グレイ・魚座 - 崩壊学園wiki

キャラの基本情報

• 身長　152cm
• 体重　41kg
• 3サイズ　74/52/75
• 趣味　静かにしていること

• 親ページ　グレイ

コード番号OS-04-SGの空想神格。
現実世界の殺し屋であると同時に、銀幕の中の暗殺者でもある。
「魚座のお嬢様」——彼女のミステリアスでクールな雰囲気は大勢のファンを魅了している。——決して彼女が望んでいるわけではないのだが。

絆ストーリー

本物の殺し屋

『星座の旅人』でグレイが演じた「魚座のお嬢様」は、殺し屋だ。殺し屋の行動といえば、潜伏、暗殺、闇に紛れた行動などで、おかしなことは何もない。
しかし、完璧な演技をしたにもかかわらず、意外なことに「魚座のお嬢様」の演技は観客の物議を醸した。

「どうして殺し屋が覆面するの？しかも潜伏？おまけに隠密行動？プロの殺し屋なら自分の顔を見た人を皆殺しにすれば済むじゃない！」
「そうだよ、そうだよ！魚座のお嬢様の見た目にはメロメロになりそうだけど、私は美貌に騙されて自分の判断を誤ったりしないよ！」

一時、このような無責任な意見で盛り上がった。世の中ではグレイが大いに話題になったものの、その意見はこの「プロらしくない殺し屋」の殺意を刺激し、危うく『星座の旅人』がスプラッター映画のようになってしまうところだった。
結局、シミンがグレイをなだめてその場を収めた。
「やめてくれ、グレイ……私たちの映画をお蔵入りさせないでほしい。」

月下の手紙

ネット上の無責任な意見に憤慨するグレイだったが、彼女にとってはボスの命令の方が大事だった。そのため、基地に留まって大人しくしていた。
映画の観客のほとんどは表面的なおもしろさにしか興味がなかったが、一部の観客は本質を見抜いており、たとえ映画であっても、その中のポイントを分かっていた。
そして、ある日のある時間、空想神格たちは一堂に会し、テーブルに置かれた1枚の便箋を険しい表情で見つめていた。

『小生、映画を見てグレイ殿の暗殺技術が優れていることを知りました。並みの者とは異なり、見ていて心躍りそうになりました。つきましては、グレイ殿と手合わせし、ご指導願いたく存じます。』

その下には時間や場所などが記され、最後に差出人の名前が書かれていた。その名は——フェイスレス。

「今日、部屋の前に急にこんな張り紙がされていた。きっとこのフェイスレスという神格が書いたんだろう。」シミンが言った。
「この方は暗殺の勝負がしたいの？いくら何でも怪しすぎるし、ここは私が断ってくるよ。」パーゼは訝しんでいるようだ。

グレイも同意見だったので賛同しようと思ったが、パジャッソが急に義憤に駆られたかのようにテーブルを叩いた。

「見くびられたものね。私たちのグレイとそんな勝負をしようなんて。もちろん受けて立つわよ」

そして、他の空想神たちもほとんどが賛成し、最終的にこの件は訳が分からないまま決まってしまった。
グレイは妙だと思いつつも、決まった以上は反対しなかった。

勝負の前奏

果たし状の件は伏せられるどころか、大々的に宣伝された。
まもなく殺し屋同士の勝負が開催されるという噂が広まると、たちまち大騒ぎとなった。
暗殺のターゲットはただの「マネキン」か、あるいは防護服を着たスタッフなのだが、専門家や学者たちはもっともらしい分析を行い、この件が「青少年に計り知れない悪影響を与えるのではないか」、「社会に悪影響を与えてしまうのではないか」などと議論をしていた。
しかし、バビロン学園放送局はいち早く試合を生中継する放映権を購入し、試合の3日前から番組予告画面に広告を表示させていた。
さらには裏社会のプロが覆面をしてスタジオにやって来て、視聴者に向けて「魚座のお嬢様」とフェイスレスの暗殺テクニックについて解説を行い、プロの視点から彼女たちを褒め称えた。そして警察が来る前にその場を立ち去ったのだ。
地下賭博場では、早くからオッズがつけられた。リアルタイムで「魚座のお嬢様」とフェイスレスの勝率が分析され、億単位の資金が毎日流れ込んだ。
一連の出来事により、観客たちはさらにヒートアップし、映画『星座の旅人』も一躍人気となった。専門家の解説や分析により、観客やギャンブラーたちは徐々に「魚座のお嬢様」の専門性の高さを理解していき、まもなく始まる試合にますます期待が膨らんでいく。
そのような中、グレイだけはやや戸惑っていた。
——どうして急にこんなことになってしまったんだろう？

