ひょんなことから女の子
シトロネット 4
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hyon
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136 :Allonym ◆iqP3HuSAqU :2007/03/10(土) 23:24:01.92 ID:zd9siWiH0
眠い。昨日はあまり眠れなかった。それは考え事をしていたからで、内容はそう、女の
子になってしまった兄ちゃんを元に戻すかどうか。…………そして、結論は出た。
「俺は兄ちゃんが好きだ。だから元に戻したくない」
口に出してもう一度確認する。うん。俺の決意は変わらない。もしかしたら元に戻れる
かもしれないって言うのは黙っていよう。ずっと、胸の奥にしまっておこう。
さて、時刻は午前8時。そろそろ朝食も出来ているはずだ。そう思い、部屋を出た。す
ると、タイミング良く兄ちゃんも部屋から出てきた。
「あ……」
「てっちゃん、おはよう」
「うん、おはよう……」
ちょっと気まずい。昨日、あんなことしたし、それに俺は…………隠し事をしている。
ふと、兄ちゃんの服装が気になった。どう見ても外出着だからだ。
「どっか行くの?」
「うん。学校の近くのお店」
「…………え?」
学校の近くの店って言ったら……あの店、だよな?
「……どうして?」
「どうしてって、この身体を元に戻すためだよ」
……なんで知ってるんだ?
「ああ、うん。トモくんに聞いたんだよ。同級生だからね」
そうか、すっかり忘れてた…………
子になってしまった兄ちゃんを元に戻すかどうか。…………そして、結論は出た。
「俺は兄ちゃんが好きだ。だから元に戻したくない」
口に出してもう一度確認する。うん。俺の決意は変わらない。もしかしたら元に戻れる
かもしれないって言うのは黙っていよう。ずっと、胸の奥にしまっておこう。
さて、時刻は午前8時。そろそろ朝食も出来ているはずだ。そう思い、部屋を出た。す
ると、タイミング良く兄ちゃんも部屋から出てきた。
「あ……」
「てっちゃん、おはよう」
「うん、おはよう……」
ちょっと気まずい。昨日、あんなことしたし、それに俺は…………隠し事をしている。
ふと、兄ちゃんの服装が気になった。どう見ても外出着だからだ。
「どっか行くの?」
「うん。学校の近くのお店」
「…………え?」
学校の近くの店って言ったら……あの店、だよな?
「……どうして?」
「どうしてって、この身体を元に戻すためだよ」
……なんで知ってるんだ?
「ああ、うん。トモくんに聞いたんだよ。同級生だからね」
そうか、すっかり忘れてた…………
137 :Allonym ◆iqP3HuSAqU :2007/03/10(土) 23:27:11.14 ID:zd9siWiH0
「トモくんがさ、てっちゃんにも言ったんだけど、教えないかもしれないからって」
「……んで…………」
「ボクは男に戻るよ」
「……なんで戻るんだよ」
「てっちゃん……」
「俺のこと好きだって言ったじゃないか!」
俺は、兄ちゃんに戻って欲しくなかった。勝手かもしれないけど、本気で好きになっち
まったから。
「でも、このままボクが女の子でいると、絶対にてっちゃんとイケナイコトしちゃうよ」
「俺は構わないよ。むしろ俺は兄ちゃんと、そのイケナイコトってやつをしたい」
「……もう、困らせないでよ。ボクだっててっちゃんとイケナイコトしたいんだから」
「なら」
「でもダメだよ。ボクとてっちゃんは兄弟だから」
「ダメじゃないさ。世間が許さなくてもいい、俺は兄ちゃんと」
「ダメだって言ってるだろ!!」
……もしかしたら、兄ちゃんに本気で怒鳴られたのはコレが初めてかもしれない。
「ボクはてっちゃんが好きだ。だからこそてっちゃんにイケナイコトをさせたくない」
変な話かもしれない。けれど、今の兄ちゃんは、今までで一番男らしいと思う。
