状況は悪い。
 それが、松坂さとうが自分達の置かれている現状について抱く第一の思考だった。

 自分達はそう間違った選択肢を取っている訳ではないと思う。
 飛騨しょうこという同盟相手を確保し、体力及び魔力の温存もしっかり出来ている。
 下手に序盤戦で消耗してしまうよりかはよっぽど利口な筈だと、今の自分達の姿を客観視してもさとうのそんな考えは変わらない。
 では何が問題だったのか。自分達は何処で失敗したのか。
 答えは一つ。この聖杯戦争を、未だに通常のそれに対するセオリーで考えてしまっていたことだ。

「(私達が放り込まれてる"この"聖杯戦争は……普通の聖杯戦争とは全く違う。
  界聖杯が寄越してきた事前知識すらある意味での罠だった。思うに、この戦いは――)」

 手元のスマートフォンに表示されたニュース速報。
 そこに記された信じ難い文言を見ても、さとうは今更驚きはしなかった。
 ただ"やはり"と、そう思った。新宿区が事実上崩壊した時点で既に、最悪の未来としてこういうことが起こる可能性は頭に描いていたからだ。
 都市が文字通り消滅する程の。新宿の一件が霞むほどの、空前絶後の大災害。
 余波としてそれを撒き散らしていく、そんな戦端が何処かで開かれる可能性。
 そして今その未来は満を持して現実のものとなり。
 さとうはその報せを見て、こう考えるに至った。

「(――独りだけでは、まず勝利するのは現実的じゃない。
  同盟相手なり何なり拵えて、戦力と情報の両方を充実させなくちゃいけなかった)」

 さとうはしょうこという同盟相手を獲得出来たが。
 それだけではきっと、繋がりが足りなすぎたのだ。
 実際に組めるかどうかは度外視してでも、他の主従とコンタクトを取り場合によっては情報交換をしていくべきだった。

 ……とはいえこれに関しては、純粋に彼女達の落ち度とは一概に言えない。
 少なくともさとうの叔母、並びに鬼の始祖■■■■■が脱落する展開は彼女達の働きではどうやっても覆せない不運の賜物であった。
 よしんば彼が神戸しおという代わりを無事確保していたとしても、耳飾りの剣士を恐れる彼はその後地下に潜ってしまったろうし。
 そもそもしおを要石にする考えを持っている時点で、どうやってもさとうと■■の関係性が決裂するのは不可避だったのだ。
 懐柔の容易な自分の叔母のサーヴァントが彼だったこと。こればかりは、交通事故めいた不運と言う他なかった。

 さとうの失策は、神戸しおと再会することを私情を優先して拒んだこと。
 巨大な組織に所属するしおと再会出来ていれば、さとう達もその恩恵に与れたろうことは想像に難くない。
 だがさとうはそれをせず。しょうこも異議は唱えずそれを尊重した。
 取り返す必要がある。自ら進んで茨道に踏み込んだ分の損失を、どうにかして。


「……っていうわけなんだけど、しょーこちゃんはどう思う?」
「うん、だいぶ藪から棒ね?」

 さとう達は現在、中央区を訪れていた。
 偵察に出していた童磨・GV双方との合流も済んでいる。
 せっかくの強力なカードだった叔母とそのサーヴァントの死は確実になり。
 状況は白紙。かと言ってこの期に及んで更に停滞する訳にも行かない。
 だから足を動かし、世田谷区の惨事に半ば便乗する形で他主従との遭遇を狙った形だ。

「アンタで悩むようなことに私がスマートな答え出せる訳ないでしょ――、……なんて。
 もうそんな腑抜けたこと言ってられる状況でもないわよね。私だって当事者なんだし」

 しょうことしても、さとう一人に重たい思考を押し付けるつもりはなかったし。
 それに元の世界でのこともあって、彼女に頼って貰えているこの状況に悪い気はしなかった。

「……私達がキツいのって、やっぱり色々遅れを取っちゃってることよね。
 強さの面はともかく、その他にもいろんな面で」
「うん」
「じゃあ……次に会ったサーヴァントやマスターとは、まず戦いの前に何か話してみるってのはどう?」

 交渉とか、取引とか。
 いずれ倒す相手だとしても、何かこっちの利になるものを出してくれるなら今すぐどうこうしなくてもいいんじゃない?
 しょうこがたどたどしく絞り出してくれたアイデアは、しかしさとうとしても悪くないと思えるものだった。
 排除ではなく折衝。それで以って自分達の取っている遅れの分を取り返す。
 運は絡むが現実的な方針だ。足元を見られカモにされる事態は避けなければならないが――そこはさとうの出番だろう。
 それに。にっちもさっちも行かなくなったら、その時はセオリー通り叩いて潰せばいいのだから。

