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  • 二人の武道(後編)

二人の武道(後編)

最終更新:2008年08月06日 02:46

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だれでも歓迎! 編集

二人の武道(後編)



その時、軽い老人の声が背後から聞こえてくる。
いつの間に自分の後ろへと移動した――と思うべきところなのだろうが、このタイミングで仕掛けてくることも、この亀仙人のスペックならば瞬間的に背後へ回るのが可能だということも鬼龍にはわかっていた、

「忘れてなどいない。だからこそ貴様らは今まで俺に仕掛けてこれなかったのだろう」

そう……亀仙人と真夜がずっとルフィ一人に鬼龍の相手を任せっぱなしにしていたのは、二人が戦っている間に彼の隙を突こうとしていたためだ。
少しでも隙があれば攻め入るつもりでじっと待っていたのだが、鬼龍はその点見事だった。
ルフィと互角以上に戦いながらも決してこちらに対する警戒を怠ることなく、結果亀仙人ほどの使い手でもそこに一分の隙も見つけることができなかったのだ。
だがさすがにルフィにとどめが刺されることだけは防がねばならず、亀仙人はそこで無理にでも割り込むしかない。
そしてそれを全て読んでいた鬼龍は、倒れているルフィのことはひとまず置いておき、上体を思い切り捻ると後ろにいる亀仙人目掛けて裏拳を放った。
――だがそこにいる亀仙人の体は、圧倒的な質量を誇る鬼龍の拳がぶち込まれると同時、ぐにゃりと変化した。

「!」
「ほほ、俗に言う残像じゃよ」

声が聞こえてきた方向……すなわち自身の真下に首を向けようとしたが、次の瞬間に彼が見たのは何故か空だった。
首が下がりかけたその時を狙って、逆に下からの亀仙人の掌打によって勢いよく上に押し上げられたからだ。

「ぐ……ッ」

人体というものはどんなに鍛えても、完全にカバーすることのできない弱点がいくつかある。
そのカバーしきれない致命的な弱点の一つは、脳が揺れること。
これにはたまらず鬼龍は、この時初めて体をよろめかせて後ろに下がった。
そこを逃す手はない。亀仙人は宙に舞い上がって鬼龍の背丈を飛び越えるほどの跳躍力を見せると、その顔面に思い切り蹴りを食らわせた。
一度バランスを崩した人間は脆い。それは先ほどのルフィでも実証済みだ……そしてこの鬼龍もまた例外ではない。
さらに、かつて武道の神とまで謳われた亀仙人の蹴りだ。
単純な破壊力ではルフィの方が上かもしれないが、鋭さが格段に違う。
遂に鬼龍をそれまで支え続けてきた二本の足は地面を離れ、彼は背中から後方にある建物の壁まで飛ばされた。

「ちぃっ」

だがこんなものでやられる鬼龍ではない。
一刻も早く朦朧とする意識を回復させなければならないが、立ち止まっては追撃がくることは必至。
追突した壁から素早く抜け出ると、すかさず大きく右へ跳んだ。
案の定、その数瞬後に亀仙人が自分が今いた場所に突撃し、壁ごと建物が破壊されたのをぼやけた視界の中で見ることができた。
もう少し判断が遅れていればやられていたかもしれない――

「老師が言っておったろう。『わしら』を忘れてもらっては困ると」

その時――銀髪の若い女の『顔』が上空から降ってきた。
何故体よりも先に顔が見えたかといえば、答えは簡単だ……その女が、ムーンサルトの要領で空中を舞っていたからだ。
それは、その女の背中に翼があるのではないかと一瞬疑うほどにきれいな光景だった。
言わずもがな、彼女は棗真夜。
既に身体操術は解いており、本来の姿である十七歳の美少女に戻っている。
艶かしい姿態を恥ずかしげもなく見せつけるように、宙にその身を投げ出している。
片手に亀仙人の支給品であった石のナイフを借り受け、それを一気に振り下ろさんと鬼龍の頭上に降りてくる――

「俺も言ったはずだ――忘れてなど、いないと」
「!?」

ふと、真夜は鬼龍の姿勢がおかしいことに気づいた。
こちらに背を向けたまま右足一本で立っているが、もう片方の足がどこにも見当たらないのだ。
どこだ、どこに行った。もう一本の左足は、どこへ消え……――ッ!?

