ば(場)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ところいどころ。場所。にわ。席。 〔名語記(1275)〕
※狂言記・羯鼓炮碌(1660)「繁昌の市は、箕の手形に立つと申すが、〈略〉扨も扨もよいばで御ざる」
② あることの行なわれる場所。集会を催す場所。会場。また、集会の席や、その雰囲気。 ※足利本論語抄(16C)子路第一三「戦の場(バ)で教ゆるぞ」
③ その時その時での情況・場合。はめおりとき ※浮世草子・傾城色三味線(1701)京「一所に死なねばならぬ場(バ)也」
④ 劇や映画などの場面。舞台では、場景の変化がなく、その場面だけでひとくぎりがつく部分をいう。 ※歌舞伎・東海道四谷怪談(1825)序幕「浅草観世音額堂の場」
⑤ 関西地方でいう劇場の観客席の一つ。江戸の土間に相当する。 〔浪花聞書(1819頃)〕
⑥ 境地。域。 ※随筆・槐記‐享保一二年(1727)閏正月二八日「狩野主馬〈尚信〉〈略〉筆意を得たる事、画に於ては、中々尊円、尊澄などの場にてはなし」
⑦ 花札やトランプなどで、手持ちの札以外の札を積んだりならべたりして、互いに札を取ったり捨てたりしてゲームを進めて行くところ。また、マージャンで東南西北の局面。 ※落語・三で賽(1896)〈三代目柳家小さん〉「一人が寺箱を担ぎ出す。一人が場(バ)の銭(ぜに)を奪(さら)って逃げる」
⑧ 取引所内の売買取引をする場所。立会場。 ※朝野新聞‐明治二六年(1893)七月八日「鐘紡も一円四十銭の上放れを示し場中沸くが如く」
⑨ 心理学で、行動または反応の仕方を規定する環境・条件。
⑩ ある物理量が空間の各点に応じた値をもつとき、その空間の領域をいう。物理量の種類によって、電場、磁場、万有引力場、重力場、応力場、核力場などがある。力の場。 〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕
広辞苑 名詞 (「には(庭)」の転)
①物事の行われる広いところ。場所。
伊勢物語「右近の馬―」。
太平記7「見物・相撲の―の如く打ち囲んで」。日葡辞書「バヲトル、即ち、トコロヲフサグ」
②物事の行われる時機・局面。ばあい 「―をわきまえる」「―(かず)」「―馴れ」
③特に、戦場をいう。仕場 (しば) 江源武鑑17「一日のうち両度―を踏まへたると進藤自讃申したるは、此の合戦なり」
④演劇で、ある幕のうち、舞台装置の変換が行われず、同じ場面で終始し一区切りとなる部分。
⑤取引所内の売買取引を行う場所、すなわち取引所立会場。 「―が立つ」
⑥〔理〕(field)空間の各点ごとにある物理量Aが与えられている時、Aの場が存在するといい、Aを場の量という。力の場、速度の場、電磁場、重力場の類。
⑦〔心〕心的過程や社会現象の生起する状況を全体構造としてとらえ、動的な過程としてそれを記述または説明するための用語。 「視覚の―」
大言海 名詞 (ニハ)ノ音便略ト云フ。 大庭 (オホニハ) 大庭 (オホムバ)(倭名抄、美作大庭郡、於保牟波)トナリ、又、場トナリタルナリ〕
トコロヰドコロ 場所 (バショ)(セキ)
狂言記、羯鼓炮碌「繁昌ノ市ハ、箕ノ手形ニ立ツト申スガ、アレカラ是レヘ、コレカラアレヘ、扠モ扠モ、ヨイ デ御ザル」
推古紀、十八年十月「共引以自南門入之、立 庭中 (オホバニ)

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最終更新:2023年08月03日 19:09