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崩壊学園wiki

無言の善

最終更新:2024年01月25日 20:44

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翌日、人契連中央実験室。
今日は元々予定されていた、蓬菜寺九霄がイザーリンらと会う日だ。
実験室でイザーリンが、九電と鉄師一夏に最新の研究プロジェクトについて説明していた。

博士
これは私が最近関わっている、人契連のファンドプロジェクトでね。「未来ファームプラン」と言って、主に民生用のものよ。
未来ファームプランには三つのプログラム——タイムファーム、宇宙ファーム、海洋ファームがあるの。
タイムファームでは、主に粟、稲、トウモロコシなど従来の作物の成長加速と、収穫量の大幅向上を研究してるの。
宇宙ファームでは従来の作物の突然変異と、新たな同種異系作物の研究をしていて——
海洋ファームでは、藻類や他の海洋植物の生産から無害化処理、食品加工までをカバーした、モジュール化された生産ラインの設計をしているわ。
このプロジェクトでは既に成果が出てきていてね。例えば……。

その長い説明に終わりが訪れる気配はなかった。
鉄師一夏はぼんやりとその内容を聞いていた。
あたりを見渡し、鉄師一夏は近くで九霄が大きなあくびをしていることに気が付いた。
…… なぜだかわからないけど、ふと高校の頃を思い出してしまった。春や秋の頃になると、物理や化学の授業で眠そうな顔をしている人が大抵いたのよね。
…… そんな事を思わず懐かしく感じてしまった。
これもひょっとして、年をとったからかしら?
その時突然、鉄師一夏は体が揺れるのを感じた。
これってもしかして、授業中に居眠りしようとしていた16、7歳の頃にタイムトラベルする前兆か何かなの?小説でよく見る展開みたいに!?
目を大きく見開いて周りを見た鉄師一夏は、それがタイムトラベルなどではなく、現実の物理現象であることに気が付いた——
体が揺れているのではなく、地面が揺れていたのだ。

鉄師一夏
……これは?

司徒箐泓
地震だな。
だがそれほど強くはない。特に問題ないはずだ。

九霄
ああ、そう言えば数日前のニュースで、最近地震や津波が多いと言っていたな。確か地質活動に関係しているとか……。
—— これってまさか崩壊に関係あるのか?

フェミリス
大丈夫ですよ~。フェミリスが各地の監視リソースを使って確認しましたが、崩壊エネルギ
の痕跡は見つかりませんでした。単なる地殻活動だと思います。

博士
オホン、地震も収まったことだし……説明を続けるわね——
「未来ファームプラン」で既に得られている成果は次の通りよ。新技術を使って農作物の成熟と成長を促進する際の公式、既に判明していてね。その中には……。
九霄のブラックホールの重力を使って、畑周辺の時空間を変化させることで農作物の成長を早める実験の方法についても考案したんだけど、まだその方法はブラッシュアップしている最中よ……。

「未来ファームプラン」のリアルタイム映像が画面に表示された。
「海洋ファーム」の映像を見ている際、鉄師一夏は何かがすごい速度で横切った事に気が付いた。

鉄師一夏
さっきのあれは……。

司徒箐泓
あれは人契連の月光王座の模擬艦だな。第五艦隊の誇りだ。大きさも理論上の極限に近いスーパー戦艦「山の座」だ。
崩壊の災禍が収束し、戦前に機密とされた多くの技術も解禁され、その多くが兵器の実験へと使われるようになったからな。これもその一部と言える。

鉄師一夏
……なるほど、そうでしたか。

司徒箐泓
だが単純な武器の威力には限界がある。今、最強なのはやはり人類自身だ。そして、世界で最強の存在は——
九霄殿、今のあなたはどれくらいお強いのかな?

九霄
我のことか……。人契連本部と契約を結んでから全力を出したことは一度も無いんだ。だから、我にどれほどの力が残っているのか分からない。

司徒箐泓
そうか、まあそれも至極当然のこと。

博士
ちょっと、私の話をちゃんと聞いてるの。今から「未来ファームプラン」のコアの部分について話すわ。各部分の公式とラインプロセスについてだけど、まずここが——

イザーリンの声はまるで眠りへといざなう魔の音か何かのように、聞く人の思考を鈍くしていく。
鉄師一夏がため息をついてあたりを見渡すと、九霄の眠そうな顔が目に映った。そして彼女は思いついたように言った。

鉄師一夏
蓬菜寺さん......退屈ですか?

周りの人に気づかれないように、鉄師一夏はこっそりと九電に聞いた。

九霄
えっ——ああ、少しだけ。

鉄師一夏
退屈なのに、なぜここの場所に居続けるのですか?

