EV143 ”幸せってなんだっけ” 発表資料
お風呂での会話
仕事も無事終わり、家路に向かうとその途中仲のいい猫士と出会う。
その猫士はこの頃の災害で避難生活を送ってる。
今日は久しぶりに観光地区の温泉に行くということなので、
自分も一緒に行くことにした。
ゴロネコ藩国の温泉。通称「ゴロネコ温泉」
古くから忍者御用達の秘湯で傷を癒したり疲労回復の効能があるらしい。
現在では観光のひとつとなっている。
到着すると早速浴場へ。
猫用の浴場もあるが、一緒に入るために猫士には桶にお湯を入れてその中に入ってもらう。
湯船に入るとお互い
「ふぅ~・・・」
「にゃぁ~・・・」
と声がもれる。
「やっぱ温泉はいいよね~」
「そうだにゃ~」
仕事の後の温泉は至福のひととき
特に今日は手紙の捜索のあと、老夫婦の家のドアの修繕や
夕食の準備をする間の子どもたちのお守で1時間耐久オニごっこなどなど
なかなか忙しい一日だった。
「そういえば今日、森の中手紙を探すってことがあってね…」
と、今日の親子の手紙ことを話すと、のんびり桶でリラックスしている猫士が
「やっぱり家族ってのはいいもんだにゃ~」
「そうだね~」
「そういえば家族っていうと最近こんなことがあったにゃ・・・」
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夕方、日課にしている散歩をしてたにゃ。
時間はちょうど学校や保育園が終わり下校途中だにゃ。
同じ避難場所にいる女の子に出会ったので「にゃー」と声をかけたにゃ。
「あ、ねこさん!」
女の子は私に気付いたようで駆け寄ってきたにゃ。
「今帰りかにゃ?」
「うん。ねこさんはお散歩?」
「そうにゃー。…」
そんな会話をしていると女の子が何か見つけたようだにゃ。
「あ、兄ちゃん。」
「お。今帰り?」
「うん!兄ちゃんも?」
「ああ」
「じゃあ部屋まで一緒に帰れる?」
女の子は輝かんばかりの笑顔。
「あー、今日は…(ちょっと友達と…)」
兄の方は少し困った顔をしたが、妹の目を潤ませ首を少し傾げ「ダメ?」という顔をしてるのをみて兄は妹のぷりちーさに負けたみたいだにゃ。
「よ…よし!じゃあ一緒に夕食の材料買って帰ろうか。」
「ほんと!?やったー!」
避難場所では各家庭の部屋でそれぞれ過ごしているが、食事はみんなで用意をしているにゃ。
この兄妹の両親は共働きで、両親はなかなか家に帰れないみたいだにゃ。
避難場所にもどると一人の青年が気付いて兄妹に近づいてきたにゃ。
「おーい。」
「あ、どうも。材料少しですが買ってきました。」
「ありがとう。」
「えっとね。お店凄い混んでたんだよ~」
「おお、そいつは御苦労さま。 農業博覧会近いからな、出品される野菜が凄い人気なんだろ(笑)」
軽い雑談をしながら手伝いに入る二人。私はその様子を少し離れたところで見てたにゃ。
ほぼ毎日やっている事だがみんなわいわいしながら楽しく準備をしているにゃ。ありがたいことに我々猫士や猫たちの分も作ってくれるにゃ。
準備が終わり、各自テーブルに座っている。
私ら猫士もテーブルに着き、みんなそろって『いただきまーす』『にゃ~』
今日はいつもより食事がおいしい。やっぱり私も買い物を手伝ったからかにゃ~?
「このサラダ旨い…」
「ほんと!?兄ちゃん!それ私が野菜切ったりしたんだよ~」
女の子はすごく喜んでいるみたいだにゃ。そして女の子はじーっと見てる。
妹の視線に兄も気付いたみたいだにゃ。
「…ん?どうした?」
「ううん。あのね 兄ちゃんもだけど…すごく美味しそうに食べるから、少し見てただけ。」
「あのね、私ね、美味しそうに食べる人見るの好きなんだ」
そして、女の子は心配そうな顔で兄の耳元で
「お父さんもお母さんもお仕事忙しいけど…作ってあげたらお兄ちゃんみたいに美味しそうに食べてくれるかな?」
「うん。大丈夫、俺が保証する。」
「うん!」
妹に笑顔が戻った。
周りも賑やかに過ごしている…
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「やっぱみんなで食べるごはんはおいしいよね」
ほんと、みんなが笑顔になれるごはんってすばらしいことだと思う。
・・・
僕と猫士はお風呂でゆっくりしたあと、
「なんかさっきの話聞いてたらおなかがすいてきたねぇ」
「そうだにゃ~、何か食べにいくかにゃ?」
「そうだね。 それじゃ最近できたお店があるんだけど…」
それから僕らは家庭的は雰囲気の定食屋さんに向かった・・・。