33 名前: 貸金業経営(中国地方) 2007/04/01(日) 01:40:18.88 ID:Dl7PmY4W0
母さんは受け入れるのも早かったが、行動も早かった。衝撃の告白から数分後には出
かける準備ができていた。
かける準備ができていた。
「じゃあ行ってくるけど、家で大人しくしてるように。帰ってから説明するから」
稲荷様のことを紹介するタイミングをなくし、紹介は買い物が終わってからすること
になった。
になった。
「トリック・オア・いなり寿司」
稲荷様を自分の部屋に押し込めると、恫喝のような脅迫のような恐喝のような、間違っ
てもハロウィンの仮装した子供たちの純粋さを感じない要請を突きつけられた。
てもハロウィンの仮装した子供たちの純粋さを感じない要請を突きつけられた。
「……善処する」
直接お供え物を要求してくる神様なんてはじめてだ。
34 名前: 貸金業経営(中国地方) 2007/04/01(日) 01:40:56.98 ID:Dl7PmY4W0
行きしなに耳のことも尻尾のことも話し、なぜか母さんはそのすべてに納得してくれ
た。
曰く、「そんなこともあるわよ」
……ないよ。
曰く、「そんなこともあるわよ」
……ないよ。
だから未だに腑に落ちない。
受け入れてくれたからいいけど、その受け入れられた側の僕がまだ信じられてない。
ひょんなことからこんなことになった。大変なことなんだと僕は思うけど、母さんにし
てみれば価値観が変わるほどのことじゃないらしい。
信じるに足る理由はさっき聞いた。僕だったらできないような判断だ。
しかし詮索するのもよくない。せっかく信じてくれた母さんを裏切るようなことだからだ。
受け入れてくれたからいいけど、その受け入れられた側の僕がまだ信じられてない。
ひょんなことからこんなことになった。大変なことなんだと僕は思うけど、母さんにし
てみれば価値観が変わるほどのことじゃないらしい。
信じるに足る理由はさっき聞いた。僕だったらできないような判断だ。
しかし詮索するのもよくない。せっかく信じてくれた母さんを裏切るようなことだからだ。
謎は謎のままでフタをすることにした。
35 名前: 貸金業経営(中国地方) 2007/04/01(日) 01:42:33.55 ID:Dl7PmY4W0
ボリュームある尻尾が邪魔で下着もパンツも強制的にローライズになり、ついでにと
買うことになったスカートはあとで尻尾用の穴を空けることになった。そのままだとど
うしても下着が見えてしまうからだ。その下着も母さんのリクエストでピンクだったり
ブラックだったりフラワーだったりした。
買うことになったスカートはあとで尻尾用の穴を空けることになった。そのままだとど
うしても下着が見えてしまうからだ。その下着も母さんのリクエストでピンクだったり
ブラックだったりフラワーだったりした。
「スカートはともかく、これは……」
試着室の中で鏡に現時点の自分の姿を映す。さっき買ったばかりのランジェリーだけ
着けた女の子が映っている。
着けた女の子が映っている。
「僕が女の子か……」
Bサイズのブラジャーの着け心地と映像で見ていることとでいやでも実感がわいてくる。
しかし違和感はとんでもなくあって、その現実から遠ざけようとする。
このショーツにしてもそうだ。ぴっちり張り付く感覚はスカートとあいまって非常に
心もとない。ふとはいてない気になって足元を見ること数度。
やっぱり適応には遠い。
しかし違和感はとんでもなくあって、その現実から遠ざけようとする。
このショーツにしてもそうだ。ぴっちり張り付く感覚はスカートとあいまって非常に
心もとない。ふとはいてない気になって足元を見ること数度。
やっぱり適応には遠い。
