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  • ひょんなことから女の子
  • vqzqQCI0 1-11

ひょんなことから女の子

vqzqQCI0 1-11

最終更新:2009年02月21日 07:54

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集
379 :vqzqQCI0 :2008/11/28(金) 23:34:53.66 ID:ia4L0EA0
   どんだけ☆エモーション(その11)

(※サトシ視点)

「ミヒロちゃん!」
俺は走り去っていく少女の名を呼んだ。
彼女の後を追おうと俺も走る。
しかし速い。信じられない事だが彼女の脚の速さは尋常でない。
ミニゲームでも感じていた事だがドリブルさばきとかフェイントをかけた後の
ダッシュとかうちのサッカー部の誰よりあんな動き出来る奴いないって。
…全然追いつけない。
「なんなんだろう…あの子」
見た目の女の子らしさとは裏腹に妙なところで男っぽかったり、その辺の男以上の
運動神経だったりあれだけ意外性を感じさせる女の子は初めてだ。
追うのを諦めた俺は荷物を取りにグラウンドに戻る。
「あれ?」
俺のスポーツバッグの横に見慣れぬ学生鞄が置いてある。
鞄の横には可愛らしい人形が括りつけられていた。
「ミヒロちゃんの鞄か。あの子忘れていったんだ。」
結構取り乱していたからな。慌ててしまって忘れてしまったんだろな。
「…でもこれでミヒロちゃんに会う口実が出来たな。」
ミヒロちゃんの鞄を持ち上げる際についつい呟く。
…不思議と笑みも浮んでくる。何でだか分からないがあの子に会えるかと思うと
ワクワクしてくる。
380 :vqzqQCI0 :2008/11/28(金) 23:35:47.83 ID:ia4L0EA0
何だか妙に惹かれるんだよな、ミヒロちゃんって。

初対面のときから感じていた親近感。
見た目は実由ちゃんを高校生にしたような感じで正直可愛い。
いや、かなり可愛いと思う。ダチの吉田が騒ぐのも分かる。

だけど俺には外見的なところだけであの子に惹かれているわけではない。
今日のサッカーの動きもそうなんだけどミヒロちゃんに会っていると
彼女の話し方や仕草の諸々が俺の中で身近に感じる存在とダブっているのを感じる。
そう、今は居ない親友の存在を。
「…ハハハ、まさかな。」
馬鹿馬鹿しい考えに自分自身つい笑ってしまう。
ミヒロちゃんはどこをどう見ても女の子にしか見えない。

「よいしょ」
俺は二人分の荷物を抱えると帰路に向かう。
帰る最中も俺はミヒロちゃんについて色々考えてみる。

ヒロアキと入れ替わりで現れたミヒロという女の子。
晴子さんの話では親戚の子という事でヒロアキの家に住む事になったそうだが
考えれば考える程あの子の存在は謎としか言いようが無い。
とにかく不思議なのはあの子の言動だ。俺がヒロアキの事について色々聞こうとすると
何かを隠しているようであったり、話題を避けようとする割りにはヒロアキについて
熱く語ったりするし、何らかの関係があるような気がする。

そして今日のミヒロちゃんの言った言葉。

「俺はもうサトシとサッカーは出来ねぇんだよ!」、
「こんな、…こんな姿になってどうする事も出来なくて、唯でさえ訳が分かんないのに!」
彼女は俺に対して何が言いたかったんだろう?
サッカーのミニゲームに負けたのが悔しかったからもうしたくないとか、
制服姿でサッカーをしているのが嫌だったとか?
…そんな訳ないよな。
これまでの彼女の言動を改めて考えてみると俺が彼女に対して抱いている疑問が
ひょっとしたら解けるのかも知れない。
でも確かなものが無いんだよな。
381 :vqzqQCI0 :2008/11/28(金) 23:37:36.85 ID:ia4L0EA0
色々な事を考えているうちに目的の家にたどり着いた。
「さて、ヒロアキの家というかミヒロちゃんの家に着いたわけだが…」
とりあえず俺は彼女の忘れていった荷物だけでも渡しておかないとならない。
さすがにあの後なので気まずい感じもするが俺は多少考えた後
インターホンを鳴らす。

