ドッカアアアアアアアアアアアアア……ン!!
リゾットがブチャラティたちの嘘の情報を伝え終えたその時。
2人の間を崩すのに、それは最高の介入だった。
天から零れ落ちた巨魁の襲来だ。
「ゲーッ! 何だありゃあッ!? 」
「驚いたな……」
「知っているのかよリゾット!?」
相手に聞こえるように舌打ちしながら、リゾットは手を組みなおす。
そのわざとらしい返事を受ければ、彼は苛立っているはず――と誰もが考えたくなる。
だが怒りと呼ぶには硬すぎる顔、焦りと呼ぶには静かすぎる態度。
憤怒の感情を汲み取るにしては、彼の全てはあまりにも無で、あまりにも冷え切っていた。
「隕石だ……誰だってそう答える」
「な、なんだってーーーーーーーーーー!?」
「俺にはそう見えた。知らないのか? 」
とはいえ彼がそうだというならば、それは隕石以外の何ものでもない。
F・Fは両手を広げて、世界のポーズ、アメリカ式"信じられない!”をするしかなかった。
刑務所内の図書館でしか見たことがなかった隕石の墜落。
リゾットという男を警戒し、かつ探っていたからときに、このアクシデントは精神的動揺による混乱を招いた。
「まずいぞ……本で読んだことがあったが、あんなにスゲーのかよ! 」
「確かにまずいな。隕石でひしゃげた鉄塔に、命知らずの野次馬が集まってくるかもしれない」
「そんなんじゃねーッて! 問題はそこじゃねーッ! 」
F・Fには心当たりがあった。
ウルトラセキュリティの独房で、
空条徐倫から小耳に挟んだ『隕石のスタンド使い』。
エンリコ・プッチのスタンドDISCで隕石使いになった、刑務所の看守と徐倫が死闘を繰り広げたこと。
看守は再起不能になったが、スタンドDISCは行方不明だった。
「神父の野郎……もう次の『使い手』を見つけたのかッ!? 」
エンリコ・プッチ神父のスタンド、ホワイト・スネイクの凶悪さはスタンドのDISC化による永久保存。
相手才能さえ噛み合わさってしまえば、何度でも再利用でき、新たなスタンド使いを生み出すことが可能なのだ。
「おいF・F! あそこに向かうのかッ!? 賢い行いじゃあないぞッ!」
常識を持って呼び止める男の忠告に、FFが止まるはずがない。
この数分でほとんど好意を見せなかった男に、反応など期待していない。
それよりも、あそこに敵がいる……空条徐倫の敵がいる、という明らかな事実。
いてもたってもいられなかったのだ。
『新たな隕石の使い手』は仇敵であるプッチ神父と接触していたのかもしれないのだから。
「"ゼンはイソげ"ってのは賢い行いだろーがよ。じゃあな! また後で会おうぜ!」
F・Fが脱兎の如く急ぐ姿を、リゾットは見送るしかなかった。
【D-2 森の中/1日目 深夜~黎明】
【
F・F】
[スタンド]:
フー・ファイターズ
[時間軸]:DアンG抹殺後
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:加湿器、メローネのマスク、支給品一式
[思考]:
1.鉄塔を目指す。(隕石のスタンド使い、及び近くにいるであろうプッチ神父の始末)
2.徐倫達に会ってホワイトスネイクの正体を教える
3.承太郎のDISCを奪還する 勿論荒木は倒す
4.あとでリゾットと組んで行動し、リゾットを信用していいかその時に見極める
5.ブチャラティチームとプッチの一味は敵と判断
[備考]
1.リゾットの能力を物質の透明化だと思いこんでいます
2.承太郎はDISCを抜き取られ廃人化した状態だと思いこんでいます
3.リゾットの知るブチャラティチームの情報を聞きましたが、暗殺チームの仲間の話は聞いてません
4.隕石を落としたのはウエストウッドじゃあない別のスタンド使いだと思っています。
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最終更新:2008年11月13日 08:30