「ぐあっ!?」

……死角から放たれた鬼龍の回し蹴りにより、真夜の体は一瞬にして地へと叩き落された。

「ガッ……」

咄嗟に体を捻ることでまともに喰らうのは避けられたものの、与えられたダメージそのものは消えていない。
まさか、完全に回復しきっていない頭でこれほどまでに完璧な回し蹴りをしてくるとは思っていなかった。
それも威力精密さどれをとっても、今までの相手とは比べ物にならない。
これが、この鬼龍という男の長年の戦いによって積み重ねられた経験と勘というものか。
どうやら鬼龍は相手が女だからといって手加減するような男ではないらしく、倒れ伏した真夜の背骨に足を乗せると自身の全体重をかけてきた。

「あが……ッ、ガッ、――ッ、――ッ!」

たまらず、真夜は肺の奥から搾り出すように苦悶の声を出した。
ミシミシと体のどこかが悲鳴をあげている。
視界がゆがみ、目の端から生理反応としての涙がにじみ出てくる。

「女が男に勝つことなどできん」

鬼龍が、まるで独り言を呟くように口を開いてきた。
その口調には侮蔑といったものはまったく感じられない。
これは、むしろ……そうだ、哀れみだ。
女として生まれてきた真夜に対して、この男は心底哀れみを覚えているのだ。

「これを差別と思うか? 違うな……厳然たる事実だ。筋力から骨格一つ一つに至るまで、女が格闘技において男に優れたものなど、何一つない」
「……ッ!」

何か言い返してやりたいが声が出てこない。
鬼龍のかける力は留まることなく、どんどん重くなってきている。
これ以上やられると、本格的にまずい――

「ぬ!? マヤちゃん今行くぞい!」

遠くから、ようやく崩壊した壁から出てきた亀仙人の声が聞こえた。
だがそれがとても間に合わないだろうことは、真夜自身がよく知っている。
鬼龍があとほんの少し足に力を入れるだけで、自分の華奢な骨はあっけなく折れてしまう。

「女として生まれてきた自分の運命を呪え」

その言葉を最後に、真夜の背中に乗せた足がほんの一瞬軽くなる。
だがこれは、直後に訪れるとどめのための前ふりに過ぎない。
――もはやこれまでかと、覚悟を決めたその時。

「こんにゃろォ!」
「!?」

今の今まで気絶していたと思っていたルフィが、例のごとく自身の腕を伸ばして、鬼龍の横っ面を殴りぬいた。
今度こそまともに喰らってしまい、鬼龍の巨体が大きく揺れ、真夜の背中から足が離れる。

「礼を言うぞ、ルフィ!」

その隙にうつ伏せの状態から前に体をずらして一瞬丸まると、真夜は倒立するような形で足を上へと突き上げた。
そしてそのまま開脚して肉付きのいい腿を露にし、地面のアスファルトについた両手を軸に思い切り回転する。
それによって真夜の足が鬼龍の腰に直撃し、立て続けに彼の体勢を崩すことができた。
――さらにそこへ、亀仙人が飛んでくる。

「喰らうがよい!」

駆けてくる勢いがプラスされた亀仙人の一撃。これをもらえば鬼龍も無事では済まないはずだ。
ほぼ勝ちを確信した真夜の顔に――しかし、何か赤いものが飛び散った。

「ぐおっ……!?」

亀仙人のうめき声に少し遅れて、彼の愛用していたサングラスが割れたまま、地面に音を立てて落ちた。
見ると攻撃を仕掛けようとしていたはずの亀仙人が、自身の顔を片手で押さえたまま立ち止まっているではないか。
そこから視線を誘導すると、鬼龍の下げている右の指に血が滴り落ちているのがわかった。

「お主、老師の目を……ッ!」

全身を巡る血が一瞬で冷えていくのを真夜は感じた。人が本当に怒りを覚えた時に起こる現象だ。
亀仙人が押さえているのは顔……もっと正確に言えば、目の部分。
鬼龍はあの瞬間、亀仙人の攻撃をもらう前に相手の目をその右手の指で潰したのだ。

「老いたな、武天老師」

当の鬼龍は、どこか残念そうな声でぽつりとそう口にすると、立ち止まった亀仙人に上段蹴りを食らわせる。
元々体格に差のある二人だ。鬼龍の蹴りをまともにもらい、亀仙人は敢え無く吹っ飛んだ。