「はい~? どなたです~?」

この間延びした話し方は晴子さんだ。
ミヒロちゃん本人が出てくるかも知れないとちょっと期待していたが…
多少落胆、でもかなりホッとしたりする。

「サトシです。ミヒロさんの鞄を届けにきたんですけど…」
「あら~サトシちゃん? ちょっと待っててね~」

ぱたぱた、ガチャ。
家の玄関ドアが開く。
「サトシちゃん~ありがとうね~、ミヒロちゃんの鞄持ってきてくれて~!
全くあの子ったら、どうしちゃったのかしらね~?」
晴子さんが現れるなり嬉しそうに俺に抱きつく。
「ち、ちょっと晴子さん!?」
「あらあら、ゴメンねぇ、ついつい抱きついちゃったわ~」
戸惑う俺に対し全くのマイペースな晴子さん。
「えーと、分かりましたんでとりあえず離して頂けると…」
「え? サトシちゃんひょっとして嫌なの~?」
晴子さんの表情が若干曇る。
「いや、そうでなくって…恥ずかしいんですよね」
「うふふっ、照れちゃってやだわ~」
俺の答えに嬉しそうに顔を赤らめるとようやく俺を開放してくれる晴子さん。
いつもの事ながらこの方には振り回される。

しかし何時見てもこの人若いよな。
俺の母さんと同じ位の歳のはずなのに20代そこそこにしか見えない。
「…」
親戚だけあって実由ちゃんは当然にしてもミヒロちゃんに似ている。
多分彼女が成長したらこんな感じになるのかな?
性格は全然違うだろうけど。
382 :vqzqQCI0 :2008/11/28(金) 23:38:42.63 ID:ia4L0EA0
「どうしたの~私の事ジロジロ見ちゃって~?」
「いえ、こうして見ているとその…ミヒロさんが晴子さんに似ているなって。」
「それはそうでしょ~、だって同じ血筋だものね~。ふふっ、二人とも可愛いって事かしら~?」
「ええっ!? いやまあその…」
「もう、サトシちゃんたら~ww」
…同じ血筋か。それはそうだよな。可愛いって事については否定はしないけど…。
「そういえば気になっていたんですけど、どうしてミヒロさんは晴子さんの家に
来たんですか?」
この際だからミヒロちゃんの事を色々聞いてみようと思う。
「そうね~あの子の両親が仕事の都合で海外に行く事になったのよね~、
だけどミヒロちゃんは海外に行くのが嫌だったので色々あって私の家に来たのよ~」
「ふーん、そうなんですか。海外ですか。」
海外と聞くとヒロアキの事を思い浮かぶ。今頃奴は何してるのかな。
と言ってもまだ三日しか経ってないのだけれども。
「じゃあ、高校の間はずっとこの家に住むんですね。」
「そうね~、ミヒロちゃんもその方が良いって言ってるしね~」
「そうですね」
ヒロアキが居ない状況なのであまりこの家に顔を出す機会は少ないかなと思っていたが
ミヒロちゃん絡みで意外に機会は多いかも知れない。
俺の家も近いし、ひょっとしたら同じクラスになるかも知れないから高校の間は
彼女に会う機会が多い?
ミヒロちゃんがどうなのかは分からないけど俺にとっては嬉しい話だ。

