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折檻
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houji
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【折檻】(セッカン)
①きびしく意見すること。せめさいなむこと。
②(日本のみ) きびしく責め、しかること。
多く、打ったりけったりしてしかることをいう。
多く、打ったりけったりしてしかることをいう。
故事
■登場人物
- 成帝(セイテイ):前漢の第11代皇帝。
- 朱雲(シュウン):成帝親族の横暴に憤慨し、成帝に謁見しに来た人。
- 張禹(チョウウ):成帝の学問の師。成帝に尊重されている。
- 辛慶忌(シンケイキ):成帝の側近。
朱雲「朝廷の大臣たちは、皇族に媚びて、民衆を顧みません。
そこで、そのような大臣を一人斬って見せしめにしたいと思います。」
成帝「ほう、誰を斬るのだね?」
朱雲「張禹どのを斬ります。」
成帝「お主のような小者が何をほざくか!我が師を侮辱した罪、死んで償え!
おい!この者をひったてい!」
(朱雲は家臣に捕らえられるも、檻(てすり)につかまって抵抗する。
朱雲は激しく抵抗し、ついにはその檻が折れてしまう)
朱雲「私は死んでも構いません。しかし、陛下!
今のままでは、あなたは民衆から何と言われるかわかりませんよ!」
(そして数日後)
辛慶忌「陛下、あの朱雲という男は誰にはばかることもなく
いつも正しいことを言う者として知られています。
彼のことを正しいと思われるなら処刑すべきではありません。」
成帝「そうだな。よし、朱雲を許してやろう。
そして、あの折れた檻は取り替えずに、つなぎ止めておこう。
あの檻は直言の臣はたたえるべきだという、自分への戒めにしよう。」
(この後、各王朝の宮殿は、この故事にならい、
檻の一部を欠損させたという。)
(出典:班固著『漢書』巻67朱雲伝)
- 備考
- H23年度第2回漢検1級(二)書き取りにて出題
関連リンク:檻