そうだなあ、次は、テレンスつながりでこれについて説明しようか。『ザ・ワールドのスタンドDISC』。
素質さえあれば、頭部に挿し込むだけでスタンドを手に入れられる。
数ある中でもこのスタンドは『最強』の名を冠するに相応しいほど強力無比。
使いこなせば殺し合いの優勝だって夢じゃあない。
でもね、これほどのスタンド、素質のある人はそうそういない。
明らかに素質の無い、使い道が分からないテレンスに渡すのはもったいない気がするけど、それはまあ置いておくとしよう。
ところで、主催者にとってこのDISCは誰に渡って欲しいと思う?
まっとうに解釈すれば、無差別に殺し合いに乗ってくれるような人が最適なんじゃあないかな。
いくら素質があったって、戦わないんじゃあ意味がないしね。
で、だ。実は、その条件に合う、素質のありそうな参加者に主催者は接触したことがある。
条件に合う、と言ったけど、正確に言えば乗り気にさせる最後のひと押しをしに行ったってところかな。
だったらなおさらなんだけど、その時点でDISCを渡してしまえばよかった。
テレンスに持たせて宝を持ち腐れさせるよりはよっぽどね。
その時は確か、
エシディシも殺し合いに乗り気ではなかったはずだし。
気まぐれだったんじゃあないかって言ってしまえばそれまでなんだ。でもそれは味気ない結論だよ。
……ピンと来てないようだし、もっと決定的な事を言ってしまおう。
スタンドDISCは支給品になっているはずがないんだ。
この際だからバラすけど、首輪は装着者の生命エネルギーで動いてる。
ちょうどスタンドが本人の生命エネルギーで発現してるものだから、利用してるんだけど。
だけど、下手にスタンドDISCを複数枚挿されてしまうと、首輪が壊れる可能性があるから僕が止めさせたんだ。
素質どうこうは関係なく、挿すだけでもエネルギーは増幅するからね。
スタンドDISCは一枚も含まれていないと、わざわざデイパック漁って確認もしたよ。あ、ダービー島のご褒美含めて、だよ。
それじゃあつまらないと、生命エネルギーを増幅させる石仮面や赤石はしかたなく許可したんだけど。
石仮面はそこまで脅威でも手軽でもないし、見ただけで壊す参加者だっている。赤石とセットにして使った時の対策も付けた。
つまりは、手軽すぎるから問題ってだけなんだ。
しかもよりによって、最強と言っても良いスタンドのDISCだよ? 首輪に掛ける負荷は相当強いことが予想される。
何が言いたいかっていうとさ。
『ザ・ワールドのスタンドDISC』はもともと、賭けのご褒美でも支給品でもなかったってこと。
僕はちゃあんと確認したんだ、DISCは主催者が個人的に持ってたものだと断言するよ。
主催者本人は支給品と言い張ったけど。
これを私有してた、っていうのはもっと特殊な意味合いがあったんだよ。
それこそ、DISCを挿して最強のスタンドを手に入れる、なんてチャチな理由じゃあ断じてなく、さ。
手放したのも、テレンスを戦場に送ったのと同じ理由かな。
これも、バトルロワイアルが滞った時の潤滑油に必要だったってこと。
★
「会場に降りついたは良いものの」
ネアポリス駅付近でひとりごちるは、荒木飛呂彦。
誰もいないと分かり切っているからか、歩みは堂々としたもので、伸びまでしはじめる。
しかし、『自分と勝負する権利』を取り付けた張本人がここまでのんびりしていていいのだろうか。
これからアナスイに決闘を申し込もうと、ひた走るわけではない。
いつ来るか知れぬ地下鉄を待っているわけでもない。
荒木飛呂彦は急がない、何故か。
「『アナスイに権利を与える』とは言ったけど、直ぐじゃなくってもいいでしょ」
会場に降り立ってまずしたこと。
それは、待機。
荒木の結論としては、こうだ。
「大人は嘘はつかない。いつかは会うけど……今から向かうのもどうかと思うしね。
それこそ彼の頑張りに水を差すようなものだし」
ちゃんとアナスイに会うつもりなのは事実。
テレンスを倒した者に勝負する権利を与えると言った以上、真摯に対応するのは大人として当然あるべき姿。
