漢字の大海
H23年度第3回
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(一)読み
- 幽邃の地に山墅を営む。
- 可憐な丫鬟が目に留まった。
- 一隅に囁囁の語が起こった。
- 多項式の各項を降冪の順に排列する。
- 珠玉の遺作に頌辞を手向けた。
- 巨大な丘垤が点在する。
- 僧兵が大挙して嗷訴に及んだ。
- 月夜の海に欸乃の声を聞く。
- 生の繋縛を斫断せんことを希う。
- 村の翁媼を訪ねて昔話を聞いた。
- 流離の年月を僂指する。
- 卓犖たる論弁の才が具わる。
- 兵士は皆青窄の襯衫を着した。
- 甲戌の歳には都に大火があった。
- 金融界の混乱が市場を壅塞した。
- 盍簪の間に自説を披瀝する。
- 側近の佞諂を厭悪した。
- 疇昔の景物が眼前に髣髴する。
- 湖沼は延袤里許、深さ測るべからず。
- 哽噎して語る能わず。
- 拇ほどの大きさだった。
- 両者漸く覇権を争うに曁ぶ。
- 渋柿を焼酎につけて醂す。
- 澪筋を伝って舟を進めた。
- 一里四方に亘って柞原が広がる。
- 屈強の者二人に轎を舁かせる。
- 米搗つ男等、恐れ惑いて蹲る。
- 楹を鑿ちて書を納む。
- 粤に起ちて自ら之を見る。
- 往く者には必ず贐を以てす。
(二)書き取り
- 台風で街路樹がネコソぎになった。
- ヌエのような正体不明の人物だ。
- 汚染水をロカする装置を付ける。
- 会社グルみで事実を隠していた。
- 古歌をモジって川柳を詠む。
- 味噌を肴にアツカンで一杯やった。
- シンチュウ製の仏具を磨き上げる。
- 年代物の茶碗を矯めつスガめつ眺めた。
- 長身ハクセキの青年が質問に立った。
- 居酒屋でトグロを巻いていた。
- ゾウブツ故買の容疑で逮捕された。
- 恭賀シンキ、本年も宜しくお願いします。
- 激高してシンキ亢進を惹き起こした。
- 電車の中で財布をスり取られた。
- 煎った胡麻をスに移す。
(三)国字
(四)語選択 書き取り
きんこん・きんしょう・こうじつ・こけん・じゅんち・せんぜい・とんそう・はんこん
(五)四字熟語
あゆ・ざんきょく・しんいん・せんしん・そうよう・ぞくれい・てきか・ほりん・りんり・ろうひょう
②意味・解説
次の11~15の解説・意味にあてはまるものを上記ア~コの四字熟語から1つ選べ。
11.無駄な努力。(解答)
12.非常に人気があること。(解答)
13.詩文などに妙なる趣のただようさま。(解答)
14.困難を克服し前進する。(解答)
15.学識を磨いて有用の器となる。(解答)
次の11~15の解説・意味にあてはまるものを上記ア~コの四字熟語から1つ選べ。
11.無駄な努力。(解答)
12.非常に人気があること。(解答)
13.詩文などに妙なる趣のただようさま。(解答)
14.困難を克服し前進する。(解答)
15.学識を磨いて有用の器となる。(解答)
(六)熟字訓・当て字
(七)熟語の読み・一字訓読み
(八)対義語・類義語
かいらん・きゅうじゅつ・きょたん・じくじ・しゃば・せきとく・ちょうば・ふえつ・ぼくとつ・らんだ
(九)故事・諺
- リリョウ頷下の珠。
- 鍋蓋とスッポン。
- イアクの臣。
- 蛇も一生ナメクジも一生。
- 空き家で声カらす。
- 人生根蔕無く、飄としてハクジョウの塵のごとし。
- リョウチュウ辛を忘る。
- 西施のヒソみに倣う。
- 藜羹を食らう者はタイロウの滋味を知らず。
- ショウリョウ深林に巣くうも一枝に過ぎず、偃鼠河に飲むも満腹に過ぎず。
(十)文章題
[A]
乾坤わが前に一転せり。何が故に一転せる、われ是を知らず、唯睹る、昨日の愁涙は拭われてメイボウ現れ、絶望化して有望となり、嘆声変じて歓声となるを。昨日汝に待たれし議会は今日汝を待つ、昨日汝を詐瞞し、汝を泣啼せしめたる政党の魔鬼は漸く湮滅し去りて、他の真実なる者起こらんとす、汝がブリョウを消さん為に撰挙あり、地方制度の忙事あり、而して乱麻索然たりし文学界にも亦有望の旗幟各方に現出せり。人は流石に正直なるかな、昨は憂い、且つ泣き、今は歌い、且つ笑う。然れども世人は容易く泣き、容易く笑う、此の間に世と共に泣かず、世と共に笑わずして、冥暗の中に勢源を握攫する者あらば国の至幸なり、須く巍然たる、爛熳たる、誠実なる人物の路に要するありて、卑流し易き人類界を遮り、シンロウに迷う者をして、其の本道に還らしめ、堅忍し、励精し、以て人生の嶮山を越えしむるは実に望ましきかな。
