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DEAD OR ALIVE

「はぁ……はぁ……つ、疲れた……」

息を吐いて後ろを見た。
先ほどの男はもういないようである。
これからどうしようか……。
そう思っているととある事に気付いた。

「……遥光ちゃん、大丈夫?」
「(゚Д゚)」
「…………えーと、その……起きてる?」
「(゚Д゚)」
「……(プニプニ」
「ふぁあ!?」

頬を触ったところで、やっと意識を取り戻したようで何やら慌てふためいている。
なんと言うか、可愛らしいなと思ってしまう。
妹ができたような、そんな感覚だった。

「大丈夫だった?結構乱暴に扱ってしまったような感じがするけど」
「い、いえ!だいじょうぶです!はい!」
「ならよかった」

本当によかったのかなんてわからない。
いや、わかった所でどうにもならない。
それよりも今は大事な事があるからな。
何をするべきか、それを決める事だった。
まずはどこに向かうか、と言ったところだ。
C-6にあるという市街地に向かうべきだろうか。
そこに行けば人がいるかもしれないし。
人がいるとなると、危険も高くなるけれどそれと同時に安全性も高まる。

「ねえ、遥光ちゃん……市街地の方に向かおうかなって思ってるんだけど、大丈夫かな」
「は、はい!いいと思いますよ」
「そうか、じゃあ行こうか……熊本君も探したいしね」

熊本君、話に聞いたところでは変わっている人らしい。
変わっているという意味では匠もなんだけれども……どっちのがおかしいんだろう。
いや、異常なのにレベルなんてないか。
変わっている人はまとめて変わっているのだ。
それに差なんて、きっとないのであろう。

「それじゃあ行こうか」
「あの……」
「どうしたの?」

「そろそろ降ろしてもらえるとうれしいかな……って」


◆      ◆


さて、遥光ちゃんを降ろしたところで市街地に向かう事にしたので、そっちの方向に歩いていく。
その途中、とあるものを見てしまった。
いや、『見つけてしまった』とでも言うべきだろう。

「ッ――――遥光ちゃん、ちょっとごめん」
「え?」

俺は自分の手で遥光ちゃんの視界を遮った。
遥光ちゃんは何があったのかと暴れているが、この手を離すわけにはいかない。
何故なら、俺の視界に入ったもの。
それは男の死体だったからだ。
ここに死体があると言う事は、乗っている人間が近くにいるのかもしれない。
だったらここから離れないといけないのではと思う。
いや、こっちに来ているとは限らないけれども。
出来る限り早足で、死体がわからなくなるような位置まで歩く。

「ごめんね、もういいよ」
「――――なにがあったんですか?」
「知らない方が、いいことだよ」

ただそれだけ言うと、俺は市街地の方向に歩き始めた。
――――と、そこで感じた。
不気味……不吉……最悪……最凶――――――――そんな言葉では言い表せられない。
気配、感じたことなんてない。
だけれども、この禍々しい感じ。
殺意――――――――誰かが、俺達を狙っていた。
頬に冷たい風が当たる。
頬を拭うと、いつの間に自分は冷や汗を掻いていた。

「おにーさん?」
「…………」

遥光ちゃんは俺を心配そうに見てくる。
彼女には分からないんだろうか。
いや、わかっていたらもっと動揺とかしているだろう。
そして、殺意は形に変わって――――俺を襲った。

「ッ――――ぐあああっ!!」
「お、おにーさん!?――――ひっ……血、血が……」

何があったのか、よくわからない。
だけれども、一つだけわかった事がある。
感じたこの禍々しい気配、これに間違いはなかったと言う事だ。
ジンジンと痛む左肩を見る。
そこには、深々と刺さった矢が服を貫通して、血を俺の体から湧きださせていた。
近くにいる遥光ちゃんはまさに顔面蒼白と言った状態だ。
落ち着いて行動ができる状況ではなさそうだ。

「おい!隠れてないで出てこい!」

今出来る事は、遥光ちゃんに危害が加わらないようにすることだ。
そのためにはまず相手がどこにいる事を知ることが大事だ。
大まかな方向は分かる。
それに隠れられるような障害物は数個しかない。
特に地図に記載されないような大木や岩など……。
そのどこかの後ろに隠れているのは分かる。
だけれども、そこがどこかは分からない。
見当違いな作戦をとれば、遥光ちゃんは俺のように矢に貫かれる。
遥光ちゃんよりガタイがいいはずの俺がこんなに痛い思いをしているのだ。
この子がそれを受けたら……。
普通の状態で済むはずがない。
きっと熊本君にも怒られるとか言うレベルではない。
傷を負わせた時点で同行者の自分はロクな目に会わないだろう。
――――ああ、面倒くさい。