「……うん。しょーこちゃんにしては良いアイデアかも」
「どういうことよそれ」
「ごめんごめん。でも、良いアイデアだと思ったのは本当。
 しょーこちゃんのアーチャーも……あと私のキャスターも。
 弱いサーヴァントではないんだろうけど、流石に街一つ地図から消せるような奴らとは普通にやってたら張り合えないから」

 少なくとも童磨がその次元の戦いに付いていけるサーヴァントだとは、さとうは思わない。
 そしてそれは他の多くの主従においても同じだろう。
 これを踏まえて考えると、この聖杯戦争を次の領域(ステージ)に進める為に必要なのは無軌道な見敵必殺ではなくなってくる。

「私達の聖杯戦争を邪魔する理不尽(やつら)の排除。それが出来なきゃ、私もしょーこちゃんも多分生き残れない」
「……はあ。やっぱそうなるわよね。
 界聖杯もゲーム性ぶっ壊しかねないような連中には制裁なり何なりしなさいってのよ、全く」

 歪んでしまった形のまま進んでいる聖杯戦争を、一刻も早くあるべき形に戻すこと。
 新宿壊滅の下手人である青龍や鋼翼。はたまた世田谷消滅をやらかした何処かの誰か。
 そうした連中をなるべく早急に排除して、当たり前のやり方で戦っていける聖杯戦争を取り戻すこと。
 それがさとう達のような持たざる者に可能な最善策。
 状況の悪さは何も変わっていないが、確たる道筋が見えただけでも進歩というものだろう。

 愛という名の不合理。
 それがなければ今頃、さとうは神戸しおの所属する一団と接触出来ていたに違いない。
 だが彼女は不合理を優先した。そこにこそ自分達の合理を見出した。
 その選択に後悔はない。だが、埋め合わせはしなければならないだろうと感じていた。

 そんな時である。
 さとうとしょうこの眼前に、氷鬼のキャスター……童磨が突如像を結び実体化した。

「真面目な話の最中に悪いねぇ、さとうちゃん」
「……邪魔して悪いと思ってるんだったら、早く用件を言って」
「近くにサーヴァントが居るよ。雷霆君も気付いているだろう?」

 童磨はそう口にすると、笑顔でしょうこの隣の虚空を見つめた。
 すると彼の言葉に促されてか、ちょうどその場所にGVが実体化する。
 すっかり戦友面が板に付いてきた童磨にGVは辟易の色を隠そうともしていなかったが……それはさておき。

「ああ、ボクも感じていた。一点にじっと留まって動かずにいるな」
「探知探索が苦手な俺ですらこうもはっきり感じ取れるんだ。十中八九狙ってやっているんだろうなあ」
「……それって」

 しょうこが不安げに自分の口元へ手をやる。

「私達を待ち伏せしてる――ってこと?」
「目的が悪意に依るものにせよ、戦意に依るものにせよ……それ以外であるにせよ。
 ボク達の存在を感知した上で待ち受けている、と見ていいだろうね」

 GVの意見を聞いたしょうことさとうは目を見合わせた。
 気配を隠そうともせず明け透けにしての実体化。
 あちらこちらに移動を繰り返すでもなく、一点に留まっての棒立ち。
 確かにGVの言う通り、わざとやっていると考える方が遥かに自然だろう。
 目的が何であるにしろ。さとう達の存在を認識し、その上で誘っている。
 となると浮かび上がってくる疑問が、一つあった。

「……本当に"感知"なのかな。少なくともこの区に入ってからは、キャスターもアーチャーも一度だって実体化してなかったよね」
「ボクも同意見だ、松坂さとう。恐らくこれは"感知"じゃなく、"監視"と表現するのが正しいんだと思う」
「だよね。一応聞くけど、何かそれっぽいものの心当たりはある?」
「あったらもっと早く伝えているさ。
 気配隠避に長けた使い魔か、サーヴァントの固有能力による監視か。
 後者なら特に厄介だな。場合によっては、手の打ちようがない可能性もあるから」
「……まあ仕方ないかな。初見殺しは聖杯戦争の常だもんね」

 文句を言っていても仕方がない。
 むしろ、この時点で監視されていると分かっただけでも御の字だ。
 視られていると分かっているなら情報の隠しようはある。

「おいおいさとうちゃん。君のサーヴァントは俺だろ? 雷霆君も忙しいだろうし、俺に聞きなよ」
「探知探索が苦手だって言ったのはどの口?」
「ちぇっ。仕方ないなあ、蚊帳の外組は蚊帳の外同士で親睦を深めようか。ねえしょうこちゃん」
「気持ちはすっごく分かるけど、すっごく一緒にしてほしくないわ……」

 童磨に鬱陶しくも同意を求められ、顔を引き攣らせるしょうこ。
 "蚊帳の外組"なる不名誉な同盟を組まされることが余程嫌だったのか、彼女はごほん!と咳払いをして無理矢理さとう達の話に参入した。

