崩壊学園wiki
俗世の狩場
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寒鉄
できた。通信モジュールの遮蔽完了。そっちは?
できた。通信モジュールの遮蔽完了。そっちは?
ポポ
待ってたよ。
待ってたよ。
旅の41日目
朝。
朝。
——[警報、警報。E3区画で正体不明の不審者を検知。直ちに身分を明らかにして下さい。
従わない場合は攻撃します。]——
従わない場合は攻撃します。]——
寒鉄
別にいいよ。早く撃てば?ついでに音楽でも流してよ。一緒に踊ろうか。
別にいいよ。早く撃てば?ついでに音楽でも流してよ。一緒に踊ろうか。
艦内の兵士
寒鉄!?いつの間に乗艦したんだ!?
寒鉄!?いつの間に乗艦したんだ!?
艦内の兵士
金属の聖痕?……お前はずっと私たちの近くにいたのか……。
金属の聖痕?……お前はずっと私たちの近くにいたのか……。
アイスモール大佐
まさか……伝説の人物と正面から戦うことになろうとは——
ゴホゴホ......もっと早く......早く察知していれば........。
まさか……伝説の人物と正面から戦うことになろうとは——
ゴホゴホ......もっと早く......早く察知していれば........。
寒鉄
ほら、口を開けなさい。
ほら、口を開けなさい。
アイスモール大佐
うっ……!
うっ……!
寒鉄
今、あんたの体中には模型が作れるくらいの金属が入っているわ。山の座のスマートコアのアクティベートキーを吐きなさい。苦しまずにあの世に行きたかったらね。
今、あんたの体中には模型が作れるくらいの金属が入っているわ。山の座のスマートコアのアクティベートキーを吐きなさい。苦しまずにあの世に行きたかったらね。
アイスモール大佐
QVZ3-081B…...3VD5—KV3T。
QVZ3-081B…...3VD5—KV3T。
寒鉄
懐かしいわ。前回これを操縦したのはもう30年も前のことよ。
スマートコア、通信モジュールをチェックして。修復したから。ポポ?
懐かしいわ。前回これを操縦したのはもう30年も前のことよ。
スマートコア、通信モジュールをチェックして。修復したから。ポポ?
——[通信モジュール、起動中。]——
ポポ
もう少ししゃべってよ。
もう少ししゃべってよ。
アイスモール大佐
貴様......このくたばりぞこないめ......。
貴様......このくたばりぞこないめ......。
ポポ
ボイスサンプリング完了。これでアイスモール大佐の声を真似できるよ。
ボイスサンプリング完了。これでアイスモール大佐の声を真似できるよ。
寒鉄
スマートコア、さっき接続したプラグインをインストールして。そして戦艦ガルーダの艦長に連絡して。
スマートコア、さっき接続したプラグインをインストールして。そして戦艦ガルーダの艦長に連絡して。
——[相手の通信許可を待っています.....接続しました。]——
寒鉄
ダスティン殿、アイスモール大佐です。こんにちは。
ダスティン殿、アイスモール大佐です。こんにちは。
——[こんにちは、大佐殿。寒鉄の手がかりはつかめましたか?]——
寒鉄
いいえ。ところで先ほど副官から報告を受けましてね。なんでも定例の消防検査で、兵士4人が身分を偽っていたことが判明しまして。尋問した所、ダスティン殿の命を受け動いていると白状したそうなのですよ。
いいえ。ところで先ほど副官から報告を受けましてね。なんでも定例の消防検査で、兵士4人が身分を偽っていたことが判明しまして。尋問した所、ダスティン殿の命を受け動いていると白状したそうなのですよ。
——[なんだって?そ......そんなの私の名を汚すためのでっち上げだ。アイスモール大佐、これはきっとランカスターの奴が我々の同盟の仲を割こうと画策したに決まっています......]——
寒鉄
少々お待ちを。何、カスパー!?艦橋で戦闘発生だって!?ダスティン、貴様何重にも罠を...…!
少々お待ちを。何、カスパー!?艦橋で戦闘発生だって!?ダスティン、貴様何重にも罠を...…!
ピッ。
寒鉄
よし、通話終了。スマートコア、今から——戦艦リアライズに突進してぶつけてやって。
よし、通話終了。スマートコア、今から——戦艦リアライズに突進してぶつけてやって。
——[警告。この命令は次のものに違反しています。人類憲章第…....]——
寒鉄
分かってるわ。艦長権限で実行して。
分かってるわ。艦長権限で実行して。
——[わかりました。飛行ルートを作成中。作成完了しました。崩壊やの出力上昇中40%、50%、60%.....]——
アイスモール大佐
貴様.....狂ったか。何が目的だ?
貴様.....狂ったか。何が目的だ?
寒鉄
ちょっとしたイタズラよ。あんた、質問多いわね。あんたらスマートコアの深層に秘密のコマンドを仕込んでるでしょう。人類憲章を迂回できるようにさ。それで何しようっていうわけ?内戦のためってわけじゃないでしょう?
ポポ、もうすぐ衝突するわよ。気を付けてね。山の座はバカでかくて、全神経を集申しないと衝突後の下降軌道を操れないからさ。
山から長空市に向かうわよ。
ちょっとしたイタズラよ。あんた、質問多いわね。あんたらスマートコアの深層に秘密のコマンドを仕込んでるでしょう。人類憲章を迂回できるようにさ。それで何しようっていうわけ?内戦のためってわけじゃないでしょう?