「……ッ!」

再び矢が飛んできた。
その飛ぶ先には俺はいなかった。
いや、俺の近くではあったがこのまま行けば俺に当たらないだろう。
標的は――――俺なんかではない。

「遥光ちゃん!!」

俺は思い切り、と言うわけではないけれども勢いよく遥光ちゃんを押し倒した。
少し遥光ちゃんは顔を痛みでゆがませる。
けれども、矢による外傷はなかった。
押し倒した時の衝撃で少し背中でも痛めてしまったのだろうか。
遥光ちゃんは痛みが引いたのか目を開けて俺を見る。
少し周りを見回して、遥光ちゃんは何故か顔を赤面させてまた最初のように意識が飛んで行ってしまいそうになっていた。

「ちょっと!起きて!危ないから!」
「(゚Д゚)」
「……あれ、まさか俺が重かったのが悪かったのか……って、さっさとどかなくちゃ!」

さっと彼女の上かどくが、彼女はいまだ同じ状況である。
ここで新しい問題が浮かぶ。
今から彼女をどうやって襲撃者から守るのか。
先ほどと同じように抱えて逃げるか?
いや――――それは無理だろう。
理由なんて簡単だ、今回の相手は体調が万全の可能性があるからだ。
さっき逃げれたのは、俺がいい感じに鳩尾に攻撃が当たって相手が倒れていたからだ。
復活するまでの時間を逃走に割けれたからである。
もし相手が怪我をしているからこういう風に襲っているのであれば、逃走は容易であろう。
だが、その確証がない以上……彼女を危険にさらす可能性がある。

「……どうする?俺――――」

頭が痛くなってきた。
こういう頭を使うのは得意ではないのだ。
むしろ、走るとかそういう肉体派なんだよ。
いや……別に喧嘩が強いとかいうわけではないけれども。
人並みなのである。

「とりあえず、距離をとるか……?」

先ほど矢が出てきた場所から13メートルと言ったところだ。
13メートル……こちららがスタートダッシュできたとして向こうが走りだした時の間の距離は16メートルくらいだろう。
そこから矢を避けて、逃げれる確証があるのか?
……少なくとも、その方法で傷を負うのは俺だけだろう。
だけれども、もしもの話だ。
俺の足に矢が刺さったらどうなるのか。
そんなの、決まっている。
俺は転倒し、追いつかれて俺も遥光ちゃんも殺されてしまうだろう。
だが、このままなぶり殺しにされるのか?
そっちの方が不確実だ。
相手の矢の残りが何本あるのかは分からない。
もし100本とかあったらどうなるのか。
このままの現状では確実に俺はいつか死んでしまう。

「……覚悟を決めろ、俺」

このままいても、死しか待たない。
だったら、動きだした方が早いに決まっている。
息を吐け、俺――――――――。
1、2、3……はぁ。
そして――――息を大きく吸い込んで。

「ッ――――――!!」

振り返り、遥光ちゃんを腕に抱える。
少し前と同じ状況であった。
だが先ほどと違うのは、殺し合いに乗っている人間――――いや。
狐獣人の少女であった。

(――――なんだ、あいつ……狐?でも赤い毛皮の狐なんていないはず……。
 それじゃあ、きぐるみか?……いや、追いかけてるのに斬る意味はない。
 つまり彼女は――――そう言った種族とかなのか?)

映画で見た事がある。
満月を見ると狼男へと変身するキャラがいた映画を。
どうせこんなの作り話だと笑っていた。
だけれども、これは作り話なんかではない。
実際に、自分の後ろを追いかけてきている。
夢なんかではないのはわかっている。
だが、須藤凛にとってはこれは信じがたい事実なのであった。

(クソッ……アイツ、速いぞ!?)

