いな(否)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 感動詞 ① 相手の言うこと、なすこと、または、質問などを拒否したり、同意しなかったりするときに発することば。いやいいえ。いやだよ。 ※万葉(8C後)二〇・四四九七「見むと言はば伊奈(イナ)と言はめや梅の花散り過ぐるまで君が来まさぬ」
② 自分の発言を途中で否定したり、ためらったりするときに発することば。いや。いやそうではなく。 ※白氏文集天永四年点(1113)三「蓬莱を見ずは敢(イナ)(〈別訓〉いなや)帰らじ」
名詞 ((一)を名詞的に用いたもの) 同意しないこと。承知しないこと。拒否すること。いやだと答えること。 ※万葉(8C後)四・七六二「神さぶと不欲(いな)にはあらずはたやはた斯(か)くして後にさぶしけむかも」
[語誌]会話の中で、否定の応答として用いられたのは平安末ごろまで。それ以降は、文語として使われ続けたが、否定していることを手短かに表わす語として、「否を申す」のように、名詞として単独で、また、「否と思う」といった引用の形で、口語文の中にも多く用いられた。
広辞苑 感動詞 (不同意・否定の意を表す)
①申し出を拒否する語。いやだ。
万葉集20「見むと言はば―と言はめや」
②問いに対して否定的に答える語。また、発言の途中で訂正したりためらったりして発する語。いいえいや。そうでない。 竹取物語「―、さもあらず」。
「日本で、―、世界で認められた業績だ」
大言海 副詞 唯莫 (イナ)ノ義ニモアルカ〕
他ノ言ヲ肯ハズシテ、打消ス語。イヤ
萬葉集、十六(イナ)()モ、(ホリ)スルママニ、ユルスベキ」
同、二十 五十九? 「見ムト言ハバ、伊奈ト言ハメヤ」

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附箋:副詞 名称 名詞 感動詞

最終更新:2024年05月06日 21:05