名前: タコ(中国地方) :2007/04/13(金) 23:49:04.55 [[ID:JklWLdeg0]]
「ボクって催眠術にかかりやすいみたいなんだ。だからよくクラスのみんなにかけられ
ちゃって困ってるんだ」
ちゃって困ってるんだ」
相談があるからと小学校来の幼馴染に自宅に呼び出され、切り出された話はこんなの
だった。
だった。
「たしかにからかいやすそうな顔してるもんな」
「そんなにボクってイジメられっ子的顔なの?」
本人に自覚はないようだが、別に悪意でもってイジメたくなるようなものでもない。
単にからかいたくなるような顔なだけだ。気弱そうで女顔というのもある。反応が面白
くてついやってしまうのだろう。たとえるなら、好きな女の子に意地悪してしまうよう
なものだ。愛情表現の裏返しともいう。
単にからかいたくなるような顔なだけだ。気弱そうで女顔というのもある。反応が面白
くてついやってしまうのだろう。たとえるなら、好きな女の子に意地悪してしまうよう
なものだ。愛情表現の裏返しともいう。
「で、俺にどうしてほしいんだ?」
「あ、うん。そうなんだ。ボクに催眠術にかからなくなるように催眠をかけてほしいん
だ。毒をもって毒を制すみたいな感じで。もうかけられたくないんだ。……今日だって
「あなたはフランス語しか話せなくなる」って催眠をかけられちゃって、解かれるまで
固有名詞以外ボンジュールとウィ・ムシューしか言えなかったり……。だってフランス
語ってそれしか知らないから」
だ。毒をもって毒を制すみたいな感じで。もうかけられたくないんだ。……今日だって
「あなたはフランス語しか話せなくなる」って催眠をかけられちゃって、解かれるまで
固有名詞以外ボンジュールとウィ・ムシューしか言えなかったり……。だってフランス
語ってそれしか知らないから」
必死な形相で「ウィ・ムシュー」を連呼しながら催眠術の解除を懇願している姿が目
に浮かぶ。……おっとあぶない、噴出しそうになった。
に浮かぶ。……おっとあぶない、噴出しそうになった。
7 名前: タコ(中国地方) :2007/04/13(金) 23:49:43.06 ID:JklWLdeg0
「だからお願い! 協力して」
「だからお願い! 協力して」
「まあいいけど、なんで俺なんだ?」
「それは付き合いが長いし、催眠術って信頼できる人にかけられると深くかかるって何
かの本で見たんだ。だから深いところでロックをかけることができるなら、今後かかる
こともなくなると思う。ね、お願い!」
かの本で見たんだ。だから深いところでロックをかけることができるなら、今後かかる
こともなくなると思う。ね、お願い!」
信頼、ねえ。嬉しいこと言ってくれるじゃないの。
「催眠術なんてやったことはないが、そこまで言うならやってみよう」
「ありがとう!」
ぱあっとうつむき加減だった顔が明るくなる。うおっまぶし。
「それじゃあ目を閉じて……。アナタは眠くな~る、眠くな~る」
ヒモと5円玉の即席振り子を目も前で振る。適当すぎでこんなのでかかるとは思わなかったが、
「……ぐー」
「おそろしくあっさりかかったな……」
ほんの数秒で椅子に座ったまま眠りこけていた。
このぶんだとかからなくする催眠をかけることは簡単そうだ。しかしそれだけでは面白くない。
このぶんだとかからなくする催眠をかけることは簡単そうだ。しかしそれだけでは面白くない。
「せっかくだから色々かかりやすい催眠というのを試してみるか」
そういうことになった。
8 名前: タコ(中国地方) :2007/04/13(金) 23:51:11.88 ID:JklWLdeg0
「まずは、と。……アナタはクシャミが止まらなくな~る、止まらなくな~る、っと。
あとはこれで目を覚まさせればいいのかな」
「まずは、と。……アナタはクシャミが止まらなくな~る、止まらなくな~る、っと。
あとはこれで目を覚まさせればいいのかな」
3つ数えたあと手を叩いたら起きるよう設定する。さて、どうなるか。
「あ、終わっ……くしゅっ。あれ、おかしいな、くしゃみが……くしゅっ、止まらな……くしゅっ」
これはマジか? 俺のかけた催眠の通りクシャミを連発させている。
「ちょっとうまくいかなかったみたいだな。もう1回やるからもう1回寝てくれ」
振り子をかざすと、また深い眠りに落ちた。
「これはオモチャにする気持ちもわかるな」
というわけで、色々実験してみよう。いったいどこまで催眠にかかりやすいのか調べ
れば役にも立つだろう。
れば役にも立つだろう。
「アナタは日本語をすっかり忘れて、宇宙人語しかしゃべれなくな~る」
パン
「☆※Ωχλ? Дεσ!? $ЯШ△θ!!!」
なにを言っているのかわからないが、言っていることはよくわかった。
もしかしたら音でコミュニケーションをはかれるかもしれない。違う意味で
宇宙時代の到来って感じだ。
もしかしたら音でコミュニケーションをはかれるかもしれない。違う意味で
宇宙時代の到来って感じだ。
9 名前: タコ(中国地方) :2007/04/13(金) 23:51:55.41 ID:JklWLdeg0
「じゃあありえないことにチャレンジしてみるか。──アナタは170センチまで背が伸
び~る、伸び~る」
「じゃあありえないことにチャレンジしてみるか。──アナタは170センチまで背が伸
び~る、伸び~る」
パン
「……冗談のつもりだったんだけどな」
みるみるうちに背は伸び、ちょうど170あたりで止まった。
おいおい、催眠術がかかりやすいってレベルじゃねーぞ!