「…ねぇ、サトシちゃんってミヒロちゃんの事好き?」
「え? いきなり何ですか?」
突然の晴子さんの言葉に驚く。
「好きも何もまだ会ってからそんなに経ってないのに…」
「時間なんて関係ないでしょ~? 好き嫌いなんて~? ねぇ、好き?」
戸惑う俺に対しニッコリ微笑みながら尋ねてくる晴子さん。
「…わかりませんよ、いきなりそんな事言われたって。確かに気にならないと言えば
嘘になりますけど。」
本当は結構気にはなっているが気の無い態度を貫く。
「ふ~ん、そう。まぁ、いいわ~」
意外にあっさりとそう言うと晴子さんは俺からミヒロちゃんの鞄を受け取る。
383 :vqzqQCI0 :2008/11/28(金) 23:39:43.55 ID:ia4L0EA0
「ところでミヒロさんの様子はどうですか? 鞄を置いたまま帰ってしまうし、
気になるんですけど。」
「そ~なのよね~、どうしたのかしら~? すごい勢いで帰ってきたかと思えば
ずっと部屋に篭りっきりなのよ~。呼んでも反応が無いし、困っちゃうわ~」
俺の問いに首を傾げて答える晴子さん。
この状況だと晴子さんに頼んでもミヒロちゃんには会えそうも無い。
この場は素直に引き下がった方が良さそうだと判断する。
「…そうですか。それじゃ今日はもう会え無さそうですね。じゃ、帰ります。」
「あ、待って~」
晴子さんは帰ろうとする俺を呼び止める。
「どうしたんですか?」
「あのね、サトシちゃん、ミヒロちゃんの事よろしくね~」
「え?」
いきなりの晴子さんの言葉が理解できずにいる俺。
「あの子、いろいろあって心身ともに大変な時にあるのよね~。
私や実由もあの子を支えているんだけど私達だけじゃ足りないのよ~。
だから、お願い。サトシちゃんもミヒロちゃんを支えてあげてね~」
何で晴子さんがそのような事を言ったのか分からなかったが
ミヒロちゃんの面倒については俺には断る理由が無い。…いや、むしろ。

「そういう事ですか。お安い御用ですよ。」
俺は晴子さんのお願いに笑って答えた。
384 :vqzqQCI0 :2008/11/28(金) 23:40:38.05 ID:ia4L0EA0
             ◇

  (※ミヒロ視点)

…朝になった。
俺はどうやらあのまま寝てしまったらしい。
目を覚ますと部屋の中がカーテン越しからの陽の光で淡く射し込んで来て
すっかり明るくなっていた。

「…」
…頭がぼんやりしている。
昨日の事は何もなかったかのように、まるで夢の中の出来事のように感じる。
妙に気分が晴れたように感じるのは俺の気のせいか。
あれだけ泣いたんだスッキリしないほうがおかしいのかな?

「…朝か」
ボソッと独り言。
「そうだよっ♪ お姉ちゃん♪」
「…え?」
気がつくと俺のベッドの中にもう一人寝ていた。
「実由?」
その存在に気付いてちょっと驚く俺。
「実由?じゃないよ! もーヒドイんだから!!」
実由はぷくーっと頬を膨らませると俺に抱きつく。
「昨日あれだけお母さんとあたしが呼び掛けたのに全然返事無いし、一緒に食べなきゃ
なんない晩ごはんも全然食べないで寝ちゃうし!」
「え…。そ、そう、ゴメン…」
実由の癇癪に押されついつい謝る俺。
「でもマル姉ちゃんがお姉ちゃんの代わりに一緒にご飯食べたりお風呂入ってくれたから
許すけど…てへ♪」
そう言うと実由は怒っていた顔を変え、頬を赤らめてはにかんで笑う。
「…そう、マルさんがね…」
考えてみれば俺の意識の無い時にはマルさんが俺の代わりに身体を動かすことが
出来るんだったよな。
385 :vqzqQCI0 :2008/11/28(金) 23:44:23.35 ID:ia4L0EA0
「…」
そう考えるとこの格好も納得がいく。
確か制服のままベットに飛び込んで寝たはずなのに今の格好は可愛らしい
ピンクのパジャマを着ている。
歯もしっかり磨かれていて昨日の寝る前と違う状態なのは実感できる。
待てよ。…という事は。
…マルさん。
(……)
…マルさん?
(……)

