「あれー……おかしいな……」
今、僕は湖のほとりの森の中にいる。なぜこんなところにいるのかというと、雲母についてきたからだ。
何やら特大荒巻が採れると言っていたんだけど……この辺の地理に詳しくない僕は雲母とはぐれてしまった。
「おーい、雲母ー!」
はぐれてからかれこれ一時間は経っただろうか。『迷ったらその場を動くな』とはよく言うけど、雲母相手じゃ探してもらえないかもしれない。なんせ嬉々として一人突っ走って行ったからなぁ……。
そんなわけで、あてもなく森をさまよい続ける。そういえば、ここら辺に誰か住んでるって話を聞いたような……誰だったかなぁ?
プチン。
ん? 今何か音がしたよう……な゙!?
ばしゃーん!
そうして僕の意識は途絶えた。
今、僕は湖のほとりの森の中にいる。なぜこんなところにいるのかというと、雲母についてきたからだ。
何やら特大荒巻が採れると言っていたんだけど……この辺の地理に詳しくない僕は雲母とはぐれてしまった。
「おーい、雲母ー!」
はぐれてからかれこれ一時間は経っただろうか。『迷ったらその場を動くな』とはよく言うけど、雲母相手じゃ探してもらえないかもしれない。なんせ嬉々として一人突っ走って行ったからなぁ……。
そんなわけで、あてもなく森をさまよい続ける。そういえば、ここら辺に誰か住んでるって話を聞いたような……誰だったかなぁ?
プチン。
ん? 今何か音がしたよう……な゙!?
ばしゃーん!
そうして僕の意識は途絶えた。
「――気がついた?」
「……んあ」
焦点の合わない視界の中、目だけで辺りを見回す。
目の前に見えるものは……。
「……んあ」
焦点の合わない視界の中、目だけで辺りを見回す。
目の前に見えるものは……。
「……近っ!」
「ん? ああ、ゴメンゴメン」
どアップで目の前に広がっている少女の顔。
それが少しずつ離れていく。彼女は……えーと……。
「置石ちゃん?」
「やあ、どーもこんにちは、お兄さん」
どうして置石ちゃんが? というかここはどこだろう?
それよりも、さっきのはいったい……。
「どうしたの? 体の調子が悪いとか?」
「あ、いや、そういうことはないよ……っくしゅん!」
「あらら、風邪引いちゃったか。仕方ないね、ついておいでー」
「え? あ、ちょっと待って!」
今思うと、この行動が僕の運命を左右していたのかもしれないけど、このときの僕には知る由もなかった。
「ん? ああ、ゴメンゴメン」
どアップで目の前に広がっている少女の顔。
それが少しずつ離れていく。彼女は……えーと……。
「置石ちゃん?」
「やあ、どーもこんにちは、お兄さん」
どうして置石ちゃんが? というかここはどこだろう?
それよりも、さっきのはいったい……。
「どうしたの? 体の調子が悪いとか?」
「あ、いや、そういうことはないよ……っくしゅん!」
「あらら、風邪引いちゃったか。仕方ないね、ついておいでー」
「え? あ、ちょっと待って!」
今思うと、この行動が僕の運命を左右していたのかもしれないけど、このときの僕には知る由もなかった。
「はい、到着ー」
「……ここは?」
「今の私たちの住居ってとこね」
「へぇ……」
そこに鎮座して居られるはプレハブ小屋。しかも手作り感たっぷりだ。
「とりあえずここで洋服脱いじゃって」
「え!? ななな、何を!?」
「えっと、そんなずぶ濡れの格好で入るつもり?」
「え、あ……」
今気づいた。僕はなぜか頭のてっぺんからびしょ濡れだった。いったいなぜなんだろう……。
仕方ないのでとりあえず服を脱ごう。
「ちょっと! 乙女の前でいきなり脱ぎださないでよね! もう……」
「あ、ゴメン……」
「とりあえずタオルと毛布持ってきてあげるから、脱いだ洋服はこのカゴに入れといてね!」
何か理不尽さを感じるけど、なす術もないので指示に従った……うう、寒い。
「ほら、いくよっと。それっ」
「うわっ」
ボフッと音を立てて僕の顔面に直撃したタオル。それを投げた本人は……遠い。家の奥から投げてよこしたようだ。まぁ、今の僕の格好が格好だし仕方ないか、と納得することにする。
バフッと重量感たっぷりの音を立てて、毛布の追撃がまたもや顔面に直撃。
「あー、ゴメン。手元が狂っちゃった♪」
絶対わざとだ……。
「……ここは?」
「今の私たちの住居ってとこね」
「へぇ……」
そこに鎮座して居られるはプレハブ小屋。しかも手作り感たっぷりだ。
「とりあえずここで洋服脱いじゃって」
「え!? ななな、何を!?」
「えっと、そんなずぶ濡れの格好で入るつもり?」
「え、あ……」