しかし、その時と場所までの指定はしていない。
何時間後だろうと、何日後だろうと、あるいは仮に躯と化した後だろうと可能だということ。
権利を与える分には全く問題はない。
アナスイの、アナスイ達の目的を考えれば、権利を与えたところで断られるのがオチだろう。
権利は、行使するかしないか自由に決められるからこそ、権利と言えるのだから。
約束を口実にしたところで、荒木に出来ることは何もなかった。
強いてあげるなら、終幕を直に見届けることぐらい。
「さあて、杜王町観光と洒落込みますかね」
さながら小旅行。さながら遊覧気分。
兵どもの夢の跡が散りばめられた戦場を闊歩する、それもいいと思っての独断行動。
真西に向かえば、最後には絶望に転化したか弱い願いの記録が。
南西に向かえば、栄光をその手に掴んだ者たちの墓標が。
真南に向かえば、誇り高き者たちが奏でた調べの跡が。
より取り見取り。
盗聴機能などによって、それぞれの顛末は把握している。
それでも、実地で得た体験・経験に勝るものはないだろうとしての行動。
事実は小説よりも奇なりと言う言葉があるように、エンターテイメントはリアリティから生まれ、リアリティを超えるエンターテイメントはない。
末路しか見えず、追体験しかできないが、王座にとどまるよりは退屈しのぎになる。
観光と息巻いていた割に荒木は俯いて、うんうんと唸り始めた。
どこから行くか決定できないらしい。
結局全部回ることになるだろうから、悩むことでもない気がするのだが。
「……あの光!?」
しばらく地面ばかり見ていた荒木が、突然、視線を地平に合わせる。
奇妙な事に、西方から、煌々と光が差していた。
朝日にしては方角が違うし、そもそも早すぎる。しかしながら人口の光にしては眩し過ぎる。
だというのに荒木は、目を焼かれる心配をこれっぽっちもせずに双眸を見開いた。
「まさか、奴め! 気づいたかッ!?」
それより驚嘆に値すべきは――荒木が露わにした、鬼とも修羅ともとれる怒気。
更には、咆哮。
果てに、奥歯の軋りがギリギリと音を立てる。
「テレンスは死んだはずなのに! 向こうで確認したから確実だ! 何か別の手を打ってきたか……チィッ!」
そこからは、瞬く間。
さながら豹の如く、大地を踏みぬくように駆け抜ける。
「もう『完成形』に到達しただろう! あの場には留まらないはず……先回りして一刻も早く始末するしかない!」
笑顔と言う絵画を張り付けたようでしかなかった顔が、苦虫を噛み潰したかの如く一変した。
天照らすこの現象は、それほどまでのイレギュラー。
荒木でさえも、波乱を予感させる脅威。
★
ああ、そろそろ君の質問にも答えてやらないといけないか。
『ここにきて急に空を通る霊が増えた』って言ったね。この後の話に関係あるから、何でか教えてやろう。
……おっと、その前に一つ謝らなきゃあならないことがある。
騙すようで悪かったけどね、大人は嘘つきではなく、間違いをするだけなんだ。
前に言ったことを覆すようだけど、聞いてくれ。
テレンスの能力は『心を読む』だけじゃあない、『賭けに負けた人間の魂を人形に閉じ込める』という能力もあるんだ。
何でも、賭けに敗北した者の魂はそのエネルギーが限りなく0に近くなって、弄り易くなるんだとか。
でも、人形に全部閉じ込めるくらいだから、魂のエネルギーは人形の中でも元と同じぐらいにはあると考えても良いかもしれない。
でないと、戻す時に不都合だろうからね。魂のエネルギーを意のままにする能力ってわけじゃあないだろうし。
ただし、閉じ込めると言っても、テレンスが死ねば人形に込められた魂は解放される。
あの世にね。
おそらく、この殺し合いが始まる以前に主催者が集めさせてたんじゃあないかな。
それらが、彼の死亡と同時に一気に解き放たれた。
僕の能力であの世に飛んでく前に固定して隠しておいたけど――
――その数ざっと40人以上。
大変だったんだよ、それだけの数を隠すのは。主催者がこっちに来るのは想定内だったけどね。
……何で数がすぐ分かったのかって?