最後に地下でいなり寿司を買って、帰宅した。
キツネのような人物がいなり寿司を買うのはさぞかしシュールな光景だったに違いない。
しかし他人の視線は完全スルー。
母さんもスルー。
どうやら形質が遺伝したらしい。
キツネのような人物がいなり寿司を買うのはさぞかしシュールな光景だったに違いない。
しかし他人の視線は完全スルー。
母さんもスルー。
どうやら形質が遺伝したらしい。
36 名前: 貸金業経営(中国地方) 2007/04/01(日) 01:43:15.98 ID:Dl7PmY4W0
「遅い!」
稲荷様は怒り心頭の様子だった。色々と生活用品を買い込んだせいで遅くなってしまっ
て現在午後7時過ぎ。家を出たのが正午前だから、7時間ほど留守番をさせてしまった
ことになる。
て現在午後7時過ぎ。家を出たのが正午前だから、7時間ほど留守番をさせてしまった
ことになる。
「待ちくたびれた。これまでの時間経過を順を追って事細かに報告したいからそこに座
れ。もちろん正座だ」
れ。もちろん正座だ」
「小言・オア・いなり寿司」
実際はそんな立場にないけど取引のつもりでお土産のいなり寿司の袋をちらつかせると、
「いなり寿司♪」
とびついてきた。ぜったい騙されやすいタイプだ。とにかく軽い。風が吹いたら飛ん
でいってしまいそうだ。
さしずめいなり寿司は精神安定剤か。覚えておこう。
でいってしまいそうだ。
さしずめいなり寿司は精神安定剤か。覚えておこう。
37 名前: 貸金業経営(中国地方) 2007/04/01(日) 01:43:44.15 ID:Dl7PmY4W0
それから稲荷様を母さんに紹介した。
「住んでやってもいいぞ」と尊大に振舞う稲荷様を、母さんは「よろしくね」の一言で
あっさり流してしまった。いくつか無言のやりとりをしていたようだけど、
あっさり流してしまった。いくつか無言のやりとりをしていたようだけど、
「こちらのほうからも油揚げを食べられるよう努力しますから」
「宜しく頼む」
油揚げの伝道師(自称)と我が家の食を司る料理番。僕から見れば立場的に最強な二
人がタッグを組んだ。
これからは責め苦の日々?
人がタッグを組んだ。
これからは責め苦の日々?
38 名前: 貸金業経営(中国地方) 2007/04/01(日) 01:47:16.95 ID:Dl7PmY4W0
体を洗いながら今日あったことを回想する。
一番大きな出来事はこの体だろう。見下ろせばなだらかな山になった胸部とついてな
い下半身を確認できる。
それはまだ人間的だからいいとして、
一番大きな出来事はこの体だろう。見下ろせばなだらかな山になった胸部とついてな
い下半身を確認できる。
それはまだ人間的だからいいとして、
「尻尾が邪魔くさい……」
動物的な特徴は水を吸って重かった。かなり自由に動かせるのでつい動物がやるみた
いにぶるぶるさせたくなる。しかしそこは人間の理性で押さえ込む。なんとなく動物的
行動をとってしまったら負けなような気がするから。
いにぶるぶるさせたくなる。しかしそこは人間の理性で押さえ込む。なんとなく動物的
行動をとってしまったら負けなような気がするから。
「それは慣れだ」
入浴の同伴者にしてキツネ尻尾の先達からアドバイスが飛んできた。
僕は何故か稲荷様と一緒に風呂に入っている。それは僕も健全な男子だったし、一度
は拒否をしたが、稲荷様と母さんの二重の要請を受けたので断りきれなかった。母さん
の「もう女の子なんだし」の一言で開き直ったことも要因のひとつ。
僕は何故か稲荷様と一緒に風呂に入っている。それは僕も健全な男子だったし、一度
は拒否をしたが、稲荷様と母さんの二重の要請を受けたので断りきれなかった。母さん
の「もう女の子なんだし」の一言で開き直ったことも要因のひとつ。
