さぬ

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 自動詞 ( 「さ」は接頭語 )
① 寝る。
万葉集(8C後)一五・三六二六「鶴(たづ)が鳴き葦辺をさして飛び渡るあなたづたづし独り佐奴礼(サヌレ)ば」 さ寝
② 特に、男女が共寝する。 古事記(712)下・歌謡「愛(うるは)しと 佐泥(サネ)し佐泥(サネ)てば 刈薦(かりこも)の 乱れば乱れ 佐泥(サネ)し佐泥(サネ)てば」
広辞苑 自動詞 (サは接頭語)寝る。共寝する。いぬ 古事記中「―・ねむとは(あれ)は思へど」 さ寝
大言海 自動詞 〔さハ、()すノ語根、(サシ)()ノ義( 差竝 (サシナラ)ぶ、さならぶ)(カヒナ) 差交 (サシカハ)シ寐ル意、古事記、上 四十 「白キ、(タダムキ)、云云、眞玉手、玉手 佐斯纏 (サシマ)キ」トアル、同義ナリト云フ〕
(一)男、女、(トモ)()ス。
古事記、中(景行) 五十二 倭建命、美夜受比賣、長歌「 手弱肱 (タワヤガヒナ)ヲ、()カムトハ、我レハスレド、佐泥ムトハ、我レハ思ヘド」記傳「 眞寐 (サネ)ニテ、多ク、 男女 (メヲ)()テ寐ルヲ云ヘリ」
同、下(允恭) 廿 長歌「 愛人 (ウルハシ)ト、佐泥シ佐泥テバ」
萬葉集、二 十九 長歌「 佐宿流 (サヌル)夜ハ、幾ラモアラズ」
同、三 六十 長歌「吾妹子ト、 左宿 (サネ)シ妻屋ニ」
同、十一 十五 左不宿 (サネヌ)夜ハ、千夜モアリトモ、我ガ 夫子 (セコ)ガ、思ヒ悔ユベキ、心ハ持タジ」
(二) () ()。(同寢シ得ヌ意ヨリ云ヒテ、獨寢ノ意トナル) 萬葉集、十五 十二 「田鶴ガ鳴キ、葦邊ヲサシテ、飛ビワタル(序、たづニカケタリ)、アナタヅタヅシ、獨リ佐奴禮バ」(妻ヲ失ヒシ詠ナリ)
同卷 三十二 「思ハズモ、マコト在リ得ムヤ、佐奴流夜ノ、夢ニモ妹ガ、見エザラナクニ」(見エザルヲ)
後世ハ全ク、獨寢ノ意ニ用ヰラル。續古今集、十、覉旅「安倍島ノ、山ノ岩ガ根、片敷キテ、さぬる今宵ノ、月ノサヤケサ」
玉葉集、八、旅「イザ 此處 (ココ)ニ、今宵ハさねム、旅衣、山オロシ吹キテ、袖ハ冴ユトモ」
動詞活用表
未然形 さね ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし
連用形 さね たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 さぬ べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 さぬる も、かも、こと、とき
已然形 さぬれ ども
命令形 さねよ

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附箋:下二段 自動詞

最終更新:2024年09月14日 17:33