ナレーション
ブレトワルダの王女
マリーを
さらったのは、シャレム連邦の
有力部族のひとつ、ガ族の長
ジャグラドだった。
セルディックは
突然の事態に悩みながらも、
兵たちの声におされ、
マリー救出の準備をしていた。
一方そのころ。
ダルシンもマリー誘拐の事実に
気がつき、ジャグラドの元へと
その真意を確かめに向かっていた。
王国軍と、ナ族の見つめる中、
ジャグラドの居城ハンは、
昼なお暗いシャレムの森の中に、
ひっそりとたたずんでいた。
編成前
連邦軍狂戦士
「ジャグラトさま、ナ族の
ダルシンさまと
アンセムさまが
お越しになられました」
ジャグラト
「ちっ、もうか。
こういう時だけすぐ来やがって。
しかたねえ、通せ」
ダルシン
「こうして顔をあわせるのは
久しぶりだな、ジャグラト」
「単刀直入に聞くが、
セルディック殿の妹君を
されったというのは本当か?」
ジャグラト
「なんのことだかわからねえなあ」
サシャ
「とぼけないでください、あなたが
マリーさまを連れているのを
見たものがいるのですよ!」
アンセム
「サシャ、すこしおさえるんだ」
ジャグラト
「………」
ダルシン
「ジャグラト、マリー殿は
セルディック殿の妹君であり、
セルディック殿はナ族の客人だ」
「お前のやっていることは
わしらの顔に泥をぬる
行為なのだぞ」
「事を荒立てたくはない。
おとなしくマリー殿を
かえしてくれないか」
ジャグラト
「ここでブルトワルダのやつらを
帝国に引き渡せば、
シャレムは安泰なんだぜ?」
「そうは思わねえか?」
ダルシン
「ジャグラト、それ以上
言うのであれば、わしはナ族の
誇りにかけて貴様を斬るぞ」
ジャグラト
「誇りがなんだってんだ!!
いい加減、てめえの綺麗事は
聞き飽きたんだよ!」
「てめえら、やっちまえ!」
ダルシン
「ジャグラト、何を……がっ!」
アンセム
「親父!」
サシャ
「ダルシンさま!」
ジャグラト
「次はてめえらの番だ」
アンセム
「サシャ、ここは私が食い止める。
お前はセルディックにこのことを
報せるんだ」
サシャ
「若をおいていくわけには……」
アンセム
「これは命令だ、サシャ」
サシャ
「……わかりました。
若、どうかご無事で」
……数刻後
ケイ
「セルディックさま、
ナ族のサシャ殿が会いたいと」
主人公
「通してくれ」
サシャ
「セルディックさま、
急の来訪をお許しください」
「ダルシンさまが
ガ族のジャグラトに殺され、
若も捕まってしまいました」
主人公
「なんだって!」
サシャ
「お願いします。どうか、
若をお助けください」
主人公
「わかった」
「ダルシンさまには
いろいろと世話になった。
その恩返しをしないと」
「それに、マリーも
助けなきゃいけないしね」
サシャ
「ありがとうございます!」
主人公
「みんな、出撃するぞ!」
シナリオ開始時
シナリオ中
マーガス⇔サシャ
マ「やあ、サシャさん」
サ「
マーガス殿。
すみません、私たちが
ふがいないばかりに」
マ「いやいや、悪いのはジャグラトさ」
「それよりも、この戦いが終わったら
いっしょにセルディナ湖にでも
行かないか?」
「あそこはブラヴォードいち、
水が澄んでいる湖だと聞く」
「そこで水浴びでもすれば、
きみのゆううつな気分も
はれるだろう」
サ「ふふ、はげましてくださって
いるのですね」
「でも、今は若の身だけが心配で
そんなことを考えているよゆうも
ないのです……」
マ「ん?もしやきみは
アンセムさまのことがす……」
サ「なななな何を言っているのです?」
「若と私は、主とその身を守る戦士。
そこに忠誠心以外の感情が
あるわけがありません!」
マ「あー……」
サ「た、たしかに私は若が大事です!」
「でもそれは若がシャレムの未来を
になう方だからであって、
けっしてそれ以上の意味は……」
マ「これはだめそうだな……」
ケイ⇔マーガス
ケ「マーガス、どう思う?」
マ「まさかジャグラトが
こんな真似に出るとはなあ」
「マリーさまが来なければ
平穏無事に暮らせたのだろうが、
きっかけを与えてしまったな」
ケ「貴様、マリーさまに責任を
押しつけるつもりか」
マ「そんなことを言ってる
わけじゃなくてだな」
「どちらにせよ、
一生ここにいるわけには
いかなかったんだ」
「これが、セルディックさまに
とってもよいきっかけとなれば
いいな」
ケ「セルディックさまも
エグバード陥落以来、ずいぶんと
臆病になられてしまった」
「山賊退治はいい気晴らしに
なったようだが」
マ「それも、山賊退治はシャレムにも
ブルトワルダにも関わりのないこと
だからだろうな」
ケ「セルディックさまの重荷をこれ以上
増やすわけにはいかない」
「マリーさまはなんとしても
助け出さねば」
サシャ⇔主人公
サ「セルディックさま。
若はご無事でしょうか。
もし若になにかあったら私は…」
主「アンセムは無事だ、と
無責任なことは私には言えない」
「でも、ダルシンさまとアンセムは
私とマリーを守るために
尽力してくれた」
「私も、アンセムを助けるために
全力を尽くすよ」
サ「ありがとうございます、
セルディックさま」
主「だからそんな顔をしないで欲しいな」
「マーガスじゃないけど、女の子が
泣いているのを見るのは嫌なんだ」
サ「まあ。でも、セルディックさまは
マーガス殿と違って女性だけじゃ
ないでしょう?」
主「……そうだな。
誰でも、助けられるものなら
助けたい」
「さあ、アンセムが生きている
としても、いつまで無事か
分からない。急ごうか」
サ「はい!」
シナリオ終了時
主人公
「ここがハン城か」
ケイ
「セルディックさま。マリーさまが
アンセムさまとともに場内に
捕らえられているようです」
主人公
「ありがとう、ケイ」
(マリーさま、か。
いったいどんな方なのだろうな……)
最終更新:2007年09月07日 15:05