キハ40系は、老朽化したキハ10系や初期のキハ20系の置き換え用に1979年に登場した一般型気動車である。全国的に配置され、運転台の数や配置地区の気候条件などにより10種類以上のバリエーションがあったが、北海道では酷寒冷地向けの設計がなされ、両運転台でトイレ付きのキハ40形100番台、片運転台でトイレ付きのキハ48形300番台、同じく片運転台でトイレなしのキハ48形1300番台の3種類が導入された。いずれも車体は2扉の普通鋼製で、座席はセミクロスシートであった。エンジンは従来形に代わる新設計のものが用意されたが、車体重量の割には出力が少なかったために加速が悪いことが欠点となった。
JR化後には多くの改造が行われており、北海道でも多種多様な派生形式が登場している。これまでに、宗谷本線急行向けのキハ400・480形、ワンマン改造車のキハ40形700番台、札沼線向け冷房つき高出力化改造車のキハ40形300番台、キハ400・480形をそれぞれ通勤仕様に改造したキハ40形330番台・キハ48形1330番台、キハ400形をお座敷車に改造したキハ400形500番台、札沼線末端区間
(石狩当別‐新十津川間)用の高出力化改造車のキハ40形400番台、日高本線用の高出力化改造車のキハ40形350番台、キハ40形700番台に延命改造と高出力化改造を施したキハ40形1700番台がそれぞれ登場している。また、1998年に映画「鉄道員」の撮影用として旧型気動車風に改造されたキハ40形も旭川地区で活躍していたが現在は引退し、根室本線の幾寅駅前に保存されている。
2010年、釧路地区の車両3両が、登場時に纏っていた朱色一色の塗装(首都圏色)に戻されて観光の目玉となっている。
2012年には札沼線の
桑園-
北海道医療大学間が電化されたことに伴い、それまで当線区で専属的に使用されていた車両の多くが余剰・廃車となった。このうちキハ48形は全車が廃車され、道内からキハ48形という形式が消滅している。なお、廃車されたこれらの車両の一部はミャンマー国鉄に譲渡され、海を越えた異国の地で第2の人生を歩んでいる。
登場から30年以上経過した今でも、ローカル輸送の主役として全道各地でその姿を見ることができる。なお、日本一運転時間が長い定期普通列車として知られる2427D
(滝川発、根室本線経由、釧路行)にも当系列が使用されている。
その他の情報
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道内に広く分布する1700番台 |
700・1700番台の座席はセミクロスシート |
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釧路車の一部は首都圏色に戻された |
キハ40-777 |
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”最長鈍行”にも当系列が活躍 |
日高本線用の350番台 |
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札沼線末端区間用の400番台 |
2012年まではこのような編成も見られた |
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札沼線で活躍していたキハ48形300番台 |
330・1330番台の座席はロングシート |
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路線によっては他形列との併結もある |
幾寅駅前に保存されているぽっぽや号 |
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(Hokkaido University Railway Research Group, Japan)
最終更新:2017年04月09日 04:20