ポポ、もうすぐ衝突するわよ。気を付けてね。山の座はバカでかくて、全神経を集申しないと衝突後の下降軌道を操れないからさ。
山から長空市に向かうわよ。
ドオオン……
寒鉄
ふ~無事着地できたわね。ポポ、大丈夫?
ふ~無事着地できたわね。ポポ、大丈夫?
ポポ
そっか、着陸じゃなくて着地なんだね。内側から金属の反発力を利用して...。これなら戦艦で私たちの行動も隠せるし……。
そっか、着陸じゃなくて着地なんだね。内側から金属の反発力を利用して...。これなら戦艦で私たちの行動も隠せるし……。
寒鉄
頭は回る方だからね。ポポも無事みたいでよかった。やつら、無線では何を話してる?
頭は回る方だからね。ポポも無事みたいでよかった。やつら、無線では何を話してる?
ポポ
南方軍は大喧嘩してる。あなたの予想通り、聖碑の作戦に参加した人たちはあなたを捕まえることよりも、長空市にある「永世の錨」の秘密の方に興味があるみたい。
彼らは私たちの事よりも、お互いをものすごく警戒しあっているみたいだね。
南方軍は大喧嘩してる。あなたの予想通り、聖碑の作戦に参加した人たちはあなたを捕まえることよりも、長空市にある「永世の錨」の秘密の方に興味があるみたい。
彼らは私たちの事よりも、お互いをものすごく警戒しあっているみたいだね。
寒鉄
でも、そう長くは騙せやしない。元帥傘下の指揮官たちもそこまでバカじゃないからね。
でも、そう長くは騙せやしない。元帥傘下の指揮官たちもそこまでバカじゃないからね。
ポポ
うん、これから先が大変。
うん、これから先が大変。
寒鉄
さて......なるべく永世の猫に近い場所に着地するようにはしたつもりだけど.....計画より.....3倍は遠いみたいだし…。
これから先はもうごまかしは利かないから、実力で突破するしかない。行くわよ!
さて......なるべく永世の猫に近い場所に着地するようにはしたつもりだけど.....計画より.....3倍は遠いみたいだし…。
これから先はもうごまかしは利かないから、実力で突破するしかない。行くわよ!
ポポ
寒鉄、これって最後の戦いなのかな?
寒鉄、これって最後の戦いなのかな?
寒鉄
……ハハ、それは誰にも分らないね!
……ハハ、それは誰にも分らないね!
———!
ポポ
さっきのあれは何?
さっきのあれは何?
寒鉄
ルテリブルが人工降雨弾を発射したみたいね。うん.....確かに効果的な一手かも。
どうやら気づかれたみたいね。
ルテリブルが人工降雨弾を発射したみたいね。うん.....確かに効果的な一手かも。
どうやら気づかれたみたいね。
ポポ
人工降雨弾?どうしてそんなものを?
人工降雨弾?どうしてそんなものを?
寒鉄
低いコストであんたが能力を使えないようにするためよ。雨が降っていれば特殊な装備のない兵士も、姿を消したあなたの行動を捉えることができるでしょう。
低いコストであんたが能力を使えないようにするためよ。雨が降っていれば特殊な装備のない兵士も、姿を消したあなたの行動を捉えることができるでしょう。
ポポ
うん.....確かにそういう状況への対策は考えてこなかった。
うん.....確かにそういう状況への対策は考えてこなかった。
寒鉄
あんたにはこれから先、考える時間が沢山あるわよ......ふぅ、先を急ぎましょう。
あんたにはこれから先、考える時間が沢山あるわよ......ふぅ、先を急ぎましょう。
ポポ
ケガをしたの?
ケガをしたの?
寒鉄
かすり傷よ。
かすり傷よ。
ドロレス将軍
諸君!我々は最後の防衛線、絶対に守り通すのよ。ここで踏ん張っていれば友軍の師団がきっと助けに来てくれるから!
諸君!我々は最後の防衛線、絶対に守り通すのよ。ここで踏ん張っていれば友軍の師団がきっと助けに来てくれるから!
寒鉄
この数......ゴホゴホ、やはり手ごわいわね。
この数......ゴホゴホ、やはり手ごわいわね。
ポポ
一度退却......するのはどう?
一度退却......するのはどう?
寒鉄
時間がないし、退路も逃げ込める場所もない.....というか、もう逃げない決めたんだから。ここまで来たらもう前進あるのみよ!
時間がないし、退路も逃げ込める場所もない.....というか、もう逃げない決めたんだから。ここまで来たらもう前進あるのみよ!
ポポ
あ.....うん、私も全力で支援する!寒鉄、絶対にあの場所にたどり着いてね!一緒に——一緒にあの場所へ行こう!
あ.....うん、私も全力で支援する!寒鉄、絶対にあの場所にたどり着いてね!一緒に——一緒にあの場所へ行こう!
寒鉄
……………お.....終わった?
……………お.....終わった?
ポポ
………………まだ。
急ごう。地方の師団が派遣されてくるかもしれないし、空挺部隊よりも先に行かないと。そう言ってたのはあなたでしょう?
行こう。聖碑はもうすぐだから。
………………まだ。
急ごう。地方の師団が派遣されてくるかもしれないし、空挺部隊よりも先に行かないと。そう言ってたのはあなたでしょう?
