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バリバリ

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だれでも歓迎! 編集
  今日も一日が始ま……。
「寒っ!」
  布団から抜け出してまず第一声がこれだった。
「寒いなら、人肌で暖めて差し上げましょうか。だんな様ぁ」
「うわぁーっ!?」
  そして、一番に話しかけられた言葉が、やたらとアレだった。

「パーパー♪」
  とにかく、そんな寒くて天気のいい朝、ソーダちゃんが早速うちに遊びに来た。
  で、膝の上でじゃれてくるソーダちゃん。これから学校行くんだけどな……。
「ソーダちゃん、今日は一緒に遊べないんだ。ごめんね」
「知ってるよぉー。おつとめー♪」
  いや、違うんだけど……。
「ふふ、今日もたくさん稼いできてくださいね、大黒柱様」
殺生石ぃ~」
「ご主人様、大黒柱って何ですかぁ?」
「おおぐろ?」
  ……あぁ、実に賑やかな朝だよ、うん。なんだか電気石も嬉しそうだし。
「ソーダもパパとおつとめー」
「え? さすがにそれはダメだよ……」
「やーっ、ソーダもおつとめーっ」
  だからお勤めじゃないってば……はぁ。でもまぁ、このままほっとくわけにもいかないし……仕方ない。
「じゃあ、家まで送ってあげるから、それで許して」
「えー」
  実に不満そうだ。でも学校に連れて行くわけにはいかない。友人になんと言われるか……『ついに子供作ったか!』は確実だ。
「わがままはいけませんよ。パパと一緒に歩けるのですから、今日はそれで我慢なさい」
「ぶぅ……はぁ~い」
  そっか、殺生石の言うことは素直に聞くのか……。
「ですから、今度のお休みにたっぷり遊んでもらいなさい」
「はーいっ」
「えっ、そういうこと!?」

  朝起きたときにも感じたが、外に出てなおさら思う。
「寒っ!」
「さむいのー? じゃあソーダがあっためるー♪」
「あっためる……」
  嬉しそうに僕の脚に飛びつく……小さいからあまり意味がないんだよ、ソーダちゃん。ちなみに電気石は隣から見つめているだけ。ついてきた理由もよく分からない。
  それよりとにかく寒い。だけどそれと反比例するかのように天気はいい。太陽、仕事サボらないでよ。
「パパー、バリバリーっ」
「ば、バリバリぃ?」
  この子はいきなり何を言うのだろうか、いつの間にか僕から離れてるし。だが、ソーダちゃんの足元を見てその言葉の意味が分かった。
  霜柱。寒くて天気のいい日にできるアレ。懐かしいなぁ。
「ねー、バリバリー」
「ん……ばりばり」
  二人で霜柱を踏み鳴らして遊ぶ。僕も小さいころやったなぁ。学校行く途中の空き地とかで、ソーダちゃんたちとまったく同じことをやってたっけ。
「パパもー」
「マスター、一緒……」
「そうしたいのはやまやまなんだけど、僕これから学校……」
「バリバリーっ」
「あ、うん。バリバリだね。うん、バリバリ」
  って、何で乗せられて僕も踏んでるのさっ! あ、でも少し楽しい……この氷とも枯葉とも違う微妙な踏みごたえ。なんというか……。
「バリバリー」
「ばりばり……」
「バリバリ……はっ!」
  だからこんなことしてる暇は……あーっ!
「時間が……電車、間に合わない!」
「でんしゃー?」
「あぁもぉーっ! 電気石、ソーダちゃん任せるから、いいね!?」
「ぐりーんだよー」
「ソーダもおつとめー♪」
「ダメッ! じゃあ行ってきます!!」
  ソーダちゃんの不満が後ろから突き刺さってくるが気にしない。今は一分一秒が勝負時。あーもぉ、どうして霜柱踏んでるだけでこんな目にあわないといけないんだよぉー!
「これじゃあ小学校のころと一緒じゃないかぁー!!」
  住宅街に響く僕の悲鳴。むろん学校は遅刻。別に何かあるわけではないけど、なんかとっても悔しかった……。 
『バリバリーっ』
『びりびりー?』
  なぜか、二人の楽しそうな声が聞こえた気がした。でも電気石、ビリビリは危ないからやめようね。

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