…返事がない。どうやら彼女の意識はまだ寝ているようです。

マルさんは元々の身体の持ち主ではないので俺の代わりに身体を動かすと
消費が激しく、復活するのに時間がかかるようだ。
普段俺と共に行動するときは自分自身の意思で身体が動かせるわけでは無いので
不自由を強いられるのかなと思ったが、実のところ俺とマルさんの行動は
融合しているとのことで何も問題が無いそうで。
真っ昼間から寝てしまった俺の代わりに夜まで一人で活動していたので
相当疲れてしまったようだな。

俺もあれからずっと寝ていたのが不思議でならないが考えてみれば
昨日は学校で色々と緊張した時間を過ごし、その後身体が動かなくなりそうな程
サッカーをして、家でひたすら泣き続けたから俺自身もかなり疲労していたようです。
一体何時間寝ていたんだか。
386 :vqzqQCI0 :2008/11/29(土) 00:05:04.67 ID:EqF9HFg0
「お姉ちゃん、…目が腫れぼったいよ。」
実由が俺の顔をそっと触れる。
「ん…昨日色々あったから、そのせいだよ。そんな心配そうな顔すんなよ、実由らしく
ないぞ」
俺は実由の髪をくしゃくしゃと撫ぜつけるとそのまま実由の頭を自分の胸に抱え込む。
実由の甘く良い香りが俺の鼻をくすぐる。
「…」
実由は何も言わず俺に抱きついたままじっとしていた。

実由の柔らかくて暖かい感触を抱き締めていると
俺自分の気持ちが和らいでくる事に気付く。
この様子を見ると実由は俺が昨日何をしていたのか事情を知っているようだ。
多分マルさんが実由や母さんに話したんだろうな。
別に知られたところで俺は別に構わないけど、あまり気を遣わないで欲しいなぁ。
「別に気なんて遣ってないよ? あたしはお姉ちゃんが好きだから側にいるだけ。
…それだけだよ?」
上目遣いで俺を見る実由。
「ふーん、そう。 まぁいいけど。…って、心の中読まないでくれる?」

「ほら~二人とも起きなさい~? 朝ごはん出来てるわよ~」
母さんが俺の部屋に向けて呼び掛けている。
「うん? もうそんな時間か」
ベッドの横の目覚まし時計を見る俺。
「あ~あ、今日が休みだったらなぁ、ゆっくりお姉ちゃんに抱きついていられるのになぁ~」
残念そうに実由は呟くと俺から渋々離れた。
どうやら母さんは実由が俺の部屋にいる事は知っているようだ。
「とにかく起きるぞ、実由」
「うん♪」
ぱたぱたと着替えた後、リビングで朝食をとる。
俺は今日は何も用事は無い。実由は学校なので準備を済ますと忙しそうに
学校へ出かけて行った。
387 :vqzqQCI0 :2008/11/29(土) 00:06:43.58 ID:EqF9HFg0
「どう、落ち着いた~?」
朝食後リビングでぼんやりとテレビを観ていると母さんが二人分のコーヒーを
準備して持ってきた。
「ありがとう。…母さんや実由は事情は知っているんだよね? 多分マルさんから
昨日あった事は聞いていると思うけど。」
俺は渡されたコーヒーに大量にミルクと砂糖を入れてから飲む。
でないと女の子になってから味覚の変わってしまった俺には苦くて飲めないから。
「そうね~まぁ、大体は聞いているけどね~」
「そうなんだ…」
そうだよなぁ、知らないわけないかぁ。
この母娘に隠したところで意味がないのは分かってはいるけれどもね。
「そうそう、昨日の夕方にサトシ君がミヒロちゃんの鞄を持ってきてくれたわよ~、
駄目よ~、忘れ物しちゃ~」
「う、うん…」
そういえば昨日鞄を置いたままで帰ってしまったんだ、すっかり忘れていたよ。
「サトシ君に会ったらちゃんとお礼を言っておくのよ~」
「うん…」
…サトシに会わなきゃなんないのか。
あんな事があったので正直サトシと顔を会わす気になれない。
気を紛らわそうとコーヒーをぐいっと飲む俺。

