【名前】花詠妃睡(はなうた ひすい)
【性別】女
【所属】科学
【能力】平衡喪失(ラビリンスエラー) レベル4
【能力説明】
相手の内耳に干渉し、平衡感覚を喪失させる特殊な音波を放出する音響系能力。可聴域外の周波数帯を利用するため、相手に「聴こえる」という認識はない。
干渉範囲は自身から36mまで。音波には指向性を持たせる事が出来、範囲内の特定の人物のみを対象に発動する事も可能。
具体的な作用としては内耳性めまい(回転性めまい)を引き起こす事が出来る。内耳性めまいは耳鳴り、突発性難聴、眼振などを伴う。
めまいの重症度は調節が可能であり、重症になるほど自然回復するまでの持続時間は長くなる(回復には個人差もある)。
軽度:歩ける、これは外来で経過観察ができる。持続時間5~10分。
中等度:ふらふらしている、立つのがつらい、嘔吐している、緊急性はない。持続時間30~60分。
重度:立てない、これは入院が必要な場合がある。持続時間3時間以上。
また内耳には音の振動を神経に伝えるための器官である蝸牛があるのだが、蝸牛の機能を停止させる事で聴覚を遮断する事も可能。
能力名のラビリンス(迷路)は内耳の別名から。
【概要】
白帝学園高校三年。風紀委員唱和園支部に所属。そこそこの場数を踏んでおり、実戦慣れしている。
かつては白帝学園に拠点を置く九九支部に所属し、『
相棒』の少女と理想的なコンビ関係を築いていた。
しかし二年の途中で突然『相棒』を解消され、彼女の面影が残る九九支部にいるのが辛くなり、転属願いを提出した所現在の唱和園支部に配属される。
白帝学園から遠い第十九学区の
唱和園高校への配属に「僻地への左遷」と嘲笑う同僚もいたが、傷心の彼女にとっては寧ろ願ったり叶ったりで。
エリート意識の強い第十八学区から離れ、競争社会のしがらみを忘れてのどかな
田舎暮らし……、そんな日々が始まるものだと思っていたのだが。
現実はそうではなく、待っていたのは唱和園高校で次々に発生する『都市伝説』への対処――俗に『火消し役』と呼ばれる――に追われる毎日だった。
能力強度で言えば彼女は支部内でも突出した実力者となるが、支部長との対話を通して唱和園支部における自身の在り方を見詰め直し、能力による制圧が必要な場面でも「出しゃばらず」助力を求められた際に助太刀するというスタンスを執っている。そのため唱和園支部のエースと見做される事もないし、彼女自身が度々否定している。
白帝学園に今も在籍している件の元『相棒』の少女とは極力会わないよう接触を避けている。しかしそれは関係を解消された事に憤っているのではなく、逆に今でも少女の事を憎み切れず信じているからこそ、別れ際に訊けなかった少女の真意を告げられる事を恐れているから。
つまり今でも『相棒』関係は元通りになるという望みを持ち続けている訳で、心の奥には強い依存心が燻っているのが分かる。
唱和園支部のメンバーとは学年や性別を問わず分け隔てなく接するようにしている。これは新しい関係を築くに当たって、
九九支部の『相棒』のような強い結び付きは関係が拗れた時に深く傷つく事を経験として知っているからであり、「もうあんな思いはご免」なのだそうな。
『
新聞部』の存在は風紀委員の仕事を増やす厄介な連中という認識だが、唱和園高校特有の校風のようなものだとも思っており殊更邪見にはしていない。
最近は仕事の忙しさにも慣れてきた(その過程で傷心も大分癒えた)ため、都会っ子特有の田舎への純粋な感心(通称・『御下りさん』モード)という新たな属性を獲得した。
一方で唱和園高校を発祥とする都市伝説の発生頻度がここ最近顕著に加速している事に疑問を呈しており、一連の騒動の裏に潜む影を探っている。
『失心ドミノ』事件において自身の能力が理由で疑いの目を向けられたが、アリバイ(事件当時彼女は白帝学園にいた)があったため追及を逃れている。後に
飛砂防備から事件の真相を聴取した際『象牙の塔』なる存在を知り、その検挙を当面の目標に掲げている。
【特徴】
身長160センチで、肉付きが良く豊かな胸と安産型のお尻。以前は茶髪のソフトボブだったが、今は伸ばしており肩にかかるくらいの長さになった。
制服のスカートは動きやすさ重視でキュロットを選択、私服もスポーティな格好が多い。実は隠れゲコラーの一人だったりする。
【台詞】
人称は「私」「君/あなた」「○○ちゃん/くん」。最高学年らしく、相手が目上の時や公の場では敬語を使う。
「初めまして、この度風紀委員唱和園支部に転属されました花詠妃睡です。右も左も分からない新参者ですので、今後ともご指導ご鞭撻、よろしくお願いします」
「スローライフなんて言うと、地元の君達は馬鹿にされてると感じるかもしれないけれど。本当にいい意味でのどかって言うか、穏やかな時が流れてると言うか。私は、ここが好きだよ」
「あれ、
舎文くん? おーい舎文くんってばーっ! ……いない。さてはまた巡回という名の散歩かあんにゃろう。私も
駄菓子屋で買い食いしに行ーきーたーいーのーにー!!」
「あら、『新聞部』の
七種部長じゃないですか。お噂はかねがね、……えぇ嫌でも耳に入ってきますよ。校門前のバス停に降りた途端、右も左も新しい都市伝説で持切りですから。まったく、退屈させてくれませんね、この学校は」
「
榠査ちゃん……今日も図書室で一人読書しているのね。あぁ、前はあの向かいの席に私が座っていたわね。私は本じゃなくて、いつも本を読むあなたを見てたっけ……。
どうしてこうなっちゃったんだろう。知りたいよ、教えて欲しいよ……でも訊けない。それを知ってしまったら、私はきっと受け入れてしまうから。あなたとの別れが確かなものになってしまう事が、何よりも恐ろしいのだから」
【SS使用条件】
特になし
最終更新:2015年10月22日 02:03