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長門有希の憂鬱IV 未公開シーン エピローグ

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エピローグ


使われなかったエピローグのパターン
TOBの話は経営シリーズで特化することにした




 目を上げると、ハルヒが頬杖をついてぼんやりと古泉の顔を見ていた。パソコンのモニタを見ていた古泉は、その視線に気が付き、ハルヒと目を合わせた。ハルヒの頬が赤くなり、あははと笑った。古泉がにっこりと笑った。古泉がモニタに目を戻し、またハルヒが頬杖をつく。また、目が合って二人は笑った。そんな様子をじっと見ていた俺も俺だが、お前ら、仕事中にそれなんとかならんのか。
 いっそ目の届かないところに席替えでもするか。後ろを振り返ると、長門がぼんやりとこっちを見ていた。目が合うとにっこり笑った。やれやれ、こっちもかよ。

 その後のことを少しだけ話そう。いや、話したいことは山ほどあるんだがページの都合だ。

 買収の話は先送りになった。長門が交渉決裂させたわけではなくて、この度、SOS団の親会社が変わったからだ。鶴屋グループの再編とやらで、株主が鶴屋ホールディングスに変わった。そうなると中河のグループ企業が鶴屋グループの株主と交渉しないといけないわけで、そんな面倒なことはそう簡単に動くものではない。
「うっとこの親はケチケチだからね。そう簡単には手放したりしないよっ。それにタイムマシンにゃ、あたしが一番のりだからねっ」
鶴屋さんがそう言ってくれるのを聞いて俺は安心した。

 俺は長門の部屋に引っ越した。あのガランとした空間が好きなので、あまり荷物は持ち込まなかった。ゲームもテレビもステレオも妹にやった。妹がもし結婚するなら、実家はあいつにやっちまってもいい。どうせ戻るつもりもない。そうは言っても、帰宅時間が来ると俺はついつい実家のほうに帰ろうとしてしまう。長門が袖を引っ張り、すまんと謝ることしばしば。俺の帰る場所はあのマンションなんだと何度も言い聞かせてみるのだが、なぜか勝手に足が実家に向いてしまう。だが頭が向かうのは、この先何十年も続く、俺と長門と、たまに帰ってくる黒猫ミミの三人の生活だ。

END

*


初期のプロットに入っていた一節

 あれから中河が電話してきて、ひたすら詫びた。長門に気があったのは確かだが、他人の女を横取りするつもりはなかった、と。まあ気分を悪くしたのは俺じゃなくて長門のほうだったから、直接話してみろと言っておいた。俺が言うと変な気もするが、仕事と恋愛は別にしたほうがいい。


エピローグ


お父さんありがとうの元のテキスト



新川さん演じる父親に娘が寄り添った。
「有希、おめでとう」
「……お父さん」
長門はなにを思ったか、いきなり新川さんに抱きついた。
ふつーに見てれば結婚式の微笑ましいワンシーンだっただろう。演じている新川さんは、シナリオにない長門の行動に一瞬だけひるんで冷や汗を垂らした。が、そこは父親のそれ、長門の肩を抱いて、
「優しい旦那さんが見つかってよかったね。幸せになるんだよ」
涙を浮かべて長門を見つめ、娘をよろしくお願いしますと言った。これが演技の上でかどうかは、もう俺には分からない。
「俺が責任持って幸せにします」俺は妙に力んで返答した。

買収その後


ハルヒTOBの流れのエンディング
買収ネタが未定なので予備として用意されたが
披露宴の後は枝をつけずにすっきり終わらせたので使われなかった



 中河テクノロジーとの買収話だが、グループ内部から垂れこみがあったらしく株価操作の疑惑が報じられて交渉は中止になった。かわいそうなことに、マスコミで疑惑が報じられると中河の会社は株価が急落し、その日の下限に達してしまい売買停止になる始末だった。まだ上場したばかりでカラ売りもできない。誰かは知らんがSOS団の買収ネタで稼ごうとしたやつは膨大な損をこうむったことだろう。
 俺が経済新聞を広げてスキャンダル記事を読んでいるその向こうで古泉が意味ありげにニヤリと笑っていた。俺は記事のタイトルをぺんぺんと叩いてみせた。
「古泉、これはお前の仕込みか」
「さあて、どうでしょうね。この業種はいつも仕手筋や機関投資家によって新聞ネタにされやすい傾向にありますからね」
「そんなに人気あるのかこの業界は」
「記憶にありませんか、創業から間もないSNSや実体のない通信インフラなどなど。名前だけが先走りして上場から数日は急騰し、その後は下降の一途をたどる。典型的なパターンです」
うちも気をつけないといかんな。ハルヒがSOS団を上場させるなんてことを言い出さないとも限らん。しかも時間移動技術なんて眉唾もののテクノロジーを開発してるときた日にゃなおさらだ。
 それからしばらくして、暴落した中河テクノロジーを地味に買い集めているやつがいたらしい。それがごくごく身近にいる投資家だったとは露も知らずにいた俺だったのだが、まあそれはまた別の機会に話そう。


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