「あとミヒロちゃんに高校から電話があって来週の月曜日から学校に通って下さいって
連絡があったわよ~」
「そうなんだ…これも母さんや千絵先生が色々手を尽くしてくれたお陰だよ」
「そうね~、今回は千絵ちゃんが協力してくれたからね~。お礼を言っておかないと
ならないわね~」
母さんは俺と取り留めの無い話をした後、用事があるからと言って出かけてしまった。
取り残された俺はまたぼんやりとリビングのソファに横たわる。
388 :vqzqQCI0 :2008/11/29(土) 00:07:49.43 ID:EqF9HFg0
…学校は来週の月曜日からか。
今日は金曜日だから3日後という事になる。
そういえば高校の試験期間も今日で終了だよな、…という事はサトシは今日から
サッカー部の活動再開ってところかな。
昨日のサトシとのやりとりを頭の中に浮かべるが俺の中ではあまり良い記憶ではないので
直ぐに思い起こすのを止める。
まぁ、いいや…俺にはもう関係無いことだし。

(…う~ん)
俺の頭の中でもう一人の声がする。
お? ようやく目覚めたようですね。
(…ミヒロちゃん、お早う。私、すっかり眠っていたようね)
まだぼんやりとした感じでマルさんの意識が俺の中に流れ込んできた。
―いや、昨日は俺に代わって母さんや実由の相手をしてくれてありがとう。
お陰で説明する手間が省けたよ。

(いえいえww 私もミヒロちゃんの役に立ちたいもの、そう言ってくれると嬉しいww)
照れくさそうなマルさんの意識。
「…ん?」
俺一人の時には昨日のマルさんと母さん達との状況が分からなかったが、
マルさんが目覚めてから昨日の夜に何があったのか浮かんでくる。
さすがに4日も意識を共有してくるとどちらかが寝ていても何をしていたのかが
記憶として残っていて確認することが出来るようになってくる。
…これでは隠し事なんて出来ないよなぁ。って、もう本人同然な感じなので
別にいいんですけど。
(そうですねww)
それはともかく昨日の状況が浮かんできたのだが、…マルさんはさすが
本物の女の子(と言っても意識体)だけあって母さんや実由が感激する位
可愛いミヒロを演じていて、俺には出来ないところだよなぁ。
(大丈夫よ、ミヒロちゃんww ミヒロちゃんには私には無い"萌え"を醸し出しているからww)

…何ですか、それ?
389 :vqzqQCI0 :2008/11/29(土) 00:10:05.53 ID:EqF9HFg0
                ◇
    (再びサトシ視点)

終業のベルが鳴った。

クラスメイト達は1週間ほど続いた試験がようやく終わってホッとした表情、
開放されて晴れ晴れとした表情、駄目だったのか暗い表情…と様々であったが
それなりの感慨に浸りつつも帰り仕度をしていた。

「サトシ、お前はこの後どうするんだ?」
友人の吉田が話しかけてきた。
「一応、部活かな。部活は今日までは休みなんだけど俺としてはブランクを埋めるべく
活動に励まなくてはならないし。」
「え~、ホントかよ? いいじゃん、今日くらい羽目外して遊びに行こうぜ?
もう約束しちゃったしさ。」
「約束?」
吉田の言葉に怪訝とした顔をする俺。
こいつは女好きだから大体の予想はつく。
「そう、E組の仲畑さんと高野さん。サトシを連れていくという条件で彼女達と遊びに行く
約束しちゃったんだよ」
「ふ~ん」
やっぱりな。俺が女子から人気がある(らしい)のをいい事にうちのクラスのみならず
他のクラスの女子にも声をかけている。
俺が行くのであれば女の子達はついてくるらしいが…勘弁して欲しい。

