472 :佐白 :2007/08/06(月) 00:12:20.67 ID:cLznhkY0
『シガレット→しがれっと』第五話
『シガレット→しがれっと』第五話
忙しかった昼間から一変、夜は静かなものだった。
マキは自分の部屋で春に入学する高校から出された宿題と格闘中。
父さんは明日は早いからと既に寝てしまった。
一人暇になってしまった俺は、自室の鏡の前でそこに写る自分の姿を見ながらこれからのことを考えていた。
「さすがに大学は休学だよなぁ」
財布から取り出した学生証には本来の姿、男の俺の顔写真が貼られている。
大学は休学届けさえ出せばいいが、バイトは辞めなければいけないだろう。
不幸中の幸いは、俺には友人と呼べる存在が少ない事か。俺が突然居なくなっても騒ぎにはならないだろう。
まあ、それはそれで少し寂しいわけだが・・・。
それにしても、何で急に女になってしまったんだ?
そういえば、朝から混乱していたせいでこうなった原因を考えることをすっかり忘れていた。
「何かあるとすればやっぱり昨日か?」
昨日あった出来事と言えば、俺が告白して玉砕したことと、それから─。
「あ!」
そういえばあの夜、変な奴とぶつかったことを思い出した。そしてそのとき拾ったものを俺は・・・。
急いで昨晩あの場所で拾ったタバコを探してみる。しかしなかなか見つからない。
もしかして、どこかに捨ててしまったのだろうか?悔しいことに失恋のショックで昨晩の事をあまり思い出せない。
「もしかして!」
とある可能性を思いつき、俺は急いでハンガーにかけて吊るしてあった上着のポケットを探る。
「・・・あった」
ポケットから引きずり出したのは、確かに昨夜拾った真っ白なタバコの箱だった。もちろん中身もちゃんと入っている。
473 :佐白 :2007/08/06(月) 00:18:24.48 ID:cLznhkY0
俺は布団の上に座ると、その箱をまじまじと観察した。
しかし、文字はおろか模様すらなにも書かれてはいない。どこの銘柄のタバコかは不明だ。
その箱からタバコを一本取り出し口に咥える。そして火をつけようとライターの火を近づけて、止めた。
もしこのタバコを吸ったことが原因で俺が女になってしまったのだとしたら、もう一度吸うとどうなってしまうのだろうか。
そんな恐怖が頭をよぎったのだ。俺は咥えていたタバコを箱にしまおうと─
「バカな割には、賢明な判断ね」
突然の声に、俺は驚きのあまりタバコをぽろっと落としてしまった。
「だ、誰だ!?」
声のした方─ベランダの方を振り向くと、そこには見覚えのある格好をした人物が窓を開けて部屋の中に侵入していた。
「お・・・お前は、昨晩俺とぶつかった不審者!」
「不審って・・・。まあいいわ、アンタが手に持ってる箱を取り戻しに着たわ」
いきなり現れた不審者は、じりじりと俺に詰め寄ってくる。
俺は驚きのあまり腰が抜けてしまい、その場から動けずにいた。
「か、勝手に部屋に入ってきて何言ってんだ!」
「無断で部屋に入ったことに関しては悪いと思ってるけど、こっちもちょっと緊急事態なのよ」
「話が出来るなら正体を見せろ!この不審者!」
そのとたん、不審者と立ち止まると被っていたフードに手をかけ─
「不審者不審者ってうるさいわね・・・。どうせ信じてもらえないだろうけど、仕方ないわね」
不審者がフードを取った。その瞬間、俺は言葉を失ってしまった。
なぜならば、フードの中に隠れていた不審者の素顔はめちゃくちゃ美人な女性だったのだ。
何かの雑誌でモデルをしていてもおかしくない顔立ち。それに髪の色も明らかに地毛の色と思われる綺麗な金髪だ。
「私はこの世界の人間じゃないの。そう言ったらアンタは信じる?」
「・・・は?」
誰か、俺にも理解できるように今の日本語を日本語に翻訳してほしい。
474 :佐白 :2007/08/06(月) 00:21:23.66 ID:cLznhkY0
目の前に居る金髪の美人なお姉さんは耳を疑いたくなるような事をサラッと言ってきた。
この世界の人間じゃない、だって?もしかしてテレビか本か何かの影響か?もしや宗教!?
