0311:アミバ快進撃~前兆~ ◆JoH9cSAfZ.
栃木県。
これは、一日目を終えようとしていたある二人の雑談……
「これがワシの支給品である!」
高らかに差し出したそれは、江田島の支給品である一体のこけしのような人形。
どこか惚けた表情のそれは、小学生の工作とも見て取れるような不恰好な出来だった。
「これが監督の支給品かぁ……なんだかおもしろい形だけど、なんなのこれ?」
「ふむ、こんな形をしておるが、どうやらかなり高性能な爆弾らしいの」
「へぇ~こけし型の爆弾かぁ……」
翼は、そのこけし爆弾を興味深げに見ていた。
本心では江田島の支給品がサッカーボールなら……と期待していたのだが、江田島の支給品はサッカーとは無縁の人を殺す道具だった。
このこけしの名はジャスタウェイ。
見た目はデキの悪いこけしだが、その中身はテロリスト御用達の高性能爆弾。
その見た目ゆえ、誰も爆弾とは思わないだろうが、そこがこの支給品を役立たせるポイントでもある。
もっとも、たとえ高性能だろうが相手を騙すことに適していようが、
江田島平八にはまったく無用の長物だった。
「いいか翼、これは紛れもなく『人殺しの道具』だ。ワシはこんなものを支給した主催者どもが許せん。その気持ちはお前も同じであろう?」
「もちろんだよ! 日本中からサッカーボール消すなんて……絶対に許せることじゃないよ!」
気づけば、翼はもう一日近くサッカーボールに触れていない。
あの毎日のように接していた、友達とも言えるサッカーボールに。
翼は、そのことに激怒していた。
同じく栃木県。
アミバは快調だった。
「ふふふ……はははぁ! 次の獲物はどこだぁ!」
体調だけではなく、機嫌も絶好調だ。
理由は夕方ごろに殺したゴンから奪取した仙豆。
時刻はもう夜。一般人ならそろそろ体を休める頃だろう。
だが、仙豆を食べたアミバは違う。
傷は癒え、腹は満たされ、睡眠も昼間、江田島にぶっ飛ばされたせいで十分にとった。
だから、皆が寝静まる夜でもアミバは活動することができる。
この、誰もが身を休めたがる夜に。
暗闇を利用した闇討ち、寝込みを襲う、次はどんな手法で誰を殺そうか。
「そうだ……今ならば、この天才絶好調期ならば、あの江田島にも復讐できる!」
この天才に泥を塗った憎き男、
江田島平八。
今ならば体調も万全、昼間のような間違いは起こらない。
「今度こそ、この天才に死角はない……
江田島平八はどこだァァァ!!!」
アミバの笑い声は、江田島と翼が身を置く民家の近くで木霊する。
偶然は、再戦を引き寄せるか否か。
【栃木県・民家/真夜中】
【大空翼@キャプテン翼】
[状態]疲労中、精神的にやはりやや壊れ気味
[装備]拾った石ころ一つ
[道具]荷物一式(水・食料一食分消費)、クロロの荷物一式、ボールペン数本
[思考]1:承太郎と雷電の帰りを待つ(しばらく休息)。
2:悟空を見つけ、日向の情報を得る。そしてチームに迎える。
3:仲間を11人集める。
4:主催者を倒す。
【江田島平八@魁!!男塾】
[状態]:健康、監督
[装備]:無し
[道具]:荷物一式、一護の荷物一式、ジャスタウェイ@銀魂
[思考]:1、「わしが男塾塾長、江田島平八である!!!」
(翼と共にしばらく休息)
2、「日本男児の生き様は色無し恋無し情けあり」
【栃木県・江田島と翼が身を潜める町/真夜中】
【アミバ@北斗の拳】
[状態]:絶好調
[装備]:ニューナンブ@こち亀
[道具]:支給品一式(食料1日分消費)、ゴンの荷物一式(食料一食分消費)、シカマルの荷物一式(食料一食分消費)
テニスボール@テニスの王子様(残り2球)
[思考]:1、夜を生かして殺しまくる
2、皆殺し
3、(可能なら)江田島にも復讐する
時系列順に読む
投下順に読む
最終更新:2024年06月06日 21:23