すぐ済むだろうから、説明はもう少し待ってくれないかい?
★
『お前を縛る首輪を外そう』と聞くだけなら魅力的だ。
輪っか一つで自分の生死が左右されかねないのは、精神衛生上よろしくない。
付け加えるなら、この言葉が『嘘ではない』ことも確定している。
蜜のように甘い誘い、飛びつきたくもなる。
外す側も、外される側も、事がそれだけで済むならどれほど楽か。
「ディオ、結論を急がせるな」
「ここまでやって信じないのなら、殺人嗜好のあるゲス野郎と思われても仕方がないと思うがな」
「おい!」
甘い誘いに罠はつきものだ。
ただしディオはなにも首輪を外すと見せかけて、騙し打ちをしようと企んでいるわけではない。
もちろん完全な善意でもないのだが、とにかく純粋に首輪を外したがっている。
もたもたする徐倫に業を煮やし、多少、強引な調子の説得に変わりつつあった。
「お前が以前、俺の仲間と誤解され、殴りかかってきた女というのはあいつだろう? 聞く限り、妄想に等しい根拠だったらしい。
未来の俺が極悪人だったとしても、あいつはそれを理由に所構わず喧嘩売りたいだけって可能性もある」
プチンという擬音を付けても良いくらいに、徐倫の目つきが一転する。
「黙れッ!」
「違うと証明したければ、するべきことがあるはずだ」
言いがかりだ、誤解だと、責め立てるだけの状況証拠が徐倫にはない。
疑わしきは、で突っかかるのなら、自らが被疑者となった気分はどうだ。
脱出を、荒木打倒を目指す軍団に反抗する者という立場が、客観視できないのか。
このままでは
空条徐倫は、疑心暗鬼に駆られ、前に進むことのできない臆病者としてのレッテルをはられる。
よりによって、未来の仇敵に嘲笑される羽目に。
「彼女だって、今こうして俺たちの話を聞いてくれている。戦う意思はないはずだ!」
ディアボロが仲介に入る。
ディオにとっては、どう考えても、いらぬ世話だった。余計なおせっかいだった。
右しかない拳に握を込め、争う意思がないだけでは解決にならないというのに、という主張を抑え込む。
(命令DISCに頼るべきか?)
もう一つの案がディオの頭をよぎる。
この際だから、『ディオに従え』という命を吹き込んでしまおうかという策。
DISCの挿入さえ上手くいってしまえば、もう二度と彼女のわがままに手を煩うことはない。
それどころか、尖兵として意のままに扱える。
だが、即座に却下する。
(今はまだ早い)
この段階で、露骨に『味方に引き込まれた』者を連れて歩けば、いずれ他者に嫌疑をかけられる。
しかも、肩入れするディアボロの反応如何によっては、彼も洗脳対象になってしまう。
そもそも、DISCの挿入を実現できるかどうか。
ディアボロに手伝ってもらえばまだ可能性はあるが、そのディアボロが非協力的なのがまた問題だ。
「何にせよ、奴に意志表示してもらわないことには始まらない」
女は決断できない生き物と言うが、このままだんまりでは困る。
YESかNOか。それだけでもはっきりさせなければ時間を浪費するだけだ。
是なら万々歳。
非ならそれなりの対処は取るつもりだ。
「付け加えるなら……その決断の遅さが悲劇を招くと、何故学ばない?」
言葉の選択からは、先ほど感情的になったことへの反省の色が窺える。
ディオはそうまでして、何とかして、空条徐倫を味方に引き込みたかった。
DIOに敵対していた者が、自分の意志で協力するようになったと言う逸話は後々響いてくる。
