ひょんなことから女の子
ブランクライフ 12
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hyon
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253 : 味噌らーめん屋(アラバマ州):2007/03/16(金) 12:44:55.22 ID:Pwzs/GxX0
この話、いったい今までどのくらい時間喋ったんだろう
彼の前で、こんなに長く喋ったのは初めてだ
「この後も同じような毎日が続くだけ
私を襲ったあの男が、その友達が延々と嫌がらせを続ける。ただそれだけ
クラスから友達は消えて、教師は私を守ってくれなくて
仕方なしに、引きこもらざるを得なかった私を、両親も見捨てた
素晴らしい話じゃない。それなりに広い一軒家を少年の為に残して、毎月、毎月生活費だけを送ってくる
誰一人いない世界にいて、私が高校に入学できたのも奇跡と言えるかもしれない
これでようやっと生活が変わる
そう信じていた
確かに前より、本当に幸せと言えた
友達がいて、先生がいて、普通に授業を受けて、普通に会話をして
土日には遊びにいけたし、一緒にお弁当を食べたりもした
でも、結局はまた壊された
また絶望に落とされた
毎日が苦痛だった
だから車にひかれて、事故にあって、これで何とかなるって思った
目が覚めたら私が別人になったと知った時、別人だから、今まで見たいに暗い道は歩かないですむって思った
最初はお金を出していただいたお礼をしたいと思った
でも、貴方に優しくされて
一緒に暮らして
私もようやっと人として暮らせるようになったと思ったの!」
彼の前で、こんなに長く喋ったのは初めてだ
「この後も同じような毎日が続くだけ
私を襲ったあの男が、その友達が延々と嫌がらせを続ける。ただそれだけ
クラスから友達は消えて、教師は私を守ってくれなくて
仕方なしに、引きこもらざるを得なかった私を、両親も見捨てた
素晴らしい話じゃない。それなりに広い一軒家を少年の為に残して、毎月、毎月生活費だけを送ってくる
誰一人いない世界にいて、私が高校に入学できたのも奇跡と言えるかもしれない
これでようやっと生活が変わる
そう信じていた
確かに前より、本当に幸せと言えた
友達がいて、先生がいて、普通に授業を受けて、普通に会話をして
土日には遊びにいけたし、一緒にお弁当を食べたりもした
でも、結局はまた壊された
また絶望に落とされた
毎日が苦痛だった
だから車にひかれて、事故にあって、これで何とかなるって思った
目が覚めたら私が別人になったと知った時、別人だから、今まで見たいに暗い道は歩かないですむって思った
最初はお金を出していただいたお礼をしたいと思った
でも、貴方に優しくされて
一緒に暮らして
私もようやっと人として暮らせるようになったと思ったの!」
最初は淡々と話すつもりだったのになぁ……
254 : 味噌らーめん屋(アラバマ州):2007/03/16(金) 12:46:15.50 ID:Pwzs/GxX0
ああ、私はダメだ。こんなに感情的に喋るなんて
彼は優しいから、哀れんで、同情してしまう
そうじゃないのに、私の願いはそうじゃないのに
「こんなこと言うのはおかしいかもしれないけど、元々男だった私が言うのもおかしい、そんなの分かってる、でも!
『ただ、貴方に愛されたい、貴方だけを愛していたい』
それがここに来て、私がようやっと思い描けた夢だった!」
彼は優しいから、哀れんで、同情してしまう
そうじゃないのに、私の願いはそうじゃないのに
「こんなこと言うのはおかしいかもしれないけど、元々男だった私が言うのもおかしい、そんなの分かってる、でも!
『ただ、貴方に愛されたい、貴方だけを愛していたい』
それがここに来て、私がようやっと思い描けた夢だった!」
………これで、私の話は終わり
言いたいことは全て言ったはずだ
ひどく自分勝手なことを延々と喋りきって、気持ちも落ち着いた
心がスッキリした
言いたいことは全て言ったはずだ
ひどく自分勝手なことを延々と喋りきって、気持ちも落ち着いた
心がスッキリした
今はもう何の後悔もなくなった
最後に一番好きな人に話を聞いてもらえたんだから
私は幸せだ
最後に一番好きな人に話を聞いてもらえたんだから
私は幸せだ
255 : 味噌らーめん屋(アラバマ州):2007/03/16(金) 12:48:30.80 ID:Pwzs/GxX0
「……一体、このあとどうするつもり?」
じっと聞いていた彼が、口を開いた
「私にはなにもないから、夢も希望も、あと後悔も。だから、もう終わりにしようって思う」
「だれかが悲しむとか考えないのか?」
「貴方は悲しんでくれないの?それなら他にはそんなひと、誰一人いないもん」
そう、どうせ私は人と対等に接することなんて出来ないから
「……君は知らないことが多すぎるみたいだ」
「知らないこと?」
「そう、知らないこと」
私が何を知らないっていうの?
「そんなこと、私がそれを知ったからってどうなるって言うの?」
「そうだなぁ……」
なにかあるかな、といった感じで、彼はがしがし頭をかく
この時あることに気がついた
話す前、そして今。全然目付きが違う
鬼みたいに見えたそれから、いつもの優しい顔に戻っている
じっと聞いていた彼が、口を開いた
「私にはなにもないから、夢も希望も、あと後悔も。だから、もう終わりにしようって思う」
「だれかが悲しむとか考えないのか?」
「貴方は悲しんでくれないの?それなら他にはそんなひと、誰一人いないもん」
そう、どうせ私は人と対等に接することなんて出来ないから
「……君は知らないことが多すぎるみたいだ」
「知らないこと?」
「そう、知らないこと」
私が何を知らないっていうの?
「そんなこと、私がそれを知ったからってどうなるって言うの?」
「そうだなぁ……」
なにかあるかな、といった感じで、彼はがしがし頭をかく
この時あることに気がついた
話す前、そして今。全然目付きが違う
鬼みたいに見えたそれから、いつもの優しい顔に戻っている
「きっと、もっともっと人生したくなる」
……笑いながら言わないでよ
今まですっかり消えてたのに、「未練」なんて言葉が浮かんできた
今まですっかり消えてたのに、「未練」なんて言葉が浮かんできた