「何やってんだお前ェ! よくも亀のじいちゃんを!」

亀仙人がやられて黙っていられないのは真夜だけではない。
怒り心頭といった様子で、ルフィが勢いに任せたまま突っ込んでくる。
だが無為無策にやってくるだけでは鬼龍の相手になるはずもない。
今度こそルフィを一撃で仕留めようと右手の五指を曲げ、必殺の体勢に入る。

「させぬ!」

手に持つ石のナイフで、真夜は鬼龍の体を切りつけんとアスファルトを蹴って飛び掛る。
だがそれは咄嗟に身をかわした鬼龍の、身にまとったコートを一部切り裂いただけに留まってしまう。
しかしそれだけで終わるわけがない。たとえ石でできた原始的な武器といえど切れ味は抜群だ。
せめて奴の腱のどこかしらを切ることができれば、状況は一変するはず。
そう信じて真夜は二撃目、三撃目を繰り出していく。

「……!」

その戦闘を見て、ルフィは立ち止まった。
自分の割り込める隙間が、まったく見当たらなかったからだ。

(たしかに、単純な肉弾戦においては女は男に敵わぬかもしれん)

そんなことはこの男に言われるまでもなくわかっている。
――だがしかし、その差を埋めるためにこうして武器というものが存在するのだ。
いかに肉体が強力なれど、一振りの刃の前には皆平等にただの肉の塊に過ぎない。

「それが貴様の切り札か」
「ははっ、どうかのう!」

果敢に攻め続ける真夜。
だが時間を長引かせては、相手に反撃のチャンスを与えるだけだ。
ここは一瞬でケリをつけなければならない――

「!」

その時、下から上へと真っ直ぐに手を蹴り上げられ、真夜の持っていた石のナイフが天高く舞い上がった。
唯一といっていい武器を失い、真夜の顔が絶望に満ちる。

「この程度か」

右手を跳ね上げられたためにガードが空いた。
そこに鬼龍の一撃が見舞われることは誰の目から見てもわかりきっている。
わかってはいても、避けられない。
――避ける必要が、ないからだ。

「誰が武器が一つだけと言うた!?」

叫び、真夜は石のナイフを持っていた右手とは別に……左手に隠し持っていた一本の小枝を取り出した。
それは正真正銘ただの小枝。
石器ナイフの切れ味を試すために草を切っていた際、ついでに近くに生えていた木から拝借しただけの小枝。
――だがそれも、真夜にかかれば強力な武器と化す。
真夜の『氣』は『木』。岩をも断つ樹の刃。
この世における様々な物質に氣を送り込むことで、彼女は先の石のナイフとは比べ物にならないほどの殺傷力を持った刃を作り出すことができるのだ。

「でやあっ!」

そして硬質の刃と化した小枝を、思い切り切り上げる。
この男に対してちまちまとした攻撃はさして効果のないことだ。
彼女の狙いは最初から一つだけだった。それこそ一瞬で勝負をつけることができる箇所。

(首輪か……!)

鬼龍の顔に動揺が生まれる。
体そのものを狙ってくるのならば、体内に気を練ることで軽傷に済ますことも不可能ではない。
だがこの女はそうではなく、首輪を傷つけてそれを爆発させることを狙っている。
これはさすがに鬼龍といえど防ぎきれるものではない。

「おのれっ……」
「喰らうがいい!」

真夜の二段構えの策は、結論からいえば成功だった。
咄嗟のこと、それもこんな至近距離からの攻撃なこともあって、鬼龍はどうすることもできずに真夜の攻撃をその首輪に受けるしかなかった。
真夜はその瞬間、勝利を確信した。
――しかしそんな希望をあざ笑うかのように、彼女の手元に固い衝撃が走る。

「なっ!?」

たしかに首輪を切りつけることはできた。
だがこの世の全てを切り裂くはずだったその木の刃は、首輪を切断はおろか傷一つつけることすらできなかったのだ。
馬鹿な、と真夜は驚愕する。
勝利は確定していたはずだ。
この刃が首輪を切って爆発を誘うと同時、自分は巻き込まれないためにすぐに鬼龍から離れる。
あとはそれだけでよかったはずなのに。
この首輪、一体どんな物質で出来ているというのだ。