39 名前: 貸金業経営(中国地方) 2007/04/01(日) 01:48:00.61 ID:Dl7PmY4W0
すぐ横に一糸まとわぬ姿の稲荷様がいる。
「そんなに尻尾が多かったんだ」
稲荷様の尻尾は八本もあった。
「私は八ツ尾半だ。あと半尾で最高位に至れる」
誇らしげに胸を反らす。九尾というのはよく聞く。その最高位にあとわずかまで迫っ
ている稲荷様はすごい神様なんだろう。外見的にまだ若いし。胸にしても僕よりも小さ
いほどだ。
ている稲荷様はすごい神様なんだろう。外見的にまだ若いし。胸にしても僕よりも小さ
いほどだ。
「胸は関係ないのか。小っちゃいけど」
「胸のことは言うな!」
つい口に出してしまったことが逆鱗だった。
「後から女になったくせに私より大きいだと? なぜだ!?」
「油揚げを食べなかったから?」
「……そっ、それは断じて違う! 油揚げは至高の食品。栄養はあってもそのような副
作用があるわけがない!」
作用があるわけがない!」
一瞬言葉に詰まったのは思い当たることがあったからに違いない。それは油揚げばか
りを食べていては成長しようがない。神様だからそのあたりどんなシステムになってい
るかわからないけど。
りを食べていては成長しようがない。神様だからそのあたりどんなシステムになってい
るかわからないけど。
40 名前: 貸金業経営(中国地方) 2007/04/01(日) 01:48:45.01 ID:Dl7PmY4W0
「悔しいので揉んでやる」
なんでそうなる。
ほっそりとした指が僕の胸に絡みつく。ふにふにとした弾力感。
触りたいと思っていたところを触られているというのは、……なんというか形容しが
たい気分だ。
ほっそりとした指が僕の胸に絡みつく。ふにふにとした弾力感。
触りたいと思っていたところを触られているというのは、……なんというか形容しが
たい気分だ。
「気がすんだか?」
「済むわけあるか。……こうなったら仕方ない。私の力を使ってその胸を地平線にしてやる」
思い込みが激しい上に負けず嫌い。ストーカー気質だ。次々に稲荷様のプロフィール
が僕の中で追加・修正されていく。
が僕の中で追加・修正されていく。
「そんな力があったらさっさと男に戻してくれると嬉しいんだけど」
「知るかー!」
かめ○め波か波○拳か、そういうポーズから繰り出された気合が僕の背中を直撃した。
詰まる息。確かに力のようなものが僕の中に入り込んだ。内臓から作り変えられるよ
うに“何か”が中で蠢く。
詰まる息。確かに力のようなものが僕の中に入り込んだ。内臓から作り変えられるよ
うに“何か”が中で蠢く。
41 名前: 貸金業経営(中国地方) 2007/04/01(日) 01:49:15.55 ID:Dl7PmY4W0
異変はすぐに現れた。
胸に変化があった。小さくなったらなったでなんの問題もないが、これは……大きく
なってないか?
胸に変化があった。小さくなったらなったでなんの問題もないが、これは……大きく
なってないか?
「なぜだ! なぜ大きくなる!」
大きくなっていた。少し挟むだけで深い谷間ができる。巨乳にカテゴライズしていい
大きさだ。重力に逆らって形を保ち続ける胸。思わず感嘆のため息が漏れた。
大きさだ。重力に逆らって形を保ち続ける胸。思わず感嘆のため息が漏れた。
「……胸って重いもんだな」
「私に同意を求めるなー!」
当初の目的を完璧に忘れているらしい油揚げの伝道師は、風呂場に絶叫を反響させる。
共同生活1日目でこの疲労感。
なんとか食べられるようになればなと頭の上の耳をパタンと閉じて希望的観測をして
いた。
共同生活1日目でこの疲労感。
なんとか食べられるようになればなと頭の上の耳をパタンと閉じて希望的観測をして
いた。