とすると、不法侵入+電波発言=結構やばい人なんじゃ・・・。
「ちなみに、頭は至って正常よ。もちろん今の発言は妄想なんかではない、真実よ」
「いやいや、そんなバカな」
どう考えても信じられないことなのに、俺の態度に呆れてかお姉さんは大きなため息を吐いた。
顔は良いがなんか嫌味な女だ。呼び方をお姉さんから女に格下げだ。
「あのな、急にそんなこと言われて『はいそうですか』って頷ける訳ねーだろ」
「ふ~ん・・・。それじゃ、アンタが急に女になったのはこの世界では当然のことなんだ?」
「!」
揚げ足を取れて満足したのか、女はニヤリと笑みを浮かべる。
確かに、俺が急に女になったのも普通なら有り得ない事なのだ、この世界では。
「どう?信じてもらえたかしら?」
「ああ。出来れば今を含めて今日全部の出来事が夢なんてことは─」
「残念ながら全部現実よ。この期に及んで見苦しいわね」
女は勝手に椅子へと腰掛けると、何も言わずに手を差し出してきた。
とりあえず握手してみる。キツイ性格の割には白くて小さく手触りもよかった。
「誰が握手なんてしろって言ったのよ、このバカ!」
すらっとした白く細い足で見事顔面を踏みつけられました。ツッコミも性格同様キツイな。
まあ踏まれた瞬間しっかりと白い下着を見てやったけどな!
「さっさとその箱を寄越しなさいよ!」
「あ、これね・・・。はいドーゾ」
俺が箱を差し出すと、女はフン!と鼻を鳴らして箱を奪い取った。
「私にも説明する義務があるの。だから今回のことについて今から話すから、ちゃんと聞きなさいよ」
目の前に座る自称この世界の人間ではない女は、冷静かつ真面目な口調で話し出した。
マキは自分の部屋で春に入学する高校から出された宿題と格闘中。
父さんは明日は早いからと既に寝てしまった。
一人暇になってしまった俺は、自室の鏡の前でそこに写る自分の姿を見ながらこれからのことを考えていた。
「さすがに大学は休学だよなぁ」
財布から取り出した学生証には本来の姿、男の俺の顔写真が貼られている。
大学は休学届けさえ出せばいいが、バイトは辞めなければいけないだろう。
不幸中の幸いは、俺には友人と呼べる存在が少ない事か。俺が突然居なくなっても騒ぎにはならないだろう。
まあ、それはそれで少し寂しいわけだが・・・。
それにしても、何で急に女になってしまったんだ?
