今日は月に一度の中掃除。普通の掃除と大掃除の中間ぐらいの規模ってわけで。一人暮らしの時はやっていなかったのだが、天河石たちが来てからは……まぁ、その、珊瑚がうるさくてな。
「マスタぁー、終わったよー♪」
押し入れの中から出てくる天河石。どうしてこんなところに入っていたかって、中の整理を一番小さいのにやってもらっていただけだ。
「おっし、じゃあこの部屋は終わりだな。次は向こうの……」
「主、台所の清掃、終わったぞ」
「お、さすが珊瑚だ。早いな」
「天河石は?」
「お前も充分早いよ。よく頑張ってる」
子犬のような幼い顔つきでこちらを見上げてくる。こういう顔を見ると、どうも頭を撫でてやりたくなるんだよなぁ。
「えへへ~」
と、気がついたらこうして天河石の頭に手が行ってるわけだ。そして、こういうときの珊瑚の顔もまた……。
「珊瑚も撫でて欲しいか?」
「む、いや某は別に……」
「ふーん。まぁいいや、んじゃあ最後の部屋はみんなでやってしまうか……あ、風呂掃除が残ってたたか。俺そっちやってくるわ」
「手伝うよぉ?」
「ドレス濡れたら嫌だろ? 俺一人で充分だから、お前らは二人で残りの部屋を頼む」
「はーい」
「マスタぁー、終わったよー♪」
押し入れの中から出てくる天河石。どうしてこんなところに入っていたかって、中の整理を一番小さいのにやってもらっていただけだ。
「おっし、じゃあこの部屋は終わりだな。次は向こうの……」
「主、台所の清掃、終わったぞ」
「お、さすが珊瑚だ。早いな」
「天河石は?」
「お前も充分早いよ。よく頑張ってる」
子犬のような幼い顔つきでこちらを見上げてくる。こういう顔を見ると、どうも頭を撫でてやりたくなるんだよなぁ。
「えへへ~」
と、気がついたらこうして天河石の頭に手が行ってるわけだ。そして、こういうときの珊瑚の顔もまた……。
「珊瑚も撫でて欲しいか?」
「む、いや某は別に……」
「ふーん。まぁいいや、んじゃあ最後の部屋はみんなでやってしまうか……あ、風呂掃除が残ってたたか。俺そっちやってくるわ」
「手伝うよぉ?」
「ドレス濡れたら嫌だろ? 俺一人で充分だから、お前らは二人で残りの部屋を頼む」
「はーい」
主に言われた通り、残りの部屋の掃除を進める某と天河石。残りの部屋と言っても、あとは皆で過ごすことの多い居間のみ。それほど時間が
かかるわけではない。
しかし、先の主の言葉……某も撫でて欲しいか、だと? ……頭を、撫でる? そういえば某、今まで頭を撫でて貰った記憶が……。
「……天河石」
「なぁに、珊瑚お姉ちゃん?」
「頭を撫でられるときは、どういう感じなのだ?」
「ふぇ? んーと……ごしごしーってされる感じかなぁ」
ごしごし……乾布摩擦みたいなものなのか? だとしたら体にはよさそうだが。
「でねー、マスタぁーに撫でてもらうとぉ、幸せな気持ちになれるんだよー」
「幸せ?」
頭に手のひらを乗せられることで得る幸せ……そういう互いの触れ合いは嫌いではない。だが、やはり某にも恥ずかしいものはある。主の手で頭を触れられる……そんな子供っぽいことはちょっと、な。
かかるわけではない。
しかし、先の主の言葉……某も撫でて欲しいか、だと? ……頭を、撫でる? そういえば某、今まで頭を撫でて貰った記憶が……。
「……天河石」
「なぁに、珊瑚お姉ちゃん?」
「頭を撫でられるときは、どういう感じなのだ?」
「ふぇ? んーと……ごしごしーってされる感じかなぁ」