九霄
…… イザーリンの話ではなく、この場所にいる理由か。この前も長空市から本部のあるこの町に勝手に来たし、昨日だって面白いからって漫画フェアに行ってしまったからな……お主に色々と面倒をかけているだろうなと思って。

鉄師一夏
……えっ?

九霄
だからこうして人契連の機関で一日中過ごすようにすれば、少しはお主も気が楽になるんじゃないか?
それに最近、人契連の年次総会が開かれているのだろう?
あまりいい気持ちはしないが……人契連本部が我ら「特殊人物」の行動を厳密に管理したいと考えて、色々としていることの理由もまあ理解はできる。

鉄師一夏
……あの……。
お気遣いありがとうございます。九霄さん。

九霄
ククク…… ついに我のことを下の名で呼んでくれたか!

二人が話している間にイザーリンの説明がようやく終わった。

司徒箐泓
説明は終了したから次は休憩に入ろう。どうぞこちらへ——
さあ、ここが娯楽室だ……特に面白いものがあるわけではないが、休憩には使えると思う。

九霄
「特に面白いものがあるわけではない」って……カラオケが一台あるだけで本当に何もないじゃないか!?

博士
まあ実験室だしね。娯楽系のものがあっても研究者のやる気がそがれるだけでしょう……科学研究って集中して打ち込んでこそ、素晴らしい成果に恵まれるものなんだから。

九霄
クッ、仕方あるまい……このカラオケ機、どういう曲が入ってるのだ……「灼熱の天使の炎』、『黄昏の詠唱』、『永遠の恋の歌』……。
すごくシンプルな機械のくせに、配信曲は需要を理解しているじゃないか!
全部我の大好きな曲ばかりだぞ!
ふんふん、この救世主様を喜ばせるとは、なかなかやるな。

フェミリス
でしたらフェミリスが皆さんのために照明で盛り上げますね!——これでどうですか?

九霄
フフフ、いいぞフェミリス。実験室なんて辛気臭い場所だとばかり思っていたが、悪くない。
ここは我がまず『氷の戦記』を披露しよう——
「遥かなる時代の記憶〜♪」
「昔から言い伝わる序曲〜♪」
「光明が輝き町を震わす〜♪」
「氷の天使がすぐに降臨する〜♪」

……。

九霄
よし、次はデュエット曲だ。誰か我と一緒に歌ってくれないか?

博士
私が歌えると思う?

司徒箐泓
すまんが、電話に出るので一旦外に出るよ。

九霄
クッ、次から次へと……じゃあ一夏、お主が我と一緒に歌ってくれ。
大丈夫。曲調はシンプルだし鼻歌程度にふんふん歌ってるだけでいいから。

鉄師一夏は頼み込む九電に向かって何度も首を横に振ったが、最後は九霄の気持ちをむげにもできず、仕方なくマイクを握った。
そしてしばらくすると——

九霄
おおっ……これはすごいぞ!
一夏、アニソンを完璧に歌えるのか!

鉄師一夏
えっ、これくらい大したこと……。

九霄
ククク、過度の謙遜は自信の表れというだろう。さあ、我がお主に秘められし真の実力を見極めてやろう!

……。
もうどれくらい歌ったかわからないほどだった。
たくさん汗をかいた。
いつの間にかイザーリンやフェミリスもその雰囲気に巻き込まれ、九電と共に小さなカラオケ機の前で心から楽しんだのだった。
ようやく息をつく暇ができたため、鉄師一夏はトイレに行くついでに娯楽室の外へと出た。

鉄師一夏
ハァ……。

元々はその場を取りうために合わせるだけのつもりだったけど、最後は本当に興奮して一緒になって参加してしまった……。
…… これって私がまだまだ未熟だから?
鉄師一夏は頭を振った。ふと廊下の奥に誰かが立っていることに気が付いた。それは予想外の人物だった。

鉄師一夏
…… 司徒理事?

鉄師一夏はすぐに背筋を伸ばし、礼をしようとした。
蓬菜寺九霄さんは英雄だけど普通の高校生、イザーリンさんも英雄だけど何かの官職にあるわけじゃない。フェミリスさんも英雄だけど彼女はAI。
でも司徒等泓さんは人契連の理事であり、自分にとって上司の上司のまた上司とも言える存在。

司徒箐泓
そんなに畏まらなくていいよ。

そう言うと司徒箐泓は鉄師一夏に微笑み、深く腰を折ろうとする彼女を止めた。
司徒等泓が何か考えるような表情を見せ、頭をすこし傾けた。その表情や仕草からは何を考えているのかわからなかった。

鉄師一夏
司徒理事、何か……ございましたか?