行こう。聖碑はもうすぐだから。
寒鉄
……………
そうね。急ごう。もう少しよ。
……………
そうね。急ごう。もう少しよ。
ポポ
寒鉄!
寒鉄!
寒鉄
……大丈夫。
ハハ、さっき戦った相手、野蛮で退屈な奴らだったから、なんだかあくびが出ちゃって.....。
もう近いわね。行こう。
……大丈夫。
ハハ、さっき戦った相手、野蛮で退屈な奴らだったから、なんだかあくびが出ちゃって.....。
もう近いわね。行こう。
ポポ
この先に......誰かいるみたい……。
この先に......誰かいるみたい……。
寒鉄
……………私、まだ戦えるから。
あら、猟兵の隊長じゃない。
まったく、あんたら南方軍の地方軍間ときたら.....ハッ......随分とケチ臭いわよね。師団長もよこさないだなんてさ。
……………私の旅の終点になるには、あんたじゃ力不足よ。
……………私、まだ戦えるから。
あら、猟兵の隊長じゃない。
まったく、あんたら南方軍の地方軍間ときたら.....ハッ......随分とケチ臭いわよね。師団長もよこさないだなんてさ。
……………私の旅の終点になるには、あんたじゃ力不足よ。
寒鉄
………?
………?
……………
男は黙っていた。寒鉄も沈黙している。
長空市では今も雨が降り続いている。
男は黙っていた。寒鉄も沈黙している。
長空市では今も雨が降り続いている。
猟犬01
先生。
先生。
男が顔をあげた。
猟犬01
私の猫が死にました。
私の猫が死にました。
1時間前。長空市とは正反対の方角。
うう………。
何が......あったんだ?
あ……そうだ。
戦照リアライズの艦橋が.....山の座の直撃を受けて。
……それからどうなったんだ?
何が......あったんだ?
あ……そうだ。
戦照リアライズの艦橋が.....山の座の直撃を受けて。
……それからどうなったんだ?
「私の手をつかんで——」
「あなたを死なせはしない——」
「あなたを死なせはしない——」
そう......リアライズは墜落したんだ。墜落する前に......会議室の窓に穴が開いて。
そこから.....俺は外に放り出されたんだった。
天と地の間を金属の破片がバラバラになって落ち、俺も落ちていった。
だがそのとき、誰かが俺の手をつかんだ。
そこから.....俺は外に放り出されたんだった。
天と地の間を金属の破片がバラバラになって落ち、俺も落ちていった。
だがそのとき、誰かが俺の手をつかんだ。
猟犬01
!
猟犬02!?
!
猟犬02!?
……
「大尉は.....バカです。」
「大尉は.....バカです。」
猟犬01
……………あ………あああ……………。
……………あ………あああ……………。
猟犬02、風の聖痕移植体を操る神原嵐音という少女は甘えるのが得意な子ではなかった。
彼女はいつも冷淡かつ公正で、人とある程度の距離を保つようにしていた。
その彼女の手が俺の手と互いにしっかりと握りあい、彼女は下側から俺にもたれかかるようにしていた。
その様子は.......まるで朝、ベッドで起きたがらないでいるのと似ていた……。
——もし彼女の全身の骨が砕ける音が聞こえなかったならば。
彼女はいつも冷淡かつ公正で、人とある程度の距離を保つようにしていた。
その彼女の手が俺の手と互いにしっかりと握りあい、彼女は下側から俺にもたれかかるようにしていた。
その様子は.......まるで朝、ベッドで起きたがらないでいるのと似ていた……。
——もし彼女の全身の骨が砕ける音が聞こえなかったならば。
猟犬01
猟犬02!?
猟犬02!?
神原風音
言ったじゃないですか......名前で呼ぶって.....約束は守って下さい。
言ったじゃないですか......名前で呼ぶって.....約束は守って下さい。
猟犬01
ルテリプル!アトラス!特殊部隊司令部!誰か聞いてくれ!?こちら猟犬小隊!!至急、医療支援が必要だ!
ルテリプル!アトラス!特殊部隊司令部!誰か聞いてくれ!?こちら猟犬小隊!!至急、医療支援が必要だ!
神原風音
ごめんなさい.....私の能力まだまだで.....衝撃を相殺しきれなかった......ゴホッ.......。
ごめんなさい.....私の能力まだまだで.....衝撃を相殺しきれなかった......ゴホッ.......。
猟犬01
安静にしてるんだ、猟犬02。副隊長——嵐音......どうして無線に誰も答えてくれないんだ!?俺たち仲間じゃないのか!戦艦フォーミダブル!?戦艦エイル!?
安静にしてるんだ、猟犬02。副隊長——嵐音......どうして無線に誰も答えてくれないんだ!?俺たち仲間じゃないのか!戦艦フォーミダブル!?戦艦エイル!?
神原風音
……大尉。私たち卒業パーティのダンスを踊っているみたいですね。
……大尉。私たち卒業パーティのダンスを踊っているみたいですね。
彼女の瞳孔が開き始めていた。
猟犬01
もうしゃべるんじゃない.....死んじゃダメだ。これは命令だ。こんなところで死んではダメだ。踊りたいなら学校に行けばいい。戦争はもう終わったんだ。ダンス用のスカートを穿いて卒業式に行こう。昔の映画のワンシーンのように。
もうしゃべるんじゃない.....死んじゃダメだ。これは命令だ。こんなところで死んではダメだ。踊りたいなら学校に行けばいい。戦争はもう終わったんだ。ダンス用のスカートを穿いて卒業式に行こう。昔の映画のワンシーンのように。
神原風音
昔の......映画のように?