そういえば、朝から混乱していたせいでこうなった原因を考えることをすっかり忘れていた。
「何かあるとすればやっぱり昨日か?」
昨日あった出来事と言えば、俺が告白して玉砕したことと、それから─。
「あ!」
そういえばあの夜、変な奴とぶつかったことを思い出した。そしてそのとき拾ったものを俺は・・・。
急いで昨晩あの場所で拾ったタバコを探してみる。しかしなかなか見つからない。
もしかして、どこかに捨ててしまったのだろうか?悔しいことに失恋のショックで昨晩の事をあまり思い出せない。
「もしかして!」
とある可能性を思いつき、俺は急いでハンガーにかけて吊るしてあった上着のポケットを探る。
「・・・あった」
ポケットから引きずり出したのは、確かに昨夜拾った真っ白なタバコの箱だった。もちろん中身もちゃんと入っている。
473 :佐白 :2007/08/06(月) 00:18:24.48 ID:cLznhkY0
俺は布団の上に座ると、その箱をまじまじと観察した。
しかし、文字はおろか模様すらなにも書かれてはいない。どこの銘柄のタバコかは不明だ。
その箱からタバコを一本取り出し口に咥える。そして火をつけようとライターの火を近づけて、止めた。
もしこのタバコを吸ったことが原因で俺が女になってしまったのだとしたら、もう一度吸うとどうなってしまうのだろうか。
そんな恐怖が頭をよぎったのだ。俺は咥えていたタバコを箱にしまおうと─
「バカな割には、賢明な判断ね」
突然の声に、俺は驚きのあまりタバコをぽろっと落としてしまった。
「だ、誰だ!?」
声のした方─ベランダの方を振り向くと、そこには見覚えのある格好をした人物が窓を開けて部屋の中に侵入していた。
「お・・・お前は、昨晩俺とぶつかった不審者!」
「不審って・・・。まあいいわ、アンタが手に持ってる箱を取り戻しに着たわ」
いきなり現れた不審者は、じりじりと俺に詰め寄ってくる。
俺は驚きのあまり腰が抜けてしまい、その場から動けずにいた。
「か、勝手に部屋に入ってきて何言ってんだ!」
「無断で部屋に入ったことに関しては悪いと思ってるけど、こっちもちょっと緊急事態なのよ」
「話が出来るなら正体を見せろ!この不審者!」
そのとたん、不審者と立ち止まると被っていたフードに手をかけ─
「不審者不審者ってうるさいわね・・・。どうせ信じてもらえないだろうけど、仕方ないわね」
不審者がフードを取った。その瞬間、俺は言葉を失ってしまった。
なぜならば、フードの中に隠れていた不審者の素顔はめちゃくちゃ美人な女性だったのだ。
何かの雑誌でモデルをしていてもおかしくない顔立ち。それに髪の色も明らかに地毛の色と思われる綺麗な金髪だ。
「私はこの世界の人間じゃないの。そう言ったらアンタは信じる?」
「・・・は?」
誰か、俺にも理解できるように今の日本語を日本語に翻訳してほしい。
474 :佐白 :2007/08/06(月) 00:21:23.66 ID:cLznhkY0
目の前に居る金髪の美人なお姉さんは耳を疑いたくなるような事をサラッと言ってきた。
この世界の人間じゃない、だって?もしかしてテレビか本か何かの影響か?もしや宗教!?
とすると、不法侵入+電波発言=結構やばい人なんじゃ・・・。
「ちなみに、頭は至って正常よ。もちろん今の発言は妄想なんかではない、真実よ」
「いやいや、そんなバカな」
どう考えても信じられないことなのに、俺の態度に呆れてかお姉さんは大きなため息を吐いた。
顔は良いがなんか嫌味な女だ。呼び方をお姉さんから女に格下げだ。
「あのな、急にそんなこと言われて『はいそうですか』って頷ける訳ねーだろ」
「ふ~ん・・・。それじゃ、アンタが急に女になったのはこの世界では当然のことなんだ?」
「!」
揚げ足を取れて満足したのか、女はニヤリと笑みを浮かべる。
確かに、俺が急に女になったのも普通なら有り得ない事なのだ、この世界では。
「どう?信じてもらえたかしら?」
「ああ。出来れば今を含めて今日全部の出来事が夢なんてことは─」
「残念ながら全部現実よ。この期に及んで見苦しいわね」
女は勝手に椅子へと腰掛けると、何も言わずに手を差し出してきた。
とりあえず握手してみる。キツイ性格の割には白くて小さく手触りもよかった。
「誰が握手なんてしろって言ったのよ、このバカ!」
すらっとした白く細い足で見事顔面を踏みつけられました。ツッコミも性格同様キツイな。
まあ踏まれた瞬間しっかりと白い下着を見てやったけどな!
「さっさとその箱を寄越しなさいよ!」
「あ、これね・・・。はいドーゾ」
俺が箱を差し出すと、女はフン!と鼻を鳴らして箱を奪い取った。
「私にも説明する義務があるの。だから今回のことについて今から話すから、ちゃんと聞きなさいよ」
目の前に座る自称この世界の人間ではない女は、冷静かつ真面目な口調で話し出した。