なんだこれ。質量保存の法則を打ち崩したり、医学界の常識を根本的に覆したりでき
そうな気がする。
おいおい、催眠術がかかりやすいってレベルじゃねーぞ!
なんだこれ。質量保存の法則を打ち崩したり、医学界の常識を根本的に覆したりでき
そうな気がする。
「あれ? なんか周りのものが小さくなったような……」
騒ぎ出す前に眠らせた。
「ふー、びっくりした。まさかここまでとは思わなかったな」
ロマンサーになった気分だ。言ったことが限定的とはいえ実現する。
「それにしてもこうして寝顔見てると女の子にしか見えないな。……そうだ!」
閃いた。これはいいアイディアだ。
「アナタはかわいい女の子にな~る、女の子にな~る」
ファンタスティックだ。世の中はたぶんSF(すこしふしぎ)でできている。
身長が変化したときのように、シャツの上からわかるくらいに胸が膨らみ、スタイル
も若干変化していた。しかし元が元だけにあまり変化がないように見える。
身長が変化したときのように、シャツの上からわかるくらいに胸が膨らみ、スタイル
も若干変化していた。しかし元が元だけにあまり変化がないように見える。
10 名前: タコ(中国地方) :2007/04/13(金) 23:52:33.54 ID:JklWLdeg0
「なにこれは!? ボクこんなこと頼んでないよ!」
「なにこれは!? ボクこんなこと頼んでないよ!」
案の定怒った。しかしその怒り方にしても「プンプン」という感じだ。怖くもなんと
もない。
もない。
「それにしても凄いな、性別まで変わるなんて」
「もう、ヘンなことしないでよ! ちゃんと催眠術がかからないように催眠術かけてよね!」
「あーわかったわかった。じゃとりあえず眠れ眠れ」
「……ぐー」
ふぅ。そろそろ悪乗りはやめにするか。これで最後これで最後。
魂をこめるように耳元で囁く。
魂をこめるように耳元で囁く。
「アナタはこれから先ずっと催眠術にかからなくなる、 かからなくなる──」
パンと手を叩いて起こす。
「ちゃんとやってくれた?」
「ああ、バッチリだ。これでもう二度と催眠術にかかることはないだろうな」
11 名前: タコ(中国地方) :2007/04/13(金) 23:52:58.34 ID:JklWLdeg0
「わあ、ホントにありがとう!」
「わあ、ホントにありがとう!」
正面から抱きついてきた。こんなに無防備だからからかわれるんだろうに。
「あれ? 胸になんかあたってるような……って、えええええええええ!!?? なん
で? なんでボクに胸がついてるの!?」
で? なんでボクに胸がついてるの!?」
「あっ、悪い。男に戻すの忘れてた。体つきに違和感なかったからわからなかったよ」
うん、これは本当にド忘れだ。
「催眠術でこうなったんでしょ。さっさと催眠術をまた使って戻してよ!」
「あー、お前も忘れているようだが、たった今、お前に二度と催眠術がかからないよう
に催眠をかけたばかりなんだが」
に催眠をかけたばかりなんだが」
「っていうことは、ボクの身体はずっとこのまま……?」
両膝をついてうなだれる。その肩にそっと手を乗せる。
「まあ催眠術だって完璧じゃないからな。いつかはまたかかるようになるだろ」
「ホントに……?」
これから1時間ほど励まして落ち着かせた。
12 名前: タコ(中国地方) :2007/04/13(金) 23:53:40.11 ID:JklWLdeg0
「あー、今日は大変だったな」
「あー、今日は大変だったな」
帰り道。俺は今日あったことを思い返す。上機嫌だった。
「なにしろ俺専用のオモチャができたようなものだからな」
さっきあいつには二度と催眠術がかけられないようにした。しかし密かに条件をつけた。
『俺以外から催眠術をかけられても』と限定したのだ。
これで他のやつらからは催眠術をかけられることはなくなった。その結果に満足して
ることだろう。
『俺以外から催眠術をかけられても』と限定したのだ。
これで他のやつらからは催眠術をかけられることはなくなった。その結果に満足して
ることだろう。
「さーて、明日はなにをしようかな」
せっかくオンナノコにしたんだ。あーんなことやこーんなこともできたりするだろう。
催眠術を使えばスタイルから感度まで自由自在だ。
催眠術を使えばスタイルから感度まで自由自在だ。
「うはwwww夢がひろがりんぐwwwww」