こら(子等・児等)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ( 「ら」は接尾語 )
① 古く、人の子を親しみを込めていう語。
万葉集(8C後)五・八九九「術(すべ)も無く苦しくあれば出で走り去(い)ななと思へど許良(コラ)に障(さや)りぬ」 子等・児等
② 古く、人を親しみを込めていう語。 古事記(712)中・歌謡「みつみつし 久米(くめ)の古良(コラ)が 頭推(くぶつつ)い 石推(いしつつ)いもち 今(いま)撃(う)たば良(よ)らし」
③ 特に、男性から女性に親しみを込めていう語。 万葉集(8C後)三・二八四「焼津辺(やきづへ)にわが行きしかば駿河なる阿倍の市道(いちぢ)に逢ひし児等(こら)はも」
④ ( 「ら」は複数をあらわす ) 子どもたち。 〔改正増補和英語林集成(1886)〕
嫂の死(1916)〈里見弴〉「遺された子等(コラ)に対する愛」
[補注]④の意以外の用例は、「万葉集」を中心に上代の韻文にほぼ集中している(東国語ではコロやコナの形で見られる)。
広辞苑 名詞 (ラは接尾語)①人を親しんで呼ぶ語。ころ 古事記中「みつみつし久米の―が」 子等・児等
②特に、男から女を親しんでいう語。 万葉集3「駿河なる阿倍の 市道 (いちじ)に会ひし―はも」
③子供たち。
大言海 名詞 〔ころトモ云フ、らモ、ろモ、添ヘタル辭、ノ條ヲ見ヨ〕
男ヲモ、女ヲモ、互ニ、親シミテ呼ブ語。又、ころ
神武紀 十四 長歌「ミヅミヅシ、久米ノ 固邏 (コラ)ガ」(道臣命ノ、久米部ノ兵ヲ呼ビカケシナリ)
允恭紀、八年二月、大御長歌「我ガ()ヅル古羅」(衣通郞姬)
推古紀、廿年正月、大御長歌「(ウベ)シカモ、蘇我ノ古羅ヲ、大君ノ、 使 (ツカ)ハスラシキ」(蘇我氏ノ族)
萬葉集、三 廿一 燒津邊 (ヤキツベ)ニ、吾ガ行キシカバ、駿河ナル、安部ノ 市路 (イチヂ)ニ、逢ヒシ兒等ハモ」(女)
同、七「兒等ガ手ヲ、 纏向 (マキムク)山ハ」(女)
同、十四 廿八 「烏トフ、 大虛言鳥 (オホヲ?ソドリ)ノ、 眞實 (マサデ)ニモ、()マサヌ君ヲ、許呂久トゾ鳴ク」(鳴聲ニ、 子呂來 (コロク)トカケタリ、女ヨリ、男ヲサス、 夫子 (セコ)(ツマ)ノ子)
同卷 廿九 ()(シヌ)ブラム、家ノ兒呂ハモ」(女)
同、廿 四十二 小竹 (ササ)ガ葉ノ、 鳴動 (サヤ)グ霜夜ニ、 七重着 (ナナヘカ)ル、衣ニマセル、古侶ガ肌ハモ」(女)
子等・兒等

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最終更新:2024年08月10日 17:46