ごしごし……乾布摩擦みたいなものなのか? だとしたら体にはよさそうだが。
「でねー、マスタぁーに撫でてもらうとぉ、幸せな気持ちになれるんだよー」
「幸せ?」
頭に手のひらを乗せられることで得る幸せ……そういう互いの触れ合いは嫌いではない。だが、やはり某にも恥ずかしいものはある。主の手で頭を触れられる……そんな子供っぽいことはちょっと、な。
「そっち終わったか?」
風呂掃除も一通り終わり、飲み物片手に二人の元へと戻る。
「終わったよー」
「天河石が頑張ってくれたからな、早く終わった」
「さすがだな、二人とも。ほら、お疲れさん」
二人にそれぞれ飲み物を手渡す。天河石にはコーヒー牛乳、珊瑚には麦茶。一応二人の好きな物……だと思う。
「わーい♪」
「かたじけない」
「いいっていいって」
俺はもちろんビール……なんてわけには行かず、天河石御用達のコーヒー牛乳を一気飲み。天河石が来てから、苦手だった甘い物を克服してしまった気がする。もちろん酒も好きだけど。で、コーヒー牛乳の一気飲み。もちろん腰に手を当てて、頭は45度で固定。そして一気に流し……。
「……どうしたんだ、珊瑚?」
「え、いや……ゆっくり味わって飲んだ方がよいぞ」
「いやいや、こうして一気飲みするのもまたいいモンだぞ? 何なら珊瑚も……って、宝石乙女にそんなことやらせちゃダメか」
「当然だ」
相変わらずだなぁ、珊瑚は……って、まだ珊瑚の視線を感じる。一体何なんだ?
「……まだ何かあるのか?」
「えっ、あ、いや別に……なんでもない」
何でもない奴がそんな慌てて目を逸らすかよ……。
「そ、それより、今日は天河石がよく頑張っていたんだぞ。いつもの奴はしないのか?」
「いつもの? いつものって何だ?」
「あ、いや……先ほど褒めた割には頭を撫でてなかったからな、それが気になって」
「頭? あぁそういや……ほほぉ」
なるほど、そういうことか……お、珊瑚顔赤くなったぞ。俺が気づいたことを察したみたいだな。
さて、こうなるとからかってみたくなるのが人間の性ってモンだ。
「マスタぁー、何してるのぉ?」
「おぉ天河石か。お前掃除頑張ったんだってな」
「お姉ちゃんも頑張ったよぉ?」
「そりゃあ、珊瑚はお姉さんだからなぁー」
いつものように天河石の頭を撫でる。もちろん純粋に褒める意味で撫でているが……それ以上に珊瑚の反応が気になる。
「えへへー」
「……っ」
我関せずとそっぽを向いてはいるが、横目で天河石の顔を確認している。
「天河石の髪は綺麗だなぁ」
「お姉ちゃんも綺麗だよー。あっ、さっきねー、お姉ちゃんが頭撫でられるのはどんな感じかって言ってたよー」
「あっ、こら天河石……ーっ」
おぉっと、天河石の思わぬフェイント攻撃だ! これには百戦錬磨の珊瑚も相当効いたようだな。もう俺と顔を合わせられないほど赤くなっている。しかし珊瑚の照れる表情なんて初めて見たな。しかもかなり可愛いぞ。
「なんだよー、気になってたんだったら俺に言えばいいのにぃー」
「そ、そ、某は……うぅー」
さすがにいじめすぎたか、反応が痛々しくなってきた。もうこちらを見てないし……よし、じゃあそろそろだな。俺は珊瑚の隣に立ち、桜色の髪の毛に手をかざす。
俺の手のひらが、珊瑚の頭を軽く撫でた。
「っ!?」
まるで猫のようにその場から飛び退き、俺と間合いを取る珊瑚。
「おいおい、そんな警戒するなよぉ。ちょっと撫でるだけだって」