「それで、どうするの? そのサーヴァントの誘いに応じるのか、危ないからこの街を離れるのか……」
「……私は、接触してみるべきだと思う」

 聡明なさとうらしからぬ、やや歯切れの悪い言葉ではあったが。
 彼女はしょうこの問いかけに対し、こう自分の意見を示した。

「勿論リスクは高いけど、正直私達の現状はかなり遅れてる。
 多少のリスクを抱えてでも、他の主従と関わりに行く価値はあるんじゃないかな」

 此処で怖気付いて尻尾を巻いて逃げ出すようでは、いつまで経っても状況の改善は見込めない。
 相手が油断ならない手合いであることは前提として、それでも敢えて茨道に踏み込むくらいの覚悟は必要だと。
 少なくともさとうは、そう考えていた。
 その判断を聞いたしょうこも少し考えてから、「確かに」と小さく納得の声を溢す。

「言われてみれば……そうよね。私達は綱渡りしなきゃいけない立場なんだった」
「うん。それに、こっちだって単独(ひとり)じゃない。
 もしも危なくなったらキャスターとアーチャーの二人がかりで対処出来る。
 それでも無理そうなら令呪を使うことになるだろうけど……決して勝ちの目の薄い賭けじゃないと思うよ」

 ただ、と、さとう。

「ただ……相手が既に同盟を組んでいる、何らかの組織に所属してるサーヴァントだったら話は別。だけど」
「……うええ。それはちょっと、考えたくないわね……」
「だから結局ギャンブル。勝てる公算はあるけど、その分とんでもない負け方をする可能性もある。
 私は行くつもりだけど、しょーこちゃんはどうしたい?」

 もしも。
 その"最悪の想定"が的中してしまったなら、二対二……ともすればそれより更に悪い状況を押し付けられることにもなりかねない。
 そこだけは念頭に置いてかからなければ、万一の時にあっさりと足元を掬われる。
 否それどころか、物量差で身も蓋もなく押し潰されてしまう。
 さとうの口からそう聞かされたしょうこは苦い顔をしたが、しかし結局。

「……でもやっぱり私もあんたの案に賛成。
 残りの敵の数を減らすにしろ、組んだり情報交換したりするにしろ、流石にそろそろ何かしないとね」
「分かった。じゃあ行こっか――キャスター、アーチャー。その気配がある場所まで案内してくれる?」


◆◆


 "そこ"に辿り着いた松坂さとうと飛騨しょうこ。
 彼女達の連れる二騎のサーヴァント。サーヴァントを"人"とカウントするならば四人のヒトガタから成る寄り合い。
 そんな一行を剥き出しの気配と共に待ち受けていたのは、実に奇妙な風体の男だった。

「よう。もしかしたら来てくれないんじゃないかと思って冷や冷やしてたぜ」

 その男に"貌"はなかった。
 その全身を覆い隠す赤と黒のコスチューム。
 表情は窺えず、そもそもその目元で実際に物が見えているのかどうかからして傍目からでは分からない。
 背中に携えた二振りの刀を得物にするのだろう、という程度のごく漠然とした認識しか相手に与えないトリックスターめいた男。
 彼こそが気配の正体であり。男はさとう達の姿を視界に含めるなり、手を振って気さくにこう言った。

「何だ、ずいぶん警戒されてんだなあ俺ちゃん。
 わざわざ気配を明け透けにしてお誘いしたってのにこりゃないぜ」
「……無駄口はいいから。要件は何?」

 肩を竦めておどける男に、さとうの声色は冷淡だった。
 聖杯戦争は魑魅魍魎が跋扈する人外魔境だ。コメディアンのようにおどけた相手でも、腹の中では何を考えているか分からない。
 猫を被るだとか、無害を装うだとか。そういう手法にはさとうも精通しているのだ。
 だからこそ彼女は、ともすれば油断してしまいそうな眼前のサーヴァントの言動にも一切心を乱さなかった。

「(キャスター、念の為いつでも割って入れるようにしておいて。私の方もそうだけど、しょーこちゃんの方にも)」 
「(君もずいぶんと絆されたものだねえ、さとうちゃん。俺と出会ったばかりの頃の君は、さながら研ぎ澄ました黒曜石のようだったのに)」
「(今はそういうのいいから。とにかく、有事の時にはすぐに動けるように)」
「(はいはい、分かったよ。全く人使い……いや、鬼使いって言うべきか。鬼使いが荒いんだから、さとうちゃんは)」

 絆されたものだ。そんな童磨の言葉に、さとうは一瞬今考えるべきでないことを思考してしまった。
 自分は一体、何をしているのだろう。
 しおちゃんと過ごす永遠のハッピーシュガーライフのために戦うならば、此処で彼女の名前を出す理由はない。
 同盟相手であることを含めて考えても、どう考えたって童磨には全力を費やして自分を守るよう命じた方が理に適っている。
 だというのに今、自分はごくごく自然に飛騨しょうこという"友達"の身の安全を勘定に入れていた。
 それは打算? ああそうだろう。よりにもよって私が――松坂さとうが、友人の命なぞに強く執着する筈もない。
 愛する彼女以外はすべて踏み台、勝利の薪木になるだけの存在でしかないのだから。