昔の......映画のように?
猟犬01
そうだ.....昔の映画のように。私が何曲でも一緒に踊るから——
そうだ.....昔の映画のように。私が何曲でも一緒に踊るから——
神原風音
.....約束ですよ.....そうだ......大尉。
.....約束ですよ.....そうだ......大尉。
猟犬01
こんな時に——
こんな時に——
彼女は突然、まるでケガをしていないかのような上半身を起こし、私の耳元で小声でささやくように言った。
神原風音
私、あなたの事が少し好きになってしまったみたい。
私、あなたの事が少し好きになってしまったみたい。
彼女は小鳥がさえずるような小さな声でそう言うと、息絶えたのだった。
…………………………………
…………………………………
ドン…………………………
………………………………………
——[秦......少…………]——
…………………………………
ドン…………………………
………………………………………
——[秦......少…………]——
猟犬01
……………!
誰か生きているか!?答えてくれ?
マーチン?純?クリスティン?リリス!?誰でもいいから答えてくれ!答える!!
……………!
誰か生きているか!?答えてくれ?
マーチン?純?クリスティン?リリス!?誰でもいいから答えてくれ!答える!!
いない、どこにも、誰も、いない.....生きている人は誰もいない。
マーチンはぐちゃぐちゃにつぶされ、リリスは鉄の柱に串刺しになっていた。ファンの体は無事そうに見えたが、強烈な衝撃によって既に息絶えていた。
ちぎれた足が転がっていて、その足はリドの靴を履いていた。私に四葉のクローバーをくれた純は、上半身と下半身が10メートル以上離れた別のところに転がっていた……。
マーチンはぐちゃぐちゃにつぶされ、リリスは鉄の柱に串刺しになっていた。ファンの体は無事そうに見えたが、強烈な衝撃によって既に息絶えていた。
ちぎれた足が転がっていて、その足はリドの靴を履いていた。私に四葉のクローバーをくれた純は、上半身と下半身が10メートル以上離れた別のところに転がっていた……。
——[秦……少…………]——
ダメだ......こんなのダメだ......いけない.....声が近づいてくる。生きているのが誰であろうと俺は——
猟犬01
…………………あっ。
…………………あっ。
——[秦大尉、素大尉。すぐに応答せよ!]——
猟犬01
…………………
…………………………聞こえています。
…………………
…………………………聞こえています。
カロス将軍
なぜ長時間応答しなかった?規律に対する意識が低下しているのではないか?
何ボーっとしている?答るんだ!
なぜ長時間応答しなかった?規律に対する意識が低下しているのではないか?
何ボーっとしている?答るんだ!
猟犬01
……………寒鉄を、発見しました。
引き続き寒鉄を追い.....倒します。
以上です。行動に移ります。
……………寒鉄を、発見しました。
引き続き寒鉄を追い.....倒します。
以上です。行動に移ります。
カロス将軍
待て、待つんだ!
いいか、すぐに撤退して長空市を出るんだ。聖碑の作戦は終了だ。わかったか、作戦を直ちに終了するように。
撤退時に使うシップは、伝手を使って既に手配しておいた。識別コードは0が16個——
中央にいる私の立場も理解してくれ。状況が大きく変わったんだ。さっき南方軍の中央遠征軍司令部で緊急会議が開かれてな。
その場で元帥が最も信頼を置いていた親衛隊3人が戦争仲裁委員会を開設し、聖碑の秘密を明らかにしたんだ——
まさか永世の錨の正体がああいうものだったとは。あれは私たちのような存在が触れていいものではなかったのだ。いいか、すぐに撤退するんだ!
無条件で撤退するんだ。いかなる攻撃もしてはならない。どんな行動も中央軍の意思表示と見なされてしまうからな。すぐに撤退だ!撤退撤退撤退!
待て、待つんだ!
いいか、すぐに撤退して長空市を出るんだ。聖碑の作戦は終了だ。わかったか、作戦を直ちに終了するように。
撤退時に使うシップは、伝手を使って既に手配しておいた。識別コードは0が16個——
中央にいる私の立場も理解してくれ。状況が大きく変わったんだ。さっき南方軍の中央遠征軍司令部で緊急会議が開かれてな。
その場で元帥が最も信頼を置いていた親衛隊3人が戦争仲裁委員会を開設し、聖碑の秘密を明らかにしたんだ——
まさか永世の錨の正体がああいうものだったとは。あれは私たちのような存在が触れていいものではなかったのだ。いいか、すぐに撤退するんだ!
無条件で撤退するんだ。いかなる攻撃もしてはならない。どんな行動も中央軍の意思表示と見なされてしまうからな。すぐに撤退だ!撤退撤退撤退!
猟犬01
……そういう事でしたか。
……そういう事でしたか。
カロス将軍
自分勝手な地方の軍勢どもなど、勝手に死ねばいいのだ.......。
自分勝手な地方の軍勢どもなど、勝手に死ねばいいのだ.......。
猟犬01
これも自業自得ということか。
これも自業自得ということか。
カロス将軍
秦大尉、何か不満でもあるのか?
