0116:朝の公園にて ◆QGtS.0RtWo
朝日が明るく照らし出す公園の一角。
この平和の象徴たる公園という場所の…
本来ならば無邪気な子供たちや井戸端会議に精を出す主婦、
夜には若いカップルたちが愛を囁き合うような大きな木製のベンチ。
そこに、まるでその場に似つかわしくない三人が並んで座っていた。
まあ『似つかわしくない』のは…一人だけかもしれないが。
「ふむ。我々の知り得る人物たちは皆無事のようですね」
「え、ええ……」
「………」
「禁止エリアは北海道に宮崎県…成る程、端から順に埋めていく合理的かつもっとも計算に基づいた理論的な指定だ」
「…そうね…」
「…(
ブルマ!!もっとそっちに寄って!!)」
「…(無理よ!!椅子から落ちるわよ!!)」
「…仲間に裏切られて、ですか。嘆かわしい。
信じる事こそ人の最も大切な、必要不可欠な大事な宝と言える救いの道であるというのに!!
そうは思いませんかお美しいお嬢さん方!!!」
「は!はいっ!!おっしゃる通りですね!!(イヤ!!寄ってきたッ!!無理!!生理的に無理!!)」
「(痛い!痛いわよリンス!!)…私たちも急いで出発しなきゃ!この調子で人が亡くなっていくようなら…」
「…まあ落ち着いて下さい。
ブルマさん、とおっしゃいましたか?急いても得策とは言えません。
私の力が奇妙な制限を受け、まともに呪文を連発出来ない現状、万が一実力の高い襲撃者に襲われでもしたら一大事です。
情けないですが今の私では貴女方を完全に守りきれる自信がありません」
「…でも…!(というか、何でこの人いちいちこんなに話長いの!?)」
「
アビゲイルさんの知り合いにも戦う力の無い人がいるんだし…(知らないわよ!あ!ちょっと
ブルマ!!押し返さないで!!やめて!!)」
「確かにそうですが…ふむ、とりあえず現状を把握して冷静かつ理論的に我々の生存率を高めつつも、
仲間と合流するためにより良い方法を模索するとしましょうか。
貴女方の支給品を見せていただけますか?」
「え?えっと……(どうするの!?本当にこの人、信用できるの!?
ブルマ!?)」
「………分かったわ…(悪い人じゃあなさそうだし…『守る』って言ってくれてるんだから、大丈夫だと思うわ……多分)」
「多分!?多分って何っ!?」
「…ん?何が『多分』なのですか?…ああ、私の支給品ですか?信用していただくためにも先にお見せしましょう。私のはこれです」
同じ椅子に座りながらも寄り添う二人に微妙に距離を置かれている
アビゲイルがポケットから何かを取り出す。
「えっ!?そ、それ…!!?ドラゴンレーダーじゃない!?」
「え?
ブルマ…知ってる物?」
「おや、貴女ご存じの物でしたか。いやあ、私にはこれが何かサッバリ分からなくて難儀していましてね。
どこを触っても何の反応も示さないようなのでハズレを引いてしまったのかと…」
「ちょ、ちょっと貸して!!」
アビゲイルの手から半ば無理矢理奪い取り、何度かスイッチを押す。
「…壊れてはいないようだけど…確かに何にも映らないわね…ドラゴンボールが無い世界だからかも…」
「ドラゴンボール?」
「…興味深いですね。詳しく教えていただけますか?」
「……ちょっと待って………うーん、分解さえ出来れば何かに使えるかも…」
「何か…とは?」
「…『この』首輪を何とか手に入れて詳しく調べられれば、もしかしたら…」
「……『レーダー』としての機能が使えるかも、って訳ね」
「成る程!参加者の首輪の探知機に改造するわけですか。
『首輪の調査』それイコール我々の首輪を外すための方法の糸口を掴めるかもしれない!
いやいや、頼もしい限りですね!神はまさに運命の出会いを与えて下さった!!感謝しま……!?お!お嬢さん!?それは…!!!」
アビゲイルが
ブルマのデイパックから覗く何か剣の柄のような物を視界に捉えて驚きの表情を見せる。
「え?あ、それは私の…」
「??」
立ち上がりそれを取り出す
アビゲイル。
訳も分からないまま、二人がそれを止める事も無く眺める。
「…やはり…雷神剣…!
あの『炎の剣』と並び称される程の、使う者の能力次第では山をも断つと伝えられる、あのアーシェス・ネイの振るう雷獣ヌエの宿る剣…!
こんな物までが支給されているとは思いもしませんでした!」
「や、山を!?本当なの!?」
「私には剣を使う心得はありませんが…ふぅむ、どうやらこの剣も力がかなり抑えられているようですね。
これならば、ある程度なら私にも使えるかもしれません」
「……よし、大体方針は決まったわね!」
「ええ。孫くんたちにも早く会いたいし、早速出発しましょう!」
立ち上がり、お互いに荷物をまとめ始める
ブルマとリンスの二人。
「フッフッフ!まるで運命であるかのようなこの素晴らしき出会い!この殺伐とした舞台に差し込む僅かな希望の光!!
イイ!!正に神が救いの手を差し伸べて下さったとしか思えないような偶然という名の必然!!
旧世界の遺児…破壊神アンスラサクスよ!!感謝します!!」
「「……えっ?」」
…やっぱりこの人は信用していいのかよくないのか、激しい不安にかられる
ブルマとリンスであった…
【富山県東部、街の公園/朝】
【リンスレット・ウォーカー@BLACK CAT】
[状態]健康
[装備]ベレッタM92(残弾数、予備含め32発)
[道具]荷物一式
[思考]トレイン達、協力者を探す
首輪を入手する
ゲームを脱出
【ブルマ@DRAGON BALL】
[状態]健康
[道具]荷物一式
ドラゴンレーダー@DRAGON BALL(アビゲイルから入手)
[思考]孫悟空達、協力者を探す
首輪とドライバーのような物を入手し、ドラゴンレーダーを改造したい
ゲームを脱出
【アビゲイル@BASTAD!! -暗黒の破壊神-】
[状態]健康
[装備]雷神剣@BASTAD!! -暗黒の破壊神-(ブルマから入手)
[道具]荷物一式
[思考]D・S達、協力者を探す
首輪を入手する
ゲームを脱出
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最終更新:2024年08月17日 23:39