【名前】華郡緋冴(はなごおり ひさえ)
【性別】女
【所属】科学
【能力】熱量与奪(サーマルムーブ)レベル3
【能力説明】
温度操作系の能力。触れた物体から熱を奪い、視認した噴射点から奪った熱を放出する。
人体に触れた場合、全身から熱を奪い瞬間的に凍結させる程の強烈な冷却能力を発揮する。熱の与奪は同時でなくても良く、奪った熱を溜めて一度に解き放つ事もでき、熱量次第で加熱され発火点に達した物質は燃焼を開始する。
強大な効果に比して制御に難のある能力であり、接触をトリガーとする冷却能力が意図せず発動してしまったり、視認をトリガーとする放熱能力の暴発・照準のブレなど問題点は少なくない。所謂暴走能力者であり能力の制御が安定しない限りレベル4の評価は望めそうにないが、未だ克服の兆しは見えない。
【概要】
蕩魅召餌の養子『星の仔ら』の一人であり、現在進行形で引き籠り中の少女。『仔ら』の中では長姉・綺鵺に次ぐ古参でありながら、彼女の存在そのものが兄弟間で欠番扱いになっており、話題にする事を憚られている。特に彼女との面識が薄い新参の『仔ら』には、落伍者や出来損ない等と陰口を叩かれているが、引き籠りの彼女が果たしてそれを知っているのか、知っていたとしてどう感じているのかは当人にしか分からない。
三年前、綺鵺と共に明知中等教育学院に編入した当初は、慣れない環境での綺鵺をサポートする役目を蕩魅より命じられていた。緋冴は元々綺鵺に匹敵するほどの素質があり、『蕩魅』の姓を名乗るに相応しい人材だった。にも拘わらず綺鵺だけが模範生として見出されたのは、蕩魅が緋冴の中にあって綺鵺にないものを見抜き、適材適所で人材を動かす手腕を振るったため。彼が迅速に学院を掌握する足掛かりとして欲したのは、尖鋭的な模範生としての綺鵺であったが、あまりにも急進的な改革は学院生徒の反感を買う恐れがある。そこで綺鵺とは対照的に穏健で柔軟な発想が出来る緋冴が双方の仲立ちをしたり、時に頑なになり過ぎる綺鵺をブレインとして諌める役割を担わせる事にしたのである。
蕩魅の思惑は功を奏し、綺鵺は模範的な生徒会長として改革を推し進めていったが、そこで一つの問題が生じた。学院生の間で、綺鵺と対等に渡り合う事が出来、孤高な存在である彼女よりも親しみやすい緋冴を支持する動きが生まれつつあったのだ。当然そうなる事は織り込み済みの蕩魅だったが、彼が手を打つより先に事態は更に動いた。緋冴が『時間割り(カリキュラム)』の訓練中に能力を暴発させ、後遺症(冷覚と温覚の部分的な消失及び混線)が残るほどの大怪我を負ったのである。蕩魅にとってもこれは想定外だったが、治療のための休学という体裁で緋冴を学院から遠ざける事に利用する所に彼の強かさが窺える。
結局緋冴は蕩魅の私邸にて長期療養を余儀無くされ、『白夜部隊』の医療チームの手厚い看護によって回復する頃には学院を卒業していた。その後は暴走能力者となった彼女を隔離するための地下施設の一区画をあてがわれ、そこで誰とも接触せずに過ごしている。隔離施設と言うと暗いイメージがあるかもしれないが、衣食住は勿論意外にも設備は充実しており、また緋冴が希望した大抵の物はその都度取り揃えて貰えるので、そこから一歩も出ずとも不自由なく生活する事は出来る。少なくとも緋冴本人が自身の境遇を嘆いている様子はない。少女趣味で部屋の中には可愛い小物やぬいぐるみが多く、恋愛を扱う少女漫画が好き。引き籠るようになってからは乙女ゲーに出会いド嵌りしている。今でもちょくちょく面会に来てくれる綺鵺から最近まさかの恋愛相談?を持ち掛けられ、乙女ゲーで得た偏った知識を善意100%でレクチャーしている。
綺鵺のために捧げたような学院生活だったにも拘わらず、昔から変わらず相談に乗ってくれる緋冴を綺鵺自身も憎からず思っており、お互い口には出さないが互いを自分の半身として捉えている節がある。ただ『仔ら』の中には養父の足を引っ張るお荷物となった緋冴を「ああはなりたくない」と軽蔑する者もおり、ある意味彼女の存在が他の兄弟の向上心や蕩魅に対する忠誠心を煽る役割を果たしているとも言える。それを考慮しても、蕩魅が何故不要になったはずの緋冴の世話を焼き続けるのかについては疑問が残る。開発中の事故で能力を喪失した自身の境遇を彼女に重ね同情しているのか、これまでの献身に対するせめてもの見返りなのか、それともまだ彼女に何かの役割を与えようとしているのか、……真実は蕩魅のみぞ知る。
【特徴】
身長は綺鵺より少し低いくらい。『白夜部隊』所属の構成員ではないため訓練を受けておらず、平均的な女子高生の体型。胸はEカップ。
前髪の左右を長く伸ばしているが全体としてはセミロング。生え際の純白から毛先の朱色までがグラデーションとなる特徴的なカラーで染めており、朱墨に付けた筆みたいと綺鵺に評された。
引き籠りにしてはこざっぱりしており、清潔感のあるゆったりとした白系の洋服を着ている事が多い。誰かと面会する際には視界を完全に遮断するための物々しい目隠しをしなければならない。
【台詞】
綺鵺をちゃん付けで呼べる唯一の姉妹。他の兄弟にも君、ちゃん付けが基本。
「あら、綺鵺ちゃん。また私に会いに来てくれたの?嬉しい。それから噂の殿方とはどうなったの?何かアクションを起こしてみた?……ええー、綺鵺ちゃん。どうしてそんなに意固地になっちゃうかな……あなた昔からそうじゃない。いい?その気持ちは十中八九恋なのよ!LOVEなのよ!アッモーレなのよぅ‼」
「お久し振りです、お養父様。はい、お陰様で快適に過ごさせていただいてます。……後悔なんて、そんな。私の人生は、あの『施設』から私を救い上げてくださったお養父様に捧げると心に誓いました。私の尽くせなかった分の献身は、自慢の姉が果たしてくれると信じていますから」
「ここから出たいなんて……言える訳がないじゃない」
【SS使用条件】
特になし

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最終更新:2016年01月05日 01:02