獣と言うだけ、とでも言えばいいのか。
相手のスピードの速さはこちらに匹敵していた。
いや、向こうはこちらに矢を放ちながら走っている。
その分のロスを引けば、自分はすぐにつかまっていただろう。

と、ここでやっと救いのような場所を見つけた。
住宅街、市街地と言うべきなのだろうか。
ただの平地より複雑で、彼女を隠すには最適である。
急いで彼女を隠そうと走った。
体力もかなり底を尽きている。
少し前も走って、今日は走ってばっかりである。
休憩時間くらいくれてもいいじゃないか、と思ってしまう。
――――まぁ、この場にそんな時間など無いのであろう。
周りは敵が多い状況だ。
こんなんでは、まともに飯も食えないであろう。

「……とりあえ……ず、路地裏……までっ」

息切れにより声が途切れ途切れになってしまう。
それほど疲れているのだ。
ここら辺でどうにか一時的にでも振り切らないと、辛いものがある。
都合がいい事に右に路地裏がある。
行き止まりになっていない事を願いながら、そこに入る。
複雑にぐにゃぐにゃと曲がっている地形は逃げるのに最適である。

そして、数分後……いなくなったかと思い少し息を吐く。
少し休憩ができるかもしれない。
そう思うと体が少し楽になってきた。
焼けるような肺に酸素が補給される。
それと同時に脳にも新鮮な空気が入ってきた。

「……(どうしようか)」

下手にここで声を出すのは得策ではない。
相手は見たところ半獣のような奴であろう。
二足歩行ができるように改造されている狐かもしれないけれども。
でも、獣は耳がとてもいいと言うのは聞いた事がある。
ここでボソッとでも呟けば見つかる可能性が高くなる。

「……(とりあえず遥光ちゃんを安全なところに……)」

――――安全なところって、どこだろう。
どこにいたって、あいつに見つかる可能性がある。
危険なのには、変わり様がないのだ。
一軒家に隠す?いや――――それだともし……俺が死んだ時――――。
って、何を考えているんだ俺は。
俺が死んだ時のことなんて考えるな。
今はまだ、生きていられるんだ。
精一杯、生きる事を考えるんだ。

「……(しかし、どこに置いておけばいいんだ……?)」

安全な場所なんてないが、もし俺が死んだときに誰かが見つけてくれる一。
いや……見つからない方がいいのだろうか。
わからない、頭が回ってくれない。
どうしようもない、頭が……回ってくれない。

「……ッ!」

ふと、足音が聞こえてきた。
逃げるべきなんだろう、だけれども、ここで逃げれる自信はない。
こう歩きまわっていると言う事は、体力がまだ残っていると言う事だ。
自分は頭を動かすだけで精いっぱいだと言うのに。
さて、どうするべきなんだろうか。
このまま殺される?――――御免だ。
走って逃げるか? ――――無理だ。
命乞いでもするか?――――話が通じるとは思えない。
じゃあ、どうするんだよ俺。
無理無理無理無理、そう言ってたら何もできない。
じゃあ、どうするんだよ……俺。

「……(もう、考えが他にないや)」

諦め半分で考えた、この作戦。
いや――――作戦なんかではない。
こんな単純にして無謀な行動。
匠がいたら笑われてしまう。
それでも、俺はこれしか浮かばない。
最低限、時間を稼ぐ……。
彼女が目を覚ますかなんてわからない。
それ以前に、何の意味があるのか分からない。
ただの自滅行為なうえに、失敗した時のリスクが大きすぎる。
成功すれば、最高の結果が得れる。
失敗すれば、無残に死体となる。
ただそれだけの、簡単な話だ。

「……ッ!」

意を決して、足音が最も近くなった瞬間に道に飛び出た。
目の前には予想通り、狐獣人の少女。
奇襲に成功した――――そう思ったがそううまくはいかなかった。
彼女は、俺をすでに殴ろうとしていた。
どうして――――そう考えた俺は一つ見落としがあった事に気付いた。
そうだ、嗅覚があったじゃないか。
気づいたころには遅く、俺は地面に叩きつけられていた。

「ッ――――ごふっ……」

肺から一気に酸素が出て行くのが分かった。
そうか、思いきり地面に叩きつけられるとこうなるのか。
そう思っていると、続けて腹部にソイツの全体重が一気に掛けられた。
腹部を押しつぶされ、わずかな空気さえ残っていない。
そしてそのまま馬乗りのような状態になる。
この後どうなるのかぐらい、想像がついた。