秦大尉、何か不満でもあるのか?
猟犬01
撤退を拒否します。
撤退を拒否します。
カロス将軍
何を考えている?君はどうしたいんだ?
そうだ、君は小隊の子どもたちを学校に行かせたいと言っていたな?それを許可するから。
おい?秦大尉、答えんか!君は何をしたいんだ?そこで何をしても意味はないし、命を落とすだけだ。帰ってくるんだ、針虎——
何を考えている?君はどうしたいんだ?
そうだ、君は小隊の子どもたちを学校に行かせたいと言っていたな?それを許可するから。
おい?秦大尉、答えんか!君は何をしたいんだ?そこで何をしても意味はないし、命を落とすだけだ。帰ってくるんだ、針虎——
カロス将軍
妻は亡くなってしまったし、私はもうこれ以上.....私はただおまえに立派になってもらいたかったんだ。早く逃げるんだ針虎......早く逃げてくれ...……………息子よ………。
妻は亡くなってしまったし、私はもうこれ以上.....私はただおまえに立派になってもらいたかったんだ。早く逃げるんだ針虎......早く逃げてくれ...……………息子よ………。
猟犬01
私にはまだやらなければならないことがあります。さようなら、将軍閣下。
私にはまだやらなければならないことがあります。さようなら、将軍閣下。
——[ブツッ——!]——
さまよえる者は最後に真実の自分を見つけ出すもの。その時、真実の自分になることができていなければ、自らを嫌悪し、生きていくことすらできなくなる。
猟犬01
そう、私にはやらなければならないことがある。
そう、私にはやらなければならないことがある。
———
—————
——————
—————
——————
ポポ
…………寒鉄?もしかしてさっき私たち……
…………寒鉄?もしかしてさっき私たち……
寒鉄
わかった。
さっきの言葉は撤回する。
私の旅の終点に、あんたはふさわしい。いや.......。
どうやらあなたの旅における終点が私、と言うべきかな。
わかった。
さっきの言葉は撤回する。
私の旅の終点に、あんたはふさわしい。いや.......。
どうやらあなたの旅における終点が私、と言うべきかな。
ポポ
…………じゃあ......でも......あなたもうすぐ限界じゃ......。
…………じゃあ......でも......あなたもうすぐ限界じゃ......。
寒鉄
何がもうすぐよ.....もうとっくに限界が来てるわよ…………
でもいいの。
何がもうすぐよ.....もうとっくに限界が来てるわよ…………
でもいいの。
ポポ
………………
………………
……………………
猟犬01
(剣を抜く。)
(剣を抜く。)
寒鉄
(弾を装填する。)
(弾を装填する。)
長空市では雨が降っている。
男の発する炎はかってないほど燃え上がっている。
燃え盛り、霧すら蒸発させ、この世のものとは思えない様相だ。
もう言葉などいらない。
あるのは戦いと、恩と恨み、生と死のみ。
今こそこの二人が最後の決戦に臨む。
男の発する炎はかってないほど燃え上がっている。
燃え盛り、霧すら蒸発させ、この世のものとは思えない様相だ。
もう言葉などいらない。
あるのは戦いと、恩と恨み、生と死のみ。
今こそこの二人が最後の決戦に臨む。
寒鉄
……...やるわね、あんた。.....ゴホゴホゴホゴホゴホ......あなた......できるじゃない。
……...やるわね、あんた。.....ゴホゴホゴホゴホゴホ......あなた......できるじゃない。
秦針虎
グッ......まだ......まだ終わっていません....………見届けて下さい。
グッ......まだ......まだ終わっていません....………見届けて下さい。
寒鉄
必殺技?私にもあるわよ——
必殺技?私にもあるわよ——
秦針虎
………!
………!
キン!
………………
最後の一撃は、素朴な剣の勝負だった。
猟兵は、出力全開の炎の剣の一撃。
寒鉄は、聖痕の力で生み出された神州の剣による一撃だった。
剣に光が反射する中、ふたりの影が交錯した。
………………
最後の一撃は、素朴な剣の勝負だった。
猟兵は、出力全開の炎の剣の一撃。
寒鉄は、聖痕の力で生み出された神州の剣による一撃だった。
剣に光が反射する中、ふたりの影が交錯した。
秦針虎
…………………………。
ハ……ハ……。
…………………………。
ハ……ハ……。
猟兵が倒れた。
一方の寒鉄はまだ立っている。
だけど私にはわかった。
最後の瞬間、猟兵はもうひとつの聖痕の力を使った。そう、風の聖痕を。
その力で剣をこれ以上ないほど加速した。その速度はあまりにも速く、彼自身の体も耐えきれず構えも重心も維持することができなかった。
その速度は流星を思わせるほどだった。
そしてその流星が隕鉄と衝突した。
戦いの結果は……
一方の寒鉄はまだ立っている。
だけど私にはわかった。
最後の瞬間、猟兵はもうひとつの聖痕の力を使った。そう、風の聖痕を。
その力で剣をこれ以上ないほど加速した。その速度はあまりにも速く、彼自身の体も耐えきれず構えも重心も維持することができなかった。
その速度は流星を思わせるほどだった。
そしてその流星が隕鉄と衝突した。
戦いの結果は……
秦針虎
ゴホ.....ゴホゴホ......お嬢さん......。
俺は......負けたのか.......。
ゴホ.....ゴホゴホ......お嬢さん......。
俺は......負けたのか.......。
ポポ
いいえ、引き分け。
いいえ、引き分け。
秦針虎
…………………ハッ……。
…………………ハッ……。
ポポ
でもあなたももうすぐ永眠することになる。
でもあなたももうすぐ永眠することになる。
秦針虎
そうか.....なんだか.....とても静かだ。
お嬢さん......聞いてくれ。
そうか.....なんだか.....とても静かだ。
お嬢さん......聞いてくれ。
ポポ
えっ?うわっ——!