 ――思考の"余分"を切り捨てて。
 目の前の男(サーヴァント)に全神経を注ぐ。
 そうしてさとうは彼との対話へ臨んだ。

「堅苦しいね。塩対応じゃ男の子に嫌われちまうぜ」
「話すことがないんだったら、"そういうこと"だと看做すけど」

 此方には、既に二騎のサーヴァントが居る。
 童磨とGV。都市を更地に変えられるような火力こそ持たないものの、しかし単なる運ではなく確かな実力で本戦まで生き残ってきた二騎だ。
 対して眼前の彼、赤黒のサーヴァント。
 彼の可視化されたステータス値は、お世辞にも高いと言えるものではなかった。
 勿論サーヴァント相手に油断は禁物であるのは言うまでもないが、いざとなれば十分二騎がかりの力押しで制圧出来る筈。
 さとうはそう判断していたし、事実その通りであった。

「まあ待てよ、俺ちゃんにとってジョークを吐くのは呼吸みたいなもんなのさ。
 これくらいでいちいち目くじら立ててたら俺ちゃんとはお付き合い出来ないぜ――"同盟相手"としてもな」
「……同盟。それがあなたの目的?」
「そういうこと。ぶっちゃけ今、マジで洒落にならねえことになってんだろ? この街。
 英霊の座から飛び出してきたよりすぐりのモンスター共がルール無用のドンパチ三昧。
 ミスター・石燕もマッカーサーも腰抜かす地獄絵図、流石の俺ちゃんもちっとばかし手に余る」

 言っていることは、筋が通っている。
 実際さとう達も、まさに彼と同じ考えで行動していた。
 新宿や世田谷を壊滅させた怪物達を排除するための活動、場合によっては"連帯"。
 そうでもしなければこの先の局面は生き残れないと、そう判断したから。

「貴方のマスターは?」
「そっちが先に二人組(チーム)作ってるのは分かってたからな。
 下手すりゃ袋叩きにされかねない修羅場に、わざわざマスターは連れてこねえさ」
「……そっか。同盟を組むの自体は構わないよ。こっちも正直、盤石の布陣には程遠い状態だから。
 期限付きでも裏切りありきでも、戦力として数えられる相手を増やせるのはありがたいと思ってる」

 でも、と少女は続けた。
 さとうの眼が、赤黒の怪人のマスク越しの眼球を見据える。
 実際に視えている訳ではなかったが、確かに彼女はそうしていた。

「同盟を組むにあたって、一つだけ。
 私達のことをどうやって監視してたのかを教えてほしい。
 四六時中こっちの手の内が筒抜けになってるなんて状況は、流石にちょっと具合が悪いから」
「初歩的なことだぜ、友よ(エレメンタリー・マイ・ディア)。
 俺ちゃんのマスターはジャパニーズ・クソデカカンパニーの社長なのさ。
 だから町中の監視カメラの映像を掌握してて、それでお嬢ちゃん達のことを見つけたってワケ。
 サーヴァントを隠しててもよ、歩き方とか視線の動かし方とかで結構分かるものなんだぜ? これマメな」
「そっか。ありがと、教えてくれて」

 監視カメラを使っての、情報掌握。
 理屈としては確かに通っている。
 ロールの時点でそれだけの優位性を得ているマスターだったなら、そういう離れ業も可能なのだろう。
 そのレベルの規模で監視の目を張り巡らせられる主従と組めることには、言わずもがな非常に大きな利点がある。
 監視からの暗殺という未知の脅威に怯えなくてよくなるだけでも、彼らと盟を結ぶ価値はあった。

 そして、自分達の虎の子と呼んでもいいだろう手の内を素直に明かしてくれたこと。
 これは、彼らがそれだけさとう達との同盟を強く望んでいることの証でもあり。
 以上の点を総合的に判断して、松坂さとうは口を開いた。


「――キャスター。食べていいよ」


 瞬間。
 赤黒の怪人――否。
 アヴェンジャー・デッドプールが即断して銃を抜いた。
 銃を向ける先は松坂さとう。その眉間へ銃口を合わせて、躊躇も逡巡もなく発砲。
 此奴は此処で殺す。そんな強い殺意が込められた凶弾はしかし、二人の間に割り込む形で実体化した鬼の指先に摘み取られた。

 虹色の瞳。血の通わない蒼白い肌。血を連想させる、斑の髪色。
 アルカイックスマイルを浮かべながら実体化した彼から、デッドプールは感じ取った。
 悍ましいほどの血の臭いと、臓物の臭い。蜃気楼のように立ち込める死者の怨嗟を、確かに彼は幻視していた。