「が、ぐふ……ごほっ……」

バキッ、ボコッ、そんな感じの擬音が俺の体から発せられる。
そして、どんどんと意識が無くなってきた。
ああ――――俺ここで死ぬのか。
息が全然できない、呼吸困難と言うのだろうか。
気道がふさがっているのだろうか。
そんなことは分からない。
でも、俺はもう死ぬ。
意識がどんどんと、闇の中に消えて行った。


◆      ◆


「……なんであたしここにいるんだ?」

とりあえず現状を思い出そうと思う。
あたしは確か紆余とタクマと一緒にいた。
そして、刀を取りに娯楽施設へと向かったはずだ。
どうしてそこで記憶が途切れている?
そこで何かがあったのか?
いや、だったら覚えてはいるはずだ。
そう……確か入った瞬間だ。
体が浮くような感覚はあった。
銃声もなかったはずだ。
つまり、あたしはその時に連れてこられたのだ。

「まったく訳が分からない……殺し合い出たと思ったらまた別の殺し合いか」

彼女は一度死んだ身である。
肉体的には死んではいない。
だが、紆余曲折に敗北し、彼女は死んだ。
そして、彼の盾になると誓った。
それはこの場でもスタンスとして変える気はなかった。

「さて、と……問題の支給品は……っと、これは」

彼女が最初に手に取ったのは、美しく可憐な刀。
どんな物でも切れそうな――――雰囲気だけの摸造刀だ。
もうひとつの支給品は巨大なタッパーに入ったハンバーガーだ。
蓋に張ってある紙には「作りすぎてしまいました。ごじゆうに食べてください」と書いてあった。
正直こんな怪しい物を食ってなどいられない。
そう思いながらハンバーガー入りタッパーをバッグにしまった。

さて、これからどうすべきか、そう一刀両断は考える。
紆余曲折を探すのは当然としてだ、見つけるまでどうするかだ。
負けた、その時までのように参加者を殺していくか。
それとも、偽善を気取って人を助けて回るか。
どちらに転んでも、良かった。
紆余曲折の盾となる――――それ以外のスタンスなど決まっていない。
それまでは、彼女は優勝することを決めていた。
だが、今回もそうでないといけないわけではない。

「まぁ、どっちであろうがあたしには関係ないけどな」

スッパリと、言ってのけた。
まさに一刀両断の名に恥じない言葉である。
どちらに転ぶかなんて、その時に考えればいい。
今すべきことは、紆余曲折の保護、そして護衛だ。

「――――よし、とりあえず行こうかね……誰かいるかもしれないしな、ここら辺に」

と、彼女が立ちあがり窓から外を見た時だ。
一人のガキが、地面にたたきつけられているのが見えた。
穏やかではないな、そう思った。
だが、あくまで思っただけだ。
助けるなんて、一言も言っていない。
このまま放置してやってもいいんだよ。
別にあいつが死ねば、参加者が減る。
敵が減るんだ、紆余を守るのには都合がいい。
だけれども、正直納得いかない。
このまま放置して逃げてやっても良かったが、やっぱりこうしよう。
あいつを助けて、あの獣人を殺す。
そっちの方が最初の危険性はあるが、もしあたしが勝てば確実に危険な奴は消える。

「さぁーて、行きますか」

その声とともに、あたしは窓を開けた。
そして、全力疾走で塀を飛び越えた。
そしてそのまま、獣人に斬りかかった。

「――――」

だが、獣人は分かっていたかのように華麗に避けられてしまう。
そしてその獣人は戦闘体勢をとった。
だが、相手は素手である。
武器が無かったのだろうか、それは分からない。
だが、先ほどの身のこなしからわかった。
こいつは、只者ではないと言う事が。

「……ふん」

傍らで倒れているガキを見た。
呼吸が止まりかけている。
このまま行けば、呼吸が止まりかねない。
早いうちにこいつを追い払わないといけない。

「さーて、行くぜ」

まずは一刀両断が一歩踏み出す。
それとともに小神さくらも動きだす。
一刀両断は刀を抜き斬りつける――――だが、小神さくらにとってそれを避ける事は容易い。
そしてそのまま蹴りを一刀両断に繰り出す。
それを刀身で受けるが、威力に負けて少し後ずさりしてしまう。

「……なんて奴だ、化物か」

身のこなしは自分とレベルが違う。
こちらは、一度当てればいいだけの一撃必殺のような技を持っていると言うのに。
まったく、勝てる気がしなかった。
どんな技も、当たらなければ意味がない。
まさにその言葉を表すような状況であった。