司徒箐泓
……いや、なんでもない。
ちょっと思い出したことがあってな。

司徒箐泓は再び彼女に笑顔を見せた。

司徒箐泓
娯楽室に戻ろう……早く戻らないと九霄達が心配して探しにくるかもしれないからな。

実験室を出る頃には日が沈んでいた。
漆黒の天幕を照らすにはまばらな星の光では不十分だった。空に浮かぶ星々はまるではめ込まれたものであるかのように見えた。

九霄
う~ん……今日は本当に楽しかった。昨日に勝るとも劣らなかったぞ。
一夏、昨日言ってくれればよかったのに。我も知らないマニアックなアニソンを歌えるなら、漫画フェアにだって興味があったのだろう?
それに、今のお主は初めて会った時の印象とまったく違うぞ。そうだな……ずばりアニソンのスーパーシンガーだ!

鉄師一夏
…… 私なんて大した事ないです。以前、ちょっと知る機会があっただけです。

九霄
本当に?

鉄師一夏
はい。

車がアスファルトの道を揺れることなく進んでいく。夜風が窓の外で風切り音をあげ、蓬莱寺さんは後部座席で楽しそうに笑っている。
…… なぜかわからないけど、現実離れしたような感じがした。
何かとてもやさしいものが、自分の中にある心の表面をなでてくれているかのようだった。
しかしそれと同時に、言葉では表しがたい煩わしさが胸の奥で騒ぎ始めるのを感じた。

鉄師一夏
少ししましたらホテルの前に直接車を止めますので、部屋に戻ってください。私はこれからまた本部に報告に行かなければならないので。

九霄
いや、一夏が戻ってくるのを車の中で待ってるぞ。確か本部ってホテルに戻る途中にあっただろう。それなら我が駐車場で待っていれば済むことじゃないか?

鉄師一夏
……でも、かなりかかるかもしれませんから。

九霄
大丈夫だ!

鉄師一夏
…わかりました。

心の中の煩わしさが若干和らいだ。
車が人契連本部ビルの前に止まった。
鉄師一夏はこのよく見慣れた場所へと入っていった。
—— 127階。人々に畏敬の念を抱かせる高さだ。剣山のような場所だが、幸いにしてエレベーターはある。
上司のその男はいつものように彼女のことを叱責していた。
生命の本質は「動」であるが、彼の本質は「責」、つまり人を罵り、風刺し、販めることのように感じた。それはあたかも彼が彼自身の存在意義を、そうしなければ示せないように見えたからだろうか。

上司
お前は理解能力が足りない。なぜあの時、しっかり聞いておかなかったんだ?
神州支部の情報はもっと詳細に、気を付けて集めなければならないだろうが!
…… お前の任務?年次総会は明日終わるが、それが終われば他にやる事がないとでも言うのか?何度も言ってるじゃないか。任務を与えられていない時は自分で仕事を探すんだと。
ここを辞めたくなかったら、もっと真面目に働け!

……。
重苦しい雰囲気の中、数十分にわたる叱責を聞き続けた。
部屋から出る瞬間、めまいを感じた。

鉄師一夏
長く立ち過ぎたせい?

お手洗いに行き鏡に映った自分を見てみた。今日は湿度が高いからだろうか。鏡がくもり、いくら拭いてもはっきりとは映らなかった。
笑顔を作って自分を励まそうとしたが、もう笑う気力すらなかった。

鉄師一夏
……フゥ。

冷たい水で顔を洗った。すると突然、電話が鳴った。

鉄師一夏
…もしもし?

母親
一夏、ちょっとあなたに伝えたい事があって——

母が電話の向こうで興奮した様子で話している。

母親
実は今日、昔の同僚に偶然会って話したんだけど、そしたらその人の息子もニューヨークにいてね。最近、上場会社の管理職になったらしいのよ。それであなたの事話したらあなたにすごく興味を持ってね。二人でどこかで時間を作って会ってくれないかって言うんだけど——

「ブツッ」と電話が切られた。
鬱積した煩わしさが喉からあふれ出てきそうだった。息が詰まる、息が詰まる、息が詰まる、息が詰まる、息が詰まる、息が詰まる、息が詰まる、息が詰まる……。