殺し屋の勝負

大勢が注目する中、試合が始まった。
試合当日、予定されていた会場にはグレイが先に到着し、軽装のフェイスレスはそのすぐ後にやって来た。ゴングが鳴ると、フェイスレスはグレイに謎めいた笑みを見せ、サッと人混みの中にはいって姿を消してしまった。
観客たちは誰もがドキッとした。

「そんな！みんな見た？あのフェイスレスって殺し屋、一瞬で姿を変えて見つからなくなっちゃった……これが殺し屋の変装能力なの！？」
「いいえ、『魚座のお嬢様』の動きはもっと速いわ。なにせカメラでも姿を捉えられないのよ——まだまだこれからよ！」

審査員の熱いコメントが飛び交い、観客の視線が注がれる中、招待された参加者、スタッフ、そして高度なAIを搭載したロボットが次々と狩られていった。
もしかすると、隣の影は変装したグレイで、急に息の根を止められてしまうかもしれない。
もしかすると、近くにいる老婆は変装したフェイスレスで、優しそうに微笑みながら毒ガスを噴きかけてくるかもしれない。
結局、勝負はまる1日続き、視聴率は最高値を更新し続けた。観客たちのボルテージが最高潮に達したとき、ついに勝敗が決した。

グレイが『5786:5760』という僅差でフェイスレスを制したのだ。

「あら、あなたの勝ちね」フェイスレスはグレイにウィンクしながら言うと、静かに退場した。
グレイは表彰台の中央に立ち、観客たちの賞賛を浴びていた。司会者は熱のこもったスピーチをしているが、なぜかグレイはそれほど嬉しいと思わなかった。

最終結果

人里離れた森の小道で、怪しげな2人組がこっそりと金を分け合っていた。

「労務費、番組の分け前、それから八百長試合のオッズ……分けた後は大体これくらいね」

パジャッソはニコニコしながら秘密の資金が隠されたアカウントと帳簿をフェイスレスに渡した。
フェイスレスは驚いて、「あら、これは殺し屋10年分くらいの稼ぎよ。やっぱりエンタメ業界ってお金になるのね。またこういうことがあれば、一緒にやりましょ。」
「またチャンスはあるわ。あなたみたいな賢い人って大好き」

パジャッソは彼女に手を振って言った。

「お先に失礼するわね」
フェイスレスはパジャッソと別れた後もその場に残り、何かを待っているかのようだった。
しばらくすると、木の上から人影が音もなく下りてきた。

「やはり、何もかもあなたたちが仕組んでいたんだ。勝負も、勝負の結果も、あらかじめ決まっていたってこと？」
グレイは低い声で尋ねた。
フェイスレスは笑い出した。

「そうよ。コケにされたと思ってるの？」

グレイは首を縦にも横にも振ろうとしなかった。フェイスレスは構わずに話し続けた。

「でもね、正直に言って、あなたのことが少し羨ましかったの。知ってる？パジャッソが計画書を持って私に連絡してきたとき、計画のポイントはお金を稼ぐことでも、話題づくりをすることでもなく、『魚座のお嬢様』に対する観客のイメージを作り替えることだったのよ。皆があなたのことを理解し、認め、慕うようにってね。」
「つまり、この計画の中心はあなたに力を発揮させ、元気になってもらうことだったの。」

グレイはパジャッソ、シミン、そして他の空想神たちの顔を思い浮かべた。
彼女はそれがすべて本当のことだと分かっていた。彼女が空想神たちを家族とみなしているように。他の空想神たちも彼女のことを最も親しい仲間とみなし、それぞれの立場から彼女の悩みを解決しようと、あらゆる方法を模索していたのだ。
森の小道から立ち去ったグレイは、この件を心の奥底に封印することにした。
自明のことはたくさんある。
彼女にはよく分かっていた。家に帰れば、シミンは以前と同じく偉そうにし、パジャッソはいつものように軽薄な悪ふざけをしている。ルツェリンは相変わらず彼女を尊敬している……そして、彼女も同じだ。家族の前でいつもの「グレイ」をひたすら貫いていればいい。
彼女の幸せこそ、殺し屋にとって最強の武器となるのだ。