「くそ、どうすればいいんだよ……これ」

抜け出す方法がいまだ見つからない。
このままでは確実に自分は体力が削られて終わる。
ある程度運動神経がよかろうが、相手がそれを上回れば意味がない。
ここで一つ思いついた。
抜け出せるかもしれない方法をだ。
成功する自信はあまりないが、やらないよりは幾分マシである。

「……ッ!」

再びあたしは獣人のところに駆けた。
向こうも迎え撃ってくる。
先ほどと同じ、だが一つだけ違うものを加えようと思う。
あたしのデイバックから一瞬でタッパーを引きだして、相手に投げつけた。
腹部とかそういった甘いところじゃない、勿論顔面に一直線だ。
もちろん、それは相手の獣人が受け流し戦闘態勢を取ろうとした。
どうせ顔を狙うとでも思ったのだろう。
だが、あたしの狙いはそこではない。

「喰らえぇえ!!」
「――――!!」

足をまさに一刀両断しようとする――――。
が、それは間一髪のところで少し避けられてしまった。
正確に言えば、左足を傷つけるまでに終わった。
だが、相手にも痛覚は少しあるようで体勢を崩していた。
あたしはそこのタイミングで近くで寝ていたガキを拾い上げる。
そして逃げようとした……けど、その時路地裏から声が聞こえた。

「……」

地面に寝かされていたのは、小学生のようなガキだ。
こいつを放置して行くのもどうだろうと思い、使ってないもう片方の手で拾い上げて逃げることにした。


◆      ◆


小神さくらは自分の怪我を治療していた。
今の状態でも行動に支障が出るが、放置すれば悪化するのは目に見えている。
それに、わざわざ追いかけても殺せるか分からない。
先ほどまでなら確実に勝っていただろう。
だが、視界妨害に逃げの戦法をとられ、若干だが不利の要素が生まれた。

「…………」

処置が終わり立ちあがった。
このまま探すよりは他の獲物を探しまわった方が早いと判断した小神さくらは歩き始めた。


【C-6/市街地/一日目/朝】




【小神さくら@俺のオリキャラでバトルロワイアル2nd】
[状態]:左足に裂傷(処置済み・行動に若干の支障あり)
[服装]:特筆事項なし
[装備]:クロスボウ@現実(矢が無くなった)
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~2
[思考]
基本:殺し合いを遂行する。
[備考]
※俺のオリキャラでバトルロワイアル2nd死亡後からの参加です
※支給品は確認しましたが、武器はもう残っていないようです

※C-6市街地内に照り焼きバーガー入りタッパー@四字熟語ロワが放置されています。


◆      ◆


「……うーん」
「起きた?」
「うわぁ!び、びっくりしました……あ、あなたは?」
「あたしは一刀両断……早速だけどちょっと手伝ってほしいんだけど」
「……え」

あたしは起きたその子に今の現状を見せてやった。
ショックが大きかったのか、顔を真っ青にしている。
しょうがない、こうしなければこの少年は本当に死んでしまうのだから。
顔はだいぶ腫れ上がってしまっている。
息ももうしていないと言っても過言ではないほどだ。

「ひっ……お、おにーさんが……」
「大丈夫、まだ生きているよ――――処置をとらないと死ぬけどな」
「……死」

顔からさらに色が抜けていった。
うだうだ言っている余裕はないようだ。
単刀直入に、用件だけ伝える。

「こいつを助けるためにやってほしい事がある」
「……え?」
「――――――だ」
「…………ええええええええ!?!!?」


◆      ◆


「……あれ?」

俺は気づいたら真っ白な空間にいた。
周りを見ても、誰もいない。
何があったのか思い出そうとするが思い出せない。

『――――りん』

ふと、声が聞こえた。
誰のものかなんて、すぐにわかった。
俺の親友にして、相棒的存在……津村匠だ。
どこにいるかと思い周りを探していたが、目の前に徐々に現れてきた。

「……よぉ、匠……ここどこだよ?」
『ここは、しにかけているひとがくるばしょ、いわばさんずのかわのめのまえみたいなものだよ』
「三途の川……?じゃあ俺、死んでるのかよ」
『しんではないよ、いまたすけてくれてるひとがいるし』
「……で、なんでお前がいるんだよここに」
『うん、だってぼくしんじゃったから』
「……え?」
『りんとはまだじかんがちがうのかな……でも、ぼくはしんだんだよ』
「嘘、だろ……嘘だと言えよ」
『うそじゃないよ、ほんとうだよ』
「…………じゃあ、俺は生きて帰っても……」
『それはわからない、でも……ぼくはしなないかもしれないからね……りんはきにしないでいいよ』
「気にするに決まってんだろうが!馬鹿かお前は!」
『たしかにね、でもさ……りん』
「……なんだ?」
『ぜったいに、まちがったことはしないでね』
「…………当たり前だろう」

