【名前】神輿庭麟子(みこしば りんこ)
【性別】女
【所属】科学
【能力】信託領域(トラストテリトリー) LEVEL3
【能力説明】
一定範囲内(自身を中心にした半径50mの球形)にいる不特定多数の人間を対象に、自身に対する「信用」を喚起させる精神系能力。
この能力に囚われた者は彼女に対して説明のできない信頼感、安心感、期待感などを抱くようになる。それは言い換えれば、周囲の人間に強烈なカリスマを発揮している状態を指す。
「領域」は2m刻みで調節可能であり、狭ければ狭いほど対象を強く惹きつける事ができる。対象を「個人」に絞れば、更なる相乗効果が期待できる。
効果は一回の発動から三日ほど持続し、その間は時間の経過に伴って自動的に増幅し続け、期限を過ぎれば自然に霧散していくが、再発動によってある程度の信用を持ち越す事が可能。
対象者から自身への好感度は四段階に分かれ、「安心」「信用」「心服」「崇拝」と順を追って進行する。「崇拝」まで至った場合、疑似的な洗脳状態とも言える自由度で対象を命じるままに操る事ができる。
ただし最終的な意思決定権が常に対象にあるという点で厳密な洗脳ではなく、時に意図しない行動で彼女の足を引っ張る可能性もあり、決して万能とは言い難い性能と評価している。
この能力への抵抗力、即ち「嵌りやすさ」には個人差があり、他者に依存する傾向が強い者ほど陥りやすく、強大な「我」(「自分だけの現実」とも言い換えられる)を有している者は強い抵抗を試みる事ができ、現状ではLEVEL3とLEVEL4の壁が境界線の目安となっている。
常時発動型ではなくあくまで随時発動型であるのだが、稀に意図せず能力を発動しているのではないかという懸念があり、定期的にカウンセリングを受けている事がLEVEL4昇格へのネックとなっている。
【概要】
明知中等教育学院の3年生で一部クラスに所属。学院の生徒会長を務める少女で、座右の銘は「威風堂々」。
学院の創立に関わった御三家の一角である神輿庭家の令嬢であり、その影響力は「黄道十二星座」を除く生徒の中では最大規模。「一般生徒」の代表と言えば彼女をおいて他にない。
ただし彼女自身は特定の「派閥」を率いている訳でもなければ、どこかに与する事もない。彼女を敢えて派閥という枠組みに当て嵌めるとしたら、それは「明知中等教育学院」という名で呼ばれるべきだろう。
一族の方針として幼少の頃より徹底して帝王学を叩き込まれており、文武両道は元より品行方正に優れ、三部クラスの生徒に対しても分け隔てなく接する人格者でもある。
学業では学年トップクラスを維持し続け、生徒会の業務にも手を抜かず、校外の慈善活動にも積極的に参加しており、教師陣からの信用厚く多くの生徒から慕われる存在。
中には彼女の善性を疎ましく思い排斥しようとする勢力もあり、彼女を擁護しようとする勢力との間で抗争が勃発する度に心を痛め、自身の力不足を悔いている。
彼女の最大の特性は、一族の中でも際立って強い「カリスマ性」である。まさしく生まれ持った才能、天からの授かりものとしか言い様のないそれを以て学生の長の座に君臨している。
しかしどういう因果か、開発によって授かった能力は根本でその性質を同じくしており、当人は「偽りの支配」「偶像崇拝」と称して忌み嫌い、自らその使用を禁じている。
それでも自身の特性と表裏を成す能力の成長に伴って膨らみ続ける不安を消し切れず、「無意識に誰かを支配しているのではないか」という疑心に苛まれ、お忍びで保健室に通いカウンセリングを受けているが結果は余り芳しくないようだ。
近頃では疑惑の目は自身のカリスマにすら向けられ、時折精神的に不安定な状態になっては、突発的なヒステリーを起こすようになった。
そんな情けない自分にも変わらぬ態度で接してくれる生徒達――中でも親交の深い生徒会役員のメンバーは大切に思っているが、“その態度すら、自分が都合良く創り上げた偽りの仮面なのではないか”という疑念に人知れず苦悩する毎日を過ごしている。
黄道十二星座の一人、
斗修とは
先代の生徒会長ほどではないが確執はあるものの、休学開け以降の女帝の変貌ぶりに困惑しつつも、その成り行きを注意深く見守っている。
学院長の事は偉大な先達として純粋に尊敬する反面、時折覗かせる意味深な態度や含みのある言葉に背筋が寒くなるのを感じる事があり、無駄だと分かっていても本心としては余り関わりたくないようだ。
なお同学院には
麒太郎という双子の弟がいてあっちは生徒会執行部所属(要するにヒラ・雑用担当)。かつては「麒麟双児」と並び称された二人の天才がこうも違ってしまった理由を知る者は少ない。
そんな愚弟への評価だが「あいつだけは間違いなく仮面じゃない」という確信があるようで、適当な理由を付けては勉強を見てやったりと何だかんだで気にかけたり、頼りにしていたりする。
【特徴】
スリムだが起伏のある女性らしい体付き。若干小柄だが未だ成長途中であり、本人曰く「あと三年もすれば人体の黄金律と称すべき至高の肢体に成る、その過程」との事。
色白肌で凛とした目鼻立ち。瞳の色は濃いブラウン。ボリューム感のある山吹色の髪を腰下まで伸ばし、黒地に荊の意匠が施されたカチューシャを着けている。
学院内では制服の胸元に生徒会所属を示すバッジを留め、「生徒会長」と刺繍された腕章を身に着ける。
【台詞】
人称は私、貴方、○○君/さん、彼/彼女など。生徒会の活動中は敬語中心、普段は砕けた感じも混ざる。
「お早うございます! よく晴れた気持ちのいい朝ですね。今日も一日明知の名に恥じないよう、誇りを持って頑張りましょう! ほら皆、もっとお腹の底から声を出して、元気よく! せーのっ、お早うございます!!」
「数名遅れているようですが、定刻になりましたので始めさせて頂きます。本日『黄道十二星座』のお歴々に集まって頂いたのは他でもありません。我々を悩ませているとある問題の解決に、貴方がたの力を貸して頂きたいのです」
「胸の大きさについてだと? 下らない。いいか愚弟、大体大きければいいと思っているのは本質を理解していない愚か者の短絡的な思考だ。世間には私と同年代でも頭がおかしいレベルのものをぶら下げてる輩がいるそうだがな。断言しよう、垂れるぞ」
「能力が偽物だったとして、私自身のカリスマは本物だと言えるのか? そもそも、私には本当にそんなものがあったのか? 全部私の妄想で、能力を使って無理やり笑顔を作ってただけなんじゃないのか? 分からない知りたくない考えたくない。でも、でもッ!! ぅうううううぁぁぁああああああああああああああッッッ!! ……もう、誰でもいいから。誰か私を、大嫌いって言ってよ」
「あいつ自身気づいてないだろうけど、私にない『強さ』をあいつは持ってる。それに気づいたら……化けるかもしれない。ま、こっちだって負けるつもりはないんだからね」
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最終更新:2015年11月04日 01:53