とが（咎・科）

辞書	品詞	解説	例文	漢字
日本国語大辞典	名詞	① 人から、とがめられるべきこと。責められるような行為。あやまち。過失。失策。	日本霊異記（810‐824）下「彼の徳を讚す応(べ)し。其の欠(トガ)を謗ら不(ざ)れ。〈真福寺本訓釈 欠 止加〉」 政談（1727頃）三「咎は無れども亦功もなし」	咎・科
		② 非難されるような欠点。人柄として、足りない点。短所。きず。	万葉集（８Ｃ後）一四・三三九一「筑波嶺に背向(そがひ)に見ゆる葦穂山悪しかる登我(トガ)もさね見えなくに」 源氏物語（1001‐14頃）帚木「いと口惜しく、たのもしげなきとがや、猶、苦しからむ」
		③ 法的・道徳的にとがめられるべき行為。罪科。罪。	延喜式（927）祝詞（九条家本訓）「咎(トカ)過(あやまち)在らむをば見直し聞直し」 浄瑠璃・平家女護島（1719）四「瀬尾を討ったる咎(トガ)に任せ」
		④ 罪によって科せられる罰。刑罰。	金刀比羅本保元（1220頃か）下「罪を謝し科(トカ)を宥(なだめ)らるる」
広辞苑	名詞	①とがめなければならない行為。あやまち。	源氏物語夕顔「はぐくまむに、―あるまじきを」。 「何の―もないのに責められる」	咎・科
		②非難されるような欠点。短所。	万葉集14「悪しかる―もさね見えなくに」
		③とがめ。非難。	源氏物語梅枝「好き好きしき―を負ひて、世にはしたなめらりき」
		④罪となる行為。罪。	祝詞、大殿祭「― 過 (あやまち)あらむをば、見直し聞き直しまして」。 「盗みの―で捕まる」
		⑤罪によって科せられる罰。処罰。	保元物語（金刀比羅本）「罪を謝し―を 宥 (なだ)めらるる、王道の恵、無辺の情なり」
大言海	名詞	〔法令ニ 違 (タガヒ)ノ意〕 （一）罪トナルベキ行爲。ツミ。 罪科 (ザイクワ)。アヤマチ。	源、十二、須磨 八 「オホヤケノカシコマリナル人ノ、ウツシザマニテ、世ノ中ニアリフルハ、とが重キワザナルニ、人ノ國ニシ侍ルナルヲ」	咎・科
		（二）瑕 (キズ)。 難 (ナン)。缺點。	山家集、上「花見ニト、群レツツ人ノ、來ルノミゾ、アタラ櫻ノ、とがニハアリケル」 枕草子、二、十七段「タガフモノヲバ讒シ、云云、コレガとがヲ心ニマカセテ、イフ人モナケレバ」

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