荒木討伐のための結束はより堅固なものになること請け合いだ。
そうなれば、荒木のスタンドはより近くなる。
全ては打算。
「分かってる……。けど」
徐倫の二の言葉は、遮られた。
――極光によって。
徐倫の背後に確認された、熱を帯びていそうなほどの光の束、複数。
ライブ会場のスポットライトなど非ではない。
開かれた瞳孔が光線をもろに受け入れ、痛みさえ与える。
「なっ、何が起きた!」
「眩しい!」
暗闇に慣れたディオとディアボロは反射的に腕で目元を覆う。
しかし、徐倫はそうならなかった。輝き放っていたのは、徐倫のすぐ背後だったために。
腕を日差し避けにして、後方へ駆け出す徐倫。遅れてディアボロが、ディオが追う。
空条徐倫は、何も危険に向かう習性を有しているわけではない。
勇気も、果敢も、まして正義など捨て去った彼女が、怪奇に向かった理由は何か。
打算を、効率を、そして確実な勝利を求めた彼女が、怪異に挑んだ動機は何か。
「何か……何かがヤバいッ!」
――勘だ。
一文字で済ませることに、納得できない者もいるだろう。しかしこの場で、それ以上説明できるだろうか。
言い訳するなら、誰一人として、機械仕掛けの人形ではない。舞台装置でもない。
個人個人の行動理念、理由、動機――それらを一から十までなど、知れぬこと。
しかしあえて推測混じりの補足を入れるなら、徐倫は、引かれるものを感じていたのだろう。
好奇心とか興味とかで形容しきれない――言うなれば、『引力』を。
数十メートル先にあった発光体は、何のことはないスクラップ。
否、その上の人間。
「フフハハハハハ!」
鉄塊に等しくなったスペースシャトルの模型の上に仁王立つ男が一人。
その声、その背格好、その狂気。
他の誰かが記憶の片隅にも残していなかったとしても、空条徐倫が紛うことはない。
荒木飛呂彦。
――だが、しばらく見ぬ間に後ろ髪やまつ毛が若干伸びたように見える。
「君たちは片時も疑問に思わなかったのかい? 誰一人として深く思い悩みはしなかったのかい?
『何故だろう』と! 『何故ディオが吸血鬼でもスタンド使いでもない頃のディオなのだろう』と!」
天を見上げ、興奮気味に口走る荒木の説教は、徐倫の耳に入らない。
入ったところで、意味するところが分からなければ雑音と変わりない。
到着が遅れたディアボロも、名を挙げられたディオも、思いがけぬ荒木との邂逅に息のむばかり。
荒木の文言など、二秒で忘却の彼方。
「思わなければそのままだ! そこで考えるのをやめていればいいさ!」
愉悦げに忠告されようが徐倫は、拙考に僅かなカロリーも割けない。
駆け寄る脚力と、拳を振るう握力、遠心力に全エネルギーを注ごうと躍起になる。
スタンドを用いた跳躍、そして、全身全霊の鉄槌を振りかざす。
「『ストーン・フリー』!」
「もう遅い! 時は満ちた!」
荒木の五体が、より一層輝きを増す。
幾重もの光条は、エネルギー体となって徐倫の全身を貫いているかのようにさえ見えた。
音もなく、風もなく。
ただただ世界は白に包まれる。
「消えた……?」
再び、三者の視覚は黒の世界を取り戻す。
だが、もう遅い。
徐倫が迫っても動く予兆ゼロだった荒木が、まるきり姿を消していたのだから。
『ストーン・フリー』の拳は、仇を捉えることなく、鉄くずを粘土細工のようにへこませたのみだ。
「いや……まだだ!」
「おい、どこへ行くッ!」
光の正体は? 荒木の目的は? 独り言とも思えぬ語りの意味は?