えっ?うわっ——!
猟兵の最後の言葉を聞こうとした所、突然、襟元をつかまれた。
ポポ
……私を殺す力はもうあなたには残ってない。休んだ方がいいよ。
……私を殺す力はもうあなたには残ってない。休んだ方がいいよ。
秦針虎
………………識別コード。
………………識別コード。
ポポ
?
?
秦針虎
聞くんだ.....俺が作り出した蒸気が......まだ消え去らないうちに。識別コードは……
識別コードは0が16個——
聞くんだ.....俺が作り出した蒸気が......まだ消え去らないうちに。識別コードは……
識別コードは0が16個——
ポポ
……?
……?
秦針虎
早く逃げてくれ.......とにかく早く逃げるんだ......地方の軍勢が間もなくここにやってくる。
撤退用のシップが近くにある.....君は......勝手な大人たちのために犠性になるべきじゃない...早く…。
早く逃げるんだ…………………。
早く逃げてくれ.......とにかく早く逃げるんだ......地方の軍勢が間もなくここにやってくる。
撤退用のシップが近くにある.....君は......勝手な大人たちのために犠性になるべきじゃない...早く…。
早く逃げるんだ…………………。
名も知らない猟兵が最後に行ったのは、復讐ではなく、名も知らない少女を助けることだった。
でも……
でも……
ポポ
ごめんなさい。
地方の軍勢が来るのなら来ればいい。私にはまだやらなければならない事があるから。
ごめんなさい。
地方の軍勢が来るのなら来ればいい。私にはまだやらなければならない事があるから。
秦針虎
……………そうか。
まだやらなければならない事があるのなら......仕方がない.......。
.....君の事を助けると決心するのがこんなに遅くなり......。
申し訳なかった......。
……………そうか。
まだやらなければならない事があるのなら......仕方がない.......。
.....君の事を助けると決心するのがこんなに遅くなり......。
申し訳なかった......。
ポポ
自分がしたい事をしてきただけなんだから、謝る必要なんてないと思うけど?
自分がしたい事をしてきただけなんだから、謝る必要なんてないと思うけど?
秦針虎
……そうだな。
……そうだな。
………………………襟元から伝わってくる力が次第に弱くなってきた。
猟兵は笑顔を見せたが、その口から出る霧は次第に少なくなってきていた。
長空市ではまだ雨が降り続いている。
冷たい雨が流れ落ち、熱気をもった霧をかき乱している。
そして猟兵は息を引き取った。
猟兵は笑顔を見せたが、その口から出る霧は次第に少なくなってきていた。
長空市ではまだ雨が降り続いている。
冷たい雨が流れ落ち、熱気をもった霧をかき乱している。
そして猟兵は息を引き取った。
——[ターゲットの「寒鉄」が既に戦闘能力を失っていることが確認された。空梃部隊は直ちに降下、直ちに降下せよ!]——
無線から騒々しい声が響き続けている。
私は寒鉄に歩み寄った。
無線から騒々しい声が響き続けている。
私は寒鉄に歩み寄った。
寒鉄
……ようやくたどり着いたわね、ポポ。
……ようやくたどり着いたわね、ポポ。
ポポ
うん.....ついに、ついにたどり着いた。長空市の聖碑、永世の錨の前に。
うん.....ついに、ついにたどり着いた。長空市の聖碑、永世の錨の前に。
寒鉄
……どうして泣くのよ。私にはもう見えないから教えて。どれくらい大きいものなの?
……どうして泣くのよ。私にはもう見えないから教えて。どれくらい大きいものなの?
ポポ
……ものすごく高いんだよ。空から見たのとはまったく違う。1000メートル、2000メートル……いや、3000メートルはあるかも。
それに......とてもきれい!
……ものすごく高いんだよ。空から見たのとはまったく違う。1000メートル、2000メートル……いや、3000メートルはあるかも。
それに......とてもきれい!
寒鉄
それならいい観光名所とかになるかもね。だから言ったでしょう、ここは旅の終点にするのにふさわしいって。
それならいい観光名所とかになるかもね。だから言ったでしょう、ここは旅の終点にするのにふさわしいって。
ポポ
そうだね.......うう......すごくきれいな場所だけど......どうして涙が出てくるのかな......。
そうだね.......うう......すごくきれいな場所だけど......どうして涙が出てくるのかな......。
南方軍兵士
あそこにいる娘、光の聖痕の持ち主だと確認された........。
.....そこの娘、両手を挙げろ。お前の聖痕などここでは効かぬからな。投降しろ!
あそこにいる娘、光の聖痕の持ち主だと確認された........。
.....そこの娘、両手を挙げろ。お前の聖痕などここでは効かぬからな。投降しろ!