「そそ、某に触るなっ!」
「声が上ずってるぞー」
「い、いいいつも通りだっ! 某はうろ、うろたえてなどっ!」
あーあ、完全にテンパらせてしまった……ここまで照れ屋だとは、少し反省。
「ははは、悪い悪い、さすがにいじめすぎたな」
「主はおかしいぞっ、さっきから……なぬ、いじめ?」
「そ。だってあまりにも珊瑚の反応がおかしくてなぁ」
「いじめはダメだよ、マスタぁー。でもお姉ちゃん面白かった」
天河石は純粋に面白かっただけだろう。でもまぁ、同じ意見なので二人で笑い合う。いやぁ、可愛い珊瑚を見ることができてよかったよかった。
「……ふ、ふふふ……そうか、からかっていたのか……某を、か……ふふ……許さん」
「え……?」
風呂掃除も一通り終わり、飲み物片手に二人の元へと戻る。
「終わったよー」
「天河石が頑張ってくれたからな、早く終わった」
「さすがだな、二人とも。ほら、お疲れさん」
二人にそれぞれ飲み物を手渡す。天河石にはコーヒー牛乳、珊瑚には麦茶。一応二人の好きな物……だと思う。
「わーい♪」
「かたじけない」
「いいっていいって」
俺はもちろんビール……なんてわけには行かず、天河石御用達のコーヒー牛乳を一気飲み。天河石が来てから、苦手だった甘い物を克服してしまった気がする。もちろん酒も好きだけど。で、コーヒー牛乳の一気飲み。もちろん腰に手を当てて、頭は45度で固定。そして一気に流し……。
「……どうしたんだ、珊瑚?」
「え、いや……ゆっくり味わって飲んだ方がよいぞ」
「いやいや、こうして一気飲みするのもまたいいモンだぞ? 何なら珊瑚も……って、宝石乙女にそんなことやらせちゃダメか」
「当然だ」
相変わらずだなぁ、珊瑚は……って、まだ珊瑚の視線を感じる。一体何なんだ?
「……まだ何かあるのか?」
「えっ、あ、いや別に……なんでもない」
何でもない奴がそんな慌てて目を逸らすかよ……。
「そ、それより、今日は天河石がよく頑張っていたんだぞ。いつもの奴はしないのか?」
「いつもの? いつものって何だ?」
「あ、いや……先ほど褒めた割には頭を撫でてなかったからな、それが気になって」
「頭? あぁそういや……ほほぉ」
なるほど、そういうことか……お、珊瑚顔赤くなったぞ。俺が気づいたことを察したみたいだな。
さて、こうなるとからかってみたくなるのが人間の性ってモンだ。
「マスタぁー、何してるのぉ?」
「おぉ天河石か。お前掃除頑張ったんだってな」
「お姉ちゃんも頑張ったよぉ?」
「そりゃあ、珊瑚はお姉さんだからなぁー」
いつものように天河石の頭を撫でる。もちろん純粋に褒める意味で撫でているが……それ以上に珊瑚の反応が気になる。
「えへへー」
「……っ」
我関せずとそっぽを向いてはいるが、横目で天河石の顔を確認している。
「天河石の髪は綺麗だなぁ」
「お姉ちゃんも綺麗だよー。あっ、さっきねー、お姉ちゃんが頭撫でられるのはどんな感じかって言ってたよー」
「あっ、こら天河石……ーっ」
おぉっと、天河石の思わぬフェイント攻撃だ! これには百戦錬磨の珊瑚も相当効いたようだな。もう俺と顔を合わせられないほど赤くなっている。しかし珊瑚の照れる表情なんて初めて見たな。しかもかなり可愛いぞ。
「なんだよー、気になってたんだったら俺に言えばいいのにぃー」
「そ、そ、某は……うぅー」
さすがにいじめすぎたか、反応が痛々しくなってきた。もうこちらを見てないし……よし、じゃあそろそろだな。俺は珊瑚の隣に立ち、桜色の髪の毛に手をかざす。