ヒロアキも言っていたが俺は結構モテるらしい。
確かに思い当たる節は多々あるが実際に女の子と付き合ったことは無い。
せいぜい日常会話をしたりするのがほとんどでそこから発展することは今まで無かった。
そんなこれまでの状況なので俺としてはそんな意識は全くないのだが、
今の俺は他に打ち込まなければならない事があるので恋愛どころじゃ無い。
390 :vqzqQCI0 :2008/11/29(土) 00:17:40.33 ID:EqF9HFg0
「悪いな。大会が来月あるから遊んでいる場合じゃないんだ」
「お~い! そんな事いうなよ~っ!! 頼むからさ~!」
つれなく断る俺に必死で頼み込む吉田。

「はいはい、みんな~席に着いてー!」
賑やかな教室内に千絵先生が帰り際のホームルームをしにやって来た。
みんなパラパラと騒がしくも席に着いていく。
「ホラ、早く自分の席に着けよ」
「頼むって~!」
これ幸いに冷たく吉田を追い払う俺。吉田は未練がましく頼み込み続ける。

「吉田君、早く自分の席に着きなさいね」
「う…分かりました」
千絵先生に指摘され渋々自分の席に戻る吉田。

「ふう」
俺は吉田から解放されホッとして教壇の千絵先生を見る。
そう言えばミヒロちゃんの面接を担当したのって先生なんだよな。

…俺の頭の中に昨日の彼女の姿が思い出される。

昨日泣きながら帰ってしまった彼女。
あの後彼女の家まで行ったが会う事は出来なかった。
正直なところあの子が泣いた原因はずっと考えたが全然思い浮かばない。
ひょっとしてサッカーに勝ってしまったのがいけなかったと思ったが…
結構負けん気が強い子だしな。

まだミヒロちゃんと出会って数日しか経ってないけど彼女の事が頭の中から
離れない事が多い。
初めて出会った時の印象、一緒にマックに行った時の事、
ヒロアキの家で勉強した時の事、そして昨日のサッカーと
どれも一悶着遭って大変ではあったが俺の中では彼女と居て
自分でも分からないけど充実して楽しかったという印象しか浮ばない。
391 :vqzqQCI0 :2008/11/29(土) 00:19:07.57 ID:EqF9HFg0
でもミヒロちゃん自身はどうなんだろ?
俺の事をどう思っているんだろうか? …気になる。

昨日のサッカーでは多分俺が原因で泣かせてしまった。
そういえばその前の日も泣かしてしまったよな…。
ああっ、そうだ。マックの時は怒らせてしまったぞ?
ひょっとして俺って、ミヒロちゃんを怒らせるような事ばかりしていたのだろうか?
「う~む…」
これでは彼女の俺に対する印象はきっと最悪だよな。
昨日の家に行って会ってくれなかったのは多分そのせいかも知れない。

…自分の恋愛経験の無さを今更ながらに痛感するよ。

「…で、連絡事項は以上ね。あと、皆さんにお知らせがあるわ」
俺がぼんやりと考え事をしている間にも千絵先生の話が続いている。
教室内は相変らずざわついているが先生の話が聞こえない程では無い。

さて、ホントにこの後どうするかな。
吉田に付き合ってこの後他のクラスの女子と出かけてみるか?
少しは異性について慣れておく必要があるのかもしれないし。今後の為にも。
392 :vqzqQCI0 :2008/11/29(土) 00:21:08.32 ID:EqF9HFg0
サワザワ。

―ん?
俺は一瞬騒然となった教室内の状況に意識を傾ける。

数人の驚きの声と一部の女子の騒ぎ声。
皆、千絵先生の話を聞いて反応している。

「おい、どうしたんだ?」
俺は思わず自分の座席前のクラスメイトに話しかける。

「先生の話、聞いてなかったのかよ?」
俺の問いかけに驚きの表情を崩さないクラスメイトが答える。
「海外留学に行ったヒロアキが事情があって学校を辞めるって」

「え?」
一瞬彼の言った事が理解出来ない俺。

学校を辞める? 誰が?

「だから日本に帰れない事情が出来て、ヒロアキがうちの学校を辞めるんだってよ?
この場合は何て言うんだ、退学? いや、海外に留学したままだから転校か」

日本に帰れない? ヒロアキが転校?

…何故?

俺は頭の中が真っ白になった。

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