日本の
日の丸・君が代問題とよく似ている問題として、アメリカの「忠誠の誓」問題がある。
アメリカは極めて宗教色の強い国家である。神の存在を信じている人の割合は80%にもなるという統計がある。もちろん、その程度は多様であろうが、ヨーロッパの宗教的な迫害を逃れてきた人たちが建国した国であるという歴史はいまだに残っていると言われている。大統領のブッシュは親子ともに、キリスト教原理主義勢力の強い支持が、当選に影響したと言われているほどである。
そして、アメリカでは歴史が浅いために、国家的アイデンティティを自然に形成することが難しいので、国旗にたいする忠誠を求める形式が、行事によく見られる。そのこと自体が思想信条の自由に反するかどうかが、争われるが、この「忠誠の誓」の問題はより先鋭な形での対立となっている。
アメリカの一部の州の
小学校では始業前に国旗に向かって「忠誠の誓」の言葉を皆で朗読するという習慣がある。特にカリフォルニアなどで盛んであると言われている。
「忠誠の誓」とは次のような言葉である。
I pledge allegiance to the Flag
of the United States of America,
and to the Republic for which it stands:
one Nation under God, indivisible,
With Liberty and Justice for all.
しかしこれは1954年の改訂でこうなったのであり、当初からいくつの変更点があった。1892年 Francis Bellamy と James Upham という二人の教育問題に関心をもった人が、アメリカ発見400周年の記念行事があったときに、南北戦争後30年という節目でもあったので、アメリカ人としての愛国心を涵養するために、「忠誠の誓」を作ったのだが、そのときの文言は次のようなものだったという。
I pledge allegiance to my Flag,
and to the Republic for which it stands:
one Nation indivisible,
いくつかの変更があって、1954年、「神の下」という言葉が入り、それから問題とする人びとが現れたのである。
2002年カリフォルニアのある市民が、「神の下」という文言を強制することは信教の自由を規定した憲法に違反するとして提訴、地裁は訴えを退けたが、連邦控訴審が強制を違憲としたのである。その後ブッシュ大統領も加わって連邦最高裁に上告した。*49)
http://www.aba.ne.jp/~sugita/77j.htm
控訴審の判決があったあと、提訴した男性を非難する声などもあり、かなりの議論が沸き起こった。
さまざまな宗教および宗派の信者がいるので、特定の宗教を連想させるものに対して、必ずといっていいほど、その公的な強制に対しては強い反対が起きるのである。
最終更新:2008年08月04日 21:45