幻影 - 崩壊学園wiki

九霄
ハァッ……ハァッ……。

ブローニャ
九霄、どうしたのですか？顔色が悪いようですが？どこか怪我でもしたのですか？

九霄
頭の中で響く声がますます強くなってきて……まるで無数の人が救いを必要としているような……彼らが呼びかけてくる……。
でも、今の自分じゃ……。

ブローニャ
……やはり、この光の球が悪さをしているみたいですね！
ゴホッ、ゴホッ……ここの崩壊エネルギー濃度は……。

ヴォォオオーーーッ！！！

ブローニャ
くっ……追いつかれてしまいました！九霄！早く立ち上がってください！

助けて……早く助けて……！
あなたは救世主なんでしょ！どうして助けてくれないの！
私はここにいるよ……早く助けて……私は死にたくないの……。
ママ……どこにいるの……またママに会わせて……。

九霄
ごめんなさい！あなたたちはもう死んでいるから！今の、わ、我じゃあなたたちを助けられない！もっと大事なことを成さなくてはならないから！だから……！

やっぱり、救世主なんて全部嘘つきなんだ！
嘘つき……嘘つき……この嘘つき……。
嘘つき……嘘つき……嘘つき……。
嘘つき！嘘つき！嘘つき！

九霄
違う……違うの！

ブローニャ
九霄！もうすぐ塔の頂上に着きます！絶対にこんな所で倒れてはいけません！

九霄
ごめんなさい……ごめんなさい……。

ブローニャ
九霄！立ち上がるのです！
九霄ッ！！！

ウォオオオン！！！
ドォォオオオオンッ——！！！

ブローニャ
くっ、あぁッ！

九霄
うっ！
ブローニャ……血が……ごめん……！全部、我のせいだ！
待って！今、傷口を縛る……！

ブローニャ
ブローニャに構わないでください！

ブローニャ
九霄！聞くのです！我々は何としても塔の頂上に辿り着かなければなりません！皆が我々の成功を待っています！
イザーリン！テレサ！それからゼーレに、エミザ！何に代えてでも、彼女たちを生かさなければなりません！

九霄
……っ！

ブローニャ
九霄……こんなところで止まるわけに行きません……。
あなたに何が聞こえようとも！今は前に進み続けるしかないのです！
あの死んでいった人たちは、どれも過去の幻影にすぎません！彼らの声で、あなたが歩みを止めてはいけません……ブローニャも同じです！
どんな結末が待っていようと……ブローニャはあなたを信じています。
あなたが本当にイザーリンの言うような人なら……この世界を救えるのは、あなたしかいないのですから……。

九霄
ブローニャ……イザーリンは全てを話したの？

ブローニャ
そうです……出発前にイザーリンがわざわざブローニャのところへとやって来て話しました。ブローニャのことを信頼してくれているのでしょう……。彼女は、ブローニャに何としてもあなたのことを守るようにと
……あなたにしか、この絶望した世界は変えられないと言ったのです。
あなたと出会ってから、九霄はいつもブローニャたちに奇跡を見せてくれました……ブローニャたちに希望の光を示してくれました。
だから……ブローニャもあなたのことを信じます！
九霄！あなたが本当に救世主なら、自らの力で全てを証明するのです！

九霄
救世主……我は…………。

ブローニャ
九霄、あなたがこの世界に来たのには、きっと何かしら意味があるはずです……。
あなたがこの場所の人であろうとなかろうと……あなたが見た全てが、真実であろうとなかろうと……。
しかし、ブローニャたちにとっては、ここだけが全てなのです！
かけがえのない場所なのです！

ウォオオオッ！！

ブローニャ
迷っている暇はありません！行ってください！

九霄
ごめん……ブローニャ……。
必ず、必ず助けに戻るから！

ブローニャ
はい……。

グゥルルルル————！！！
ドォオオオンッ！！！

……あなたが戻って来るのを待っている。

ウォオオオッ！！