少しづつ、意識が無くなっていく。
生き返るのか、わからないけれど……正直今はどうでもよかった。
でも、最後に一言だけ、言い放った。

「匠、とりあえず頑張るよ」
『……がんばってね』

そして、意識は完全になくなった。


◆      ◆


「……ん」
「お、おにーさん!!よかったぁ!!」
「うおぉ!?は、遥光ちゃん!!?い、痛い!ギブ!ギブギブ!!」
「良かったな……ラブラブなようで」

何か冷やかしを入れられた気がする。
いや、気がするというか入れられてたんだけどね。
あと何か遥光ちゃんが何か赤面しているんだが、何かあったのだろうか。

「ラブラブでは断じてないぞ……で、あなたは誰ですか?」
「あたしか?あたしは一刀両断、よろしくな」

一刀両断?四字熟語か?
名字が一刀で名前が両断なのかもしれない……。
いや、さすがにそれはないだろう。

「名前に疑問を持ってるかもしれないけれども、一応これがあたしの名前だ。
 本名が思い出せないから我慢してくれ」
「ああ、はい……」

偽名、ということか。
だがしかし、なぜわざわざ四字熟語なんだ?

「……さて、一つだけ聞くぞお前ら」
「なんでしょうか」
「紆余曲折、と言うやつを知らないか?もし知らないのなら、探すのを協力してくれ」

なんというか、いきなりだった。
紆余曲折さんという人はもちろん知らない。
それは直接言えばいいだろう。
だが、協力をしてくれ……か。
どうするべきだろうか。
わからない、けれども……。

「――――――俺は」


【C-6/市街地・住宅内/一日目/朝】


【須藤凛@変哲もないオリキャラでバトルロワイアル】
[状態]:顔に腫れ、体中にダメージ(大)、肉体的疲労(極大)、左肩に刺し傷
[服装]:特筆事項無し
[装備]:トンファー@現実
[道具]:基本支給品一式、不明支給品0~2
[思考]
基本:この殺し合いを潰す
0:俺は――――
1:遥光ちゃんと行動
2:まず狭山さんを見つけたい
3:さっきのは……夢?
[備考]
※変哲オリロワ参加前からの参戦です。
石川清隆の外見のみ記憶しました。
飯島遥光が年上と知りません


【飯島遥光@数だけロワ】
[状態]:健康
[服装]:特筆事項無し
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1~3
[思考]
基本:生き残る
1:おにーさんと行動
2:熊本潤平と合流
[備考]
※数だけロワ参加前からの参戦です。
※石川清隆の外見のみ記憶しました。
※須藤凛が年下とは知りません

【一刀両断@四字熟語バトルロワイアル】
[状態]:肉体的疲労(中)
[服装]:特筆事項無し
[装備]:模造刀
[道具]:基本支給品一式
[思考]
基本:紆余曲折の盾になる
1:返事を待つ
2:紆余曲折、切磋琢磨との合流(紆余曲折を優先)
[備考]
※四字熟語ロワ23話「仲間意識」で刀を取りに行ったところからの参戦です。
※小神さくらの外見のみ記憶しました。
※四字熟語のルールは規制されていません。



【支給品】

【模造刀@現実】
一刀両断に支給。
よく斬れそうな刀……の模造品である。
もちろんこのままでは物を斬る事は出来ない。

【照り焼きバーガー入りタッパー@四字熟語ロワ】
一刀両断に支給。
破顔一笑が大量に作ったハンバーガーセット。
タッパーには彼が書いた置き手紙も残っている。


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013:三者三様 須藤凛 055:アンハッピーリフレイン(前編)
013:三者三様 飯島遥光 055:アンハッピーリフレイン(前編)
006:打ち疲れたこの鼓動は、無力で儚いもの 小神さくら 068:疾走する思春期のパラベラム『みんな大好き戦争』
GAME START 一刀両断 055:アンハッピーリフレイン(前編)

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最終更新:2012年12月17日 17:59