危機一発

目の前に移っているのは異常な光景だった。
そこにもともと広がっていたのは聖なる場所だったのだろう。
地図にも、神社とは書いてあった。

「……何があったらこうなるんだ」

俺はこんな状態になった神社を見た事がない。
爆発で破壊したというよりは、鈍器的な何かで破壊されたような感じだ。
神社を破壊する理由なんてあったのだろうか。
戦闘中に何かの衝突に壊れたか。
いや、それはまずあり得ないだろう。
爆弾と言うか手榴弾を多用していればあり得ない話ではない。
先ほども考えてはいたが、焦げた跡が一切ない。
破壊された原因が爆発ならば、どこかに熱により焦げがあるはずだ。
と言う事は爆弾は使われていない。
ならば、発狂した奴が暴れまわって神社を壊したか。
いや――――それもありえないだろう。
発狂している奴がもし神社に向かったとしても、こんなデカイ施設そう簡単に壊す事は出来ないだろう。
それとも、『何か』が猛スピードでぶつかって破壊されたか。
中を調べればその『何か』に匹敵するものがあるかもしれない。
だが、ここまで崩れた中を調べる気も起きない。

「――――はぁ、誰か見てたりしてんのかねぇ……この状況」

まぁ、偶然居合わせたとしても、目の前で神社が破壊したらどう思うだろうか。
現実ではないと思うか、納得するような理由があるのだろうか。
あまりのショックに気絶しているかもしれない。

「……はぁ、誰か見てねぇかなやっぱり……気になるか」
『があああああああああああ! なんでだあああああああああ!!』
「……なんだこの声、ガキか?」

少し遠くから声が聞こえてきた。
声質と喋り方が一致してない気がするけど。
小さいガキがあんな雄叫びみたいな叫び方するのか。
すごい時代になったな。
――――まぁ、殺し合いとか開催させてる時点で世も末ではある。

「……まぁ、行くだけ行ってみるか……?」

何やら怪しい気もするが。
いや、やっぱり面倒事には首は突っ込みたくない。
この場はとりあえず逃走に限……。

「――――――――ッ!」

声がした方向から誰かが走ってきた。
誰かなんてわからないが、下手に接触すると大変なことになりかねない。
急いで逃げようとしたところに、何かが足元に飛んできた。

「銃弾……!? ヤベッ、こりゃあ相手が悪い……逃げねぇと」

なりふり構わず走って逃げる。
後ろから誰かが追ってきている気がする。
どうしてこうなったんだ、ただ神社を見ていたはずなのに。
何がどうやって、こうなったんだよ!



○    ○   ○  ○ ○



「畜生がああああ!! なんで、こんな格好になってんだよオオオオオオオオ!!?」

殺し合いと言う場において危険な行為の一つ、叫ぶ事。
そんな事も気にせずにこの男――――。
いや、この『少女』ジャック・ザ・リッパーは叫んでいた。
少し前彼はとある警察官と死闘を繰り広げた。
殺人鬼で精霊となっている彼であっても、その男に敗北した。
そして、戦闘の際に崩壊し埋もれていた神社からはい出て、薬を飲んだ。

「こんなんじゃ、人を殺すのもままならねぇじゃねぇかよ……!」

『暴食』の名の下、彼は人を殺し、『喰らう』必要がある。
そして、彼自身が強くなる。
最終的には誰も敵がいなくなる――――そう思っていた。
だが、あの男には勝てない。
『無限の刃』が使えたとしても。
いくらジャック自身が強くなったとしてもだ。
あの警察官はジャックが強くなったと同時に強くなった。

「……だが、あいつを殺せば敵はいなくなるってことだ……ゼッテェに殺してやるぜ――――!」

元々の体だったならドスのきいた声で言えたのだろう。
だが今は少女となっているためそこまで迫力がない。



話は変わり彼が森に入ったころだ。
一人の人間がジャックの所向かってきていた。
ジャックはニヤリと笑いながら走ってその男のところに駆けた。



○    ○   ○  ○ ○



「畜生ッ――――何がどうやって、こうなったんだよ!」

先ほどから俺は逃げていた。
森の中へと入り、息も切れてきた。
ずっと走っていれば体力切れなんてすぐだ。
どうしようもないと思いながら、適当な木の陰に隠れる。
身を隠すなら木々の中、ってな。