今気づいた。僕はなぜか頭のてっぺんからびしょ濡れだった。いったいなぜなんだろう……。
仕方ないのでとりあえず服を脱ごう。
「ちょっと! 乙女の前でいきなり脱ぎださないでよね! もう……」
「あ、ゴメン……」
「とりあえずタオルと毛布持ってきてあげるから、脱いだ洋服はこのカゴに入れといてね!」
何か理不尽さを感じるけど、なす術もないので指示に従った……うう、寒い。
「ほら、いくよっと。それっ」
「うわっ」
ボフッと音を立てて僕の顔面に直撃したタオル。それを投げた本人は……遠い。家の奥から投げてよこしたようだ。まぁ、今の僕の格好が格好だし仕方ないか、と納得することにする。
バフッと重量感たっぷりの音を立てて、毛布の追撃がまたもや顔面に直撃。
「あー、ゴメン。手元が狂っちゃった♪」
絶対わざとだ……。
「……へっくしゅん!」
「ほら、はいこれ」
「ん、ありがと」
置石ちゃんの入れてくれたココア……おいしい。
「それにしてもビックリしたよー」
「?」
「仕掛けて半日も経ってない罠に掛かるんだもんねーお兄さん」
「え?」
もしかして、あれは……そう考えるとつじつまが合う……ような気がする……。
悪戯をさせたら右に出る者は居ないあの置石ちゃんだしね……。
「――それでまさか他の人が掛かるとはねぇ~」
彼女の話を要約するとこうだ。
僕が歩いてきた。そこに仕掛けてあったトラップが発動。落とし穴にはまり、その先に続いていた湖に投げ出された。説明以上。
「でも、どうして家の周りに罠なんて仕掛けているの?」
「えーと……妹を鍛えるためのプレゼントってやつですよ、ははは……」
ばつが悪そうに笑う彼女。
このあいだのパーティのとき(クリスマスのパーティね)に見せたのと違う表情に、なぜか僕は少しどきりとした。
「虎眼石ちゃんも大変だねぇ……」
「まぁ、あの子も『感覚が鈍らなくてちょうどいい』って言ってくれてるし」
「虎眼石ちゃんはすごいなぁ……」
――カランコロン……。
突然、どこからかはわからないが鈴のような音がした。
「あ、もうそろそろ準備しなきゃ。虎眼が帰ってくるわ」
「えーと、僕はどうすれば……」
「とりあえず適当にくつろいでてね。それとも裸で帰る?」
「くつろがせてください……」
後者の言い方がなぜかノリノリだった。本気なのかな……怖い怖い。
とりあえず、服が乾かないことには身動きができない。ストーブの上で乾かしてもらっているけど、生地が厚いのでなかなか乾かないようだ。仕方がないので、ソファーに横になる。
忘れていたわけじゃないけど、雲母のことも気に掛かる。たぶん心配はないと思うけど……。
「ほら、はいこれ」
「ん、ありがと」
置石ちゃんの入れてくれたココア……おいしい。
「それにしてもビックリしたよー」
「?」
「仕掛けて半日も経ってない罠に掛かるんだもんねーお兄さん」
「え?」
もしかして、あれは……そう考えるとつじつまが合う……ような気がする……。
悪戯をさせたら右に出る者は居ないあの置石ちゃんだしね……。
「――それでまさか他の人が掛かるとはねぇ~」
彼女の話を要約するとこうだ。
僕が歩いてきた。そこに仕掛けてあったトラップが発動。落とし穴にはまり、その先に続いていた湖に投げ出された。説明以上。
「でも、どうして家の周りに罠なんて仕掛けているの?」
「えーと……妹を鍛えるためのプレゼントってやつですよ、ははは……」
ばつが悪そうに笑う彼女。
このあいだのパーティのとき(クリスマスのパーティね)に見せたのと違う表情に、なぜか僕は少しどきりとした。
「虎眼石ちゃんも大変だねぇ……」
「まぁ、あの子も『感覚が鈍らなくてちょうどいい』って言ってくれてるし」
「虎眼石ちゃんはすごいなぁ……」
――カランコロン……。
突然、どこからかはわからないが鈴のような音がした。
「あ、もうそろそろ準備しなきゃ。虎眼が帰ってくるわ」
「えーと、僕はどうすれば……」
「とりあえず適当にくつろいでてね。それとも裸で帰る?」
「くつろがせてください……」
後者の言い方がなぜかノリノリだった。本気なのかな……怖い怖い。
とりあえず、服が乾かないことには身動きができない。ストーブの上で乾かしてもらっているけど、生地が厚いのでなかなか乾かないようだ。仕方がないので、ソファーに横になる。
忘れていたわけじゃないけど、雲母のことも気に掛かる。たぶん心配はないと思うけど……。
「ん……」
いろいろ考えていたら、いつのまにか意識が飛んでいたようだ。そろそろ服も乾いたころ……。
「!?」
目の前にあるは見覚えのある映像。顔近い顔近い!
