かど(門)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 家の周囲に巡らした、かこいの出入り口。また、家の出入り口。もん。 ※古事記(712)下・歌謡「真木栄(さ)く 檜の御加度(カド)」
※伊勢物語(10C前)五「かどよりもえ入らで、童べのふみあけたる築地(ついひぢ)のくづれより通ひけり」
② 門の前。また、門に近い庭。門のあたり。門の付近。 ※万葉(8C後)一七・三九七八「可度(カド)にたち 夕占(ゆふけ)問ひつつ 吾(あ)を待つと」
※新古今(1205)冬・六〇六「我が門の刈田のねやにふす鴫(しぎ)の床あらはなる冬の夜の月〈殷富門院大輔〉」
③ 家。家屋。宅。屋敷内。 ※平家(13C前)二「積善の家に余慶あり、積悪の門に余殃とどまるとこそ承はれ」
④ 一族。一門。 ※続日本紀‐天平宝字元年(757)七月二日「己が家家、己が門門、祖の名失はず、勤め仕へ奉れ」
⑤ 譜代の下人。一般に門屋または門の者といい、地方によって名子(なご)、被官、家来、家抱(けほう)などという。大部分は親方の屋敷内の小屋に住み、形式的には一家を形成しているが、親方への隷属性の強いものが多かった。 ※佐久郡桜井村家改帳(信州)‐延宝三年(1675)「一高弐拾八石五斗四升 吉右衛門 門 彌五郎 門 吉蔵 門 三之助 右吉右衛門屋敷内に居住仕候」
⑥ 薩摩藩で、小農民の組合をいう。
広辞苑 名詞 ①家の外構えの出入口。もん。 万葉集14「いもが―いや遠そきぬ」。
「笑う―には福きたる」
②門の前。門のあたり。また、前庭。 万葉集17「―に立ち 夕占 (ゆうけ)問ひつつあを待つと」
③一族。家系。一家一門。 紫式部日記「藤原ながら、―わかれたるは、列にも立ち給はざりけり」
大言海 名詞 〔かハ、()きノ語根カ、とハ、()ナルベシ〕
(一) ()。家屋敷ナドノ外構ニ、柱、扉アリテ、出入スベク設ケタルモノ。(モン)
古事記、下(雄略) 三十七 長歌「()()加度」
倭名抄、十 十六 「門、所以通出入也、 加度 (カド)
(二)門ノ外。門ノ前。門前 門邊 萬葉集、二十 四十九 「ホトトギス、マヅ鳴ク朝ケ、イカニセバ、我ガ 加度 (カド)過ギシ、語リツグマデ」
(三) (イヘ?) 古事記、下(淸寧) 四十三 朝廷 (ミカドノ)人等、云云、畫集 志毘 (シビ?ガ)、亦、今者、志毘亦寢、亦、其門無人」( 平群 (ヘグリノ)志毘、人名ナリ)
(四)家系 (イエスヂ)門族 續紀、二十、天平字元年七年、詔「國ノ法、已ムコト得ズナリナム、己ガ家家、己ガ門門、(オヤ)ノ名失ハズ、(イソ)シク仕ヘ奉レ」
同、三十、神護景雲三年十月、詔「永キ世ニ、門絕エズ仕ヘ奉リ」
竹取物語「此世ノ人ハ、男ハ女ニ遇フ事ヲス、女ハ男ニ遇フ事ヲス、其後ナム、かど廣クモナリハベル」
紫式部日記「藤原ナガラ、かど別レタルハ、列ニモ立チタマハザリケリ」

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最終更新:2024年04月06日 17:42