――瞬間、動きの止まった真夜の顔に、鬼龍の最大級の威力を伴った拳が襲い掛かる。

「!」

唐突に思考を揺り戻し、その飛んでくる拳に右手を合わせると真夜は後方へと力を受け流す。
そして腕が完全に伸びきったと同時、それを掴んだまま、まるでサーカスの曲芸のように地面を蹴って宙に上がった。
たとえ今の目論見が失敗したとて、それで戦いに負けたわけではない。
せめて腕の一本だけでも破壊できればルフィか老師のどちらかがきっと倒してくれる。
それだけを信じ、真夜は宙に浮いた自身の体を思い切り右回りに捻った。
鬼龍の拳は強く真夜の手に握り締められたままだ。そんな状態で彼女が回ればどうなるか。
そうなれば当然鬼龍の腕もまた同時に捻られ、筋肉と骨、両方が破壊されて使い物にならなくなる。

しかし右回りに捻ったはずの体が、不思議なことに逆回転している。
おかしい。
右に回ったのなら鬼龍の靭帯が断裂する感覚が伝わってくるはずなのに、それどころか自分の手はいつの間にか奴の拳から離れている。

――ああ、そうか。
あの瞬間、鬼龍は自分が回転する方向と逆に、自身の腕を強烈な腕力で捻ったのか。

……無防備に宙に浮いている真夜の目に、彼が追撃を加えようともう片方の拳を腰だめに構えている姿が映った。
そして少量の吐しゃ物が口から出た感覚を最後に、彼女の意識は一瞬で遮断された。
豪快に吹っ飛び、一度大きく地面にバウンドすると、ゴロゴロと糸が切れた人形のように転がっていき――その先にある崖へと、吸い込まれるように落ちていった。

「真夜ァッ!」
「お前もだ、麦わらの小僧」
「!?」

彼女に気をとられた瞬間に、鬼龍は一瞬でルフィに詰め寄ると、同じように一撃を喰らわせた。
幸い発勁ではなかったためにルフィ本人にダメージはなかったのだが、その勢いは如何ともしがたく、彼もまた崖へ飛ばされていく。
下は海。落ちればゴムの能力と引き換えに万年カナヅチとなってしまった彼は溺れてしまう。
助かることは容易だった。単に落ちないように陸地に向かって腕を伸ばせばいいだけなのだから。

だが自分の真下で意識もなく落ちていく真夜を目撃した時、ルフィの頭からそのような思考は消え失せた。
まったく同時に二つのことを考えられるほど彼は賢くはない。
ただ、真夜を助けなければ。そう思っただけだった。
――結果、彼は腕を陸ではなく真夜に伸ばして彼女の体に巻きつけて引き寄せると、そのまま崖下の海中へと沈んでいった……

◆

「邪魔なガキ共は始末しておいたぞ、武天老師」

その場にいた四人の内の半分が消え去ったあと。
鬼龍は、ようやく目を閉じたままふらりと立ち上がった亀仙人に話しかけた。
亀仙人の目からは、痛々しい血の涙が流れ続けている。どう見積もっても失明は免れないだろう。

「お主……甘く見たのお」
「なに?」

だが亀仙人は、不敵に笑った。
二人を海へと落とされ、自身もまた両目が見えないというこの状況で、笑ってみせた。

「あの二人はまだ死んではおらんよ。気でわかる」
「……だとしても、それがどうした? 今ここで俺と貴様が戦うことに、何の関係がある」
「鬼龍といったかの……お主は、何故戦う?」

突然、亀仙人は鬼龍に問いかける。
問答をするつもりはなかったものの、彼は迷いなく答えてみせた。

「俺が最強であることを示すためだ」

その一言は簡潔であるが故に、他のどんな百の言葉よりも力があった。
だが亀仙人は、何故かどこか哀れみを覚えているような顔になる。
彼のその表情に、鬼龍は苛立ちを覚えた。

「最強……そのようなものを目指して何とする。その先には何もない。ただ、お主がむなしい思いをするだけじゃ」
「最強のその先だと? そんなもの、最初から求めていない。ただ俺がこの世で最も強い――その事実があるだけでいい。それ以外は何もいらん」
「じゃが時は過ぎ行くものじゃ。こ~んな小さかった小僧が、今や二児のパパになるくらいにの。そうなれば当然人は老いる。新たな世代が台頭してくる。
それでもなお最強なんぞというまやかしに固執するぐらいなら、わしは喜んでその座を彼らに明け渡そう」