すやすやと寝息を立てる置石ちゃん。しかし、この子もこんなに可愛い寝顔をするものなのか。無防備すぎる……もう少し、この一時を満喫しても罰は当たらないよね。
――ギィ……。
「ただいまー」という掛け声と共にやってきた彼女。
目が合った。思考がフリーズしたように固まっている彼女、もとい虎眼石ちゃん。
「えーと……こんにちは……ははは……」
今の状況をおさらいしておくと、僕のそばで寝ている置石ちゃん。そして僕は今、毛布を被っているが裸である(かろうじてパンツは装着したままだけど)。つまり……。
――ジャキ……。
得物を構える虎眼石ちゃんと……雲母。いつのまに? といっている場合ではないようだ。ヤバイですこの状況。ごめんね黒曜石。僕はもう駄目かもしれない……。
「あ、あの……二人とも落ち着いて、ね?」
この発言を引き金に、二人が迫ってくる――。
「ん……ふぁ~」
と、ここで目覚める置石ちゃん。助かったかも……。
「んあ、虎眼おかえりぃ~」
寝ぼけ眼を擦りながら、虎眼石ちゃんに挨拶する置石ちゃん。だがしかし、虎眼石ちゃんのただならぬオーラ、眼力に、目線の先を辿り振り返る……。
「きゃあああああああああああああああああ!!!!!」
いろいろ考えていたら、いつのまにか意識が飛んでいたようだ。そろそろ服も乾いたころ……。
「!?」
目の前にあるは見覚えのある映像。顔近い顔近い!
すやすやと寝息を立てる置石ちゃん。しかし、この子もこんなに可愛い寝顔をするものなのか。無防備すぎる……もう少し、この一時を満喫しても罰は当たらないよね。
――ギィ……。
「ただいまー」という掛け声と共にやってきた彼女。
目が合った。思考がフリーズしたように固まっている彼女、もとい虎眼石ちゃん。
「えーと……こんにちは……ははは……」
今の状況をおさらいしておくと、僕のそばで寝ている置石ちゃん。そして僕は今、毛布を被っているが裸である(かろうじてパンツは装着したままだけど)。つまり……。
――ジャキ……。
得物を構える虎眼石ちゃんと……雲母。いつのまに? といっている場合ではないようだ。ヤバイですこの状況。ごめんね黒曜石。僕はもう駄目かもしれない……。
「あ、あの……二人とも落ち着いて、ね?」
この発言を引き金に、二人が迫ってくる――。
「ん……ふぁ~」
と、ここで目覚める置石ちゃん。助かったかも……。
「んあ、虎眼おかえりぃ~」
寝ぼけ眼を擦りながら、虎眼石ちゃんに挨拶する置石ちゃん。だがしかし、虎眼石ちゃんのただならぬオーラ、眼力に、目線の先を辿り振り返る……。
「きゃあああああああああああああああああ!!!!!」
やっぱり助からなかった。
「いててて……」
またもや気絶したものの、なんとか虎眼石ちゃんと雲母の二人には理解してもらった。それにしても、二人の迫力といったらもう……いや、このことは忘れよう、うん。
虎眼石ちゃんの機嫌は治ったけど、目の前を先行する雲母の機嫌がまだ治らない。置石ちゃんと虎眼石ちゃんに挨拶をして別れたけど、雲母はずっと不機嫌だ。
またもや気絶したものの、なんとか虎眼石ちゃんと雲母の二人には理解してもらった。それにしても、二人の迫力といったらもう……いや、このことは忘れよう、うん。
虎眼石ちゃんの機嫌は治ったけど、目の前を先行する雲母の機嫌がまだ治らない。置石ちゃんと虎眼石ちゃんに挨拶をして別れたけど、雲母はずっと不機嫌だ。
「なぁ雲母……」
「……鼻の下を伸ばしすぎだ変態」
話掛けたらこの有様。さすがにちょっと凹むかも……。
「……だが、今回は私にも非がある……す、すまない……」
意外にも雲母が謝ってきた。最後の方はボソボソといった感じで聞き取れなかったけど、可愛いところもあるもんだ。
「!? ニヤニヤするな馬鹿者!」
雲母の飛び蹴りが飛んでくるが、それほど怒ってないようで安心した。さあ、早く帰って……。
「……っくしょん!」
……風呂入ろう。
「……鼻の下を伸ばしすぎだ変態」
話掛けたらこの有様。さすがにちょっと凹むかも……。
「……だが、今回は私にも非がある……す、すまない……」
意外にも雲母が謝ってきた。最後の方はボソボソといった感じで聞き取れなかったけど、可愛いところもあるもんだ。
「!? ニヤニヤするな馬鹿者!」
雲母の飛び蹴りが飛んでくるが、それほど怒ってないようで安心した。さあ、早く帰って……。
「……っくしょん!」
……風呂入ろう。