「あ~あ。出来れば話し合いに乗ってきたところをズドン、と行きたかったんだけどな。
 一応聞かせてくれるかい、人殺しのお嬢ちゃん。なんで俺ちゃんの考えが分かった?」
「……別に大した理由じゃないよ。ただ――そっちのついた嘘が悪かったってだけ」

 さとうは、此処に来るまでの道中で自軍のサーヴァント。
 アーチャー・GVにとある依頼をしていた。
 それは、近隣一帯の監視カメラをハッキングしてほしい――というもの。
 監視カメラをハッキングし、その映像が何処に送信されているかを解析させた。

 解析結果は――異状なし。
 公表されている用途以外に濫用されている形跡はなく、従って自分達を監視している手段は少なくともこれではないと判断出来た。
 よりにもよってその矢先に、デッドプールはさとう達の存在に気付けたのはカメラによる監視だと嘯いてしまった。
 交渉決裂、ないしは交渉中に突然牙を剥いてくる可能性は想定していたため、たとえそれ以外の嘘を弄していた場合でも結果は同じだったろうが。
 それでもデッドプールが策謀で出し負けてしまった形となったのは、確かであった。

「今度はこっちの疑問にも答えてくれる?」
「ああ、いいぜ。俺ちゃんに何でも聞いてみな」

 とはいえ、さとうにも疑問があった。
 デッドプールは自分に対して先程、こう言った。
 "人殺しのお嬢ちゃん"と。少なくともこれは、初対面の相手に対して口にするような罵倒ではないだろう。
 それとも童磨のことを見て、彼が積み上げてきた屍の数を察し、その結果出た言葉だったのか。
 そうであったならさとうの考えたことは完全な杞憂。さとうもデッドプールも、お互い何の意味もない時間を食ったことになる。
 だが。もしも、そうでなかったなら?

「……あなた、私のことを知ってるの?」
「はは」

 さとうの困惑混じりの問いに、デッドプールはそう笑って。
 それから――背中の二刀を抜き放ち、言った。

「――てめえのことなんて知らねえよ、色ボケ女」


◆◆


「あはは、結構やるねえ。剣士は剣士でも、流石に俺の知る連中よりかはずっと腕が立つようだ」
「褒めてくれて嬉しいぜ。ところでその頭何だよ。アイス・バケツ・チャレンジでも失敗した?」

 快刀乱麻――寄せ来る冷気の波を斬り払うはデッドプール。
 鉄扇を構えて待ち受ける氷鬼に対し、国も性質も違った不死者が押し迫る。
 衝撃波を生みながら衝突する刀と鉄扇。
 鍔迫り合いの構図からそのまま全体重を乗せ前進することで、デッドプールが競り勝った。
 容赦のない横薙ぎの斬撃が、童磨の両目をなぞるように潰す。
 本来ならばこれだけで勝利は決まったようなものだが、しかし。

「驚いたなあ」

 童磨の両目が。
 潰れ、水晶体の中身までもを地と共に撒き散らした筈のそれが。
 まるで時間を巻き戻したかのように、再生していく。
 斬られた端から傷が再生するという不条理を驕りひけらかすでもなく、童磨は寧ろ目の前のサーヴァントの異常さに言及していた。

「君、俺の氷を吸っているだろう? 普通なら地獄の苦痛と肺機能の低下で這々の体になってしまう筈なんだがな」
「東京の夏は暑いからな。丁度いい熱中症対策になったよ、サンキューなクソダサカラコンマン。
 こいつはほんのお礼だ、B級映画みてえなゾンビごっこはやめて大人しく受け取ってくれや」

 童磨の鉄扇がひらりと揺らめくその度に、つむじ風のように巻き起こる冷気の渦。
 その正体は他でもない彼自身の血液だ。それを凍らせて砕き、撒き散らすことで氷雪の血鬼術を顕現させる。
 吸い込めばたちまち肺が壊死する極低温の冷気――童磨がサーヴァントという上位の存在に昇華されている以上、当然この"呼吸潰し"は彼の前に立つ他の英霊達に対しても有用なのは言うに及ばない。
 だというのにデッドプールはそれに応えた様子もなく戦闘を継続しており、これが童磨には不可解だった。
 GVは電熱で冷気を無効化していたが、さてこの奇妙な御仁は如何なる手段で俺の血鬼術を凌いでいる?
 そんな疑問を持ちながら童磨はデッドプールの斬撃を……今度はちゃんと、その鉄扇で防いでのけた。

「あらまびっくり。さっきはあんなに自慢げな顔して斬られてくれたのによ、今度は防ぐのかい」

 察するにお前……と、デッドプール。
 マスク越しにも分かるニタリとした挑発的な笑顔で、彼は指摘する。

「それとも、ジャパニーズ・ゾンビってのは首根っこぶった斬られたら死んじまうのかな?
 ねえねえ、答え教えてくれよカラコンマン。タネ明かしまでがマジックだぜ? ああでも」