ポポ
…………イヤ。私にはまだやらなければならない事があるから。
…………イヤ。私にはまだやらなければならない事があるから。
お願い。
お願いだから……
お願いだから……
南方軍兵士
最終警告だ。お前が勝つ可能性はゼロだ。空挺旅団と機動騎士団が既に到着している。
投降するんだ。
最終警告だ。お前が勝つ可能性はゼロだ。空挺旅団と機動騎士団が既に到着している。
投降するんだ。
お願い、どうか奇跡が起きて。
ポポ
私、投降なんてしません。
私、投降なんてしません。
南方軍兵士
いいだろう、全員撃て。
いいだろう、全員撃て。
聖碑の奇跡よ、どうか起きて。
南方軍兵士
ちょっと待て......お前、お前は誰だ?
ちょっと待て......お前、お前は誰だ?
ポポ
……?
……?
???
貴様らがうるさいから聞きたくなくても聞こえてきたんだ。
我は聞こえたから出てきただけだ。
貴様らがうるさいから聞きたくなくても聞こえてきたんだ。
我は聞こえたから出てきただけだ。
ポポ
あなた......は.......寒鉄......寒鉄の言ってた人......現れたよ!
あなた......は.......寒鉄......寒鉄の言ってた人......現れたよ!
南方軍兵士
報告します。聖碑の前に正体不明の人物が現れました.....永世の猫には予想していた通り【空間移動】の力があるようです。
現れた女性は......どこか.......「彼女」に似ているような........。
報告します。聖碑の前に正体不明の人物が現れました.....永世の猫には予想していた通り【空間移動】の力があるようです。
現れた女性は......どこか.......「彼女」に似ているような........。
その場にいる人々の警告と警戒を無視し、その人は寒鉄の近くに歩いてきた。
???
……一夏。
……一夏。
寒鉄
…………………………蓬莱寺............九霄さん。
私、ヘマしちゃって......40年も………………来るの遅れちゃったよ。
…………………………蓬莱寺............九霄さん。
私、ヘマしちゃって......40年も………………来るの遅れちゃったよ。
???
だがお主はたどり着いた。......一夏、この40年の旅はどうだった?
だがお主はたどり着いた。......一夏、この40年の旅はどうだった?
寒鉄
ええ.......困難続きで...........苦しかった......けど、最高に素晴らしい旅で満足よ。
ええ.......困難続きで...........苦しかった......けど、最高に素晴らしい旅で満足よ。
???
ああ。
なら良かった。
ああ。
なら良かった。
寒鉄
あの日......あなたに会えて本当によかった。
あの日......あなたに会えて本当によかった。
寒鉄は最後に子どもみたいな笑顔とピースサインを見せ、この世を去っていった。
その瞬間......言葉では説明できない何らかの力が寒鉄の体を離れていったような気がした。
女性は前に倒れる寒鉄を抱きとめ、ゆっくりと地面に横たえた。
その瞬間......言葉では説明できない何らかの力が寒鉄の体を離れていったような気がした。
女性は前に倒れる寒鉄を抱きとめ、ゆっくりと地面に横たえた。
ポポ
…………………あなたがあの……。
…………………あなたがあの……。
その人が私の方にやってきた。
南方軍兵士
了解.....そこのお前もすぐに投降しなさい。我々は南方軍の聖碑作戦の合同部隊だ。従わない場合は射殺する。
了解.....そこのお前もすぐに投降しなさい。我々は南方軍の聖碑作戦の合同部隊だ。従わない場合は射殺する。
???
そうか.....貴様らは我のことを知らないのだろう。
無理もないか。長いこと離れていたしな。つまり新しい登場の演出が必要ということか。
そうか.....貴様らは我のことを知らないのだろう。
無理もないか。長いこと離れていたしな。つまり新しい登場の演出が必要ということか。
ポポ
どうか寒鉄を連れて、この場を離れて下さい。あなたならきっと——
どうか寒鉄を連れて、この場を離れて下さい。あなたならきっと——
???
まずは上に。
まずは上に。
ポポ
……………………!?
……………………!?
その人は周りの事など構わずにそう言うと、空を指さした。
すると、すると……。
……なんて言えばいいんだろう?
すると——

——軽い物が重力に反して空中へと浮き上がっていった。
長空市で降り続いていた雨も、彼女が指示を出すと同時に落ちるのをやめ、空中に静止したかと思うとゆっくりと上昇を始めた。
すると、すると……。
……なんて言えばいいんだろう?
すると——

——軽い物が重力に反して空中へと浮き上がっていった。
長空市で降り続いていた雨も、彼女が指示を出すと同時に落ちるのをやめ、空中に静止したかと思うとゆっくりと上昇を始めた。
南方軍兵士
なんだこれは!?どういう......ことだ?ああああああ——
なんだこれは!?どういう......ことだ?ああああああ——
放たれた銃弾も上昇し、戦車も上昇し、私が流した涙まで上空に浮かんでいった。
???
そしてこうだ。
そしてこうだ。
彼女は手首を回し、下を指さした。

すると、重い物が下へと落ちてきた。

すると、重い物が下へと落ちてきた。
——[こちら戦艦ルテリブル、救助要請、ルテリブルより救助要請——崩壊炉は正常に動いているのになぜか揚力がはたらかない!?]——
——[アトラスより救助要請。軍団の諸君、我々は兄弟同様の同胞ではないか……]——
——[戦艦サティヤワティの総員に告ぐ。緊急着陸に準備せよ......我々は絶対に.....絶対に.....イヤだ.....あああああああああああ!!]——
——[アトラスより救助要請。軍団の諸君、我々は兄弟同様の同胞ではないか……]——
——[戦艦サティヤワティの総員に告ぐ。緊急着陸に準備せよ......我々は絶対に.....絶対に.....イヤだ.....あああああああああああ!!]——
???