「お互いが身体を求めたのだって、一番近くにいた異性だったから、それだけだよ」
違う。それだけは絶対に違う。確かに初めはそうだったと思う。でも、今なら分かる。
俺は兄ちゃんだったから繋がりたかった。そして…………多分兄ちゃんも。
「ね、そうでしょ? だからさ…………そう思おうよ」
兄ちゃんは弱々しくそう言った。その瞳からは涙が零れていた。俺は多分、いや、確実
に、かな。この先も一生、兄ちゃんには敵わないんだろう。
「……んで…………」
「ボクは男に戻るよ」
「……なんで戻るんだよ」
「てっちゃん……」
「俺のこと好きだって言ったじゃないか!」
俺は、兄ちゃんに戻って欲しくなかった。勝手かもしれないけど、本気で好きになっち
まったから。
「でも、このままボクが女の子でいると、絶対にてっちゃんとイケナイコトしちゃうよ」
「俺は構わないよ。むしろ俺は兄ちゃんと、そのイケナイコトってやつをしたい」
「……もう、困らせないでよ。ボクだっててっちゃんとイケナイコトしたいんだから」
「なら」
「でもダメだよ。ボクとてっちゃんは兄弟だから」
「ダメじゃないさ。世間が許さなくてもいい、俺は兄ちゃんと」
「ダメだって言ってるだろ!!」
……もしかしたら、兄ちゃんに本気で怒鳴られたのはコレが初めてかもしれない。
「ボクはてっちゃんが好きだ。だからこそてっちゃんにイケナイコトをさせたくない」
変な話かもしれない。けれど、今の兄ちゃんは、今までで一番男らしいと思う。
「お互いが身体を求めたのだって、一番近くにいた異性だったから、それだけだよ」
違う。それだけは絶対に違う。確かに初めはそうだったと思う。でも、今なら分かる。
俺は兄ちゃんだったから繋がりたかった。そして…………多分兄ちゃんも。
「ね、そうでしょ? だからさ…………そう思おうよ」
兄ちゃんは弱々しくそう言った。その瞳からは涙が零れていた。俺は多分、いや、確実
に、かな。この先も一生、兄ちゃんには敵わないんだろう。
138 :Allonym ◆iqP3HuSAqU :2007/03/10(土) 23:29:19.60 ID:zd9siWiH0
「俺、もう一回寝るよ」
そう言って部屋に引き返す。そう、コレが一番いいんだ。
「兄ちゃんが女の子になったなんておかしな夢を見てるからさ」
「……てっちゃん?」
「きっと、もう一回寝れば夢から覚めると思うんだ」
「…………そっか」
「だから、もう一回寝て、目が覚めた時は、男の兄ちゃんにおはようって言って欲しい」
「うん。絶対に言うよ」
クサイって言うかなんていうか、我ながら芝居がかってると思う。滑稽だ。でも、こう
いうほうがいいんだよ。多分。…………いや、イキってるわけじゃねーよ? アレだよ?
オレ、ちゃんとスタイル持ってるぜ? って、そんなのどうでもいいか。ああ、そうなん
だよな。そう、今までのはきっと、全部タチの悪い夢だったんだ。だから、早く目ぇ覚ま
さないとな。そう、兄ちゃんが愛おしいのは……まあ本当だけどさ、それは兄弟としてな
ワケでさ。兄ちゃんを異性として好きなんてのはきっと、そう、きっと…………錯覚だ。
「じゃあ、おやすみ」
「おやすみ」
俺と兄ちゃんの別れはそんな感じで。バタンとドアを閉め、ベッドに寝転がった。昨日
はあんまり寝てないし、まあ眠れるだろう。横になってしばらくすると、段々と意識が薄
れていった。
そう言って部屋に引き返す。そう、コレが一番いいんだ。
「兄ちゃんが女の子になったなんておかしな夢を見てるからさ」
「……てっちゃん?」
「きっと、もう一回寝れば夢から覚めると思うんだ」
「…………そっか」
「だから、もう一回寝て、目が覚めた時は、男の兄ちゃんにおはようって言って欲しい」
「うん。絶対に言うよ」
クサイって言うかなんていうか、我ながら芝居がかってると思う。滑稽だ。でも、こう
いうほうがいいんだよ。多分。…………いや、イキってるわけじゃねーよ? アレだよ?
