725円で発売中です。
獣電池はキョウリュウジャー玩具で遊ぶことができますが、その種類を判別できるのは
「ガブリボルバー」「ガブティラ(キョウリュウジン)」「ガブティラ・デ・カーニバル」「ギガガブリボルバー」のみとなります。
それ以外の玩具に関しては、獣電池を装填して遊ぶことはできますが、判別機能がなく、ON/OFFの判定のみです。
ですが獣電竜シリーズについては非常に重厚なつくりで、合体した際のボリュームも素晴らしいのでオススメです。
十大獣電竜と呼ばれる10体は先日「ブラギガス」が発売となったことで全てが揃い、集めるなら今がチャンスです。
これによりキョウリュウジン、ライデンキョウリュウジン、バクレツキョウリュウジン、ギガントキョウリュウジンへの合体が可能であり、
さらにプテライデンオーやプレズオーを核とすれば余すことなく合体ロボを飾ることも可能です。
そこでオススメしたいのが映画版に登場した「トバスピノー」です。
11体目または0体目として数えられる「トバスピノー」は、現在在庫が少なく、amazon等でも定価より高く売られることがありますので
玩具屋等で見かけた場合は急いで確保しましょう。筆者は近所のジョーシンで2割引だったものを即買いしました。
これによってキョウリュウジンと対を成す悪の巨大ロボ、スピノダイオーも合体させることが出来、満足度の高いディスプレイとなります。
しかも今年は数年ぶりにブラックバージョンのロボットも発売が決まっており、こちらも見逃せないばかりか、このブラックバージョンには
敵軍であるデーボスが獣電池に力を込めた「デーボスイン」バージョンの限定獣電池が付属し、コレクター魂を揺さぶります。
この限定版獣電池、他にもあるのですがなかなかに曲者でして、製作発表会で配られたものはさすがに入手困難ですが、そのほかに
「ガシャポン限定」「てれびくん、テレビマガジン限定」「キャンペーン限定」などがあり、コンプリートは至難の業です。
ただ、キャンペーン限定は後にガシャポン限定になって手に入れる機会があったり、製作発表会のものは音声的にはキャンペーンと同等だったりと
なんとか代替の手段もありますので、今からでも全音声コンプリートは無理ではありません。
ただ、一番手っ取り早く手に入れるならこの後11月16日に発売される獣電池セットDX(9975円)を待つのがいいかもしれません。
基本23本+パワーアップ用の1本、合体技用の2本の計26本が確実に手に入るのは非常にお得で、しかも塗装が豪華になっているのです。
通常版を揃えていても欲しくなる逸品ではありますが、これだけでは先ほど述べた0番、トバスピノーの電池などが手に入りません。
やはり地道に情報を集め、手に入れられるタイミングを逃さないのが、ブレイブなコレクターだといえるのではないでしょうか。
なお、毎年恒例ではありますが、クリスマスケーキのキャラデコクリスマスにもやはりクリスマス獣電池がついてきます。
今年のクリスマスは、キャラデコで素敵な夜を演出する、というのもいいのではないでしょうか。
備考については上三行だけを参照し、リレーしてください。
それでは各自、できる限りの手段を使って「みんなあつまれ!キョウリュウジャー」をお聞きください。できれば踊ってください。
最終更新:2015年01月18日 23:58