紬
よく分からないけど、新しい能力を発動したみたい！
よく分からないけど、新しい能力を発動したみたい！
ヒュン——ヒュン——
みんなで海に向かって水鉄砲の威力を試してみた。
みんなで海に向かって水鉄砲の威力を試してみた。
イズン
祈ちゃん、ありがとう……。
ゴメンね、こんな能力……あまり役に立たないよね。
祈ちゃん、ありがとう……。
ゴメンね、こんな能力……あまり役に立たないよね。
桜華
そんな事ないです！だってイズンさん、ずっとみんなのためにすごく大切なサポートをしてくれてるじゃないですか！
そんな事ないです！だってイズンさん、ずっとみんなのためにすごく大切なサポートをしてくれてるじゃないですか！
ククク〜ククク〜
紬
あっ——海の怪物の声だ——みんな準備はいい？
あっ——海の怪物の声だ——みんな準備はいい？
桜華
いけるよ！……見てなさい、怪物！
いけるよ！……見てなさい、怪物！
……
……………………
……………………
桜華
あれあれ……全然……当たらないよ！
あれあれ……全然……当たらないよ！
銃から巨大な水柱が放たれたものの——ちょうどよく海の怪物の体に当たらないような形で飛んでいった。
桜華
あのグニャグニャした触手……怖いよ……うう、手の力が抜けて……全然当たらない……！
……すごい威力なのに！私以外なら誰が使ったってうまくいきそうなのに……どうして私にしか使えない設定なのよ……。
あのグニャグニャした触手……怖いよ……うう、手の力が抜けて……全然当たらない……！
……すごい威力なのに！私以外なら誰が使ったってうまくいきそうなのに……どうして私にしか使えない設定なのよ……。
エーリヴァーガル
ふふ……大丈夫よ。私に任せて。
ふふ……大丈夫よ。私に任せて。
桜華
エーリヴァーガルさん！？うう……ありがとうございます。お願いします……。
エーリヴァーガルさん！？うう……ありがとうございます。お願いします……。
海の怪物に向かって不思議な液体が精確に打ち出された。
ヒュン——
ヒュン——
祈
すごい！？当たった！さすがエーリヴァーガルさん！
すごい！？当たった！さすがエーリヴァーガルさん！
……
海の怪物の動きが一秒ほど止まった。
海の怪物の動きが一秒ほど止まった。
祈
効果あったのかな？
効果あったのかな？
？？？
…………クククク！！！
…………クククク！！！
興奮した触手がより凶暴になって襲い掛かってきた。
イズン
おかしいわ…………海の怪物が更に興奮してしまったみたい！！
おかしいわ…………海の怪物が更に興奮してしまったみたい！！
触手が無防備な仲間の方に伸びていった。
そして中央にいたノーデンスに襲い掛かった。
そして中央にいたノーデンスに襲い掛かった。
イズン
あっ…………あぶない！
あっ…………あぶない！
イズンがその前に立ちはだかり攻撃した。
ヒュン——シュパパパパ……
しかし、銃から次々と出てきたのはお札だった。お札が軽やかに海の上を舞った。
そしてゆらゆらと水面へと落ちていった。
しかし、銃から次々と出てきたのはお札だった。お札が軽やかに海の上を舞った。
そしてゆらゆらと水面へと落ちていった。
イズン
やはり……ダメでしたか……。
やはり……ダメでしたか……。
イズンは力なく、持っていた水鉄砲から手を放した。
……
………………
カサコソ、カサコソ。
海の怪物の仲間たちが騒ぎ出した。
……
………………
カサコソ、カサコソ。
海の怪物の仲間たちが騒ぎ出した。
？？？
ウオオオ——
ウオオオオオオ——
ウオオオ——
ウオオオオオオ——
ククク……？……おい……君たち……？……
イズン
……？
……？
祈
海の怪物さんたち……なんだか様子がおかしいよ？
海の怪物さんたち……なんだか様子がおかしいよ？
桜華
……怪物たちが……イズンさんの水鉄砲から出てきたお札を奪い合ってます！
……怪物たちが……イズンさんの水鉄砲から出てきたお札を奪い合ってます！
イズン
へえ……海の怪物の世界にもお札が流通しているのかしら？てっきり貝殻でも使ってるのかと思ってたわ……。
それはいいとして！これはまたとないチャンスだわ！
桜華ちゃん——エーリヴァーガルさん——絶好の反撃のチャンスよ！
へえ……海の怪物の世界にもお札が流通しているのかしら？てっきり貝殻でも使ってるのかと思ってたわ……。
それはいいとして！これはまたとないチャンスだわ！
桜華ちゃん——エーリヴァーガルさん——絶好の反撃のチャンスよ！
桜華
はい！……イズンさんが作ってくれたチャンスを無駄にするわけにはいきません！
私、今度こそしっかり当てるから！見てなさい——
はい！……イズンさんが作ってくれたチャンスを無駄にするわけにはいきません！
私、今度こそしっかり当てるから！見てなさい——
ヒュン——ヒュン——
ヒュン——ヒュン——ヒュン——
ヒュン——ヒュン——ヒュン——
桜華
紬！見て——当たったよ！
紬！見て——当たったよ！
祈
エーリヴァーガルさん？
エーリヴァーガルさん？
エーリヴァーガル
ふふ、元々この面白そうな混乱の行方を見届けるために参加したけど……。
こうしてまた別の展開になるのも……更に面白いかもしれないわね。
ふふ、元々この面白そうな混乱の行方を見届けるために参加したけど……。
こうしてまた別の展開になるのも……更に面白いかもしれないわね。
混沌としている遠くの海面を見て、エーリヴァーガルは小さく笑った。
エーリヴァーガル
——私があなたたちの力になるわ。
——私があなたたちの力になるわ。
水鉄砲から細長くも精確な水の筋が打ち出された。
ヒュン———
ヒュン———
うっ？ううううう……
それに当たった怪物が次第に全身をかきむしり始めた。苦しそうにうごめいている。
怪物が逃げようとすると、その前により凶悪な人影が立ちふさがった。そして凶器を振りかざした——
怪物が逃げようとすると、その前により凶悪な人影が立ちふさがった。そして凶器を振りかざした——
ノーデンス
ちょっと、忘れないでよ——私たちもいることを。
ちょっと、忘れないでよ——私たちもいることを。
祈
そうだよ、祈たちもいるよ——！
そうだよ、祈たちもいるよ——！
紬
いくわよ！！
いくわよ！！
強烈なシャベル攻撃が交互に繰り出された。
？？？
ククク……？
ククク……どうした……？グッ、グルグル……
ククク……？
ククク……どうした……？グッ、グルグル……
大混乱の中、海の怪物は慌てた様子で逃げていった。
薄暗い海に静けさが戻った。
薄暗い海に静けさが戻った。
桜華
う、うまくいったのでしょうか！？
う、うまくいったのでしょうか！？