 童磨は不死の鬼である。
 殴打、斬撃、圧殺、窒息、そのどれを以ってしても滅ぼせない。
 しかして彼は所詮始祖、今やこの世界から存在そのものを抹消されて久しいかの者から分かたれた眷属でしかなかった。
 日光を浴びれば焼け死んでしまうことは始祖と同じだったが、彼の場合はそこにもう一つ弱点が追加される。

「わざわざ必死こいて防いでくれたもんな。図星以外の何物でもねえか」

 頚への斬撃――即ち斬首。
 それが果たされれば、不死の鬼は死ぬ。亡びる。
 デッドプールの指摘は当たっていた。
 本来であればそこには、ある特殊な金属を用いて鍛えられた刀で……という枕詞が付くのだったが。
 サーヴァントとして神秘を宿すデッドプールの刃であれば、当然その前提条件は無視出来る。
 童磨は不死だが不滅ではない。それが分かれば遠慮なく戦える、小難しいことは考えないで済む。
 デッドプールは安堵のままに踏み込み追撃を試み、一方で弱点の割れた童磨は――

「別に隠していたつもりはないんだけど、負け惜しみに聞こえてしまうかな」
「そう聞こえるね。弱点がバレて、必死こいて虚勢張ってる……ドラキュラもどきの三下野郎って感じ?」
「ふふっ、あははは! 酷い言い草だなあ、初対面の相手に罵倒されるのは職業柄慣れっこだけど――しかし老婆心から忠告しておくぜ」
「あ?」
「だって、ほら」

 ――嗤っていた。

「俺も君の身体のからくり、解き明かしてしまったぞ」
「……、……へえ」

 そこでデッドプールは、ようやく気付く。
 いや、気付かされたと言う方が正しいか。
 彼の首筋から勢いよく血が噴き出し、飛沫をあげた。
 その傷口は蠢くようにして再生していき、後にはかつて傷があった部分から噴き出し溜まった血の湖だけが残される。
 童磨はそんな彼の姿を見ながらニヤニヤと嗤っている。
 笑顔の意味が、デッドプールには理解出来た。

「お見事。いいマジシャンになれるよ、お前」

 ――斬られたことに気付かなかった。
 痛みはなかった。衝撃すら、皆無だった。
 瞬きの内に振るわれた刃が切り裂いた傷口が数秒遅れて開き、血が噴き出した……その瞬間に漸く、デッドプールは自分が斬られたのだと理解した。
 鉄扇からデッドプールの血を滴らせながら、今度は童磨が相手の真実を言い当てる。

「"お前"だなんて他人行儀だなあ、もっと気安く話しかけてくれていいんだぜ?
 俺の氷を吸って無反応だなんていやはやどういうからくりかと思っていたが……何の事はない、まさか同族だったなんてなあ」
「キチガイに絡まれた時のコツを知ってるか? 塩対応だよ」
「気が違っているのは君も同じじゃないのかな。
 俺のように鬼となった訳でもないのにこういう体質になってしまうなんて、さぞかし辛い人生を歩んできたんだろう?
 大丈夫、恥ずかしがることはないさ。誰も君を責めないよ、もちろん俺もね。
 俺は鬼として大勢の人間を喰ってきたが、その傍ら万世極楽教という――」

 その通り。
 デッドプールもまた、不死者である。
 彼は人をゾンビと、ドラキュラ気取りの三下と笑えるような身分ではない。
 彼もまた不死に呪われた成れ果ての男。
 ああ、されど、されど。
 デッドプールの人となりを知る者ならば、彼が童磨という悪鬼と同類の存在だなどと語る声には断固として否を唱えたことだろう。

「酷いなあ。まだ喋ってる途中だったのに」
「目いっぱい塩を利かせてそれでも駄目なら後は暴力だ。優しいグランマが笑顔で教えてくれたよ」

 童磨の顔面を縦一直線に叩き割って、胸板を蹴り飛ばす。
 そのままあわよくばと、追撃の弾丸も二発三発と撃ち込んだ。
 しかしながら当然、それでは童磨は滅ぼせない。
 他でもない、デッドプール自身が見抜いた真実だ。
 彼は頸を斬られればそれで死ぬが、逆に言えばそれ以外のあらゆる手段で殺すことの叶わない不死者(アンデッド)。
 なのにわざわざ顔面を、その端正なにやけ面を叩き斬った訳は。

「能書きはいいからさっさと地獄に帰りな、クソ野郎」
「失敬だな。ちゃんとお勤めを終えて此処に来ているってのに」

 ムカついたから。それだけだ。
 しかし次の瞬間には、その心の贅肉をきっぱりと捨て去る。
 斬撃が狙うのは首筋のみ。無駄のない動きと殺意以外にない腕捌きで、異人の彼は百年越しの鬼殺を狙う。
 それを童磨はキャスタークラスにあるまじき身のこなしでいなし、捌き、そして血鬼術を発動せんと意識を集中させた。
 が、その時。