鉄師一夏
ハァ……。

力いっぱい拳を握りしめた。彼女は泣いているとも笑っているともとれる表情をしていた。その時、何か不思議な足音が聞こえてきた。
「タタッ。」
お手洗いには他に誰もいない。
「タタッ。」
確かに聞こえる。でもトイレのブースから聞こえたわけではなかった。
「タタッ。」
壁の中から聞こえてきていたのだ。
「タタッ。」
とうとう頭がおかしくなったの?ストレスのあまりに幻聴が聞こえるようになったとか?
これはなんの音?壁が割れる音?ドローン?それとも……妖精?
………………………………… そんな事どうでもいい。なんの意味があると言うの?
ねじ曲がった笑顔が現れた。
しかしすぐにそれはいなくなった。
息が詰まる、息が詰まる……。
頭がムシャクシャするあまり、色々な想像が生まれ世界がグルグルと回っているように感じた。私は私じゃない、私は鉄師一夏じゃない、私は両親の娘じゃない、私はケアプロジェクトの執行官じゃない。だとしたら私は……私は一体誰なの?
息が詰まる……めまいがし、バランスを失い、酸素が足りず、落ちていく。
落ちて、落ちて、落ちていく。
……。
お手洗いを出てエレベーターに乗るまでに、また何十分もの時間がかかってしまった。
1階のエレベーターホールに着くと、受付の女性が私を呼び止めた。

慕寒音
一夏さん!こっちこっち〜。
もう夜も遅いし、今は別に忙しくないでしょう?

鉄師一夏
(一夏さん……?)

慕寒音
はい、これ見て。私が昨日おすすめって言ってた占いサイト——

鉄師一夏
それがどうかしたの?

慕寒音
このサイトで今日からまた新しいコンテンツが始まったのよ、見て!

鉄師一夏
…… 「四万年前の自分が誰だったのか占い」?

慕寒音
説明によると聖痕の技術や崩壊エネルギー、気功、それに磁場まで活用してて、すごく当たるらしいのよ!
あなただけに教えてあげる。実は私もね、二年前に夢を見たの。

鉄師一夏
二年前?崩壊が倒される前の頃?

慕寒音
そうよ、だから私にも聖があるのかもって思って。まあ、ただ単に寝相が悪かった関係かもしれないけどさ……どう、一夏さんも試してみようよ。

鉄師一夏
今日はもうおそいじゃない……。

でもまあ、慕さんの言うことだったら……。

慕寒音
私、一夏さんの前世がなんなのかすごく知りたい……ひょっとしたら私達、四万年前も相棒だったかもしれないよ〜。

この幕寒音という少女は鉄師一夏の中学時代に一番仲の良かった友人だ。
中学の時だってそうだったじゃない。あの頃、一夏さんは演劇部の部長をしてて超かっこよかったよね。「永遠の世界」に行くだとかよく言っててさ.....だからこういう面白そうな物だったらきっと好きだと思って!

鉄師一夏
……う~ん……まあ慕さんの頼みなら断るわけにもいかないわね。

友達からの誘いを断り切れず、鉄師一夏はスマホの画面をタップした。
慕さんの目は興味深そうに輝いている。
「ええっ、これが四万年前のあなたなの!?」
「四万年前、少女を救うためにひとり突撃していった流浪の剣士——」
占いの画面に表示された内容を見て、慕さんは驚いて目を大きく見開いた。

慕寒音
あらあら、流浪の剣士だって!一夏さんはやっぱりいつの時代も英雄なのね!でもなんで救う相手は少女なのかしら。かっこいいお兄さんとかだったらもっとよかったのにね……。
実は私の結果もかなり変でね……それによると私は四万年前、諜報員だったらしいわ……あ〜あ、諜報員かあ。一夏さんの相棒になるにはちょっと物足りないかなぁ……。

鉄師一夏
…… 流浪の剣士……。
…… 本当にそんなにかっこいい存在だったのかしら?
私はなんだか……まあいいわ。

鉄師一夏はスマホを慕寒音に返した。

鉄師一夏
慕さん、ちょっと体調がいまいちだから、先帰るね。

慕寒音
一夏さん!

鉄師一夏
?慕さん、あなた……。

鉄師一夏は自分が抱き着かれていることに気が付いた。

鉄師一夏
……………そんなことしなくていいから。

慕寒音
最近すごいストレスを抱えている、そうよね?

鉄師一夏
離しなさい。あなた今、当直中でしょう。

慕寒音
一夏さんが辛い思いをしてるのを見ると、私までため息だらけになっちゃうよ。
これで少しは気持ちが楽になったかな?

鉄師一夏
……かもしれないわね。

慕寒音
辛いことがあったら何でも私に言って。私達、相棒でしょう。
一夏さんは私にテレパシーの超能力があるって信じてるでしょう?
その超能力が私にこう言ってるんだ。ある人が、あなたが思っている以上にあなたのことを心配してるってね!

