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インターネットでのtoefl
2007 1 オランダ 2 デンマーク 3 シンガポール
2005-2006 1 オランダ 2 デンマーク 3 シンガポール
2004 1 オランダ 2 デンマーク 3 ノルウェー

 非英語圏の人々に対して、アカデミックな水準の英語力を試す TOEFL を実施しているETSのホームページには、毎年の成績が公表されている。母語別と国別、そして試験種類別の成績があるが、国別のインターネットベース(2004年はコンピューターベース)の成績で、2004年以降(実はそれ以前もだいたいそうだが)すべて、1位オランダ、2位デンマークとなっている。そして、シンガポールとノルウェーが、年度によって3位を争っている感じである。つまり、オランダとデンマークは不動のトップということになる。http://www.ets.org/portal/site/ets/menuitem.c988ba0e5dd572bada20bc47c3921509/?vgnextoid=20beaf5e44df4010VgnVCM10000022f95190RCRD&vgnextchannel=d35ed898c84f4010VgnVCM10000022f95190RCRD
 何故この国では、母語が英語ではないのに、これほどコンスタントに英語力でトップとなっているのか。少し考えてみた。

 実は私はオランダに海外研修(留学)に行ったとき、家族とともにオランダに一年滞在し、娘は現地校に入学した。そして、長女は7年生(日本の5年生)になり、英語の授業の最初であった。日本では中学から、スウェーデンでは小学校年から、英語の授業が始まっていたが、オランダはその中間といえよう。いよいよ日本でも、小学校で英語の授業が取り入れられるようだが、そういう意味で、このふたつの国の英語力のことを考えてみるのは、有効だろうと思われる。

 まずは体験的に、娘の英語の授業について紹介しよう。これは、平均的な授業だと思うが、特に力をいれている学校などは、もっとレベルの高いことをやっていたかも知れない。 教科書や授業の進め方の基本は、実は、日本の中学の1年生とはあまり違いがないように感じた。つまり、教材の基準にそれほど大きな相違があるわけではない。
 しかし、非常に違うのは、小学校の教育であるために、担任が英語を教えていたこと、そして、その担任がオランダ人であるが、英語で十分にコミュニケーションできる英語力をもっていたことである。日本の平均的な中学の英語教師が、外国人ときちんとコミュニケーションできるほどの英語力があるかどうかは、かなり疑問である。
 また、実は日本の5年生程度のオランダの子どもは、もちろんコミュニケーション能力とはいかないが、片言の英語で会話できる程度の英語力を既に身につけている。この2点が日本とはおおいに違うところだと感じた。
 では、オランダの子どもはなぜ、特に英語をならっているわけでもないのに、ある程度の英語力があるのか。
 これは、体験的なレベルでしかわからないが、まずは、英語を話す人がまわりに多数存在することだろう。娘の入った公立小学校にも、ヨーロッパ系の外国人が多数おり、したがって、地域には外国人の大人が生活していることになる。折にふれて、英語で話す機会があるわけだ。
 そして、私が実感したのは、テレビ放送である。日本では早くから二重放送が行なわれ、日本語と原語の両方で聞くことができるか、もちろん、ほとんどの日本人は日本語で聞くことになる。ところが、オランダでは、二重放送は存在せず、ほとんど字幕である。これは、日本とオランダの経済力の相違によるものだろう。(この点が吹き替えが多いドイツでは、英語力が低い原因のひとつがあると思われた。)
 オランダでは、当時アニメは国内で作成されておらず、すべて海外、ほとんどはディズニーのアニメだった。これが字幕で放送されているので、子どもたちは、当然小さいころから、こうした英語のアニメを日常的に視聴しながら育つことになる。
 英語を習う前の子どもたちが、ある程度英語ができる理由は、このふたつが主なものだろう。
 そして、学校で英語が教えられるようになると、英語によるコミュニケーションが可能な教師が教えるという、当たり前のことがきちんと行なわれていることが、生徒たちの英語力を確実に向上させていると考えられる。
 TOEFL はおもに、大学生が海外に留学するときに受験するわけだから、大学生の英語力が試されることになる。さて、オランダの大学では、英語はどのようになっているか。
 もちろん、科目によるが、教育学関係のように、通常現地語で書籍が書かれる科目は別として、アカデミックな科目においては、オランダではオランダ語よりも、英語の教科書が目立つのである。例えば、日本学科の例をとろう。日本学科の教授たちは、ほとんどがもちろんオランダ語で授業をする。しかし、教科書は、ほとんどが英語のものが使用される。日本の大学教師たちは、教科書を書き、学生に買わせるというスタイルを実行することが多いが、もちろん、そのときは、日本語だ。しかし、オランダの大学教授たちは、オランダ語で大学の教科書を書くことはあまりないように思われるのである。
 まして、教科書レベルではなく、専門書になると、確実に英語で書かれるものが多い。つまり、授業は英語ではないが、教科書は英語という科目がかなりある。そうすると、当然大学生の英語力は、どんどん向上することになる。

 しかし、日本のように、英語学習熱が全国民的に広がっているような現象は見られない。 もうひとつ、オランダとデンマークで考えられるのは、オランダやデンマークは日本よりは、ずっと大学進学率が低いという点である。高校生や既に働いている人たちが TOEFL を受けることはあまりないだろうから、やはり、大学進学率は大きく影響する。この点もスコアに影響を多少なりとも影響していると考えられる。

 しかし、やはり、日本の英語教育の問題点が、日本人のスコアの低さに影響していると考えられるのではないだろうか。
 それは何か。
 まず、英語が「受験の道具」として学習されるという点である。そのために、正確な文法事項が重視されてきたという事実は否めない。間違ってもいいから、書いてみる、言ってみる、ということが、言葉の修得に不可欠であるが、これこそが、日本の英語教育に欠けている点であることは、多くの人によって指摘されてきた。
 そして、第二に、実際に英語を教えている教師が、英語のコミュニケーション能力が極めて不十分であることが多いという点である。最近は少なくなったかも知れないが、帰国子女たちが、英語教師の英語の間違いを指摘すると、「日本の学校の英語はこうなのだ」というような居直りをしたと、さまざまな文章によって報告されている。
 現在の日本の学校には、多数のネイティブの人たちが、巡回の形で中学生や高校生に英語を教えているが、ほんとうに有効に彼らを活用するなら、まずは英語の教師たちを徹底的にトレーニングすることに、活用すべきであったろう。年数回外人がやってきても、経験にはなるかも知れないが、格段の英語力の改善をもたらすとは思えないが、英語の教師の英語力が向上すれば、確実に生徒たちの英語力も向上する。全国の生徒を日常的に教えることは不可能だから、年数回の訪問になるが、英語の教師たちをトレーニングすることに集中すれば、毎日のように行なうことができ、相当な成果を期待できる。
 なぜそうしなかったのだろうか。もちろん、部分的には行なっているのだろうが。
最終更新:2008年06月29日 21:27