辞書 | 品詞 | 解説 | 例文 | 漢字 |
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日本国語大辞典 | 名詞 | ① 空間的、平面的に、ある範囲や区画、限界などから出ている部分、また、中心や手前から遠いほうをいう語。すなわち内側でないほうをいう。⇔うち。 |
〔名語記(1275)〕 謡曲・卒都婆小町(1384頃)「極楽の内ならばこそ悪しからめ、外はなにかは苦しかるべき」 |
外 |
② 囲みおおわれているものの外部。 (イ) おもてに現われた部分。外面。表面。 |
玉塵抄(1563)二三「馬のつら、そとのきつさうのよい馬に似たはいらぬぞ」 | |||
(ロ) 御簾(みす)、局などの外部。 | 枕草子(10C終)三六「そとのかたに髪のうちたたなはりてゆるらかなる程、ながさおしはかられたるに」 | |||
(ハ) 家、屋敷などの外部。門、垣などの外部。戸外。門外。 | 出観集(1170‐75頃)夏「山人は花を踏みてや通ふらんうつきかきをのそとの細道」 | |||
③ 自分の家でない別の所。また、家庭や会社機関などの外部。よそ。 | 浮世草子・傾城禁短気(1711)一「外(そと)に置かれて当座の花と眺めらるる分は、金が敵の世の中それは是非なし」 | |||
④ 家人や仲間以外の人。また、自分以外の人。他人。よその人。 | 浮世草子・本朝桜陰比事(1689)二「外の見てさへ此女を悪めば」 | |||
⑤ 仏教以外の教え。儒教。 | ||||
⑥ 考えに入れないこと。問題にしないこと。 | 女工哀史(1925)〈細井和喜蔵〉一四「資本家も労働者も今は利害をそとにして只管国家の為めに働かねばならぬ秋である」 | |||
⑦ 向こう側。かげ。 | 狂言記・盆山(1700)「あのちひさい盆山のそとへ隠れたとあって、見えまい事は」 | |||
[語誌]( 1 )語源は、「そ(背)つ(の)おも(面)」(背面・北側・裏側)から転じた「そとも」(同)が「せど(背戸)」への類推もあって「も」を略したという説が妥当か。また、外部の意味で先行する「と(外)」に類似した二音節語が求められ、さらに「そと(背外)」という解釈が「そとも」からの変化を助けた可能性も考えられる。 ( 2 )現代語で「そと」は「うち」と対義関係をもつが「うち」の対義語としては「と(外)」が古い。 ( 3 )②(ロ)に挙げた「枕草子‐三六」は能因本では「そばのかた」とあり、確例としにくいことが指摘されている。 |
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広辞苑 | 名詞 | ①(平安時代までは普通「と」といった)一定の空間的範囲があるとき、その内側でない部分。外方。区域外。 |
出観集「うつぎ垣をの―の細道」。 「線の―にはみだす」 |
外 |
②屋外または屋敷の外部。戸外。 | 「―で遊ぶ」「―回り」「福は内、鬼は―」 | |||
③自分の属する側または身近なものを「内」というのに対して、その反対のもの。ほか。 | 「秘密が―に漏れる」 | |||
④表に現れた部分。表面。外面。 | 「思いを内に秘めて―に表さない」 | |||
⑤〔哲〕意識の外部にある世界。外界。客観的世界。客体性。超越的世界。↔うち | ||||
大言海 | 名詞 |
〔 (一){ |
枕草子、六、五十段「衣ノ裾、裳ナド、 袖中抄、十九、そとも「下種ノ家ニハ、 出觀集、夏「山人ハ、花ヲ踏ミテヤ、通フラン、ウツギ垣根ノ、そとノ細道」 拾玉集(慈鎭)三「蝙蝠ハ、夜モ戶タテヌ、古寺ニ、 「福ハうち、鬼ハそと」 |
外 |
(二) |
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(三)屋ノ |
「そとデ働ク」 | |||
(四)ソトガハ。 |
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