現状把握もままならないのに、徐倫は南方へと疾走する。
足運びに迷いはない。
「奴を追うのよ!」
影もなく、形もなく、行方知れずのはずなのに。
奇妙な確信が徐倫にはあった。
「あたしは空条徐倫ッ」
名乗るは、本来の彼女の名前。
「あいつが得たものを『封印』しなければならないッ!」
今は、倒すべき敵こそが自身の存在意義を支えるものだから。
★
僕らの目的はさ、『運命になる』ことなんだ。
だから、箱庭の中で殺戮の宴を開く。僕らが引き起こした『運命』に抗う人々を見るためにね。
この話を聞いて、何を思うかは人次第さ。
馬鹿馬鹿しい、街一つ程度の狭い世界で百もいかない人々を支配した気になってる、子供っぽくて傲慢だ。
それは巻き込まれる側としてはもっともな意見だと、僕も思う。
でも、そんなのはただの言葉だ。だからと言ってやめることは出来ない。
やめたら、退いたことになる。敗北は個人個人の矜持が許ない、というか単純に、勝利したい。
『日記』に記されてる限りではね。
同じような事をしてきた者はみんな、敗北しているんだ。
細部は違えど結局、僕らに似た別の主催者らは誰もが、殺し合いを完結させる前に死んでいた。
日記には、本人による勝利宣言なんて何一つ見当たらなかったのさ。
一見、覆すことのできない運命、『日記』を読む限りではそう思えた。
そこん所を言うと、主催者はさっき定義した勝利までかなり近いところまでは来ている。
あくまで『近い』ってだけだけどね。
ではここで質問。もし殺し合いが勝利から遠い方向へ進行した場合、主催者はそれを甘受するだろうか?
まあ……しないね、確実にしない。
それを防ぐために参加者にいろいろ根回しするんだけど。
刃向うものを始末したり、狂気に堕とすため囁いたり。
今回の主催者の場合は違ったみたいだ。
当然、裏で根回しはしてた。でも、ジョナサンのことと言い、不自然な部分はあっただろう?
根回しの『質』が違った、とでも言えばいいのか。
不可解な部分をずっと疑ってたんだけど、結論が出たよ。
『切り札』があったんだ、強力な『ジョーカー』がね。
音楽の素晴らしさは連続する音の美しさであり、モーツァルトは『音符一つとしてカットできない』と皇帝に向かって言った。
生命も連続する二重螺旋の鎖、DNAから成り立っている。
そう考えると、この世には連続するどうすることも出来ない『運命』というものが存在することを認めざるを得ないんじゃあないか?
では、そのどうすることも出来ない『力』に僕たちは屈するしかないのか? 運命の前に喜びや悲しみ、努力や過程は意味を為すのだろうか?
すまない、ちょっと熱くなった。
ともかく主催者らの存在が、ある意味それに対する答えを証明しているのかもしれないと思うんだ。もしかしたら今回もその力が働くのかも。
だからこそ、勝利には程遠い、最悪の方向へバトルロワイアルが進行した場合の切り札を主催者は欲したんだ。
そう、『運命』を覆せるスタンドは存在する。
ちょっと条件が必要だけどね、手に入れてしまえばこっちのもんさ。
主催者の不自然な行動は、これが全ての答え。
ただ、主催者はジョーカーを切らなかった。勝利が近いのもあって、自分だけの力で事を成し遂げたいって欲が出たんだろう。
総合的に見れば自分のスタンドの方が、戦闘面では強いのを理解してただろうし。
あのスタンドは目的に適ってるだけで、あくまで最強や無敵さを得るための能力じゃあない。だから、頂点でいたい気持ちが邪魔したんだろうね。
杉本鈴美、これが最初で最後のお願いだ。
僕が事を済ませるまで、決して声を出すな。
絶対さっきみたいに騒ぐんじゃあないぞ。
「■■■■■」……!「■■■■」!「■■■■」!「■■■■■■■■」!
「■■■■」!………『■■■■■■■■』!『■■■■』!
「■■■」!「■■■■」!「■■」!
『■■■』!『■■■■』!『■■■』!
「 ■■■■■ 」!!
……よし!
フフ、フフフ……
アッハハハハハハハハハハハハ!
ハッハハハハハハハハハハハハ!
後は、あの場所へ向かいさえすれば!
全ては幕を開ける! そして、終焉の時だ!
おっと、言いつけを守ってくれたお礼に教えてあげるよ、杉本鈴美。
そう、運命を覆すことが出来るスタンドの名は――
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最終更新:2011年04月17日 18:26