鉄師一夏
…………。

中学生の頃、鉄師一夏にはなりたい将来像があった。その夢が胸の中でどうしようもなく膨れ上がる度に、彼女は廊下を駆け巡り意味のよくわからないことを口走ったりしていた。
一方の幕寒音は、鉄師一夏の夢が叶った時に自分も鉄師一夏のそばにいたいと願っていた。
しかし鉄師一夏は、今のこの鉄師一夏となった。
そして慕寒音も今の募寒音となったのだった。
今の鉄師一夏は現状を目の当りにしてこう思うのだった。私が諦めたんじゃない、難しすぎた
だけよ。私が悪いんじゃない。他の人だって大きくなったらみんな平凡じゃないの……幕寒音だって……と。
そう思う度に彼女は気が少し楽になった。
しかし同時に恥ずかしくも感じた。
だから鉄師一夏は本心を言おうとはしない。
そして彼女は腕をやさしく振りほどき、振り向いて出口の方へと向かって行った。

鉄師一夏
(妄想のようなものよね……。)
(そういう年頃はもう過ぎ去ったのだから……。)

……。
ようやく駐車場へと戻った。もう深夜だった。

九霄
わかった、わかったから。じゃあお母さん、そう言う事で。もう切るね。

鉄師一夏
家族と喧嘩でもしたのですか?

九霄
そんな事はない。ただ早く寝るように言われただけだ。

鉄師一夏
ああ。

鉄師一夏は運転席に座った。後部座席に座っている少女は「どうしてこんなに遅いのだ!」といった文句を何一つ言わなかった。バックミラーを通して、九電が心配そうな目で自分が座っている座席の方を見ている様子がうかがえた。

九霄
どうかした?
何か不愉快な事でもあった?

鉄師一夏
…… 大丈夫です。大した事ではありません。
……何もありませんよ。

そうあるべきだった。
本当にムシャクシャする。もう深夜だというのに、どうしてこう蒸し暑いの。発狂しそうになるくらい蒸し暑い。
すぐに車を始動した。
窓の外では風が叫び声のような音をあげている。
風が顔に打ち付けても、まだ不快な暑さを感じる。
しかし、九霄の声はそれでもまだ響いていた。

九霄
何もなかったのに、あんな暗い表情をするとは思えないんだ。

鉄師一夏
…… いや、本当になんでもないんです……ちょっと仕事で疲れただけです。

九霄
そうか、しかし……。

鉄師一夏
そうでした、資料を見たんですけど、四万年前に人類文明の転生があって、「聖痕」もそれに関連してるそうですね。

鉄師一夏は突然、別の話題を切り出した。
彼女はなぜ自分が突然その話題を話し始めたのかわからず、自分でも驚いた。

鉄師一夏
その「聖痕」って、本当に人類の未来の運命と、進む方向を決め得るものなのでしょうか?

九霄
う〜ん、なんて言えばいいか……説明するにしても複雑で——

鉄師一夏
人類の運命って、例えば今、私が今の自分であることとか……それぞれが自分で決めているのではありませんか?今の人々の姿は四万年前から既に決まっていたとでもいうのでしょうか?
人契連が公開している資料は黒く塗りつぶされている部分が多く……達菜寺さんは真相をご存じではありませんか?

九霄
聖痕?ああ、それは——

九霄は滔々と話し続けた。
鉄師一夏は「以前の社会の歴史は確かに聖夜が導いていたけど、数多く存在する英雄や偉人のすべてが聖夜を使っていたわけじゃない」という言葉までは聞いていたが、それ以降の話はあまり記憶に残らなかった。
鉄師一夏は視線を窓の外にやった。外は暗く、道路両脇の明かりも次第に暗くなっていく。そのまま1キロほど続くトンネルにさしかかった。
薄暗いオレンジの灯りに照らされ、静かなトンネルに走行音が響き渡る。やがてトンネルを抜けると夜空が見られる世界にまた戻ることができる。
この薄暗いトンネルのように、外に出ると少しは胸の中のもやもやも晴れるだろうか?
鉄師一夏はそう頭の中で考えていた。
しかし彼女が瞬きした次の瞬間——
目の前の世界が突然、真っ暗になった。
音の変化は光の変化よりも遅れて襲ってきた。
「ドンッ!」
自分が反射で急ブレーキを踏んでいることに気が付いた。だが頭ではなぜ自分がそうしているのか理解できていない。
コンクリートの塊が雨のように降ってきてフロントガラスを打ち付け、窓の隙間からほこりが風と共に入ってくるのを見て、彼女はようやく何が起きたのかを理解した。

鉄師一夏
トンネルが……崩壊した!?
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