亀仙人のその言葉に鬼龍は失望を露にした。所詮、この爺もこの程度だったか、と。
武道家は戦いを止めた時から弱くなる生き物だ。だからこそ、どこまでも戦い続けなければならない生き物でもある。
ただ己が一番強くありたいという、その純粋な願いのためだけに。

「――爺。実戦を退いてから、どのくらいになる」
「さてのう……もはや周りがわしの手に負えないようになってから、もう随分と時が経つ」
「そんなことだから、俺に簡単に目を潰される。武道家は戦い、敗れて死ぬまで武道家だ。そしてそこから逃げ出した貴様に、もはや用はない」

鬼龍はこれ以上話すことはないと戦闘態勢に入った。
未練などない。この爺は、とんだ見込み違いだった。

空気が張り詰め、再び全てが静止する。
その中で、亀仙人は静かに口を開いた。

「……じゃが、そんな老いぼれでも戦わなければならん時があってな」

決して目は見えない。彼の世界は、どこまでも続く闇のみ。
だが目が見えないからこそ、逆に見えるものがある。

「お主のような者だけは、この命に代えても逃すわけにはいかん!」
「戦うことを止めた爺がほざくな……!」

そして両雄が、激突する。

◆

――勝負は長くはかからなかった。

一線を退いてから日が長いとはいえ、さすがに武天老師はこれまで戦ってきた誰よりも強かった。心苦しいことだが、認めざるを得ない。
あの老師がまだ現役だった頃はあれ以上の力を持っていたのだと思うとぞっとする。
だがそれ故に、彼が戦いの世界から身を引いたことに鬼龍は残念な気持ちを覚えた。

「まさか、静虎や尊鷹以外に俺に灘神影流の技を使わせる奴がいたとはな……」

鬼龍は久方ぶりに本気を出した。
これまで滅多なことでは使ってこなかった奥義を放ち、結果辛くも勝利を収めることができた。
そう――鬼龍は勝ったのだ。自身も決して無傷とはいかなかったものの、この老師に勝つことができた。
そこには喜びよりもむしろ、亀仙人がここまでの使い手であったことに対する感謝の念があった。
鬼龍は、目の前で力尽きて倒れている老人に向かって心中で礼を言う。
彼を弔う気はさらさらなかった。
戦う者に墓標は必要ない。それこそが、鬼龍の亀仙人に対する最大の敬意の表れだからだ。

背を向けると、そのまま何処へと向かって歩き出す。
目的地はどこでもよかった。ただ強者がいればそれでいい。
この世界は本当に面白い。
こんな序盤から、これほどの使い手に出会えたのだ。
他に参加している連中もまた、相当な力を持っているに違いない。
それらを全て、この手で叩き潰すことができる。これほど嬉しいことはない。
彼にしては珍しく純粋な興奮に笑みを浮かべながら、鬼龍は進んでいく。

◆

――そして次の瞬間、彼の頭部に何かで強く殴られたような衝撃が走り、それまで何があっても地に伏すことのなかった鬼龍の体は大きく音をたてて崩れ落ちた。
視界が大きく揺れ、世界が垂直となる。何が起きたのか、まったく理解ができない。

そしてその先に彼は、一人の若者が銃を構えているのを見た。
髪を長く伸ばした、長身の男……

「……悪いな。いくら武道を極めようと、所詮あんたはこれまで俺が戦ってきた化け物なんかじゃない……鉛弾一発で死んでしまう、ただの人間ってことだ」

薄れゆく意識の中、鬼龍は理解した。
自分が、たかだかあんな銃一つにやられたのだということを。

いつもなら気づいていただろう。殺し屋に命を狙われることなど特に珍しくもない。
だが亀仙人と戦った直後で、軽い興奮状態にあったこと。それが、あの男にここまでの接近を許してしまった。
なんという不覚か。

(この俺が、こんなつまらないことで死ぬだと?)

