袋小路 - 崩壊学園wiki

グゥォオオオオッ！！

九霄
うっ……さすがは銀翼のギガントドラゴン。やはり少し手強かったか。

イザーリン
九霄！そっちはどう！？

九霄
心配いらないっ！九霄様のドラゴンスレイヤーの力が、ようやく目覚めたところ……。

ヴォオオオオッ！！！
ダァアアアアン！！

イザーリン
九霄？どうしたの！？
──応答して！九霄ッ！

九霄
ぐっ……！

ブローニャ
戦闘中に集中を欠くのは悪い癖ですね。

九霄
ブローニャ！？どうしてここに？

ブローニャ
通信であなたたちの会話が聞こえたので駆けつけたのです。
……どうやら、その判断は間違っていなかったようですね。

ブローニャ
動力炉が破壊されれば、これまでの努力が水の泡です。甲板の方はテレサに任せました！
ここの状況はさらに急を要します。何としてでも、速やかにこの崩壊獣を倒さなくてはなりません！
九霄！ブローニャが援護します！一緒にあいつの尾を攻撃しましょう！
あいつが戦艦を掴む力さえ失えば、こちらにチャンスが巡ってきます！

九霄
わかった！

パァン——パァン——ッ！
グルォオオオオオオッ！

ブローニャ
九霄！お願いします！

九霄
放せ、このッ！
——ハァアアアアッ！！！

ガァッ！！
ウォォォォン……！

ブローニャ
崩壊獣が後ろに下がりました！イザーリン！今です！

イザーリン
りょうかいッ！ハイペリオン3号動力炉、全速推進！

ゴォォォオオーーーッ！！！！
グルルッ……ウォォォォン……！

九霄
落ちていった……噴射口の火炎を利用してあいつを攻撃するなんて、イザーリンはやっぱり天才策士だなっ！

イザーリン
えっ……あ、ありがとう、褒めてくれて。

ブローニャ
九霄、ここはもう大丈夫そうだし、急いで他のエリアの応援に向かいましょう！

九霄
わかった！

ヴォォォオオオ——ッ！！！

九霄
うっ！この声……まさか、あの邪竜が舞い戻って来たか！？

イザーリン
ち……違うわ！

隊員
イザーリン、これ……レーダーが壊れたわけじゃないよね……。
こんなのありえない……。

ブローニャ
イザーリン！一体、何が起こったのですか！

イザーリン
レーダーによると……。

イザーリン
大量の竜型崩壊獣が接近中よ……。
その数は——100体を越えているわ……。

ブローニャ
100体……。

灰蛾隊員
ブローニャ！遠くの空に……ぎっしりと密集しているあれ！あれが全て巨竜なの！
わ、私たち……私たち、どうすればいいの？

ブローニャ
くっ……！
どうして……どうして、こうなってしまうのですか……。
まさか……本当にここまでなのですか……。
結局、律者の姿にさえ手が届かなかった……やはりブローニャたちは、取るに足らないちっぽけな存在だったのでしょうか？

九霄
こ、こら！ブローニャ！諦めるな！シャキッとするんだ！

ブローニャ
しかし……一体、どうすればあんなにたくさんの崩壊獣に勝てるのでしょうか……。
こちらの力だけでは到底敵いません……。

イザーリン
……。
いえ！まだ終わってない……きっと方法があるはず！
ハイペリオン号の主砲を起動！充填を開始して！

隊員
だけど……今、主砲を起動させたら、動力炉の安定性に影響を与えてしまいます……。
それに、主砲を使ったからって、あんな数の崩壊獣を消滅させることはできません！

イザーリン
いえ……目標はあの崩壊獣たちじゃないわ。今、この戦艦はあの塔にかなり近づいているでしょ。
塔の材質を完璧に特定はできないけれど……主砲の威力なら、きっとあの塔にダメージを与えられるはず。

ブローニャ
イザーリン……何をするつもりですか？

イザーリン
空がダメなら、他に活路を見出すしかないでしょ！戦争は実験と同じ。必ず真理につながる道があるのよ！

イザーリン
ハイペリオン号、塔を正面に旋回！主砲の照準をあの塔に合わせて！

隊員
了解！ハイペリオン主砲、エネルギー充填中！旋回開始！目標を巨塔にロックオン！

グゥルォォォォォォッ！！！

イザーリン
お願いだから、間に合ってちょうだい……。

ブローニャ
九霄！崩壊獣を迎撃しに行きましょう！あいつらを戦艦に近づかせるわけにはいきません！

隊員
報告！主砲の充填、完了しました！

イザーリン
発射ッーーー！

ドゥォォォン——ッ！！！

イザーリン
——どうなった！？観測結果を教えて！

隊員
主砲は直撃しました。現在、外壁の損壊状況を確認中——

イザーリン
お願い……！どうか上手くいって！

隊員
確認結果を報告します……外壁に……目に見える破損は見つかりません……。

イザーリン
そ、そんな……。

ドォォオオン——ッ！！！

隊員
た、大変です！今の主砲の影響で、2号動力炉が過負荷による爆発を起こしました！その他、動力炉の出力も影響を受けています！ハイペリオン号の速度が徐々に落ちています！

イザーリン
くっ……やっぱりダメなの……。

隊員
待ってください……イザーリン！外壁に亀裂を確認しました！しかも、亀裂が広まっています！

イザーリン
えっ……！本当！？

隊員
間違いありません！ですが……主砲の再充填はもうできません！あと少しなのにッ！

イザーリン
それなら……選択肢は1つしかないわね……。

隊員
イザーリン……分かりました！
——ハイペリオン号の全動力炉を最大出力に！最後の力を振り絞って外壁に体当たりをし穴をこじ開けます！

イザーリン
えっ……！？

隊員
どうしたんですか？それを言おうとしていたんじゃないんですか？

イザーリン
ま、まあ、そうなんだけど……他人の口から聞くとそら恐ろしいわね……。

イザーリン
はぁ、このまま手をこまねいていても勝機はないし……！

イザーリン
全乗員に告ぐ！当艦は間もなく加速するわ。全ての戦闘員は艦首から離れて！
最後の動力を使って巨塔に体当たりする！

九霄
えええっ！！た、体当たり！？

ブローニャ
了解！総員、艦首から退避！衝撃に備えてください！

九霄
ま、待って！わた……我はようやく離陸時の飛行機酔いが治ったばかりなのだぞ！！！

イザーリン
ハイペリオン号！最大出力！前進ッ！

九霄
う、うわわぁぁぁぁっ！！！！

イザーリン
お願い——————————
成功してッ！！！！！！

ゴォォォオオオオオン————————ッ！！！
ブー……ブー……ブー……。
……。
…………。