い(五十)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 (名詞に接頭語的に付く) 五十。いそ。必ずしも数の五十を表わさず、多数を意味するのにも用いられる。 ※後撰(951‐953頃)雑四・一二五六「いせ渡る河は袖より流るれどとふにとはれぬ身はうきぬめり〈伊勢〉」 五十
[語誌](1)「い」を「いそ」の転とするのは、用例の年代から見て誤り。五十を意味する最も古い言い方は「い」だが、平安・鎌倉時代に例の多い「いか(五十日)」のほかは挙例の「いせ(五十瀬)」が平安和歌に見えるのみである(「源氏‐賢木」の「すずか河八十瀬(やそせ)の波に濡れ濡れずいせまで誰か思ひおこせむ」は地名の伊勢と「五十瀬」を掛けたものか)。
(2)奈良時代には数詞としての用例はないが、「万葉集」には「五十日太(いかだ)」(五〇)「五十母不宿二(いも寝ずに)」(一七八七)「五十寸手(生きて)」(二九〇四)「五十戸常(言へど)」(六七四)のように「五十」を借訓仮名のイとして用いた例が多数あり、この時代にも「い‐」と言ったと思われる。
(3)「いそ(ぢ)」は、「みそ(ぢ)」「よそ(ぢ)」などからの類推で新たに作られた形。なお、五の意の「いつ‐つ」や五百の意の「いほ‐」との関係は未詳。
広辞苑 ごじゅう。いそ 皇極紀「―の 兵士 (いくさびと) 五十
大言海 数詞 前條ヲ見ヨ、 五十 (イソ)ノ略ナルベシ〕
五十 (イソ) 五十 (ゴジフ)。他ノ語ニ冠シテ用ヰラルルノミ。
垂仁紀、廿五年三月「 五十 ()(スズ)川」( 五十 () 瀨瀨 (セゼ)
萬葉集、九 三十 長歌「冬ノ夜ノ、明カシモ得ヌヲ、 五十 ()モ寐ズニ、我レハゾ戀フル、妹ガタダカニ」(()も寐ずナリ)
同、十三長歌「 五十 ()(ツキ)ガ枝ニ」「 五十 ()()(イハヒ)
五十

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附箋:名詞 数詞

最終更新:2024年07月28日 13:59