そ(其・夫)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 代名詞 他称。相手側の事物・人、または話題の事物をさし示す(中称)。格助詞「の」「が」を伴う例が多い。それ ※古事記(712)下・歌謡「葉広 五百箇真椿(ゆつまつばき) 曾(ソ)が葉の 広り坐し 曾(ソ)の花の 照り坐す」
※伊勢物語(10C前)八四「身はいやしながら、母なん宮なりける。その母、長岡といふ所に住み給ひけり」
※土左(935頃)承平五年一月二九日「とさといひけるところにすみけるをんな、このふねにまじれりけり。そがいひけらく」
※源氏(1001‐14頃)若紫「そは心ななり。御身づからわたしたてまつりつれば、かへりなむとあらば、をくりせむかし」
其・夫
[語誌]上代ではまだ名詞相当の用法を持ち、格助詞「が」「の」「を」や係助詞「は」「も」等を伴って、事物、人、話題等をさすのに用いられた。中古以降、次第に「それ」にとってかわられ、中世末には「その」以外の「そ」の用法はほとんど用いられなくなる。
広辞苑 代名詞 それそこ。その人。 古事記中「 臭韮 (かみら)一もと―根がもと―根芽つなぎてうちてしやまむ」
なにがし。某。 伊勢物語「京に、―の人の御もとにとて、文書きてつく」
大言海 代名詞 我ガ身ヨリ、稍、離レタル物事ヲ指シテ云フ語。(()()、ニ對ス)多クハ、それト云フ。 萬葉集、三 三十一 「憶良等ハ、今ハ罷ラム、子泣クラム、()モソノ母モ、()ヲ待ツラムゾ」
古今集、十四、戀、四「厭カデコソ、思ハム中ハ、離レナメ、そヲダニ後ノ、忘レガタミニ」
土佐日記、正月廿九日「そガ云ヒケラク」
拾遺集、十四、戀、四「イサヤ又、戀テフ事モ、知ラナクニ、こヤそナルラム、()コソ()ラレネ」
宇津保物語、俊蔭 六十二 「そモ親ニ從ヒシナリ」
源、四十五、東屋 四十七 「そハ知ラズカシ」
同、十五、蓬生「そコソハ世ノ常ノ事トテ」
「そ奴」
其・夫

検索用附箋:代名詞指示詞

附箋:代名詞 指示詞

最終更新:2024年07月14日 23:44