フンッ......これ以上はやめておくか。
フンッ......これ以上はやめておくか。
そして彼女はすべてを停止させた。
???
行こう。彼らには自分の頭で理解してもらおう。
行こう。彼らには自分の頭で理解してもらおう。
そう言うと彼女は聖碑の方へと歩いていった。
………………
……………………
………………………
———
……………………
………………………
———
聖碑の後ろ.....いや、聖碑に導かれて辿り着いた場所は、日が照らす心地よい場所で、そこには廃墟が広がっていた。
彼女は更に先へと進んでいった。
彼女は更に先へと進んでいった。
???
お主はまだ何か言いたいことがあるのか?
お主はまだ何か言いたいことがあるのか?
ポポ
。
あなたは、救世主なのですか?
。
あなたは、救世主なのですか?
???
世界を救ったことがある人を救世主と呼ぶなら、確かに我は救世主だ。
世界を救ったことがある人を救世主と呼ぶなら、確かに我は救世主だ。
ポポ
では、この世界をもう一度救って頂くことはできますか?
この.....常に誰かが涙を流す、不完全な世界を。
では、この世界をもう一度救って頂くことはできますか?
この.....常に誰かが涙を流す、不完全な世界を。
???
どうだろう。我にも分からない。
降ってきた雨を空に還すことはできても、流れた涙を元に戻すことはできない。既に流れた血や涙は、我にもどうすることもできないからな。
どうだろう。我にも分からない。
降ってきた雨を空に還すことはできても、流れた涙を元に戻すことはできない。既に流れた血や涙は、我にもどうすることもできないからな。
ポポ
では今後、どうするつもりですか?
では今後、どうするつもりですか?
???
ふむ…...まずは教育だ。
ふむ…...まずは教育だ。
ポポ
教育?
教育?
???
彼らの心に埋もれてしまった本当の想いに気付かせたい。涙を流した人に強くなってもらいたい。流れた血を無駄にせず、この時代の犠牲となった人々に再び希望を持ってもらいたい。
だから学校をひらこうと思う。
彼らの心に埋もれてしまった本当の想いに気付かせたい。涙を流した人に強くなってもらいたい。流れた血を無駄にせず、この時代の犠牲となった人々に再び希望を持ってもらいたい。
だから学校をひらこうと思う。
ポポ
学校?
学校?
???
そう、学校だ。仮の名称も既に考えてあるぞ。身内からは不評だったがな。
だが、それが正式名称になる可能性もゼロじゃないだろう。
そう、学校だ。仮の名称も既に考えてあるぞ。身内からは不評だったがな。
だが、それが正式名称になる可能性もゼロじゃないだろう。
そう言うと、彼女は子どもっぽい笑顔を見せた。それを見て、私は一瞬寒鉄のことを思い出した。
そして何か言おうとしたものの、ふと我に返り悲しい気持ちになった。
そして何か言おうとしたものの、ふと我に返り悲しい気持ちになった。
ポポ
ではその学校に......私も入れますか?
まだ......どういう自分になりたいのかよくわかってはいませんが。でも私、まだ見ぬ自分になりたいんです。
あっ、唐突にこんな事を言って失礼でしたか?入学試験とかあるんですか?文系の成績については自信あるんですけど。それとも何か別の条件とかありますか?
ではその学校に......私も入れますか?
まだ......どういう自分になりたいのかよくわかってはいませんが。でも私、まだ見ぬ自分になりたいんです。
あっ、唐突にこんな事を言って失礼でしたか?入学試験とかあるんですか?文系の成績については自信あるんですけど。それとも何か別の条件とかありますか?
???
そんなものはないぞ。ただ——少し意外に思っただけだ。
さて、こうして生徒もできたことだし、絶対に設立してみせよう。
いや待て、試験はないが確認しておくべきことがひとつだけあった。
この学校では各々に背負ってもらう物があって、入学すればまた別の危険な旅が始まるかもしれない。それでも構わないか?
そんなものはないぞ。ただ——少し意外に思っただけだ。
さて、こうして生徒もできたことだし、絶対に設立してみせよう。
いや待て、試験はないが確認しておくべきことがひとつだけあった。
この学校では各々に背負ってもらう物があって、入学すればまた別の危険な旅が始まるかもしれない。それでも構わないか?
ポポ
——学校の名称はなんていうんですか?
——学校の名称はなんていうんですか?
???
崩壊学園だ。
言っておくが、あくまで仮の名前だ。
崩壊学園だ。
言っておくが、あくまで仮の名前だ。
ポポ
わかりました。
私、パリス・パラドは崩壊学園への入学を志望します。
わかりました。
私、パリス・パラドは崩壊学園への入学を志望します。
……………………
…………………………
………………………………
こうして烈火から始まり、豪雨で締めくくられる冒険は.....
終わりを迎えた。
…………………………
………………………………
こうして烈火から始まり、豪雨で締めくくられる冒険は.....
終わりを迎えた。
寒鉄、
私たち、辿り着いたよ。