「……楽しんでいるところ悪いけど、此処はボクが受け持つ。
 お前はマスターとさとうの護衛に向かってくれ、キャスター」


 雷霆が一筋、空から地へと舞い降りて。
 デッドプールと童磨の双方を着地の衝撃で吹き飛ばす。
 蒼い稲妻を帯電させながら、デッドプールを睥睨し童磨を背にする乱入者。
 彼は松坂さとうと行動を共にする少女、飛騨しょうこのサーヴァントであった。
 名をガンヴォルト――GV。電熱で負った火傷を即座に回復させながら、童磨は彼へと唇を尖らせる。

「酷いじゃないか雷霆くん。せっかく盛り上がってきたところだったのに」
「お前は気が狂っているようで、その実誰よりも冷静だ。
 マスター達の身の安全も顧みずに氷を撒き散らすような真似はきっとしない。
 それにお前の方が……ボクよりも不測の事態への対応は巧いだろ」

 玩具を取り上げられた子供のようにふて腐れた様子を見せる童磨と、それを正論で諌めるGV。
 傍から見ればコミカルにも見える場面だが、しかしGVがデッドプールを見つめる目に和やかさの類は欠片もない。
 そんなGVに対して童磨はしばらく不服そうにしていたが、やがて何かに気付いたようにぽんと手を鳴らした。

「ははあ、そういうことか。水臭いじゃないか」
「何を言っているのか分からないな。いいから早く――」
「君は君で、この異人殿に用があるんだね」

 GVはその発言を戯言と切り捨てるのではなく、ただ沈黙した。
 それが意味するところは無言の肯定。
 童磨の言う通り、GVにはこのデッドプールという敵手に何らかの用があるということ。
 黙したままのGVに対して童磨は微笑みながらも、虹色の眼光をぎらりと煌めかせて更に続けた。

「もしやとは思うが、さとうちゃんを切り捨てる算段でも立てているのかな?」
「違う」

 問いに対し、GVは即答した。
 童磨も本気で疑っていた訳ではないのか、ぱたんと鉄扇を閉じて「ままならぬなあ」と落胆を見せる。
 GVが裏切りを考えていなかったことに対してではなく、デッドプールというもっと語り合いたい同族もどきを譲り渡さねばならないことに対し、気を落としているようだった。
 とはいえ。それも本気でそうしている訳ではないことは、言うに及ばずだったが。

「……じゃあ俺はあちらへ行くとするよ。出来れば俺の喰うところも残しておいてくれ」
「お前みたいなケダモノと一緒にするな」

 ――踵を返した次の瞬間には、童磨の姿はGVの前から掻き消える。
 残されたのは彼と、そして彼の乱入で吹き飛ばされたきりのデッドプールの二人だけだった。
 デッドプールに視線を向ければ、よ、とでも言うように片手を挙げて会釈した。
 勿論デッドプールとGVとは初対面であったが、童磨に対し見せていたのとはまるで違った気さくな態度。

「俺ちゃんもモテモテで困るね。キチガイ野郎から美少年まで引く手あまたってわけだ」
「――お前は松坂さとうに対し、露骨に敵愾心を示していた」

 無駄話に付き合う気はない、とばかりに早速話し始めるGV。
 交戦に発展する前の一瞬。吐いた嘘を暴かれたデッドプールは、さとうに対して銃口を向けた。
 その言動は明らかに彼女に対し否定的……否。それどころか明確に敵愾心を抱いていなければおかしいようなそれであった。
 しかしさとうの側は、彼のことなどまるで知らない様子でもあり。
 となると彼がさとうを敵視する理由は、デッドプールと関わりの深い何者かの存在に由来しているのではないか。

「お前と松坂さとうの間に面識はない。
 なのにお前がさとうに対し覗かせた感情は、明らかに何らかの因縁の存在を感じさせるものだった。
 松坂さとうを憎む誰か。彼女を殺したいと――許せないと思っている人物と、お前は繋がっているんじゃないか」
「随分迂遠な言い回しだな。言いたいことがあるなら直球で頼むわ。まどろっこしいのは性に合わなくてよ」
「お前のマスターは」

 そう考えたGVの脳裏に浮かんだ一つの仮説。
 それを確かめるために、もといデッドプール本人に対し問い質すために。
 GVは童磨を下がらせ、こうして彼の前に立ち言葉を紡いでいた。