俺の手のひらが、珊瑚の頭を軽く撫でた。
「っ!?」
まるで猫のようにその場から飛び退き、俺と間合いを取る珊瑚。
「おいおい、そんな警戒するなよぉ。ちょっと撫でるだけだって」
「そそ、某に触るなっ!」
「声が上ずってるぞー」
「い、いいいつも通りだっ! 某はうろ、うろたえてなどっ!」
あーあ、完全にテンパらせてしまった……ここまで照れ屋だとは、少し反省。
「ははは、悪い悪い、さすがにいじめすぎたな」
「主はおかしいぞっ、さっきから……なぬ、いじめ?」
「そ。だってあまりにも珊瑚の反応がおかしくてなぁ」
「いじめはダメだよ、マスタぁー。でもお姉ちゃん面白かった」
天河石は純粋に面白かっただけだろう。でもまぁ、同じ意見なので二人で笑い合う。いやぁ、可愛い珊瑚を見ることができてよかったよかった。
「……ふ、ふふふ……そうか、からかっていたのか……某を、か……ふふ……許さん」
「え……?」
慌てる珊瑚は可愛かったが、キレた珊瑚はマジで怖いということを痛感した。
「ってぇー……まさか斧の腹で殴ってくるとは」
「某を侮辱するからだ! 今回ばかりは主とはいえ簡単に許すわけにはいかぬぞ」
「へいへい。で、どうすれば許してくれるんだ?」
「ん、それは……」
あごに手を当てて考え込む珊瑚。そしてわずかに頬を赤くして……。
「……なら、からかうのではなく……ちゃんと褒める意味で、その……撫でてくれ」
「へ? まぁ、うん、いいけどよ……フェイント攻撃はなしだぞ?」
「それは某をからかった罰だっ」
「わ、分かった分かった……」
まぁ、俺も悪ふざけが過ぎたから反省しよう……。
「……ダメ、か?」
怒ってるような照れてるような、そんな珊瑚の横顔。
……結論。お願いをするときの珊瑚は、どんなときに見せる顔よりも可愛い。だから俺はもう……。
「全然OK。100回でも200回でも撫でてやるっ」
「え、主何を……うわわっ、あ、主っ、物事には限度がっ」
「おぉ、見た目通りの綺麗な髪じゃないか。さらさらだな」
「そ、それは……そうか、それならいい……」
結局、珊瑚が頭を撫でさせてくれたのは1分ほどだった。
「ってぇー……まさか斧の腹で殴ってくるとは」
「某を侮辱するからだ! 今回ばかりは主とはいえ簡単に許すわけにはいかぬぞ」
「へいへい。で、どうすれば許してくれるんだ?」
「ん、それは……」
あごに手を当てて考え込む珊瑚。そしてわずかに頬を赤くして……。
「……なら、からかうのではなく……ちゃんと褒める意味で、その……撫でてくれ」
「へ? まぁ、うん、いいけどよ……フェイント攻撃はなしだぞ?」
「それは某をからかった罰だっ」
「わ、分かった分かった……」
まぁ、俺も悪ふざけが過ぎたから反省しよう……。
「……ダメ、か?」
怒ってるような照れてるような、そんな珊瑚の横顔。
……結論。お願いをするときの珊瑚は、どんなときに見せる顔よりも可愛い。だから俺はもう……。
「全然OK。100回でも200回でも撫でてやるっ」
「え、主何を……うわわっ、あ、主っ、物事には限度がっ」
「おぉ、見た目通りの綺麗な髪じゃないか。さらさらだな」
「そ、それは……そうか、それならいい……」
結局、珊瑚が頭を撫でさせてくれたのは1分ほどだった。
「今回のことで、主が変人だという事がよく分かった」
「アレはあくまで勢いだって」
「アレはあくまで勢いだって」