「――――――――」

出来る限り口から音を出さないようにする。
気づかれて撃たれたらそれで本当にお終いだ。
相手の様子を観察する。
俺を探しているようで、草木の間を探っている。
探している一は的外れであるが、そのうち俺が隠れている場所に来てしまうはずだ。
それまでに対策を取らなくてはならない。
いや、対策云々と言うか逃げる経路を考えなくてはならない。
周りは木々が生えて入れ、死角を突こうと思えばつける。
だが、逆にそれでも問題はある。
もし何かのミスで草とかに触れて音を出したら気付かれる事は必至だ。
じゃあ、どうするべきだろうか。
確実ではないにしても、安心して逃げれるようにする方法は。
そういう風にする道具ならある。
だが、リーチの差が問題だ。
それにこの道具がいつも機能するとは限らない。
やはり、隠れて逃げるしかない。
そう思いながら少しづつ移動しようとしたところだった。



ガサッ



恐れていた事を起こしてしまった。
バックが草に触れて音を立ててしまった。
そして、それと同時に俺は顔を真っ青にした。

パンッ、パンッ、パンッ

乾いた音が三発なり、右肩に一つ衝撃が通った。
うめき声を出して、その場に俺は倒れてしまった。
銃で撃たれるというのは、痛いものである。
肩と言う命に別条がない場所であろうが、痛い物は痛い。

「――――美緒、待っていてくれ……必ず、目を覚まさせてやる」
「だ、誰だよ……その美緒って」
「お前には、関係ない」
「――――そうかよ、だがな……それがお前の大事な人だったとして、そんな事をして喜ぶか?」
「…………」
「その人は、ここにいるたくさんの命を殺して生き返って喜ぶのか」
「喜ぶはずだ――――アイツなら、喜んでくれる」
「そんなことあるわけがないだろうが……その子はきっと事実を聞いたらとてつもない傷を負うはずだ。
 命はな、重いんだよ……とても、何よりも、苦しくて重いんだよ」
「――――お前には分からないさ……でも、ご忠告と受け取っておいてあげるよ」

引き金が引かれる。
一度起きた偶然は二度も起きないか。
今からハリセンで叩こうとしても、きっと先に撃たれるだろう。
もう助かる手立てはない。
ああ、今度こそ終わりだな。
そう思いながら嘲笑した時だった。


「見つけたぜえええええええええええええええ!! テメェエエエエエエエエ!!」


そう言いながら目の前に現れたのは――――幼女だった。
手にはナイフを持って、男物のTシャツを着ていた。
それで体全体は基本的に隠れているが、肩らへんが露出している。

「さっきはよくもやってくれやがったなァ、ギャハハハ! さぁ、行くぜエエエエエエエエエエ!!」

状況がつかめないまま、目の前で戦闘が始まろうとしていた。
俺は、良く分からないまま無心にその場から去った。
ただ我武者羅に、そこから逃げた。
後ろで殺し合いをしている中で、何もできなかった。

【E-6/森/一日目/朝】


【ジャック・ザ・リッパー@夢オチだったオリロワのキャラでロワ】
[状態]:疲労(小)、幼児化(残り一時間)、性別変化(残り一週間)
[服装]:Tシャツのみ
[装備]:コンバットナイフ
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×1
[思考]
基本:強い人間を殺し、その肉を喰らう
1:こいつを殺す
[備考]
※ロワ参加前からの参加です
※固有能力《無限の刃》は封印されています
※薬品により幼児化、性別変化しています
真田麻緒と接触があったようですが、何があったかは後続の書き手さんにお任せします


【真田麻緒@オリキャラで俺得バトルロワイアル】
[状態]:思考回路に異常
[服装]:特筆事項なし
[装備]:コルト・ガバメント(8/12)
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品(0~2)
[思考]
基本:優勝して真田美緒を生き返らせる
1:目の前の子どもを殺す
[備考]
※オリキャラで俺得ロワ参戦前からの参戦です。
※ジャック・ザ・リッパーと接触があったようですが、何があったかは後続の書き手さんにお任せします


永久修康@俺のオリキャラでバトルロワイアル2nd】
[状態]:右肩に銃創
[服装]:特筆事項無し
[装備]:特殊ハリセン
[道具]:基本支給品一式、いちごオレ@DOLバトルロワイアル(3)、古いねずみ花火(3)
[思考]
基本:殺し合う気は無い。生き残る事を優先する。
1:この場から逃げる。
2:瀬戸麗華には注意。
[備考]
※俺オリロワ2nd死亡後からの参戦です。
※瀬戸麗華の名前と容姿を記憶しました。


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027:RA-SE-N 永久修康 066:シーソーゲームの行く末は
010:正義の味方 ジャック・ザ・リッパー 066:シーソーゲームの行く末は
015:サナダのパーフェクトずがん教室 真田麻緒 066:シーソーゲームの行く末は

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最終更新:2012年11月23日 23:22