オレ、ちゃんとスタイル持ってるぜ? って、そんなのどうでもいいか。ああ、そうなん
だよな。そう、今までのはきっと、全部タチの悪い夢だったんだ。だから、早く目ぇ覚ま
さないとな。そう、兄ちゃんが愛おしいのは……まあ本当だけどさ、それは兄弟としてな
ワケでさ。兄ちゃんを異性として好きなんてのはきっと、そう、きっと…………錯覚だ。
「じゃあ、おやすみ」
「おやすみ」
俺と兄ちゃんの別れはそんな感じで。バタンとドアを閉め、ベッドに寝転がった。昨日
はあんまり寝てないし、まあ眠れるだろう。横になってしばらくすると、段々と意識が薄
れていった。
139 :Allonym ◆iqP3HuSAqU :2007/03/10(土) 23:30:59.59 ID:zd9siWiH0
「んん……」
視界がぼやけてる。でも、明るい。…………今何時だ?
「おはよう」
「ん、おはよ」
俺と兄ちゃんの再会はそんな感じで。
「今何時?」
「えっと、うん。12時38分だよ」
もう昼か…………少し寝すぎたな。
「昼ごはんは?」
「ハンバーガー。てりやきセットでよかった?」
「うん。ふぁ~あ…………」
ホント、長い長い夢を見ていた気がする。…………もしかしたら、ホントに全部夢だっ
たのかもしれない。
「ね、てっちゃん」
「ん?」
「おはようのキスする? それも深いやつ」
「…………気持ち悪い」
夢じゃなかったか。まあどっちでもいいさ。
「ひどいなぁ、傷ついちゃうなぁ」
何を言うか。この口は。こうしてやろうか。
「…………」
「…………ホントにキスしないでよ」
なんとなく、してしまった。
「別に、家族ならするだろ。そりゃまあ唇だったけどさ……」
「うぅ~……///」
「ま、もう二度としないから。……早く飯にしよう」
「…………うん、そうだね」
俺と兄ちゃんの再開はそんな感じで。俺と兄ちゃんはこれから先もずっと、きっと変わ
らずにやっていくんだろう。そう、いつまでもそのテンポで。
~Fin~
視界がぼやけてる。でも、明るい。…………今何時だ?
「おはよう」
「ん、おはよ」
俺と兄ちゃんの再会はそんな感じで。
「今何時?」
「えっと、うん。12時38分だよ」
もう昼か…………少し寝すぎたな。
「昼ごはんは?」
「ハンバーガー。てりやきセットでよかった?」
「うん。ふぁ~あ…………」
ホント、長い長い夢を見ていた気がする。…………もしかしたら、ホントに全部夢だっ
たのかもしれない。
「ね、てっちゃん」
「ん?」
「おはようのキスする? それも深いやつ」
「…………気持ち悪い」
夢じゃなかったか。まあどっちでもいいさ。
「ひどいなぁ、傷ついちゃうなぁ」
何を言うか。この口は。こうしてやろうか。
「…………」
「…………ホントにキスしないでよ」
なんとなく、してしまった。
「別に、家族ならするだろ。そりゃまあ唇だったけどさ……」
「うぅ~……///」
「ま、もう二度としないから。……早く飯にしよう」
「…………うん、そうだね」
俺と兄ちゃんの再開はそんな感じで。俺と兄ちゃんはこれから先もずっと、きっと変わ
らずにやっていくんだろう。そう、いつまでもそのテンポで。
~Fin~