(北村透谷「泣かん乎笑わん乎」より)
乾坤わが前に一転せり。何が故に一転せる、われ是を知らず、唯睹る、昨日の愁涙は拭われてメイボウ現れ、絶望化して有望となり、嘆声変じて歓声となるを。昨日汝に待たれし議会は今日汝を待つ、昨日汝を詐瞞し、汝を泣啼せしめたる政党の魔鬼は漸く湮滅し去りて、他の真実なる者起こらんとす、汝がブリョウを消さん為に撰挙あり、地方制度の忙事あり、而して乱麻索然たりし文学界にも亦有望の旗幟各方に現出せり。人は流石に正直なるかな、昨は憂い、且つ泣き、今は歌い、且つ笑う。然れども世人は容易く泣き、容易く笑う、此の間に世と共に泣かず、世と共に笑わずして、冥暗の中に勢源を握攫する者あらば国の至幸なり、須く巍然たる、爛熳たる、誠実なる人物の路に要するありて、卑流し易き人類界を遮り、シンロウに迷う者をして、其の本道に還らしめ、堅忍し、励精し、以て人生の嶮山を越えしむるは実に望ましきかな。
(北村透谷「泣かん乎笑わん乎」より)
[B]
羅馬のとみに強盛を極め、未曾有の大国を成せしは、想うに各人の権を抑圧し、もってシュウショの権を盛大ならしめしに基づくもののごとしといえども、かく人の貴重なる嗜好をキソクして、まったく自由の権を圧制し、いたずらにその勇威を拡張したるは、あにまた慨嘆すべきにあらずや。すでにしてしかして羅馬はまた奸雄・梟将の踵を継ぎ、互いに起こり、おのおの己の勢力に憑り、その欲を逞しゅうせんとなすに及びては、人民を見る、あたかも土芥のごとく、国体ついに一変して帝国となり、当時自由の権まったくここにその跡を絶つに至りしが、日耳曼(ゲルマン)のイテキ来てその国を侵すに及び、その人民ら柔懦にして国を思うの心なく、シハイして寇を禦ぐの力なく、ここにおいて羅馬の形勢ついに土崩に帰し、また収拾する能わず。
(箕作麟祥「リボルチーの説」より)
羅馬のとみに強盛を極め、未曾有の大国を成せしは、想うに各人の権を抑圧し、もってシュウショの権を盛大ならしめしに基づくもののごとしといえども、かく人の貴重なる嗜好をキソクして、まったく自由の権を圧制し、いたずらにその勇威を拡張したるは、あにまた慨嘆すべきにあらずや。すでにしてしかして羅馬はまた奸雄・梟将の踵を継ぎ、互いに起こり、おのおの己の勢力に憑り、その欲を逞しゅうせんとなすに及びては、人民を見る、あたかも土芥のごとく、国体ついに一変して帝国となり、当時自由の権まったくここにその跡を絶つに至りしが、日耳曼(ゲルマン)のイテキ来てその国を侵すに及び、その人民ら柔懦にして国を思うの心なく、シハイして寇を禦ぐの力なく、ここにおいて羅馬の形勢ついに土崩に帰し、また収拾する能わず。
(箕作麟祥「リボルチーの説」より)
[C]
友山短才浅慮の身を以て御前にシセキし親しく叡旨を拝承し、憃迂(とうう)の鄙見も屢言上したるに、聖鑑照明採択を被ること有りたりき。其の後洛北に屏居し、復親しく叡旨を拝承すること能わざるも、窃かに伝承する所に依れば、叡思は些かも当初と渝わらせらるること無く、皇国コウアンにして外国に要せらるるを宸憂あらせられ、機会あらば皇国の威武を揚げさせられたき聖慮なるも、全国遵奉して施行せざるに由り、歳月ジンゼン、遂に言う可からざるの形勢に推移せり。然れども国難を匡救す可きの鴻図を建てさせられ、天下綏撫遊ばされたき叡念の少くも休まさせられざるは、友山の深くを感戴する所なり。
(岩倉具視「済時策」より)
友山短才浅慮の身を以て御前にシセキし親しく叡旨を拝承し、憃迂(とうう)の鄙見も屢言上したるに、聖鑑照明採択を被ること有りたりき。其の後洛北に屏居し、復親しく叡旨を拝承すること能わざるも、窃かに伝承する所に依れば、叡思は些かも当初と渝わらせらるること無く、皇国コウアンにして外国に要せらるるを宸憂あらせられ、機会あらば皇国の威武を揚げさせられたき聖慮なるも、全国遵奉して施行せざるに由り、歳月ジンゼン、遂に言う可からざるの形勢に推移せり。然れども国難を匡救す可きの鴻図を建てさせられ、天下綏撫遊ばされたき叡念の少くも休まさせられざるは、友山の深くを感戴する所なり。
(岩倉具視「済時策」より)
おわり