「――"神戸あさひ"か?」

 ……GVは、松坂さとうと飛騨しょうこの物語の全てを知っている訳ではない。
 しかしさとうが神戸しおという少女を誘拐し、自宅に住まわせていたこと。
 しおとの"愛"を守るため、貫くために罪を重ね。
 時には手を汚しさえしたことは、知っている。
 そして、そんな彼女の"愛"の裏側で。
 攫われたしおを取り戻すために奔走していた一人の少年が居たことも、GVはしょうこから聞き及んでいた。

 神戸あさひ――神戸しおの兄。
 今でこそ更に上の混沌で有耶無耶にされているものの、半日ほど前までは東京中のお尋ね者として喧伝されていた聖杯戦争の推定参加者。
 彼がデッドプールのマスターであるとすれば、デッドプールがさとうに対し見せた色濃い殺意にも説明が付く。
 そう考えたからGVは行動した。デッドプールの前に立ち問いかけた。その質問に、デッドプールは答えなかった。
 答えの代わりに、彼もまたGVに問いを投げかけた。

「そういうお前のマスターは、"飛騨しょうこ"かい?」
「……そうだ」
「そっか」

 GVの返答を聞くとデッドプールは抜いた双剣を鞘へと収め、銃もしまってしまう。
 更にどっかりとその場に腰を下ろして胡座をかき、ふうと一息ついて夜空を見上げた。

「しょうこちゃんは、松坂さとうと組んでんだよな」
「ああ」
「それはよ、雷霆くん。ウチのあさひとさとうを天秤に掛けて、あいつの方を選んだってことかい?」

 GVは無言で、ただ静かに頷いた。
 デッドプールはもう一度小さく息を吐く。
 ため息ではない。事態を静かに受け入れた、そんな仕草だった。
 数秒の沈黙が流れる。それを破ったのは、デッドプールの方。

「話をしたいんだろ。特別大サービスだ、何でも答えてやる。だからお前さんも何でも答えろ」
「ボクらの陣営の内情についてまでは教えられない。だが、それ以外の――"彼女達"についてのことならば。構わない」
「その条件だと俺ちゃんも助かるね。俺ちゃんもこれで意外と、せせこましく社会の歯車やってる身だからよ」

 甘い死と苦い悔恨。
 手が届いた者と届かなかった者。
 少女達の、そして少年の物語は単なる終着には留まらず界聖杯という異界にまで流れ込むに至った。
 片や小鳥に寄り添う雷霆。片や少年の背を見つめる復讐者。
 それが、此処でようやく交わった。

 ……であれば。彼の、彼らのマスター達も。
 互いの運命に導かれるまま、巡り会うのが自明の理。
 小休止を迎えた戦端と並行して、小鳥と少年。
 そしてシュガーライフとビターライフ、混じり合うことのない二つの愛もまた――邂逅を果たさんとしていた。


【二日目・早朝/中央区・高級住宅街】

【アヴェンジャー(デッドプール)@DEADPOOL(実写版)】
[状態]:『赫刀』による内部ダメージ(小)、気道から肺までが冷気によりほぼ完全に壊死(急速回復中)
[装備]:二本の刀、拳銃、ナイフ
[道具]:予選マスターからパクったスマートフォン、あさひのパーカー&金属バット
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:俺ちゃん、ガキの味方になるぜ。
0:お前がそう望むなら、やってやるよ。
1:あさひと共に聖杯戦争に勝ち残る。
2:星野アイ達には必ず落とし前を付けさせるが、今は機を伺う。
3:真乃達や何処かにいるかもしれない神戸しおを始末するときは自分が引き受ける。だが、今は様子見をしておきたい。
4:黄金時代(北条沙都子)には警戒する。あのガキは厄(ヤバ)い
[備考]
※『赫刀』による内部ダメージが残っていますが、鬼や魔の属性を持たない為に軽微な影響に留まっています。時間経過で治癒するかは不明です。
櫻木真乃、ガムテと連絡先を交換しました。
※ネットで流されたあさひに関する炎上は、ライダー(殺島飛露鬼)またはその協力者が関与していると考えています。

【アーチャー(ガンヴォルト(オルタ))@蒼き雷霆ガンヴォルト爪】
[状態]:健康、クードス蓄積(現在3騎分)
[装備]:ダートリーダー
[道具]:なし
[所持金]:札束
[思考・状況]
基本方針:彼女“シアン”の声を、もう一度聞きたい。
0:マスター。君が選んだのはそれなんだね。
1:マスターを支え続ける。彼女が、何を選んだとしても。
2:ライダー(カイドウ)への非常に強い危機感。
3:松坂さとうがマスターに牙を剥いた時はこの手で殺す。……なるべくやりたくない。
4:バーサーカー(鬼舞辻無惨)への強い警戒。
[備考]
※予選期間中にキャスター(童磨)と交戦しています。また予選期間中に童磨を含む2騎との交戦(OP『SWEET HURT』参照)を経験したことでクードスが蓄積されています。
※神戸しおと神戸あさひが、現在交戦関係にあるかもしれないと思っています


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最終更新:2022年07月27日 21:06