男がもう一度確実に頭を狙おうと近づいてきたのを見た瞬間、鬼龍の中で何かが弾けた。

「なっ!?」

瞬間、男は驚愕に目を見開く。
たしかに自分の撃った弾はこの鬼龍とかいう奴の頭に当たったはずだ。
本来なら即死。こうして近づいてきたのも、ただ念を入れるためだけに過ぎない。
なのに、もう死んでいるはずの鬼龍が頭から血を流しながらも立ち上がってきたのだ。

「調子にのるな小僧……貴様ごときにこの俺は殺れん。この世で俺を殺していいのは唯一人、俺だけだ!」

最後の炎。
もはや相手の姿もよく見えない中、鬼龍は男に向かって突撃し――突然、ガクンと地面に膝をついた。

「!?」

男に銃で撃たれたためではない。
鬼龍もまた、亀仙人と戦って体が限界を迎えていたのだ。
ここにきて体が動かないことに、鬼龍は深い無念を覚える。

「悪いな……終わりだ」

男が冷静に、銃を構えなおした。
もはや死は避けられないだろう。
だが――

「……覚えておけ、小僧。俺を殺したのは――決して貴様ではないということを」

男……和泉紫音の放った銃弾が、鬼龍の脳天を貫いた。



【F-4 道路上/ 一日目 早朝】

【和泉紫音@GANTZ】
【装備】:ベレッタM92(残弾数、予備含め28)@現実
【所持品】:支給品一式 首さすまた@地獄先生ぬ~べ~
【状態】: 左耳欠損(未治療)
【思考・行動】
1:なんとか鬼龍を殺せたことに安堵
2:アーロンの案に乗る。
3:ガンツからの指令に従う。

※ 参戦時期はゆびわ星人編前です。
  二日目の深夜にD-4でアーロン・ゆきめと合流する約束をしました。

【武天老師(亀仙人)@DRAGON BALL 死亡】
【鬼龍@TOUGH 死亡】

※ 亀仙人のデイパックと支給品である石製のナイフ@TOUGHと44番のバッジ@HUNTER×HUNTER、
  鬼龍のデイパック(支給品一式、未確認支給品1~3)が放置されています

◆

「うごがぼぺ! な、なんどが助がっだ……!」
「すまぬ……世話をかける、ルフィ……だがあまり叫ぶな。頭に響く……」

同時刻、崖下の海。
当初、二人は為す術なくただ沈んでいくだけだったが、その中でルフィはデイパックの中から出てきたあるものを手にした。
先の戦闘では使わなかった真夜のもう一つの支給品、如意棒。それを見た瞬間、ルフィにしては珍しく閃いたものがあった。

真夜を背中に背負ったまま、如意棒を縦にかまえるとそれを限界まで伸ばす。
幸いそこまで深いところではなかったらしく、比較的早く如意棒は海底にその根を下ろすとあとはぐんぐん水面へ向かっていき、結果なんとかルフィと真夜の二人は海中から浮かび上がることができたのだった。
当然長く伸びた如意棒はバランスを崩すが、なんとか崖のほうに向かって倒れてくれたためにつっかえ棒となり、再び沈んでしまうというようなことはなかった。
そうこうしている内に真夜も目を覚まし、現在高くそびえ立つ崖を下から見上げている形となっているのだが……

「……さて、これからどうしようか」

途方に暮れる二人には、海の向こうから朝日が顔を出したのにも気づくことはなかった。

【F-4 崖下の海/一日目 早朝】

【棗真夜@天上天下】
【装備】:如意棒@DRAGON BALL
【所持品】:支給品一式
【状態】:衰弱
【思考・行動】
1:老師は無事であろうか……
2:ここをよじ登るだけの体力はないぞ……
3:妹や仲間がここに来てないか心配


【モンキー・D・ルフィ@ONE PIECE】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式
【状態】:健康
【思考・行動】
1:亀のじいちゃん、大丈夫か!?
2:早く陸に上がらねえと!
3:仲間を探す。
4:それにしても真夜、なんかでっかくなってねえか?



026:恐るべき妖刀 投下順 028:神への道
037:男の戦い ver.snow 時間順 031:鬼女 が 生まれた 日
初登場 鬼龍 死亡
007:谷間 武天老子(亀仙人) 死亡
007:谷間 モンキー・D・ルフィ
007:谷間 棗真夜
020:約束 和泉紫音

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